牛だけじゃない!50年以上かけて生み出された「松阪豚」の魅力とは?
三重県の中央に位置し「お肉のまち」として知られる松阪市。「松阪牛」が有名ですが、実は「松阪豚」も名物なのです!松阪豚は肉質はもちろん、なんといっても「脂」が特徴的♪ この記事では松阪豚の特徴や食べ方を紹介します。
三重県松阪市の人気グルメを紹介!
三重県の中央に位置し、伊勢湾に面する「松阪市」。江戸時代には商業の町として栄えた場所で、今でも市内に当時の名残が多く残っています。そんな松阪市にはおいしい食べ物がたくさんあるんです♪ macaroniではそんな松阪市の名物を7回に渡ってご紹介!
今回は「松阪豚」の特徴について解説します。
松阪牛の魅力に関してはこちらをチェック▼
松阪豚は三種の血統を持った品種
松阪豚は “養豚業界のレジェンド” といわれる山越弘一氏が、50年もの歳月を経て生み出した交配豚。一般的に豚は複数の純血品種をかけ合わせ、それぞれのよい特徴を引き出しながら生み出されます。
松阪豚は独自の交配技術でランドレース種(L)と大ヨークシャー種(W)をかけ合わせた「LWヤマコシMIX」という種豚に、デュロック種(D)をかけ合わせた「LWDヤマコシオリジナル三元交配豚」と呼ばれるもの。
血統を確立する「LWヤマコシMIX」に良質なデュロック種をかけ合わせることで、さらに旨味を引き出すことに成功しています。
純粋品種の種類:特徴
- ランドレース(L): 背脂肪が薄く、赤肉率が高い。育成率が高く、繁殖能力に優れている
- 大ヨークシャー(W): 赤肉と脂肪のバランスがよく、加工用の原料として高い評価を得る
- デュロック(D): 筋肉内への脂肪がつきやすく、しまりがありやわらかい
肥育方法にもこだわりが
松阪豚は肥育方法が徹底されているのも特徴です。免疫力を高める乳酸菌・酵母を配合したオリジナルの飼料を与え、加工された餌は一切使用していません。さらに、ワクチンを幼少期に少量投与するのみで、その後の薬剤投与は一切なしといったこだわりぶり。
通常、豚は180日前後で出荷できるようになりますが、松阪豚は200〜220日と長期間肥育されるのもポイントです。じっくり丁寧に肥育されるからこそ生まれる味わいが、松阪豚には詰まっているんです!
「脂」が特徴!松阪豚の肉質や味わい
飼料や育成環境にこだわり、長期間肥育された松阪豚の肉質は非常に上質。まるで松阪牛のような霜降りが入っていて、なめらかでやわらかな食感と味わい深さが楽しめます。豚特有のくさみがなく、ゆでても灰汁が出ないとも言われています。
また、松阪豚の魅力を語るときに欠かせないのが「脂」。松阪豚の脂は「つきたてのお餅のよう」といわれるほど、もちもちとした食感なのです。人肌で溶け出す脂は、水のようにサラサラとしていて調理時には薄く伸びます。
その脂ごと調理することで、松阪豚の魅力はより一層高まります。一度口にすれば、その肉質と脂の虜になること間違いなしですよ。
ビタミンB1も多く含まれている
松阪豚には疲労回復に役立つ、ビタミンB1が多く含まれています。
また、ほかのブランド豚に比べて、必須脂肪酸のひとつであるリノール酸や、悪玉コレステロールを抑制するはたらきを持つオレイン酸などを多く含むのも特徴です。
身体に必要不可欠な栄養素が多く安心して食べられるので、健康や美容を意識される方にもおすすめできる食品です。(※1,2,3,4)
松阪豚のおすすめ部位と食べ方
ロース
ロースは豚の胸から腰にかけてある背中側の部位。きめ細やかな肉質とやわらかな食感が特徴です。高級部位のひとつで赤身と脂のバランスがよく、脂には旨味が凝縮しています。定番のとんかつのほか、しゃぶしゃぶ、ソテー、しょうが焼きなどで食べるのがおすすめです!
肩ロース
肩ロースは、首から背中にかけての肩の部分。ロースに並ぶ高級部位で、脂・赤身の比率と食感がよく、コクがあり濃厚な味わいです。ステーキやローストで食べるほか、しゃぶしゃぶ、すき焼きにうってつけ。
リブロース
リブロースはロース肉のなかでも肩に近い部位のことで、1頭から少ししかとれない希少部位。極上のサシが入っていてやわらかく、脂の上品な旨味を感じられます。ステーキやしゃぶしゃぶ、すき焼きにするほか、焼肉にしてわさびしょうゆを付けて食べるのもおすすめです。
ヒレ
ヒレはロース内側にある部位で、リブロースと同じく1頭から少量しかとれません。凝縮した旨味が味わえ、ヒレカツやステーキのほか、贅沢に「1本焼き」にするのがおすすめです。
松阪豚のおいしさを味わってみて♪
徹底した肥育環境で育てられた松阪豚は非常に上質な味わい!もちもち食感で、溶けるとサラサラになる脂は、ぜひ一度は堪能してみたいところです。ぜひ一度松阪にお越しいただき、その上質な脂をご賞味ください。
【参考文献】
三重県松阪市は日本のほぼ中央に位置し、世界に誇るグルメ・松阪牛、豊かな歴史文化、美しい自然を楽しめます。江戸時代、お伊勢参り(日本最高位の神社への巡礼)の最後の宿場町であった松阪は、多くの人やものが行きかう交通の要衝として栄え、多数の豪商を輩出しました。これらの商人たちが、江戸で松阪もめんなどの商いに成功し、松阪に繁栄をもたらしました。