富山・新川エリアで「海の幸」を味わう旅 ─カニ・カキ・タラ・ホタルイカ
富山県の新川エリアは、「天然の生け簀」とも呼ばれる富山湾に面し海の幸が充実している地域です。特に冬は紅ズワイガニ・カキ・タラなどの海の幸が目白押し。春は神秘的なホタルイカが楽しめます。この時期をめがけて訪れたい新川エリアの旅をご紹介します。
富山県東部の新川(にいかわ)エリアは、秋から春にかけて、特に冬の時期は紅ズワイガニ・カキ・タラなど絶品の海の幸が目白押し。そして、春は神秘的なホタルイカが目で舌で楽しめます。美味しい日本海の幸が一堂に味わえる冬の北陸、富山県東部の新川エリアを旅してみませんか! グルメとともに美しい景色、体験なども充実していて楽しめますよ。
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目次
- 1. 魚津・黒部 ― 富山湾の女王「紅ズワイガニ」の宝庫
- 2. 入善 ― 牡蠣の聖地”入善で新鮮な牡蠣を味わう
- 3. 朝日 ― ヒスイ海岸名物の郷土料理「タラ汁」を味わう
- 4. 滑川―ホタルイカを目と舌で楽しむ
- まとめ
1. 魚津・黒部 ― 富山湾の女王「紅ズワイガニ」の宝庫

富山県でカニといえば「紅ズワイガニ」です。「紅ズワイガニ」はズワイガニよりもひと足早い9月1日に漁が解禁され、翌年5月頃まで味わうことができます。茹でる前から甲羅と足が赤く、富山産の紅ズワイガニのうち、重さや甲羅の大きさなどが一定の規格を満たしたものを「高志の紅(こしのあか)ガニ」と呼び、タグをつけてブランド化しています。

県内1位の水揚げ量を誇るのが、かに籠漁の発祥地でもある魚津市です。富山県内では黒部市や射水市も名産地として知られています。1,200m以上の水深がある富山湾は、日本を代表する深い湾で「天然のいけす」と呼ばれています。富山湾は漁港から漁場までの距離が近いために鮮度がよく、肉厚な身の甘さと甲羅の中にあるカニミソの濃厚さで人気を集めています。
水揚げ量で日本随一の魚津や黒部では、鮮度抜群のカニが味わえる飲食店・旅館が充実しています。黒部市の宇奈月温泉の旅館では、カニ刺しやカニ鍋、茹でガニなどのフルコース料理を温泉とともに楽しむのもおすすめ。“富山湾の女王”とも呼ばれる「紅ズワイガニ」の旬をめがけて訪れたいスポットです。
海の駅 蜃気楼

気軽に「紅ズワイガニ」を楽しむなら、魚津の「海の駅 蜃気楼」がおすすめ。館内のレストラン「海鮮食堂 喜見城 (きけんじょう)」は、魚津漁港で水揚げされた魚介を使った料理が自慢。人気メニューの「かに丼」には、塩茹でした紅ズワイガニの爪や棒身、カニ味噌がのり、紅ズワイガニの美味しさを存分に堪能できます。

館内には鮮魚店もあり、獲れたての魚介を販売できます。また、カニ漁の解禁期間中は不定期でお得な値段で紅ズワイガニの「蒸しガニ」が丸ごと提供されるイベント「魚津蟹騒動」も開催されます。毎週末には名物の「浜焼き」が開催され、毎月第4日曜に開催される「魚津の朝市」では、魚介類の販売や朝市定食が大人気。カニのシーズンは特に賑わい、 見て・食べて・買って、カニ三昧な旅が楽しめます。

海の駅 蜃気楼
富山県魚津市村木定坊割2500-2
TEL 0765-24-4301(魚津シーサイドプラザ)
[営]9:00-18:00 ※冬期は閉店時間の変更あり
[休]第2水曜(5月・8月・12月は無休、浜焼きは12月~2月休業)
http://www.shinkirou.jp/facilities_03.cgi
魚津の朝市
毎月第4日曜に「道の駅 蜃気楼」のイベントスペースで開催
TEL 0765-22-1200(魚津の朝市実行委員会)
https://uozu-kanko.jp/library/uozu-asaichi/
魚の駅 生地

黒部漁港に隣接する「魚の駅 生地」は、くろべ漁協直営の施設。「できたて館」にあるレストラン「航海灯(こうかいとう)」では、鮮度抜群の魚介を使った刺身や海鮮丼などが味わえます。秋から春にかけては「紅ズワイガニ」のほぐし身をたっぷりとのせた「かに丼」が味わえます。種類豊富な丼メニューには、紅ズワイガニの味噌汁がセットになります。甲羅の幅が広く、たくさんの身が詰まった紅ズワイガニには、一級品を示す生地ならではの独自のタグが付けられています。


