神津島に残る「SHOGUN将軍」時代を生きた女性キリシタンの物語
2024年エミー賞18冠を獲得した「SHOGUN将軍」 伊豆諸島の神津島には、時をほぼ同じくして、混沌とした時代を生きた女性「おたあジュリア」にまつわる物語が残っています。 音声ガイドアプリ「まるっと!神津島」と共に歴史ロマンを感じる旅をしてみませんか?
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目次
- 日本の戦国時代を舞台にしたハリウッド時代劇
- 「島流し」の歴史
- おたあジュリアの物語
- 島に伝わる歴史や文化を音声ガイドアプリでもっと深く楽しむ
- 歴史ロマンを感じながら神津島に泊まるなら「みんなの別荘ファミリア」へ。
日本の戦国時代を舞台にしたハリウッド時代劇
「SHOGUN 将軍」は、戦国時代の後期、1600年の日本を舞台にした物語です。この作品は、アメリカのテレビ界で最高の栄誉とされるエミー賞で、作品賞を含む史上最多の18部門を受賞しました。登場人物の名前は史実とは異なるものの、ジェームズ・クラベルの小説を基にしており、戦国時代の日本を緻密に再現した点が高く評価されています。
物語では徳川家康(作中では虎永)が将軍となり江戸時代となる前、関ヶ原の戦いの前までが描かれているとされています。
「島流し」の歴史
古来から日本の処刑の1つには流刑がありました。作品中にもあるように、戦国時代は処刑が多くなりますが、江戸時代に入って太平の世になると、流刑者が激増します。送り先は、江戸(東京)の場合は主に伊豆七島、西国(大阪や京都)の場合は五島列島や隠岐などと定められました。そのため神津島を含む伊豆諸島は、犯罪者や政治的反対者の追放地としての歴史もあります。
神津島は江戸(東京)から南に180キロの離島。現代の大型船でも片道10時間はかかる場所です。
そのため、「島流し」とされる刑はある意味死刑よりも過酷であるとも言われています。
神津島に流された人はどのような人だったのでしょうか?恐ろしいろしい凶悪犯ばかり、というわけではなさそうです。
おたあジュリアの物語
神津島において、特に重要な流人は、おたあジュリアという女性です。
彼女はまだ幼い頃、1592年豊臣秀吉の朝鮮侵攻の際に、日本の武将・大名の小西行長によって朝鮮から連れてこられました。
小西行長はクリスチャンであり、その女の子は彼の家で育てられ、ジュリアとして洗礼を受けました。
しかし、関ヶ原の戦いで小西行長(石田三成側)が敗れた後、ジュリアは徳川家康の侍女として仕えることを余儀なくされました。
1610年代、クリスチャンへの迫害が厳しくなる中、ジュリアは信仰を放棄するように言われましたが、彼女はそれを拒否しました。その結果、彼女は伊豆諸島に追放され、1612年に神津島に到着しました。そこで神津島の人々と暮らし、知識を享受したり、貧しい人々の支援をしたと言われています。
彼女の記念碑として、神津島ありま展望台には巨大な白い十字架が建立され、50年間にわたり彼女の人生を記念するジュリア祭りが神津島で開催されていました。
ジュリアは、戦いで家族を失い、敵の国へと追われ、太平の世が訪れても神を信じるが故に島へ流されて安住することもできませんでした。それでも、人々のために力を尽くした彼女の、その波瀾万丈な人生は、混乱した時代の中で全ての人々への祈りを捧げる象徴となのかもしれません。
島に伝わる歴史や文化を音声ガイドアプリでもっと深く楽しむ
神津島には混沌とした時代を生きた、「おたあジュリア」の歴史にまつわる場所がいくつかあります。
神津島の観光ガイド「まるっと!神津島」のドラマチック音声ガイドでは、アプリのマップ上に示された歴史や文化に関係するスポットに行くと、伝説や解説が再生でき、より深く知ることができます。
GPSと連動しているので、島を巡りながら出会ったスポットのドラマを聞いたり、おたあジュリアの物語や神社にまつわる伝説は、①から順にスポットを訪れるとつながった物語が再生できます。
音声だから、目の前に広がる景色を邪魔することなく、歴史を感じながら、当時の人物に思いを馳せる、なんて素敵な時間ですね。
現在アプリは、日本語と英語に対応しています。
どちらもラジオドラマ風のストーリーで解説しているので、難しくて飽きることなく物語に浸れること間違いありません!
音声ガイドとゲームが1つになった新しい観光アプリ「まるっと!神津島」についてはこちらの記事もご覧ください。
歴史ロマンを感じながら神津島に泊まるなら「みんなの別荘ファミリア」へ。
B&Bスタイルの宿「みんなの別荘ファミリア」オーナーの私たちは2017年に神津島に移住しました。島流し…というわけではありませんが、神津島に住み始めてから、神津島の人々の優しさ、自然の美しさが更に大好きになりました!
また、島に残る独特な文化がとても興味深いと感じています。そんな文化がなくなってしまっては勿体無い!きっと海外からの旅行者にも興味を持っていただけるはず!という熱い想いから、先ほど紹介した、神津島の観光アプリ「まるっと!神津島」を私たちファミリアの2人が開発しました。島に来て初めて気づいたこと、季節によって変わる神津島の魅力など、一緒にお話しできれば嬉しいです。
みんなの別荘ファミリアについてはこちらの記事をご覧ください。
合同会社FamiliAは、神津島で「みんなの別荘ファミリア」を営みながら、地域の魅力を伝え、文化を残すため、宿の領域を超えた活動をしています。 2024年1月には、神津島の観光アプリ【まるっと!神津島】をリリース! 旅マエから島のことがよくわかる<神津島すごろく>と現地を訪れた人だけが体験できる<ドラマチック音声ガイド>2つの機能を持つ全く新しい観光体験をアプリで提供します。もちろん、このアプリは英語対応。日本だけでなく、海外のお客様にも神津島の本当の良さを知ってもらい、島の人と仲良くなるきっかけづくりを目指しています。