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【2024】お彼岸とは?意味・時期・食べ物・することなどを紹介
お彼岸の時期や本当の意味を知っていますか?日本の伝統的な行事であるお彼岸ではどのようなことを行うのか、また、お彼岸の食べ物やお彼岸にすることなど、お彼岸について知っておきたいあれこれをわかりやすく紹介します。
春と秋におとずれるお彼岸
毎年、春と秋に訪れるお彼岸は日本の伝統的な行事です。この時期には家族が集まり、お墓やお仏壇にお供え物をしてご先祖様を偲びます。
本記事では、お彼岸がいつなのか、お彼岸の由来や意味、お彼岸にすることや供える食べ物などについてわかりやすく紹介します。
目次
- 1.春と秋におとずれるお彼岸
- 2.お彼岸とは?
- 3.お彼岸の由来
- 4.お彼岸はいつ?
- 5.お彼岸にすること
- 6.お彼岸の食べ物
- 7.お彼岸とお盆の違いは?
- 8.お彼岸の基本を押さえて、心豊かな時間を過ごしましょう
お彼岸とは?
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「お彼岸」は「おひがん」と読み、毎年、春と秋の2度行われる仏教の行事を指し、期間は春・秋ともに7日間です。お彼岸の初日は「彼岸の入り(いり)」や「彼岸入り」、最終日を「彼岸の明け(あけ)」や「彼岸明け」と呼んでいます。
この期間には、お墓参りをしてご先祖様を偲び、お花や線香などをお供えして供養するのが一般的です。お彼岸は日本独自の伝統的な文化であり、ご先祖様と親族のつながりや家族との絆を感じられる大切な行事のひとつとして長く根付いています。
お彼岸の由来
三途の川のイメージイラスト Photo by Pixta
そもそも「彼岸」という言葉は、古代インドから伝わった仏教用語です。
日本の仏教の考え方として、私達の住む世界と仏の住む世界があり、2つの世界の間には「三途(さんず)の川」があるとされています。そして、川を隔てたこちら側であるこの世を「此岸(しがん)」、向こう岸の仏の世を「彼岸」と言います。
仏様が住む世界は悟りの世界で、煩悩やけがれのない極楽浄土であり、それを指す言葉が彼岸です。彼岸は、古代インドで使われたサンスクリット語のparamitaで、その音の響きから日本語では波羅蜜多(はらみった)と表記されます。波羅蜜多は、「到彼岸(とうひがん)」の意味があり、この世からあの世へ到達することを指します。
太陽との位置関係から、ちょうどお彼岸の時期に、三途の川を挟んで此岸と彼岸の距離が最も近くなり、仏様とも通じやすくなると言われていました。そこで、この時期にご先祖様の供養を行うようになりました。
お彼岸はいつ?
前述しましたが、お彼岸の時期は地球から見た太陽の位置と密接に関わりがあります。ここでは、春のお彼岸と秋のお彼岸がいつにあたるのかを解説します。
お彼岸の日程の決まり方
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お彼岸は、春分の日と秋分の日を中心とし、その前後3日を含む7日間です。春分の日と秋分の日は、季節が変わる境い目となる日で、昼と夜の長さがほぼ同じになります。
日本では、春分の日と秋分の日が国民の祝日と決められています。ただし、毎年同じ日ではなく、国立天文台により、その年の太陽の位置関係にあわせて正式な日にちが決定されます。
多くの場合、春分の日は3月20日か3月21日、秋分の日は9月22日から9月24日頃です。地球が太陽の周りを公転している周期(1年)が365日の年と366日のうるう年があることからも、年によって日にちが異なることが理解できるかと思います。
つまり、お彼岸は毎年同じ日に決まっているわけではなく、その年の太陽の位置から割り出した春分の日と秋分の日を中日(なかび)として、彼岸入りと彼岸明けとなる前後3日を含めた7日間がお彼岸の期間となります。
2024年のお彼岸の日程
2024年は、春分の日が3月20日(水)であったため、春のお彼岸は3月17日(日)から3月23日(土)でした。秋のお彼岸は、秋分の日が9月22日(日)なので、その日を中日として、彼岸入りが9月19日(木)、彼岸明けが9月25日(水)となります。
ちなみに、2025年の春分の日は3月20日(木)、秋分の日は9月23日(火)です。
お彼岸にすること
お彼岸の目的はご先祖様の供養です。この期間には、お墓参りをしたりお仏壇にお供えをしたり、お寺で彼岸会(ひがんえ)が行われたりします。ここでは、それぞれを分けて解説します。
お墓の掃除・お墓参り
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日本には「暑さ寒さも彼岸まで」ということわざがあります。どのような苦難も終わりがあるという意味を持つ一方、夏の暑さも冬の寒さもお彼岸の頃には落ち着いて過ごしやすくなるという四季の移り変わりを表したことばでもあります。
お彼岸の頃は、家族がそろってお墓参りに行くのに適した過ごしやすい気候です。日程は、春分の日や秋分の日にお参りするのが良いと言われますが、基本的には彼岸入りから彼岸明けまでの7日間のうち、家族の都合の良い日や天候に支障のない日を選んで構いません。