魚の駅 生地
富山県黒部市生地中区265
TEL 765-57-0192(魚の駅「生地」とれたて館)
[営]とれたて館9:00-16:00
できたて館 航海灯 11:00-15:00、番家(完全予約制)17:00-22:00
[休]水曜・1月1日
[料]入場無料
魚の駅「生地」の朝市
4月~11月の毎月第1日曜に「魚の駅 生地」で開催
ほかにも!紅ズワイガニが味わえるお店

2. 入善 ― 牡蠣の聖地”入善で新鮮な牡蠣を味わう

入善町は、富山湾の栄養豊富な海洋深層水を活用したカキの蓄養・浄化が盛んな地域です。北は北海道、三陸、南は広島や九州など、全国の産地からその時々の旬のカキが集まります。水深400m以深から汲み上げている入善町の海洋深層水は、清浄性(キレイ)、低温安定性(いつも冷たい)、富栄養性(ミネラルが豊富)という特性があり、海洋深層水でカキの蓄養・浄化が行われています。

入善町の牡蠣浄化施設は、日本有数の殻つき牡蠣の出荷拠点。全国の旬の牡蠣が年間500万個以上も集まり、海洋深層水の中に48時間入れて牡蠣の体内を浄化している。
牡蠣料理専門レストラン「入善牡蠣ノ星」

美味しい牡蠣が集まる入善町にでは、旬のカキを食べられる飲食店が数多く並びます。なかでも「入善海洋深層水パーク」内にある飲食店「入善牡蠣ノ星(にゅうぜんかきのほし)」では、海洋深層水で浄化した新鮮な牡蠣を生・蒸し・焼きなどで味わえるほか、隣接する入善海洋深層水パークの見学と組み合わせたガイド付きの体験プランも楽しめます。

「入善牡蠣ノ星」では全テーブルに網を設け、セルフ調理するスタイル。店内には海洋深層水かけ流しの水槽があり、オーダー後に水槽から取り出すため、新鮮な牡蠣が提供される。


目の前の網で焼いて熱々、プリプリの焼き牡蠣を!

カキフライと炊き込みご飯も付いたセットメニューで大満足。
入善牡蠣ノ星
富山県下新川郡入善町下飯野 251-1 海洋深層水パーク内
TEL 0765-76-0065
[営]平日11:00~17:00(16:00LO)、土曜・日曜・祝日10:00~20:00(19:00LO)
[休]年中無休(年末年始除く)
https://www.kakinohoshi.com/nyuzen/restaurant.php

入善海洋深層水パーク
富山県下新川郡入善町下飯野251-1
TEL 0765-76-9100
[開]9:00~17:00
[休]月曜(祭日の場合は翌日)年末年始(12月29日~1月3日)
[料]入館無料
https://www.nyuzen-kanko.jp/asobu_manabu/585
ガイド付き体験プラン
入善海洋深層水パークと入善牡蠣ノ星でのお食事がセットになった、海の恵みがぎゅっとつまった旬の牡蠣を楽しむガイド付きプラン。
3. 朝日 ― ヒスイ海岸名物の郷土料理「タラ汁」を味わう

富山県朝日町のヒスイ海岸沿いでは、スケトウダラを使った郷土料理「タラ汁」が古くから親しまれてきました。ぶつ切りにしたスケトウダラを、ゴボウとネギ、味噌だけで煮込む極めてシンプルな汁物ですが、キモや骨の髄から溶け出すコクは深く、身体に染み渡る味わいがあります。冬のイメージがあるタラ料理ですが、この地域では夏に食べられていました。半農半漁の暮らしをしていた漁師が昼食に浜辺で大鍋を囲み、家族や手伝いの人々とタラ汁を食べていたそうです。やがて海水浴客向けに提供され人気となり、今では国道8号沿いに食堂や民宿が並ぶ「タラ汁街道」として知られています。現在は通年で味わうことができ、店ごとに異なる味噌の配合や煮込み具合も楽しみの一つです。
ドライブイン 金森

国道8号線を走っていると、タラ汁の看板を掲げた「ドライブイン 金森」が現れます。創業50年の歴史があり、駐車場、店内ともに広く、テーブルと座敷を合わせて80席あります。自慢の「タラ汁」は、あっさり、さっぱりめの味付けで、丼いっぱい食べても飽きがきません。定食や一品料理も豊富に揃え、地元客にも観光客にも親しまれている店です。熱々のタラ汁とごはん、副菜がついた「タラ汁御飯」は1,000円。

