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スキーとスノーボードでJapowを楽しむ【魅力や旅行計画のヒントも解説】
近年、日本のスキー場で外国人観光客の姿が目立つようになっています。彼らを惹きつける大きな理由の1つに、日本特有のパウダースノー「japow」を実体験したいという憧れがあるようです。 ここでは、世界のスキー・スノーボードファンを虜にする「japow」の魅力や旅行計画のヒントをご紹介します。
「japow」とは何か?
「japow」とは日本のパウダースノーを指す造語で、一般的には「Japan Powder」の略や「Japan +Powder Snow」などと解釈されます。ここでいう「パウダースノー」とは非圧雪の新雪のことで、軽く柔らかい雪質が「japow」の特徴です。
「japow」は、世界中のスキーヤーやスノーボーダーから「一生に一度はjapowを滑らなくちゃ!」とまでいわれるほどの魅力を持ち、ウインタースポーツファンにとっては究極のスキー体験とされています。
japowが楽しめる場所について
「japow」を体験できる地域として知られているのが、北海道と長野県です。
北海道の日本海側では暖流の影響で冬でも温暖な空気が流れ、シベリアからの冷たい風と混ざり合い雨雲を形成します。この雲が山々にぶつかると、豊富な雪を降らせます。特にトマムやニセコ、富良野エリアは、この条件によって理想的なパウダースノーが積もる環境となっています。
一方の長野県は標高1,000m級の山々に囲まれており、北部では平地にも雪が降り積もります。
北部に位置する野沢温泉や白馬エリア、標高の高い志賀高原エリアなどは「japow」を楽しむのに最適な地域として、国内外から多くの人が訪れます。
冬になるとSNSハッシュタグ「#japow」が登場する
冬が訪れると、SNS上では北海道のスノーリゾートを訪れる外国人観光客の間で「#japow」というハッシュタグが盛んに使われるようになりました。
興味深いのが、ハッシュタグ「#japow」が単に日本におけるパウダースノーでの滑走の様子だけでなく、日本の文化や飲食、夏季の山岳リゾートの魅力にも言及している点です。
「japow」は単にパウダースノーでのスキー・スノーボード体験を意味するだけでなく、日本の冬季、ひいては四季を通しての山岳観光の魅力を象徴するキーワードとなっていることがわかります。
なぜ海外ウインタースポーツファンはjapowを目指すのか
「一度は滑ってみたい」という憧れの地として人気を誇る日本のスキー場ですが、海外のウインタースポーツファンが「japow」を目指して日本を訪れようとする理由は主に3つあります。
これからご紹介する内容を読めば、日本の冬やウインタースポーツ文化の深い魅力がわかるでしょう。
雪質の良さ
豊富な降雪量と安定した低温、標高の高さの組み合わせが、軽くて乾燥したパウダー状の雪質を生み出しています。アメリカの旅行雑誌が「Absolute Powder」と称して北海道を紹介したことがきっかけで、日本の雪質が国際的に注目されるようになりました。
一方、長野県のスキー場は、年間平均降雪量が8mから10mに達することもあります。特に白馬のような標高が高い場所にあるウインターリゾートでは、12mを超える豪雪に出合える可能性もありますよ。
人が住む豪雪地帯であること
日本は人が住んでいる地域としては世界有数の豪雪地帯ですが、標高が低く森林を含む広範な地域に大量の雪が降るため、森林の中でも滑れるほどの豊富な雪量を誇ります。
また、日本ではコンスタントに新鮮な雪が降り続けるため、常に新雪での滑走を楽しめるのも魅力です。このような気象・地理条件は世界的にも珍しいため、多くの海外スキー・スノーボードファンは、移動に多くのエネルギーを費やすことなく手軽に「japow」を楽しめます。
定住する海外ウインタースポーツファンからの口コミ効果
実際に、北海道や長野県に長期滞在する海外のウインタースポーツファンからの口コミ効果も大きく寄与し
ています。
特にニセコでは、オーストラリア人を中心に外国人長期滞在者が増えています。彼らが感激したパウダースノーの体験を口コミで広めたことがきっかけで、新しい別荘地や夏のアクティビティ誕生に至りました。似たような現象は、長野県でも見られています。
またYouTubeなどのSNSの発達により、北海道だけでなく長野県の魅力もハッシュタグ「japow」をきっかけに紹介され、口コミはさらに盛り上がりを見せているようです。
それに呼応してか、海外スキーメディアのクルーが来日し、北海道や長野県の魅力を世界に紹介することも増えています。
