【岡山】ユネスコ無形文化遺産、笠岡市白石島の「白石踊」
岡山県笠岡市沖に浮かぶ大小31の島々からなる笠岡諸島「白石島」に伝わる「白石踊」について詳しく紹介!昨年の体験ツアーの様子も!
「白石踊」は白石島に古くから伝わる盆踊りで、2022年11月には、「ユネスコ無形文化遺産」として登録されています。昨年の体験ツアーでは、ガイド付きで島内散策のあと、夕暮れの砂浜へ行き、海と夕陽の輝きに照らされて優美な「白石踊」を楽しみました。
今年も体験ツアーがあるので、お見逃しなく‼(詳細は記事後半で)
白石踊とは?
白石踊は、笠岡諸島の白石島で、毎年8月13日から16日の夜に行われる伝統的な盆踊りです。浜辺に設置された櫓(やぐら)を中心に踊られます。この踊りは、平安時代末期の源平水島合戦で亡くなった人々を追悼するために始まったと言われています。お盆の期間中は、子供からお年寄りまで島民全員が参加する一般的な盆踊りですが、年に一度、伝統的な衣装を着た踊り手の姿を見学できる特別なツアーが開催されています。
笠岡諸島 白石島への行き方
白石島へは船で行きます。乗客専用の船は、JR笠岡駅から徒歩約10分の笠岡港住吉乗り場から出発します。普通船で約35分、高速船で約22分かかります。車も乗せられるフェリーは、JR笠岡駅から徒歩約20分の伏越港から出発し、約45分で到着します。昨年のツアーでは、チャーター船を使い、住吉乗り場から出発しました。
島に到着!
穏やかな瀬戸内海のクルーズを30分ほど楽しんだ後、島に到着しました。港には「名勝白石島」と書かれた石碑があります。これは1930年代に作られたもので、白石島が昔から景色の美しい観光地として知られていたことがわかります。
白石踊をくわしく解説!
夕暮れ時の砂浜に、太鼓と大きな傘が用意されました。白石踊の音楽は、一人の歌い手(音頭取り)が太鼓に合わせて歌います。音頭取りは正装(紋服と袴)を着て、傘の下で力強く歌います。太鼓を叩くのは90歳の島の男性で、歌い手とのタイミングが完璧です。曲は、江戸時代の人形浄瑠璃や歌舞伎を基にしていると言われています。
男踊
男踊は、白石踊の中で最も有名な踊りかもしれません。大きな動きで力強く、見応えがあります。踊り手は黒い正装の上に白い羽織を着て、頭に大きな竹の笠をかぶります。白い羽織が夕日に映えて美しく見えました。
娘踊
娘踊は、新婚の女性や結婚前の若い女性が踊ります。指の動きが特に美しく、優雅な踊りです。紫色の正装の着物を着て、顔の周りを鮮やかな紫色の布で隠します。金と銀で飾られた扇を使う姿は、とても華やかです。
女踊
女踊は、主に中年以上の女性が踊ります。手首と膝の動きが柔らかく、女性らしい華やかな踊りです。着物を着て、手ぬぐいで頭と両頬を覆い、「端折笠(つまおりがさ)」という特別な笠をかぶります。
奴踊
奴踊は、主に若い男性が踊ります。若々しく活気のある踊りで、はんてんと呼ばれる短い上着と白い半ズボンを着て、頭に鉢巻きを巻きます。
一緒に踊りました
白石踊には13種類以上の踊りがあるそうです。基本となる「ブラブラ踊」と「月見踊」は覚えやすく、私も踊れるようになりました。写真は「笠踊」で、男子高校生が踊っている姿がとてもかっこよく見えます。当日は、ガイドやボランティアとして多くの大学生や高校生、島出身の若者が活動していました。白石踊の伝統が次の世代に受け継がれているのがわかります。
白石踊の優雅な動きにすっかり夢中になりました。島の人々や他のツアー参加者と一緒に踊るうちに、みんなで仲良くなり、白石踊を楽しみました。
ユネスコ無形文化遺産認定
2022年11月、ユネスコ無形文化遺産に日本の伝統的な踊り「風流踊」が登録されました。岡山県からは、この白石踊と真庭市の大宮踊が登録されました。昨年は登録後初めての鑑賞会で、認定証も披露され、参加者全員で登録を祝いました。
白石島の歴史散策
白石島に到着してから夕暮れまでの約1時間30分、島内散策ツアーも行われました。弘法大師(空海)ゆかりの寺院、開龍寺を中心に、ガイドさんから白石島の歴史について説明を聞きました。
願いが叶う不動岩
開龍寺の奥の院に向かう途中に、大きな岩「不動岩」があります。岩のくぼみに額を当てて願い事を3回唱えると願いが叶うと言われています。私も試してみましたが、なんだか不思議な力を感じる場所でした。
空海修行の寺 開龍寺
弘法大師(空海)が中国から帰国する際に立ち寄り、37日間修行したと伝えられています。巨大な岩が屋根のように覆いかぶさる、神秘的な奥の院があります。ここにある仏像は弘法大師自身が彫ったと伝えられており、61年に1度だけ公開されます。
