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うなぎの魅力を徹底解説!おすすめ料理5選、行きたい名店、ウンチクも
うなぎ料理の種類や調理法用についてまとめた記事です。国産うなぎが食べられる、日本各地のおすすめの料理店の特徴も紹介。うなぎとあなごの違いや毒性、栄養価、うなぎを食べる「土用の丑の日」といった情報も紹介しています。
「うなぎ」とは
日本鰻(ニホンウナギ)は、ウナギ科ウナギ属の一種で、東アジアに広く分布しています。成魚は全長1メートルほどで、細長い体形が特徴です。特に日本では食文化に深く根付いており、蒲焼きなどの料理で親しまれています。
本記事では、うなぎとあなごとの違いや調理法などを詳しく解説し、それぞれの調理法における、おすすめの名店を紹介します。
「うなぎ」と「あなご」の違い
うなぎ。Photo by Pixta
「うなぎ」と「あなご」は見た目が似ていますが、異なる魚です。どちらも細長い体を持ち色も暗い色調ですが、よく見るといくつもの違いがあります。
うなぎは背中が黒に近い灰色で、腹部は黄色みがかった白色です。
あなご。Photo by Pixta
一方、あなごは薄茶色の体に白い斑点模様があります。
また、うなぎの尾びれは丸みがありますが、あなごの尾びれは尖っています。
うなぎはウナギ科に属する淡水魚で、産卵と孵化だけは海で行いますが、その後は河川や湖沼などで生活します。一方、あなごはアナゴ科に属する海水魚で、一生を海で過ごします。
どちらも食用として広く流通しており、一般的なスーパーでも入手可能です。
うなぎは脂肪分が多く、こってりとした味わいが特徴で、蒲焼きにするとジューシーで香ばしくなります。
うなぎはビタミンAやビタミンEなどの栄養素が豊富で、特にビタミンAはあなごの約5倍以上含まれています。栄養が多いため、あなごに比べてカロリーも高くなっています。
あなごは脂肪分が少なく、淡白であっさりとした味わいです。天ぷらや煮物など、さまざまな調理法であなごのおいしさを引き出すことができます。
うなぎの血液には毒がある?
うなぎの血液には「イクチオヘモトキシン」という毒成分が含まれています。
この毒はタンパク質の一種であり、摂取すると下痢や嘔吐、発疹、呼吸困難などの中毒症状を引き起こすおそれがあります。
しかし、60℃で5分間加熱することで完全に無毒化されます。日本で一般的に提供されるうなぎ料理は蒲焼きや白焼きなどで、これらは十分に加熱されているため、安全においしく食べられます。
1.代表的なうなぎ料理【うな重(うな丼)】
Photo by Pixta
「うな重(うな丼)」は、日本で最も一般的なうなぎの料理法で、うなぎの蒲焼きをご飯の上にのせ特製のタレをかけた料理です。
うなぎは高価格で提供されることが多いため、特別な日の食事としても人気があります。
うな重は重箱に入っており、うな丼は丼ぶりに盛り付けられる点が異なりますが、基本的な構成は同じです。
蒲焼きは、うなぎを開いて骨を取り除き、甘辛いタレを付けて焼く調理法です。
焼くときに炭火を使うと、外が香ばしく中がふっくらとした食感になります。
タレは、醤油やみりん、砂糖などを煮詰めて作られることが多く、甘辛さがうなぎの旨味を引き立てます。
うなぎの蒲焼きは江戸時代から親しまれており、特に「土用の丑の日」には多くの人がうなぎを食べる習慣があります(詳しくは後述します)。
静岡県の「炭焼鰻はじめ」がおすすめ
静岡県浜松市の「炭焼鰻はじめ」は、うな重の名店として非常に人気があります。観光スポットである浜名湖や中田島砂丘にもアクセスしやすい場所です。
「炭焼鰻はじめ」のうなぎは、炭火でじっくりと焼き上げられ、外は香ばしく、中はふっくらとした食感が楽しめます。
絶妙な焼き方によって、うなぎの旨味が最大限に引き出され、特製の甘辛いタレと絡み合います。
