福島県伊達市を旅しよう!自然、歴史、おいしい水産グルメを紹介
福島県伊達市は「旧亀岡住宅」「霊山神社」などの歴史スポットで知られています。本記事では伊達市を訪れた際に立ち寄れるオススメの名所のほかに、この街で製造される味わい豊かな水産加工品を紹介します。
福島の隠れた魅力を発見しよう
福島県は日本の都道府県の中で三番目の広さを持ち、山々や海の絶景に彩られた自然の名所がたくさんあります。また、この地域はフルーツ、野菜、畜産物、海産物の生産地として有名で、これらを使った料理も楽しむことができます。
中でも今回は、山々に囲まれた伊達市に焦点を当てます。伊達市には、文化的・歴史的な名所が多くあるほか、内陸にありながら高品質な海産物の加工・販売を手掛ける「中外フーズ」の本社があります。中外フーズの製品は、日本国内で広く愛されています。
保原歴史文化資料館で文化の融合に出会う
伊達市を訪れたら、まず訪れるべき場所は保原(ほばら)歴史文化資料館です。この博物館は、保原総合公園内にある歴史的建築「旧亀岡家住宅」に併設されています。
「旧亀岡家住宅」は、もともと別の街で1904年に建てられましたが、1995年、この地に移設され、特徴を保ったまま再建されました。元の邸宅を建てたのは、明治時代末期に活躍した有名な豪農の亀岡正元(かめおか まさもと)です。建物は彼の自宅でしたが、仕事や会議にも使われていました。
亀岡氏は西洋建築に魅了されており、建築技師・江川三郎八(えがわ さぶろうはち)と大工棟梁・小笠原國太郎(おがさわら くにたろう)と共に、外観は西洋的でありながら内部は上品な和風の家を創り上げました。
その結果、畳の部屋にもガラス窓が付けられるといった、西洋建築と和風建築のすばらしい融合が生まれました。館内には、豪華な階段や屋根の構造などに、西洋建築の要素を見つけることができます。
歴史的建築のほかにも、歴史文化資料館では伊達市の歴史資料や今から1500万年から1600万年前に生息していた古代の大型のほ乳類「パレオパラドキシア」のレプリカ、そのほかの特別展示などを見ることができます。また、繭や粘土でかわいらしい作品を作るワークショップを開催することもあります。
伊達市のシンボル「霊山」と霊山神社
霊山は美しい緑に囲まれた登山道と城跡、そして霊山神社などの見どころがある、東北地方の名山です。
霊山神社は1881年に創建され、その他にも14世紀の南朝(※)の重要な貴族・支持者だった北畠顕家(きたばたけ あきいえ)を祀っています。大きな鳥居の先にある丘の下に彼の像があります。
南朝……1336年から1392年まで奈良県に設けられた政権。京都を中心とする政権「北朝」と対立した。
拝殿の奥にある静かな境内には、森を望む小さな鳥居があります。
訪れるのに最適なのは春や秋です。秋には、有名な京都の嵐山から持ち込まれた木々の美しいオレンジや赤を見ることができます。一方、春には、4月の神社の主要な祭りで行われる舞「濫觴武楽(らんじょうぶがく)」を見ることができます。
山自体や頂上からの景色を体験したい場合は、キャンプ場「りょうぜんこどもの村」近くの登山道を利用することができます。
登山口は「霊山登山口」と呼ばれ、頂上まで約1時間半かかります。頂上からは、岩や周囲の山々の絶景を見ることができます。新鮮な空気を吸い込み、近くの城跡を散策しながらこの地域の歴史を想う静かな時間が過ごせます。
「道の駅ふくしま」で地元のおみやげを見つけよう
福島の名産品を購入できる場所のひとつが、2022年4月にオープンした「道の駅ふくしま」です。
「道の駅ふくしま」では、地元で育てられた風味豊かなフルーツを使用したジャムや、お菓子、お弁当、そして水産加工品の人気の商品を購入することができます。
奥の冷凍食品コーナーには、いかおくらやたこおくら、明太子などを使った加工品などバラエティ豊かな商品が並んでいます。「さば味噌煮」などの伝統的な料理もあります。
