【京都・二条】田中金彩工芸 昭和初期に蘇った伝統技法を未来に繋ぐ、現代アートのような作品にも注目
こんにちは!今回CECメンバーが訪れたのは、J R二条駅近くにある「田中金彩工芸」です。 京都で創業100年を超え、4代続く京手描友禅の金彩工芸の世界に触れることができます。
金彩工芸とは
金彩とは金・銀の箔や金粉などを接着加工して彩る技法のことで、布だけでなく屏風や食器など、様々なものに施されます。
生地に金彩を施すことで豪華で華やかになり、見る人の心が奪われるような着物に仕上がります。描かれる線は細かく繊細で、高度な技術が必要な伝統工芸です。
写真上二つは布に施された金彩。
こちらはうちわに施された金彩。
田中金彩工芸ではこれまで友禅染の生地を中心に扱っていましたが、四代目を継承した兄弟のお二人が新たな可能性にも挑戦しながら、その技術を未来に繋いでいます。
写真は4代目、金彩工芸士の田中栄人さん。
細かな金の線を生み出す「筒がき」の技法
金彩の技法の一つに「筒がき」があります。その歴史は古く、もとは「糸目」と呼ばれる友禅染の柄と柄の間に糊で輪郭線を引き(糊置き)、色を染め分けることのできる技術がベースで、その際できる白い輪郭線を金線でなぞるというものでした。人気を博し、一時は盛り上がりを見せましたが、その後60年ほどは技法が途絶えてしまったそうです。ですが、当時の糊置きだった職人達が再びその技法を蘇らせようと、昭和初期に復活させました。
「筒がき」の先の「筒」も見せていただきました。職人のそれぞれの手に合ったものをオリジナルで作ります。アイシングクッキーのアイシングやホイップクリームを出す時の先のようなものです。
ワークショップでは気軽に金彩に触れることができます
熟練の技が必要な金彩。ワークショップでは、その技術を気軽に体験することができます。
トートバック作りでは、あらかじめ用意された型紙を使い、型紙に糊を刷り込んだ後、色付きの箔を貼り付けてオリジナルのバッグを作リます。
日本らしく美しいデザインの型がたくさんあり、選ぶのにも迷ってしまいます。
写真は、色付きの箔。
まるでモダンアートのような作品も!ワークショップで体験できます
今回、C E Cのツアーではスペシャルなワークショップをご用意しました!
名刺サイズの木箱に筒がきを施したものを作るワークショップ。
(注)写真は別の木箱になります。実際は名刺サイズでデザインが異なるものをご用意いたします。
「水衣」といううねる波のよう文様は、帯などにも使用される古典の文様です。まるでモダンアートの仕上がりでとてもおしゃれ。海外のゲストにも喜ばれそうです。
写真は「水衣」が施された帯。筒がきは初心者には少し難しい技術ですが、ぜひチャレンジしていただきたいです。
金彩工芸の未来は輝いている!
時代の流れとともに生み出され、一度は下火になったものの復活を遂げた金彩の技法。その技術力とデザイン性の高さは確かなものがあり、引き継がれて行くべきものだと思いました。
今後、想像もつかない様なものに施された金彩の作品を見てみたいですね。
田中栄人さんが一から描かれた、全て金彩を施したカキツバタ(下記写真)。
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田中金彩工芸
所在地: 京都府京都市上京区千本通二条下る東入主税町812-34
電話:075-821-0873
アクセス:JR二条駅から徒歩12分
ウェブサイト:https://tanaka-kinsai-craft.com/
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