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あつた宮宿会にきく。名古屋観光におけるシェアサイクル「Charichari(チャリチャリ)」の可能性とは?
エリア内に複数配置された自転車の貸出・返却拠点(シェアサイクルポート)にて、自転車を自由に貸出・返却できるシェアサイクル。当社も福岡・名古屋・東京・熊本の4拠点で「Charichari(チャリチャリ、以下略)」というサービスを提供しており、いつでもパッと乗って気軽に移動できる、都市の新たな交通手段としてご利用いただいております。今回は、いちはやくチャリチャリを導入してくださった名古屋熱田区の「あつた宮宿会」から、観光におけるチャリチャリの可能性と課題について伺いました。
熱田区を元気にする「あつた宮宿会」
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文化と街道の結節点・名古屋市熱田区。熱田神宮の門前町であり、東海道最大の宿場町として繁栄した宮宿(現在の宮の渡し公園の付近)をはじめとして、名古屋の中心地として発展しました。
そんな熱田区ですが、2014年に街づくり団体である「あつた宮宿会」が発足しています。中心となっているのは、2013年10月に開催された「東海道シンポジウム宮宿大会」を成功させた実行委員会メンバー。
地元の食の老舗(あつた蓬莱軒・宮きしめん・きよめ餅・亀屋芳広・妙香園)や大学(名古屋学院大学)、地域NPO(堀川まちネット)などが集まり、熱田区を元気にする目的で活動しています。
あつた宮宿会とチャリチャリとのつながり
そんな「あつた宮宿会」がCharichari(チャリチャリ)を導入して下さったのは、弊社の代表・家本とのつながりからでした。家本のお父様は名古屋学院大学の教授であり、かねてから熱田区の企業様と交流があったのです。
チャリチャリが名古屋に上陸してからほどなく、教授の息子さんが名古屋でシェアサイクルの事業を手がけているそうだ!ということで、「あつた宮宿会」がサイクルポートを広げる協力をしていただけることに。
シェアサイクルを置くためのポートオーナーを加盟団体から募って下さったおかげで、熱田区で約10つものサイクルポートを設置でき、熱田区にチャリチャリが根付く足掛かりを作ることができたのです。
お客さんは来るが、回遊の点で課題のある「熱田区」
年間650万人近い参拝者が訪れる「熱田神宮」や、国際会議や学会の会場として使用される「名古屋国際会議場」などがあり、熱田区は名古屋の人の流れや賑わいが生まれる場所です。
しかし、その人の流れをエリア内を巡る回遊へと、中々つなげられていないという課題があります。あつた宮宿会に加盟している企業には、名古屋の食文化を現代に伝えている老舗も多いですし、ホテルや観光スポットも名を連ねています。
熱田区をめぐる旅行モデルコースを作り、そして認知してもらうことができれば、地域を活性化するポテンシャルを秘めていると言えるのではないでしょうか。しかし公共交通機関だけでは、どうしても限界があるのも事実。そこで当社の提供する「チャリチャリ」の出番です。
打ち出せるものが多くあるが散在している「名古屋」
歴史やバックグラウンドを紐解いていくと、名古屋は魅力やコンテンツで溢れているエリアだと分かります。あつた宮宿会の田中さんいわく、名古屋は打ち出せるものが多すぎて、あまり認知されていない現状があるのだそう。
例えば織田信長から豊臣秀吉、徳川家康の三英傑は有名ですが、鎌倉幕府を作った「源頼朝」が名古屋市熱田区の出身だということはほとんど知られていません。また今では閑静な「宮の渡し公園」ですが、かつて旅籠(現代で言うホテル)が250ほどあり(現在の名古屋全体で388 ※2023年1月時点)、東海道で最も大きな宿場町でもありました。
また名古屋には観光スポットがぎゅっと詰まっているのもポイントです。東京や大阪、京都などをしっかり巡ろうと考えれば、1泊2日以上必要ですが、名古屋であれば日帰りでも十分に満喫することができます。
名古屋の強みを訴求できる「チャリチャリ」の可能性
「打ち出せるテーマが多くあり、観光スポットが近い距離に点在している。」-----この2つの特徴を、名古屋の観光の強みとして訴求できる可能性があるとチャリチャリにご期待いただいています。
具体的には、旅行者へ提案できるモデルコースの可能性です。これまではどうしても公共交通機関の沿線上に限られていましたが、シェアサイクルのチャリチャリであれば徒歩30分以内のスポットを上手くつなげられるため、痒いところに手が届くようなモデルコースも組むことができます。
名古屋のメインターミナルの一つである金山駅から白鳥公園や熱田神宮の周辺まで手軽にアクセスできるほか、周囲のお店をめぐる楽しみもより広げられるのがメリットです。
ポートオーナー募集!地域貢献に向けた「チャリチャリ」の課題
熱田区の観光の足としてご期待いただいているチャリチャリですが、課題もあります。1つ目は、ポート数と台数がまだまだ十分とは言えないということ。目の届く場所に自転車があるというのが理想ですし、よくご利用いただくポートこそ自転車の台数を確保して欲しいという声もあります。
2つ目は、シェアサイクルを使ったモデルコースの造成です。足として自由度はある一方で、どのような楽しみ方ができるか、発信が不足しているのも現状。こうした取り組みも、シェアサイクルを通じた地域活性化に欠かせない観点です。
いずれにしても現状のチャリチャリに満足いただいており、更なるサービスの進化を期待しての叱咤激励だと捉えています。ぜひ街づくりの観光の利便性の向上のために、「ポートを置いても良いよ!」という事業者様や街づくり団体様がいれば、ぜひお声がけいただけると嬉しいです。
あつた観光まちづくり連盟の発足。名古屋の魅力を高める連携
チャリチャリを早くから導入いただいている「あつた宮宿会」ですが、2024年に入って新たな局面を迎えています。熱田区の魅力をさらに磨いて、街づくりの取り組みをより活性化させていくため、「あつた観光まちづくり連盟」が発足しました。
加盟団体もかつてない規模で多く、業種も多種多様。より民間での意見交換やコラボレーションを加速化させていく狙いがあります。弊社も加盟企業の一つとして、熱田区ひいては名古屋の魅力をさらに高めていくために、色々な事業者様と手を取り合って、さらに挑戦を続けていきます。
取材・文章:土庄雄平
「Charichari(チャリチャリ)」は、スマートフォンアプリで専用の赤い自転車の鍵をあけ、かんたんにご利用いただけるシェアサイクルサービスです。ベーシックは1分7円、電動アシスト自転車は1分17円でご利用いただけ、いつでもどこでも、乗りたいときにすぐ利用できる体験の提供を目指しています。 福岡では2018年2月にサービスを開始し、現在までに約3,000台の自転車と630ヵ所以上の駐輪ポートを展開し、累計1,600万回以上のご利用をいただくまでに成長いたしました。また、2020年からは名古屋市及び東京エリアでのサービスを展開し、2022年4月より熊本市での展開を開始しています。 1分単位の料金設定や、手軽に使えるアプリ仕様から各エリアにて「ちょっとそこまで」の日常的な移動を中心にご利用頂いております。