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【多可町】「播州地卵」「播州百日どり」の聖地 「TORI MARCHE-TAKACHO-」で本場の味を堪能
豊かな自然環境のなかでのびのび育った鶏が産んだ「播州地卵」や生後百日ほどで旨み成分がピークになった「播州百日どり」のおいしさや産地の取り組みを知ってほしいと、2022年6月にオープンした『TORI MARCHE-TAKACHO-(とりマルシェたかちょう)』
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目次
- 「播州地卵」や「播州百日どり」のアンテナショップとしてオープン
- 「TKG」を楽しめるランチが人気
- 鶏焼肉BBQを堪能
- もみ殻で包まれた「播州地卵」
- 地域の子どもたちに伝統産業について伝えたい
- 基本情報
「播州地卵」や「播州百日どり」のアンテナショップとしてオープン
北播磨の内陸部に位置する多可町。そのなかでも『TORI MARCHE』がある加美区は、神河町や丹波市青垣町、氷上町などと隣接する北部にあります。
加美区の豊かな自然のなかで、のびのび平飼いで育ち、穀物を豊富に与えられた鶏が生んだ卵「播州地卵」や、生まれてから100日まで育てられ旨み成分がピークになり旨みが際立つ「播州百日(ひゃくにち)どり」は、地域の特産品としても有名です。
15年もの間、この地域で養鶏を続けてきた「株式会社 加美鳥」の代表・石塚竜司さんが「このおいしさや産地の取り組みをもっと多くの人に知ってもらいたい」と2022年6月に『TORI MARCHE』をオープンしました。
7~8年前まで野菜の直売所だった施設を活用した『TORI MARCHE』は、たまごかけごはんや自慢のスイーツを楽しめるレストラン、「鳥、まるごと。」をコンセプトにしたセレクトショップ「鳥、マルシェ。」、鶏肉販売コーナーなどがあります。
代表の石塚竜司さんです。石塚さんは昭和51年生まれ。昭和53年生まれの「播州百日どり」の盛り上がりを目の当たりにして育ったそうです。
「私が小さい頃は、常に生活の中心に百日どりや卵がありました。畜産や養鶏農家は町に100軒近くあって、景品やお返しなどに卵を送る文化も町に根付いていました」。その後養鶏農家は衰退し、今では町で4軒のみ。石塚さんはその最若手だそうです。養鶏農家としては15年続けていますが、卵の事業は平成31年4月からスタートしました。
養鶏農家として続けるかやめるか悩んだとき、兵庫県の地鶏のパイオニアとして全国展開している飲食店「野乃鳥(ののとり)」の野網厚詞社長に相談に行ったそうです。「野乃鳥」では「播州百日どり」を惜しみなく使い、鶏の特徴や産地である多可町の雰囲気などを、しっかりお客さんに伝えていたそう。
実は「野乃鳥」では従業員のほとんどが産地見学に来て、自分たちの店で展開している鶏をその背景も含めしっかり勉強していたとか。それを見たときに、産地としてもっと百日どりを盛り上げていく意義を感じたそうです。
その後、「野乃鳥」プロデュースのもと、この施設をオープンしたのです。「私たちにはノウハウがないので、野網さんにバックアップしていただき、播州百日どりの聖地としてメニュー構成などを決めました」と石塚さん。
「TKG」を楽しめるランチが人気
人気のランチは、鶏のメイン2種類(サラダチキン南蛮地卵タルタルor播州百日どりの煮込みハンバーグ)、TKG(たまごかけごはん)3種類から選ぶことができます。ほかにも、8時間煮込んだ鳥スープや小鉢がセットになっていて、かなりのボリューム。地元産のお米や野菜をメインに使っているのもうれしいですね。
選べるTKGは、定番の「シンプルTKG」、卵白を泡立てた「ふわふわエアリーTKG」、卵黄を混ぜたごはんの上にもうひとつ卵黄をのせた「ダブル卵黄濃厚」の3種類。トッピングには好みで、卵のからすみ「タマスミ」をかけてくれます。海苔で作ったスマイルもかわいく、食べているほうもスマイルになりそうですね。
