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【赤穂市】坂越大道沿いにある『暖木』と姉妹店 どこもおしゃれでステキ
古民家カフェ「暖木(のんき)」と、その姉妹店で、作家物の器や衣料品のセレクトショップ「紡木(つむぎ)」、元理容店をリノベーションしたテイクアウト専門店「nonki picnic」、古道具の店「古木つね」があります。
定食とかき氷が人気の古民家カフェ「暖木」
坂越のかつての玄関口、木戸門近くにある古民家カフェ「暖木」。大正末期の下駄屋だった町家を前借主から引き継ぎ、橋本正人さん、愛(めぐみ)さん夫妻が、畳を床張りに、壁も塗り替えてセルフビルドし、2010年に開店しました。
当初は、姫路でヨーロッパアンティーク雑貨店を営む傍ら、週末だけこの場所で同じような雑貨を販売していましたが、地域の方からの要望もあり、1年後、姫路店を閉店し本格的にカフェ営業をスタートしました。
暖木のランチで一番人気は、週替わりの『一汁多菜定食』です。メイン一品に副菜が3品付きます。
ごはんは、恵さんの家族が作る減農薬米を使っていて、大豆と黒豆入り玄米か雑穀米かをセレクトできます。
野菜は自家菜園・のんき畑のものが中心です。有機大豆で作った味噌を使ったお味噌汁も出汁がきいていてほっこりするやさしい味です。
この日のメインは「ミラノ風チキンカツレツ」。ふっくらとしたチキンカツにコクのあるソースとパルメザンチーズをトッピング。副菜にはビーツのソテーも。いつ行っても季節の野菜をふんだんに使った、バランス抜群の安定した定食メニューなんです。
『気まぐれパスタ』として、今提供している「ボロネーゼ」。ソースが激ウマで、ボリューム感も半端なし。そして、この芸術的な盛り付け。男子でも満腹になるはずです。
冬になると、カキのペペロンチーニやカルボナーラといった、坂越ならではのカキ入りパスタが登場します。
夏期の人気メニューのかき氷です。シロップはすべて手作り。イチゴ、マンゴー、アールグレイなど、8種類がラインナップし、バナナミルク、キウイはオーダーのたびにシロップを作るフレッシュさが特徴。
今年から、赤穂産の桃をふんだんに使った新メニューも登場しています。
昨年秋から料理を担当している橋本虹さんは、正人さん、愛さん夫妻の長男。調理師専門学校を卒業後、大阪のフレンチレストランなどで修業をして、生まれ育った坂越に戻ってきました。
やさしいおふくろの味が特徴だった愛さんの思いも引き継ぎながら、男らしいダイナミックさを併せ持った定食に、少しずつシフトチェンジ。「ピンクグレープフルーツを油淋鶏に使うなど、私には思いつかないような組み合わせや食材が登場するんです」と愛さん。
虹さんが作る『一汁多菜定食』やパスタメニュー、今後も楽しみですね。
基本情報
暖木
住所:兵庫県赤穂市坂越2022
電話番号:0791-25-4622
営業時間:10:00~18:00
定休日:火・水曜(祝日は営業)
アクセス:JR坂越駅から徒歩17分、ウイング神姫「播州赤穂駅」から約25分、「木戸門」下車すぐ
駐車場:10台
セレクトショップ「紡木」も楽しい
同じ「坂越大道」沿いにある「紡木(つむぎ)」も、昭和初期の町家をセルフビルドして、2016年にオープンしました。
古い建物の良さを際立たせるために、古い金具や床材を洗って使ったり、いろいろな人と一緒にペンキを塗ったりしたそうです。もともと「暖木」に置いていたものをこちらに移動してきたのでテイストは同じ。作家ものの器やアクセサリーなど手仕事の作品がメインのラインナップです。
器は愛さんセレクトで、杉原伸一さんや音喜多 美歩さんら常設の作家さんは5~6人です。「私、モノ好きなんです。おかずを盛ったときにステキで、実用的なものも好きですが、逆に、“これ何にも使えんけど夢があるやん”みたいなのも大好き」と愛さん。
おかずを盛ったときにステキな一皿は、暖木の定食にも登場します。
アクセサリーや絵は、常に人気です。
特に「yama-ni(ヤマーニ)」の樹脂アクセサリーは、豊富にそろっていて、手頃なのでよく売れるそうです。
2階は洋服のコーナーです。ドメスティックブランドがメインで、オーガニックコットンのカットソーが人気。同じものを色違いで何回も買いに来るファンもいます。
押し入れや床の間、鴨居や古い道具をステキに使ったディスプレイもステキですね。
基本情報
紡木(つむぎ)住所:兵庫県赤穂市坂越2061
電話番号:0791-25-4622
営業時間:11:00~17:00
定休日:火・水曜(祝日は営業)
アクセス:JR坂越駅から徒歩18分、ウイング神姫「播州赤穂駅」から約25分、「木戸門」下車徒歩2分
駐車場:10台(暖木と共用)
ピクニックがキーワードの「nonki picnic」
2020年にオープンした「nonki picnic」は、テイクアウト専門店です。元理容店の名残を残しながら、ステキにリノベーションしました。