このような現象は行政の取り組みや大規模な投資ではなく、実際に長期滞在した人を中心とした純粋な感激と共有の力が生み出したものです。
初めての japow!スキー場でのおすすめの楽しみ方
「japow」は水分が少なく、固まりにくいサラサラした質感を持った雪質のため、滑走時の感覚が全く異なります。
「japow」をスキー場で楽しむには、以下の方法がおすすめです。
- ツリーランを楽しむ
- フリーライドを楽しむ
- スノーアクティビティを楽しむ
詳しく見てみましょう。
ツリーランを楽しむ
「ツリーラン」は、主にスキー場管轄エリアと、「入山届」または「登山届」を提出するなどで入山できる「自己責任エリア」の2ヵ所で体験できる、自然の地形を活かした非圧雪エリアや森林内、林間コースを滑走する楽しみ方です。
ツリーランエリアは、風や日光から守られた環境ゆえに雪がより深く集まり、しっかりと木々の間に留まるため、スキーヤーやスノーボーダーはパウダースノー体験が可能で、あるがままの木々、地形、岩などを巧みに避けながら滑走します。
フリーライドを楽しむ
「フリーライド」とは、自然な山の地形を最大限に活用し、非圧雪の新雪を巻き上げながら滑降を楽しむスタイルです。「フリーライド」の魅力は、ふわふわとしたパウダースノーの質感にあります。まるで雲の上に浮いているかのような浮遊感をもたらし、スピードも出やすく、滑り心地は非常に爽快です。新雪を巻き上げながら滑降するスタイルは、圧雪ゲレンデのコースでは味わえません。
スノーアクティビティを楽しむ
「japow」はスキーやスノーボードに留まらず、スノーアクティビティでも楽しめます。
たとえば、パウダースノーの上をスノーモービルで疾走すれば、圧雪ゲレンデとは異なるスリルと楽しさを味わえるでしょう。
また、スノーシューを履いて雪の上をサクサクと歩く体験も、「japow」の楽しみ方の1つです。
豊かな雪景色の中で大自然をより身近に感じられるため、日本の冬の楽しみ方がさらに広がる絶好の機会といえます。
japowを楽しむための旅行計画のヒント
ここでは、「japow」を楽しむための具体的な計画の立て方と、滞在を最大限に楽しむためのヒントをご紹介します。
japow狙いなら1~2月に旅行計画を立てよう
「japow」を最大限に楽しみたいのなら、1月から2月にかけて日本への旅行計画を立てましょう。
この時期は北極圏からの寒気が日本列島上空に到達するため、パウダースノーの条件が満たされる時期だといわれています。
しかし、年によって気象条件は全国的に異なるため、旅行を計画する前にはスキー場の天気予報の確認をおすすめします。
スキー場のエリア規制を確認する
特にツリーランやフリーライドを楽しむ際には、スキー場のエリア規制の確認も欠かせません。
特に林間コースや非圧雪コースなどのツリーランやフリーライドに適したコースは、上級者向けであることが多いです。
また、日本のスキー場には「自己責任エリア」や「立ち入り禁止エリア」などの規制が多く設けられています。たとえば、長野県の白馬エリアではスキー場の境界を示すマーキングとして、ポールの上部を「黄色と黒色」で表示し、閉鎖区域は「黄色」で統一しています。
規制と安全対策は各スキー場で異なるため、訪問前に必ず各スキー場公式サイトで最新の情報を得ると安心です。
スキー場および周辺の施設を確認する
以下のようなスキー場および周辺の施設を事前に確認すれば、自身の状況やメンバー構成に合わせた快適な旅行が実現できるでしょう。
【事前に確認しておきたいスキー場・周辺施設の例】
- レンタル用具の有無
- リフト券の料金や利用範囲
- 飲食店のメニュー
- 多言語対応の有無
- キッズパークの有無
- スキー・スノーボード以外で「japow」を楽しめるアクティビティの有無
- 日帰り温泉の有無
特に日本では、スノーアクティビティの後に温泉に入るのが一般的な楽しみ方です。スキー場付近で日帰り温泉が楽しめるかどうかを探すのも、日本での素敵な思い出となるでしょう。
スキー場までのアクセスを確認する
「japow」を体験できるのは、主に北海道と長野県です。「japow」目当てで来日を検討しているのであれば、交通手段も考慮したうえで、どちらへ行くかを選択しましょう。
海外から北海道へ行くには、基本的に東京や大阪といった国際空港を経由して国内線を利用します。(一部の国・地域には札幌空港への直行便あり)
一方、長野県へのアクセスは首都圏から新幹線やバスを利用するのが一般的ですが、羽田・成田空港からスキー場へ直行する高速バス便も運行しています。
冬の風物詩もチェックする
スキーやスノーボードなどで「japow」を楽しむだけでなく、併せて日本の冬の風物詩を体験するのもおすすめです。