ドライブイン 金森
富山県下新川郡朝日町境746-1
TEL 0765-83-1525
[営]9:30-18:30(18:00LO)
[休]月曜
https://www.asahi-tabi.com/asahimachi/243
ドライブイン きんかい

名物のタラ汁や漁師直送の海鮮、旬のお料理が楽しめるお店です。1階は、地元や長距離ドライバーに人気のドライブイン、2階はのんびりくつろげる宿になっています。人気の「たら汁定食」は1,500円で楽しめます。大型駐車場を備えたドライブインですが、越中宮崎駅やヒスイ海岸からも近いので、鉄道で移動する旅行者にも観光にも便利な立地です。

ドライブイン きんかい
富山県下新川郡朝日町境25-1
TEL 0765-83-1870
[営]平日10:00-21:00(20:30LO)
土・日曜、祝日10:00-14:00、17:30-21:00(20:30LO)
[休]木曜
https://www.asahi-tabi.com/asahimachi/352
ほかにも!タラ汁が味わえるお店

4. 滑川―ホタルイカを目と舌で楽しむ

富山湾の春の味覚といえば、3月1日に漁が解禁されるホタルイカです。富山湾は世界有数のホタルイカの漁場として知られ、ホタルイカはブリやカニと並んで富山を代表する海産物の一つです。ホタルイカは神秘的な青白い光を放つ特徴の小さなイカで、その生態はまだわからないことも多くベールに包まれています。

ホタルイカ漁が盛んな滑川(なめりかわ)では、飲食店がさまざまな食べ方でホタルイカ料理を提供しているほか、ミステリアスな生態に迫る生きたホタルイカを海上から鑑賞できる海上観光ツアーも体験できます。
ほたるいか海上観光

「ほたるいか海上観光」のツアーは、4月1日から5月上旬までの期間限定です。滑川漁港を夜明け前に出港し、富山県ならではの定置網によるホタルイカ漁を観光船から見学します。幻想的にきらめくホタルイカの神秘の光や漁師たちの漁の様子等、普段見ることができない貴重な体験ができます。
ほたるいか海上観光
[期間]4月1日(火)~ 5月6日(振替休日)
[集合]ほたるいかミュージアム売店
深夜2:00〜2:15集合(深夜2:30乗船)
[料]大人8,000円、小・中学生4,000円(未就学児は乗船不可)
[予約]指定の旅館・ホテル、またはWEBフォームから要予約
https://hotaruikamuseum.com/tour/guide
ほたるいかミュージアム

「ほたるいかミュージアム」は、ホタルイカの生態や棲息する富山湾の神秘について、映像やLED発光で解説、パネルやCGで楽しみながら学べる施設です。ホタルイカの海上観光ができるのは季節限定で、しかもお天気が悪いと船は欠航になりますが、ここなら年間を通じていつでもホタルイカの発光ショーも楽しむことができます(3月20日~5月31日のホタルイカのシーズン以外は、発光性プランクトンの発光ショーを実施)。

ほたるいかミュージアム
富山県滑川市中川原410
TEL 076-476-9300(ウェーブ滑川)
[営]9:00-17:00(入館は16:30まで)
[休]6月1日~3月19日の火曜(祝日の場合は翌日)、年末年始、1月最終月曜から3日間
[料]3月20日-5月31日 大人820円、小人410円
6月1日-翌年3月19日 大人620円、小人310円
https://hotaruikamuseum.com/museum
パノラマレストラン 光彩

「ほたるいかミュージアム」2階にある「パノラマレストラン 光彩」では、すぐ近くの滑川漁港で水揚げされた新鮮なホタルイカが味わえます。鮮度や食感、風味を維持する冷凍技術「プロトン凍結」を駆使し、通年でホタルイカ料理を提供しています。ガラス張りの店内からは、富山湾の絶景や定置網を見ることができます。

パノラマレストラン 光彩
富山県滑川市中川原410 ほたるいかミュージアム2階
TEL 076-476-1370
[営]11:00-18:00(17:30LO)※変更する場合があります
[休]6月1日-3月19日の毎週火曜(火曜日が祝日の場合は翌日)、年末年始、1月の最終月曜日から3日間
ほかにも!ホタルイカが味わえるお店

まとめ
いかがでしたか? 冬から春にかけて旬を迎えるカニ・カキ・タラ・ホタルイカを楽しみに、旅の計画をたててみませんか。寒い季節だからこその絶品グルメに、美しい雪景色、温泉なども組み合わせて楽しんでください。
北陸エリア全体を盛り上げる取り組みを行なっています