お墓参りの際は、まず、心を込めてお墓の周辺や墓石を掃除してきれいにし、それからお花や果物などをお供えして、線香に火をつけて合掌します。お彼岸のお墓参りのときは、特に喪服や正装である必要はありませんが、派手な服装やカジュアルな服装は避けましょう。
お仏壇の掃除・お供え
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仏教では、ご先祖様を弔い供養するための礼拝場所として、一般家庭内に「お仏壇」があります。お仏壇には、信仰する宗派のご本尊を祀り、ご先祖様の位牌(※1)、仏具などが置かれています。
お彼岸のときは、いつもより念入りにお仏壇や仏具の掃除を行い、その後、お花や季節の果物、お菓子などをお供えします。お供え物のお菓子として定番なのは、彼岸団子(ひがんだんご)のほか、春はぼたもち、秋はおはぎ、さらに故人の好物などです。
彼岸の期間中、お仏壇の灯明(とうみょう)を灯し、線香に火をつけ、宗派に沿った礼拝を朝晩行うのが理想です。
※1:位牌(いはい)…故人の名や没年月日などが書かれた木の札。
彼岸会
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お彼岸は、菩提寺(ぼだいじ)で行われる「彼岸会(ひがんえ)」に参加する人もいます。菩提寺とは、家族の葬儀や法事でお世話になる、普段からお付き合いのあるお寺のことです。
彼岸会とは、お彼岸にあわせて菩提寺の本殿で行われる合同法要です。檀家(※2)や門徒(※3)が集まり、僧侶がお経を読み上げ、参加者は順に焼香(※4)してご先祖様の供養をします。
※2:檀家…お寺に属し、費用を負担してそのお寺を援助する家。
※3:門徒…自分の属するお寺や宗派を他人に紹介する際に用いる。例:「A宗のB寺の門徒です」。
※4:焼香(しょうこう)…線香をあげる。
お彼岸の食べ物
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お彼岸にお供えする食べ物は、定番の彼岸団子のほかに、甘い和菓子の「ぼたもち」と「おはぎ」があります。江戸時代の頃から、お彼岸の時期には日本全国でお墓やお仏壇に供えられていたようです。
ぼたもちとおはぎは似た食べ物で、分けて呼ばれないこともあります。ただし、一般的に、春のお彼岸にお供えするのがぼたもち、秋のお彼岸にお供えするのがおはぎです。
その由来は、季節の花に深く関係があり、ぼたもちは「牡丹餅」と書き、春に咲く牡丹にちなんで、一方のおはぎは「お萩」と書き、秋の七草のひとつである萩にちなんで名付けられました。
どちらも、もち米で作った生地をあんこでくるみますが、ぼたもちはこしあんを使い丸い形に、おはぎは粒あんで俵型に、という違いがあります。ただし、昨今ではそこまで厳密に区別していない傾向にあり、また地方によってもさまざまな種類があるようです。
お彼岸とお盆の違いは?
お彼岸のほかに、ご先祖様を敬い供養する行事として「お盆」も定着していますが、お彼岸とお盆にはどのような違いがあるのでしょうか。
お彼岸は、彼岸と此岸の距離が近くなり、仏様と通じやすくなるため、ご先祖様の供養をすると前述しましたが、お盆も仏教由来の行事であり「ご先祖様を自宅にお迎えして供養する」期間です。ご先祖様を迎えるときには迎え火、あの世へ送る際には送り火で見送ります。
お盆は、7月の新盆と8月の旧盆があり、地域差があります。これは、旧暦と新暦の違いによるもので、全国的に主流なのは、企業や学校の夏休みにあたる8月13日から16日までの4日間です。
お盆には、先祖の霊を迎えるための盆提灯(ぼんちょうちん)や精霊馬(しょうりょううま)(※5)などを準備します。お盆もお彼岸と同様、お盆休み中の帰省などで家族が そろいやすいため、お墓参りをしたり、お仏壇にお供えをしたりします。
※5:精霊馬(しょうりょううま)…ご先祖様が家に帰ってくるための乗り物として、キュウリやナスを馬や牛に見立てて作ったもの。
よくある質問
2024年のお彼岸はいつですか?
お彼岸の期間は毎年同じ日ではありません。2024年のお彼岸は次のとおりです。春分の日は3月20日、春のお彼岸は3月17日から3月23日でした。秋分の日は9月22日、秋のお彼岸は9月19日から9月25日です。
お彼岸には何をしますか?
お彼岸は、この世とあの世の距離がもっとも近くなる時期と考えられています。お彼岸には、お墓の掃除を含めたお墓参り、お仏壇の掃除とお供え物、菩提寺での彼岸会などを行って、ご先祖様を供養します。
お彼岸には何を食べますか?
お彼岸にお供え物として準備する定番の食べ物があります。春のお彼岸にはぼたもち、秋のお彼岸にはおはぎを食べます。地域によっても違いがありますが、ぼたもちはこしあんで包んだ丸い形、おはぎはつぶあんで包んだ俵型というのが一般的です。
お彼岸の基本を押さえて、心豊かな時間を過ごしましょう
お彼岸は古くから伝わる仏教の教えとして、全国で広く大切にされてきた伝統文化です。お彼岸がいつかわからない場合は、春分の日と秋分の日の前後3日間を入れた7日間と覚えておくと便利です。お彼岸についてよく知ることは、ご先祖様に感謝し、家族の絆をより一層強めるきっかけとなるかもしれません。
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Written by Kakutama editorial team