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【日本遺産】草津市の民俗芸能である草津のサンヤレ踊りを徹底解説!!
草津市内の7つの地域に伝わる民俗芸能。 地域ごとに衣装や踊りが異なります。 鮮やかな衣装を着た踊り手のまわりを扇子や鳴り物を持った人が歌いながら踊る、そんな草津のサンヤレ踊りの魅力をご紹介します。
「草津のサンヤレ踊り」とは
滋賀県草津市内の矢倉(やぐら)・下笠(しもがさ)・片岡(かたおか)・長束(なつか)・志那(しな)・吉田(よしだ)・志那中(しななか)の7地区に伝わる伝統芸能です。
中世後期に都で流行した疫神祓いの風流囃子物の姿を今に伝えるものと言われています。美しく装った子どもたちが鼓や太鼓、摺鉦(すりがね)、ササラ、笛などの楽器を賑やかに鳴らしながら、場所を移動しては簡単な踊りを繰り返し、榊や扇子などの採物を持った人が取り囲み、「サンヤレ、サンヤレ」と囃し歌いながら踊ります。
「サンヤレ」という言葉の語源については諸説ありますが、一説には「幸あれ」という言葉が転じて「サンヤレ」に変化したといわれています。
毎年5月3日に市内の各地で行われていますが、矢倉は2年に1回、長束は3年に1回と地域により異なっています。
7つの地域ごとに異なる草津のサンヤレ踊り
1.志那中のサンヤレ踊り
法被の踊り手は、役によって色分けした赤や黄色のたすきをかけて踊ります。また、兜をかぶった武者が 渡御(とぎょ)に同行します。
開催場所:惣社神社
住所:草津市志那中町238
アクセス:JR草津駅西口から植物公園みずの森行のバスに乗車 バス停【穴村】で下車後、徒歩6分
2.志那のサンヤレ踊り
白い法被に黒い帯を締めた中高生を中心に構成されています。また、太鼓打ちの袖の裏には、粋で豪華な柄の生地が仕立てられています。
開催場所:志那神社
住所:草津市志那町727
アクセス:JR草津駅西口から水生植物みずの森行きのバスに乗車 バス停【北大萱】で下車後、徒歩約20分
3.吉田のサンヤレ踊り
白い法被を着た青年層で構成され、太鼓打ちや鉦は赤いたすきを掛けて踊ります。「砂擦りの藤」との共演が見所です。
※「砂擦りの藤」とは、穂が地面を擦るほど長くなることからそのように呼ばれている藤。
「砂擦りの藤」
開催場所:三大神社
住所:草津市志那町309
アクセス:JR草津駅西口から水生植物みずの森行きのバスに乗車 バス停【北大萱】で下車後、徒歩約10分
4.下笠のサンヤレ踊り
子どもは華やかな衣装に花笠をかぶり、顔を白く化粧します。大人は雲龍や唐獅子が描かれた衣装で踊ります。
開催場所:老杉神社
住所:草津市下笠町1194
アクセス:JR草津駅西口から水生植物みずの森行きのバスに乗車 バス停【下笠中央】で下車後、徒歩約10分
5.長束のサンヤレ踊り
3年に1度の開催です。太鼓打ちの子どもは、花笠・長着に三色(赤・青・黄)のたすき、太鼓受けは白の法被に二色のたすきを掛けて踊ります。
開催場所:①印岐志呂(いきしろ)神社 ②春日神社
住所:①草津市片岡町245 ②草津市長束町180
アクセス:①JR草津駅西口から水生植物みずの森行きのバスに乗車 バス停【片岡】で下車後、徒歩約10分
②JR草津駅西口から水生植物みずの森行きのバスに乗車 バス停【芦浦】で下車後、徒歩約20分
6.片岡のサンヤレ踊り
一行は、黒襟のついた白い法被を着用し、太鼓打ちの子どもは友禅染の織物を用いた法被で踊ります。
開催場所:印岐志呂(いきしろ)神社
住所:草津市片岡町245
アクセス:JR草津駅西口から水生植物みずの森行きのバスに乗車 バス停【片岡】で下車後、徒歩約10分
7.矢倉のサンヤレ踊り
2年に1回開催されます。子どもの衣装は華やかで、桃色を基調とした花笠をかぶり、大人は裃を着用します。
開催場所:①若宮八幡宮 ②立木神社
住所:①草津市西矢倉3丁目1 ②草津市草津4丁目1-3
アクセス:①JR草津駅東口から大学病行きのバスに乗車(まめばす)
バス停【矢倉会館】で下車後、徒歩 3分
運賃:大人(中学生以上):200円
こども(小学生):100円
※草津市HPまめばすマップ表より引用
②JR草津駅東口から草津駅東口行きのバスに乗車(まめばす)
バス停【立木神社前】で下車
運賃:大人(中学生以上):200円
こども(小学生):100円
※草津市HPまめばすマップ表より引用
日本だけでなく世界にも認められた文化遺産
2018年5月に日本遺産「琵琶湖とその水辺景観―祈りと暮らしの水遺産」の構成要素のひとつとして、草津市内に所在する「芦浦観音寺」とともに追加認定されました。
国内の民俗文化財の中でも、中世に畿内に流行した風流踊りの系譜をひくなど歴史的に貴重な文化財であると評価され、2020年2月に小杖祭り(栗東市)と共「近江湖南のサンヤレ踊り」として国の重要無形民俗文化財に指定されました。
さらに、2022年11月にはこの「近江湖南のサンヤレ踊り」が、全国41の「風流踊」の一つとしてユネスコ無形文化遺産に登録されました。
※「草津のサンヤレ踊り」はユネスコ無形文化遺産に登録された「風流踊」のうち「近江湖南のサンヤレ踊り」に含まれています。
日本遺産とは
「 日本遺産(Japan Heritage)」は、地域の歴史的魅力や特色を通じて我が国の文化・伝統を語るストーリーを「日本遺産(Japan Heritage)」として文化庁が認定するものです。ストーリーを語る上で不可欠な魅力ある有形・無形の文化財群を、地域が主体となって総合的に整備・活用し、国内外に戦略的に発信することにより、地域の活性化を図ることを目的としています。
重要無形民俗文化財とは
民俗文化財の中でも特に重要なものであるとして、国が指定する無形の文化財です。風俗慣習・民俗技術・民俗芸能を対象としています。
ユネスコ(国際連合教育科学文化機関)無形文化遺産とは
社会の変化などに伴い、世界の無形文化遺産に、衰退や消滅などの脅威がもたらされるとの認識から、芸能・慣習・儀式・祭礼・技術などを対象に国際的に保護するものです。
滋賀県草津市の観光旅行情報を紹介しています。自然いっぱいの水生植物公園みずの森や琵琶湖博物館、歴史を感じる立木神社や三大神社、草津宿本陣、家族で楽しめるロクハ公園など魅力的なスポット・ホテル・グルメ情報が満載。