レトロな建物もいっぱい
開龍寺までの道には、昔ながらの雰囲気が残る郵便局や商店がたくさんあります。特にこの理容院は今も営業中です。週に数日だけ、本土から理容師さんが来て営業しているそうです。手押し車を使っているお二人が、気持ちよさそうに散髪されていました。
伊能忠敬が泊まった宿も
日本で最初の正確な地図を作った伊能忠敬が、白石島を訪れた際に滞在した松浦邸(旧小宮山家庄屋屋敷)も、港の近くに残っています。
島の盆を楽しんで
白石踊と島の歴史散策を楽しんだ後、夜20時30分の船で笠岡港へ戻りました。ツアー用の特別な船でしたが、通常は16時発が最終便です。
美しい伝統衣装を着た白石踊を日帰りで見学できるのは年に1回だけです。例年7月の土曜日に開催されるそうなので、笠岡市観光協会の公式ウェブサイトで日程を確認してみてください。
2024年【白石踊】体験ツアー
白石踊特別鑑賞・体験会 ~夕陽と衣装と砂浜と~
年に一度だけ開催されるツアーでしか観ることができませんでした。が、“もっと白石踊を多くの方に知ってもらいたい”という白石踊保存会の想いから、特別な白石踊鑑賞・体験会の開催が実現。幻想的な雰囲気のなか、島で守り伝えられてきた伝統文化をぜひこの機会にご鑑賞ください。
※6月22日(土)と8月3日(土)は中止になりました。
開催期間:7月27日(土)、8月10日(土)、24日(土)、31日(土)、9月14日(土)、28日(土)
開催時間:7月と8月…19:00 9月…18:30
開催場所:笠岡市白石島海水浴場
住所:岡山県笠岡市白石島
電話番号:0865-62-6622(笠岡市観光協会)
交通アクセス(公共):JR笠岡駅から笠岡港(住吉乗り場)まで徒歩約10分、高速船約22分(普通船約35分)JR笠岡駅から伏越港まで徒歩約20分、フェリー約45分
集合場所:笠岡市白石島海水浴場
集合時間:7月&8月は19時9月のみ18時30分
予約方法:電話、メール(info@kasaoka-kankou.jp)
定員各回:20名
申し込み先・お問合せは笠岡市観光協会までお願いいたします。
(一社)笠岡市観光協会
TEL 0865-62-6622
MAIL:info@kasaoka-kankou.jp
営業時間 9:00-17:00(年末年始以外年中無休)
★お申込希望の際はご希望の参加日、参加者の人数、お名前、ご住所、当日連絡のとれる電話番号をお伝えください。
※行き帰りの船代は参加費に含まれません。
※万が一中止になる場合は、催行日の1週間前までにメールで連絡します。
※イベント当日に撮影した写真は今後、SNSや協会の活動報告で使用させていただく場合がありますのでご了承ください。
※鑑賞後に笠岡へ帰る定期船はありませんので、宿泊予約等はお客様各自でお願いします。
ラ・マルしまなみでいく 白石踊鑑賞・体験ツアー
せとうちエリアの観光列車「ラ・マル・ド・ボァ」に乗車して、ユネスコ無形文化遺産に登録された白石踊と、日本遺産の一部である巨石の下に建てられた「開龍寺」を学びながら楽しむ日帰りツアーです。
<行程>
JR岡山駅 10:19→(ラ・マルしまなみ/普通車指定席)→JR笠岡駅 11:06 … 笠岡港 11:30 ~(海上タクシー)~ 白石港 12:00… 開龍寺 … 天城荘 (13:00~14:00昼食/昼食後、白石踊解説)… 白石踊体験(14:20~15:30) … 白石港 15:50 ~(海上タクシー)~ 笠岡港 16:20 … JR笠岡駅 16:30 ※解散
開催期間:2024年9月14日(土)、15日(日)
開催時間:10:00~17:00
開催場所:白石島
住所:岡山県笠岡市白石島
電話番号:0865-62-6622(笠岡市観光協会)
公式サイト:株式会社日本旅行|公式サイト
集合場所:JR岡山駅
定員:各日20名 ※先着順(定員に達し次第受付終了)
※7名以上で催行備考
※35日前までに最少催行人数(7名)が集まった場合、催行決定。5日前まで募集継続。
岡山県は、西日本の中央に位置しており、1年を通して雨が少なくて温暖な気候から「晴れの国」と呼ばれています。京都、大阪、広島の有名観光地めぐりの中間点でアクセス便利!瀬戸大橋を経由して四国に渡る際の玄関口でもあります。 また、「フルーツ王国岡山」とも呼ばれ、瀬戸内の温暖な気候の中、太陽を浴びたフルーツは、甘さ、香り、味ともに最高品質。 白桃をはじめ、マスカットやピオーネなど、旬のフルーツが味わえます! 「岡山城」や日本三名園の「岡山後楽園」、倉敷美観地区といった、歴史、文化、アートなど世界に誇る観光スポットもあります!