これらの食品の多くはそのままで食べてもおいしいですが、さまざまな食べ方を試すこともできます。例えば、ドレッシングの代わりにサラダのトッピングとして使ったり、フリッターにして中と皮部分の食感の違いを楽しんだり、クリームチーズ・ワインと合わせて海産物のうま味を最大限に引き出すこともできます。
他の棚には、福島県の特産品である地酒やビールもあり、福島の魅力を存分に味わうことができます。
「道の駅ふくしま」では、福島県名物の「円盤餃子」や、ウサギの形をしたかわいらしいアイスクリームを楽しむこともできます。また、近隣エリアを探索するためのレンタサイクルの貸し出しも行われています。
中外フーズの優れた水産加工品
「道の駅ふくしま」での地域産品として評判の「いかおくら」や「たこおくら」などは伊達市内の会社である「中外フーズ」で作られています。同社は、最初の工場を東京近くの埼玉県に設立しましたが、1997年に伊達市に移転しました。
製品の90%以上が冷凍流通であることと原料の大半が冷凍原料である為、水産加工工場でありながら海の近くに工場を建てる必要がありませんでした。それより高速道路等利便性の良い道路環境が必要とされました。さらに良い製品を作るために良質な水が必要であり、これが水産加工工場でありながら内地に立地する経緯となりました。
今回お話を伺った中外フーズ 営業部課長 安田さん
この会社は水産物を扱いながら全国の市場に供給するとともに家庭の食卓を飾る逸品を作っています。
中外フーズの代表取締役社長・中村亮介氏は消費者に食の安全、安心を守るために設備等を整備していると語っています。
伊達市梁川町(やながわまち)にある中外フーズの工場は、1999年に日本の厚生労働省から「HACCP認証」を受けた福島県内で最初の工場です。
HACCPは「Hazard Analysis and Critical Control Point」の略です。これは、最終製品の検査に重点を置くのではなく、食品の安全性の危害を予測し、危害が発生する可能性のある工程を特定し、その点を重点的に管理する方法。工程全体で危害の発生を防止し、食品の安全性や健全性を確保する科学的なシステムです。
たくさんの中外フーズの商品の中でも、特に人気のものをいくつかピックアップして紹介します。
上の写真にある「黄金にしん甘酢漬」は、ノルウェー産のニシンとノルウェー産のカラフトシシャモ卵を独自の製法で加工した製品です。飽きのこないさっぱりとした甘酢の味付けは、ニシンの旨味も引き出します。
「味付数の子」は、北海道・カナダ(太平洋側)・ヨーロッパで獲れたニシンの数の子を原料としています。「数の子」は、日本では子どもの健康・家族の幸福を象徴する縁起物とされており、新年のおせち料理に欠かせません。中外フーズの「味付数の子」は歯ごたえの良さが評判で、一年中気軽に楽しめ、日本酒にもよく合います。
「子持やりいか」は、高級やりいかとカラフトシシャモ卵を独自の味付けによって風味豊かに仕上げています。卵のプチプチとはじけるおいしさは格別です!
中外フーズの公式HPにある商品カタログの中では、たくさんの魅力的な商品が紹介されています。これらの水産加工品は、お祝いの場にふさわしい贅沢な一品でありながらも、スーパーマーケットや道の駅などで購入できます。
文化、歴史、そしておいしい水産グルメを誇る伊達市へ旅しよう
伊達市を探索する際にはレンタカーの利用をオススメします。レンタカーを使えば自由に移動でき、福島県のほかの観光名所にも簡単にアクセスできます。交通機関を利用する場合、東京から新幹線で福島駅まで行き、そこからJR東北本線の白石行きの電車に乗り換えて、9分ほどで伊達駅に着きます。新幹線を使う場合、東京駅から福島駅までの移動は約1時間半程度です。
今回紹介した観光スポットや食品は、福島県県北エリアの魅力のほんの一部に過ぎません。この地を訪れるときは、その魅力をゆっくり楽しめるよう、十分な時間を取りましょう。
Written by Cassandra Lord
Photos by Cassandra Lord
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