【日本の冬の魅力】
- 温泉
- 冬の文化イベント
- 冬の日本料理
たとえば志賀高原には、温泉に入る「スノーモンキー」が有名な地獄谷野猿公苑があります。
また、野沢温泉や戸狩温泉、斑尾高原近くにある飯山市では、雪でつくった「かまくら」が体験できるなど、日本の文化を楽しめます。
特に冬の長野県で1日を終えた後に楽しむ鍋料理は、冷えた体を芯から温めてくれる最高のごちそうですよ。
混雑があることを覚えておく
あらかじめスキー場の混雑を予測して計画を立てれば、現地でもガッカリすることはないでしょう。
白馬やニセコなど、国内外の多くのスキーヤーやスノーボーダーで賑わう人気スキー場では、降雪が予想される日は大きな混雑が予想されます。
また、日本のスキー場でのリフトの長い列は、15分から30分程度の待ち時間である点を理解しておくと計画が立てやすいです。
暖かい服装を準備する
特に、南半球エリアや東南アジア方面など温暖な地域から「japow」エリアに向かう場合は、十分な防寒対策をして出かけましょう。
まず、暖かい冬用ジャケットは必須です。そして、以下の小物類も用意しておくと困りません。
- スノーシュー
- 防水性と保温性を兼ね備えた手袋
- 暖かい帽子
- スキーやスノーボード用のパンツ
一部のスキー場では小物類の販売も行っています。
japowを手軽に楽しむなら直行バス「スノーライナー」で行けるスキー場がおすすめ
移動に労力を費やすことなく「japow」エリアへの旅行を楽しみたい人には、スキー場直行の高速バス「スノーライナー」で行ける所がおすすめです。
成田空港や羽田空港から「スノーライナー」を利用すれば、主に長野県内にある各スキー場周辺のバス停留所まで直接行けます。
直行バスなら、荷物を持って駅や街中を移動する手間を省けるため、ゲレンデで使うためのエネルギーを温存できます。
「スノーライナー」が気になる人は、詳細を公式Webサイトで確認してみてくださいね。
「スノーライナー」で行こう!japowが楽しめる長野県のスキー場エリア
ここでは「スノーライナー」で行ける、かつ「japow」が楽しめる長野県のスキー場をご紹介します。「japow」を楽しむ旅行を計画したい人は、ぜひ参考にしてみてください。
白馬エリア
北日本アルプスに位置する白馬エリアは、日本で最も急な山にあるビッグマウンテンスキー場として表彰された経歴がある人気のエリアです。
長野オリンピックの開催地のひとつとしても知られる白馬エリアには、「Hakuba Valley」を構成するスキー場が点在しています。
特に、「つがいけマウンテンリゾート」に降るパウダースノーは「TSUGA POW」と呼ばれ、「白馬乗鞍温泉スキー場」「白馬コルチナスキー場」では、100%天然雪が楽しめるなど、各スキー場で特色ある雪質を楽しめます。
戸狩・斑尾エリア
長野県北部に位置する戸狩・斑尾エリアは、豊富な雪量と100%天然雪を誇る県内有数の豪雪地帯のひとつです。千曲川を挟む東西の山脈には、初心者から上級者までさまざまなレベルのスキーヤーとスノーボーダーに合わせたコースが広がっています。
また、戸狩・斑尾エリアは冬の日本を代表するリゾート地のひとつとして知られており、スキー場だけでなく、日本の文化や食事、アクティビティの体験が可能です。
志賀高原・北志賀エリア
志賀高原・北志賀エリアは、日本最大かつ標高の高いスキー場を有している地域です。長野と群馬の県境に連なる山々には、いくつもの独立したスキー場が密集しています。
共通シーズンパス「NAGANO6Powder Dream Pass」を使えば、以下のエリアで滑走が可能です。
【NAGANO 6 Powder Dream Pass】
- 志賀高原マウンテンリゾート
- 野沢温泉スキー場
- 斑尾スキー場
- タングラムスキーサーカス
- 戸隠スキー場
- 竜王スキーパーク
志賀高原・北志賀エリアに位置する「湯田中温泉」は、風情ある温泉街として知られています。
また、温泉に入るスノーモンキーに会えるのも、志賀高原・北志賀エリアです。
今年の冬は「japow」体験!楽しい旅行を計画しよう
本記事では、日本特有のパウダースノー「japow」の魅力と、それを最大限に楽しむための旅行計画のヒントをご紹介しました。
多くのスノースポーツファンが、「いつか日本で滑りたい」「毎年行くよ!」などと期待や感動を寄せるほど、日本は上質な雪で世界的にも知られるようになりました。
日本の雪山で最高の「japow」体験をするために、ご紹介した内容を参考にぜひ旅行の計画を立ててくださいね!
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