「炭焼鰻はじめ」では、さまざまなうな重のメニューが提供されています。
例えば、鰻1匹を使用した「鰻重」には、肝吸いとお漬物が付いてきます。
また、特重(鰻1匹半)や上特重(鰻2匹)など、ボリュームのあるメニューも用意されています。
提供される鰻は厳選された高品質なものばかりで、タレは創業以来継ぎ足しで作られており、深い味わいが特徴です。
【炭焼鰻はじめ】
住所:静岡県浜松市西区雄踏町宇布見9690
営業時間:11:00~14:30(LO13:45)、17:00~20:30(LO19:45)※鰻が完売次第終了になります。
定休日:不定休
公式HP:https://unagi-hajime.com/
2.代表的なうなぎ料理【白焼き】
Photo by Pixta
白焼き(しらやき)とは、タレや調味料を一切使わずに焼き上げたうなぎ料理のことです。
シンプルに焼き上げることで、外はカリッと、なかはふわりとした食感が生まれ、うなぎの脂の旨味を堪能できます。
また、余分な脂が落ちるため、ヘルシーさを求める方からも人気があります。
白焼きは、わさび醤油や塩、柚子胡椒などで味付けして食べるのがおすすめです。うなぎの素材そのものの味を楽しめます。
静岡県の「うなぎの井口」がおすすめ
静岡県浜松市にある「うなぎの井口」は、うなぎの持ち帰りと発送の専門店です。
うなぎの産地である浜松でも数少ない専門店のひとつで、特に白焼きが人気です。
「うなぎの井口」では、地下100メートルから汲み上げたアルプスの伏流水を使用しています。
この伏流水のなかでうなぎを活かすことで、うなぎの臭みを取り除くことができます。
「うなぎの井口」で提供するうなぎは、熟練の職人が丁寧に手焼きしているのが特徴。「二段階遠赤ふっくら焼き」という独自の焼き方を採用しており、うなぎの芯まで火を通し、ふっくらとした食感を実現しています。
うなぎ1尾ごとの脂の乗り具合や身の厚みといった微妙な違いに合わせて焼き上げるため、判断力や高度な技術が必要です。
【うなぎの井口】
住所:静岡県浜松市浜名区平口253-12
営業時間:9:30~18:30
定休日:火曜日
公式HP:https://www.una-iguchi.jp/
3.代表的なうなぎ料理【ひつまぶし】
Photo by Pixta
ひつまぶしは、名古屋市の郷土料理で、うなぎの蒲焼きを細かく刻んでご飯と合わせたものです。ひつまぶしは、ひとつの料理で3つの異なる味わいを楽しめるのが特徴です。
(1)そのまま:まずは、何も加えずにそのままの味を楽しみます。うなぎの香ばしさとタレの風味を堪能できます。
(2)薬味を加えて:次に、ネギ、わさび、のり、三つ葉などの薬味を加えて食べます。薬味が加わることで、さっぱりとした味わいに変化します。
(3)出汁をかけて:最後に、出汁をかけてお茶漬けのようにして食べます。出汁がうなぎとご飯に染み込み、まろやかな味わいになります。
愛知県の「あつた蓬莱軒」がおすすめ
Picture courtesy of ホットペッパーグルメ
愛知県名古屋市にある「あつた蓬莱軒」は老舗のうなぎ料理店で、ひつまぶし発祥の店として知られています。
1873年創業で、150年以上の歴史を誇ります。
ひつまぶしの食べ方として、特性のだし汁をかけて楽しむスタイルに特徴があります。
このだし汁が、うなぎとご飯の風味を一層引き立て、豊かな味わいを演出します。
【あつた蓬莱軒(本店)】
住所:愛知県名古屋市熱田区神戸町503
営業時間:11:30~14:00、16:30~20:30
定休日:毎週水曜日・第2、第4木曜日(祝日は営業、振替休みあり)
公式HP:https://www.houraiken.com/
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4.代表的なうなぎ料理【せいろ蒸し】