「ピクニック」という店名の通り、「手ぶらで遊びに来て、すぐ近くにある海を見ながら、おにぎりやサンドイッチを食べてもらえたら」というのがコンセプトです。
イートインスペースもあるので、もちろん店内で食べても大丈夫。
「nonki picnic」でも、「暖木」同様、地元産品を使ったメニューを手作りで提供しています。
『わんぱくサンド』(380円)は、地元のパン屋「nico」のしっとりとしたミルク食パン「角食」に、自家製スモークチキンと目玉焼き、レタスなどの野菜をたっぷりとサンド。
また『自家製米のおむすび』(160円)は、塩の産地らしく、地元の塩の製造会社と一緒に、おにぎりに適する塩分濃度にもこだわった塩むすびです。もちろん、米は自家製米です。
また、いちご、抹茶、紅茶、ラムレーズンなど「暖木」で提供するチーズケーキは、すべてこちらの店で製造しています。
研究を重ねて作った新メニューがこちら。『糀スムージー(マンゴー、いちご)』です。
地元・坂越の酒蔵「奥藤酒造」に自家製米を持ち込んで作った糀の甘酒スムージー。砂糖不使用でヘルシーなスムージーは、テイクアウト用のかわいい容器入りです。
クッキーやパウンドケーキなど、焼菓子も豊富にそろうので、おみやげに買って帰るのもアリです。
基本情報
nonki picnic住所:兵庫県赤穂市坂越2190
電話番号:0791-25-5444
営業時間:11:00~17:00
定休日:火~金曜(祝日は営業)
アクセス:JR坂越駅から徒歩21分、ウイング神姫「播州赤穂駅」から約26分、「坂越港」下車すぐ
駐車場:なし(坂越の無料駐車場を利用)
SNS:Instagram
手頃でかわいいアンティーク雑貨なら「古木つね」
「古木つね」は、2022年、暖木の駐車場をはさんで南隣にオープンしたお店。国内外の古い食器やガラス小物、古道具や家具を扱っています。古物商の資格を持つ、橋本正人さんのコレクションを展示・販売するお店として整備しました。
販売はもちろん買い取りも行う正人さんの長年の夢が形になりました。今回も、今までの3店舗同様、大正時代の古民家をおしゃれに改装。一部プロの手も借りながら、商品が際立つ店としておしゃれに再生させました。
「古木つね」という店名は、愛さんのネーミング。「暖木(のんき)」「紡木(つむぎ)」と、姉妹店は「木」の付く店名なので、あえて「木」を使ったそう。また古いものを扱っているので「古木つね」。
入り口にも描かれているように、モチーフはキツネで、店内にもキツネのオブジェが並んでいます。
店内にはいろいろな商品が並んでいますが、観光客から人気は、手頃な価格の食器類。大正から昭和の時代に一般家庭で使われていたものがメイン。
おばあちゃんの家にあったような懐かしいテイストの食器を選んで購入する観光客の方も多いそう。
若い世代に人気はガラスの器や小物。特にガラスの小瓶が評判だそうです。
昔、床屋さんで使っていたシェイビングクリーム入れも並んでいます。ディスプレイの仕方もおしゃれですよね。ちょっとグリーンを飾ったりするのにもちょうどいい感じ。
昔、会社に置いていたような木製の書類ケースもいろいろ。小さな家具なども並んでいますよ。どれもきれいに磨かれているので、買って帰ってすぐ使えます。
「古い時代のものに息を吹き込んで、次の世代につなげていけたら…。使い方によってはおしゃれに使えますからね」と正人さん。「うちは、いろいろなタイプの店があるので、街歩きをする人には楽しいと思います。買う買わないに関わらず、お店に入っていろいろと見て帰ってもらえたらうれしいですね」と愛さん。
コツコツと自分たちでセルフビルドして、作り上げた暖木とその姉妹店。その空気感は共通していて、どこも居心地のよさが特徴。人気の観光スポットとして坂越ににぎわいをもたらした立役者ともいえる橋本夫妻。今後も少しずつ動きがあるそうなので、ぜひご注目を。
(ライター 歌見)
※本記事は2023年8月時点の情報です。価格は税込み表示です。商品内容や価格が変更となる場合があります。
基本情報
古木つね住所:兵庫県赤穂市坂越2024
電話番号:090-1240-7461
営業時間:土・日曜、祝日11:00~17:00
※平日も暖木に声がけしたら、鍵を開けれくれる場合あり定休日月~金曜(祝日は営業)
アクセス:JR坂越駅から徒歩17分、ウイング神姫「播州赤穂駅」から約25分、「木戸門」下車すぐ
駐車場:10台(暖木と共用)
SNS:Instagram
いいもの、いい体験とはどんなものでしょうか。 伝えたいストーリーがあったり、作り手の想いが溢れていたり歴史があるものであったり、地元の方に愛されていたりとたくさん特徴は挙げられます。 とっておきのものや体験に出会ったとき嬉しくて誰かに伝えたくなったことはありませんか。 そして、伝えた結果、新たに誰かが何かにつながる。 それこそが「いいもの」なのではないかと思います。 私たちはそのような出会いをお客様にお届けできるように「かたる、つたえる、つながる」をコンセプトに兵庫のいいものを発掘し、お客様と兵庫県内地域とのこころの距離が キュッと縮まるような情報を発信していきます。