TKGは2杯までおかわり自由なので全種類制覇できます。「全種類食べていただきたいのでご飯は敢えて少なくしています」と石塚さん。私は「シンプルTKG」がおいしかったです。卵自体が濃厚でおいしいのがよくわかります。タマスミがちょっとアクセントになっているのもうれしいですね。
食後のデザートも充実していますよ。名物としては『神戸ファーブルトン』(280円~)という米粉と卵とクリームを合わせてじっくり焼き上げた焼き菓子が常時6種類スタンバイしています。プレーン、チョコバナナなどのレギュラー4種類に、マスカットサワークリームなど季節のトッピングが楽しめるシーズン商品2種類があります。
『播州地卵プリン 極み。』(2個セット1,500円)は、播州地卵のおいしさがダイレクトに伝わる蒸し焼きプリンです。そのほか、『ふわふわパンケーキ』なども人気です。
鶏焼肉BBQを堪能
鶏肉販売コーナーで、BBQにおすすめのいろいろな部位が食べられるセットを購入し、テラスで待ちます。七輪、調味料セット、トング、紙皿などのBBQセット(770円)を借りて、さあ始めましょう。
「播州百日どり」は、2023年4月に行われた「第47回食肉産業展2023」の「第15回地鶏・銘柄鶏好感度コンテスト」で最優秀賞に選出された鶏。「特徴は、甘みが強くてしっとり、百日育てることによって生まれる旨みがあります。
特におすすめはむね肉。抜群においしいですよ」と石塚さん。手羽元、もも肉、むね肉がいい色に焼き上がってきました。まずは石塚さんおすすめのむね肉からいただきました。
むね肉って、どちらかというと淡白なイメージですが、こちらのはまったくパサパサしてなくてしっとり。もも肉はもちろんジューシー。骨付き肉がまた骨の周りに旨みがあっておいしい。BBQすると肉の旨みがダイレクトに伝わりますよね。せっかく聖地に来たなら、その土地の空気を吸いながら鶏BBQを楽しんでいただきたいです。
もみ殻で包まれた「播州地卵」
「播州地卵」は昔ながらの平地飼い。雄雌同時に飼い、雑草や穀物を豊富に与えた鶏が産んだ朝どりの有精自然卵です。濃厚でコクがある黄身を引き立てるのが白身で、白身のおいしいさが最大の特徴です。
『TORI MARCHE』には、もみ殻で包まれた箱入り商品だけでなく、6個や10個などパック入り商品もあります。そのほか、播磨地域では近隣の農産直売所や道の駅、Aコープなどをはじめ、ヤマダストアーは全店で、神戸では大丸や阪急百貨店でも扱っているそうですよ。
地域の子どもたちに伝統産業について伝えたい
石塚さんは、百日どりでもっと町を盛り上げたいと話します。「鶏肉も卵も、観光客を呼び込む商材としては十分だと思うんです。町内のほかの工房で先輩たちが頑張っている姿を見ると、僕ら何の言い訳もできません」と。
また「食育」にも力を入れていきたいそうです。「“鶏のおっちゃんや~”と子どもたちに言われるのはうれしい」と、コロナ禍前には「JAみのり青年部」として、地元の小学校へ出向き、地産地消の授業の一環で5年生を対象に「食育プロジェクト」をしていたそうです。
播州百日どり、播州地卵、地元の米、足立醸造の醤油を使って作る「地産地消の親子丼」。子どもたちと一緒にお米を炊いて、作って食べた親子丼の味は格別だったとか。
「“マグロが短冊で泳いでいる”という子どもがいますが、これはすべて教育していない大人の責任ですから」と石塚さん。今後も『TORI MARCHE』を拠点に、さまざまな活動の輪が広がっていきそうです。
(ライター 歌見)
※本記事は2023年5月時点の情報です。価格は税込み表示です。商品内容や価格が変更となる場合があります。
基本情報
TORI MARCHE-TAKACHO-
住所:兵庫県多可郡多可町加美区145-6
電話番号:0795-20-8526
営業時間:10:00~16:00(ランチ14:00LO、パンケーキ15:00LO)
定休日:火曜
アクセス:播但連絡道路神崎南ICより車で20分、中国自動車道加西ICより車で32分、滝野社ICより車で34分JR西脇市駅・本黒田駅より神姫グリーンバス「月ヶ花」バス停下車徒歩9分
駐車場:20台
SNS:Instagram
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