Photo by Pixta
せいろ蒸しは、うなぎの蒲焼きをご飯と一緒にせいろで蒸し上げる、福岡県柳川市の名物料理です。
蒲焼きにしたうなぎをタレで味付けしたご飯の上に乗せ、錦糸玉子を添えてせいろで蒸します。
うなぎの旨味がご飯に染み込むことで、ふっくらとした食感と豊かな香りを楽しめるのが特徴です。
蒸す工程でうなぎがやわらかくなり、ご飯も香ばしいタレの風味を吸収します。
この調理法は、江戸時代から続く柳川の伝統です。うな重やうな丼とは異なる独特の味わいがあります。
福岡県の「本吉屋」がおすすめ
福岡県柳川市にある「本吉屋」は、せいろ蒸しで有名な老舗です。
創業は1681年で、300年以上の歴史を誇ります。
「本吉屋」のせいろ蒸しは、ふっくらとした食感と豊かな香りが特徴で、うなぎの旨味がご飯に染み込み、絶品の味わいです。
柳川市内に複数の店舗を構えており、観光客にも地元の人々にも愛されています。
【本吉屋】
住所:福岡県柳川市旭町69
営業時間:10:30~21:00(本店)
定休日:月曜日
公式HP:https://www.motoyoshiya.jp/
5.代表的なうなぎ料理【う巻き】
Photo by Pixta
う巻きは、うなぎの蒲焼きを出汁入りの溶き卵で巻いた料理で、ふわふわの卵と香ばしいうなぎの組み合わせが絶妙な一品です。
蒲焼きにしたうなぎを一口大に切り、出汁と調味料を加えた溶き卵を用意します。卵焼き器に油をひき、溶き卵を流し入れ、半熟状態になったところでうなぎを中央に置き、卵で巻きます。これを繰り返して層を作り、形を整えればできあがりです。
家庭でも手軽に作れるため、普段の食卓にも取り入れやすい料理です。
兵庫県の「青葉」がおすすめ
う巻きが人気の名店といえば、兵庫県神戸市にある「青葉」です。
神戸三宮駅や元町駅の近くに店舗を構え、地元の人々や観光客に愛されています。
「青葉」のう巻きは、ふわふわの卵と香ばしいうなぎの組み合わせが絶妙。
シンプルな工程で作られながらも、見た目は豪華で、特別な日の料理としても喜ばれています。
う巻き以外にもさまざまなうなぎ料理を提供しており、丁寧な調理法と伝統的な味わいで、多くの人々に支持されています。
【青葉 三宮店】
住所:兵庫県神戸市中央区北長狭通2-8-5 阿部ビル1F
営業時間:11:00~14:30、17:00~21:00(LO 20:30)
定休日:水曜日
うなぎを食べる日「土用の丑の日」とは?
Photo by Pixta
「土用」とは立春・立夏・立秋・立冬の前の約18日間のこと。そして「丑の日」とは、日にちを十二支で数えたとき、丑に該当する日を指しています。これらをあわせて「土用の丑の日(どようのうしのひ)」と呼びます。
この期間は季節の変わり目となっているため、寒暖差などで体調を崩さないように、精がつくものを食べる習慣があります。
そこで疲労回復や食欲増進の効果が高い食材として、うなぎを選ぶ人が多いのです。
土用の丑の日にうなぎを食べる習慣は江戸時代後期に始まりました。発明家の平賀源内が、夏に売れないうなぎを売るために「本日、土用の丑の日」と店に張り紙をしたことがきっかけとされています。
全国各地のうなぎ料理を堪能しよう
うなぎの産地である静岡県や愛知県では、国産うなぎをつかった料理が楽しめます。
老舗の鰻屋のメニューは多くの客の舌を満足させてます。うなぎには、うな重や白焼き、ひつまぶし、せいろ蒸しなど異なる調理法があるので、ぜひ自分好みの味を見つけてみてくださいね。
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Written by Cakutama editorial team
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