山形・由良温泉で心と体を癒す旅|庄内温泉の魅力を巡る完全ガイド
山形県は、大小さまざまな温泉地が点在し、自然と歴史が調和する地域です。その中でも庄内地方の南部に位置する鶴岡市には、国民保養温泉地が4か所あり、これは全国の市町村で最多となっています。2022年に指定された「由良温泉」をはじめ、湯野浜温泉やあつみ温泉、湯田川温泉など多彩な魅力があります。
由良温泉のおすすめ日帰り温泉、宿についてはこちらもご覧ください。
1. 由良温泉:日本海の絶景と由緒ある温泉
特徴
由良は漁業の歴史が長い漁師町。温泉は日本海を望む絶景と、新鮮な魚介類が自慢です。1400年前に蜂子皇子が漂着した地であり、出羽三山の開祖ともゆかりがあるという伝説が残っています。
泉質はナトリウム・カルシウム-硫酸塩泉に分類され、身体を芯から温める効果が高いと評判です。保湿効果が高く、入浴後は肌がしっとりと潤うため、「美肌の湯」としても知られています。無色透明でわずかに塩味を感じるお湯は、疲労回復や冷え性の改善にも効果があると言われ、癒しと健康を求める方に最適な泉質です。
観光スポット
由良海岸は、「日本の夕陽100選」「日本の渚100選」「日本の快水浴場100選」に選ばれるなど、数々の称号を誇り、マリンスポーツやダイビングのスポットとしても注目されています。由良海岸のシンボルである白山島の白山神社は、航海安全や五穀豊穣を祈願する信仰の場としても知られ、地域の伝説とも深く結びついています。特に夕日に染まる白山島と日本海の風景は圧巻で観光客を魅了しています。
宿泊と料理
由良温泉にあるホテルや民宿では、庄内地方ならではの旬の魚介を活かした絶品料理を堪能できます。冬には寒鱈、夏には岩牡蠣など、四季折々の新鮮な味覚が食卓を彩り、訪れる人々を魅了します。市場で水揚げされたばかりの魚介を使用しているため、鮮度は抜群!温泉とともに、地元の恵みをふんだんに使った料理を楽しめるのが由良温泉の宿の大きな魅力です。
2. その他の温泉地(湯野浜温泉、あつみ温泉、湯田川温泉)
湯野浜温泉
湯野浜温泉は1000年以上の歴史を持ち、美しい海岸沿いにホテルや旅館が立ち並ぶ温泉郷です。由良温泉同様、海沿いに立地しているため、広大な砂浜と、日本海に沈む美しい夕日や海岸線の景色が特徴です。
泉質は、ナトリウム・カルシウムを含む塩化物泉で、保湿・保温効果が高く慢性胃腸病や、切り傷、皮膚病、神経痛、火傷等に効果があるとされています。街中には足湯や飲泉所があり、立ち寄り湯のサービスを実施している旅館もあるため、温泉街巡りを楽しむことができます。庄内空港や、山形自動車道へのアクセスもよく利便性も抜群です。庄内の中で最も大きな温泉リゾートとなっています。
あつみ温泉
あつみ温泉は、温泉街を流れる「温海川」を中心に栄えた歴史ある温泉地です。江戸時代に湯治場として栄え、現在のような湯町ができました。効能豊かな硫酸塩泉が特徴で、「美肌の湯」としても親しまれています。
温海川は、春は桜、夏は鮎釣り、秋には鮭の遡上を見ることができ、せせらぎを聞きながらの四季のうつろいと共に、心癒されるひと時をすごせます。川辺にある足湯や飲泉所、寝そべりベンチやカフェも魅力の一つで、青空の下、ビールや地物のおつまみが味わえます。
湯田川温泉
湯田川温泉は開湯1300年を誇る、東北でも屈指の古湯です。泉質は、ナトリウム・カルシウムの硫酸塩泉で、湯治効果が高いことで知られています。春には、温泉を利用して、稲の種籾から目を出させる「芽出し」が行われ、温泉を産湯とした苗が作られます。温泉が流れる水路に袋に入った籾がおかれる風景は、湯田川の春の風物詩となります。
竹林と梅林に囲まれた閑静な温泉郷は、昔ながらの湯治場の雰囲気を色濃く残し、しっとりとした雰囲気を楽しむことができます。宿泊施設では、地元の農産物や山菜を使った風味豊かな料理を楽しむことができ、特に春に出回る「鶴岡孟子」※は絶品! 四季折々の旬の食材を活かした食事が、温泉とともに心身を満たします。
※タケノコ
3. 庄内地方:周辺観光スポット
加茂水族館
山形県鶴岡市にある加茂水族館は、世界最大級のクラゲ展示数を誇る水族館。直径5メートルの水槽に約一万匹のミズクラゲが浮遊する「クラゲドリームシアター」が目玉です。
巨大な水槽に映し出されるクラゲの光と影の演出はとても神秘的。世界各国から集められた、約80種以上のクラゲを見ることができます。クラゲに関する解説展示も充実しており、その生態について楽しく学ぶことができますよ。
クラゲ以外にも、庄内の川や池、海に生息する魚が展示されています。アシカやアザラシの泳ぐ姿が見られる海獣エリアも人気です。
館内のレストラン「魚匠ダイニング 沖海月」では、庄内浜で獲れた新鮮な海の幸をふんだんに使用した料理が味わえます。料理長の須田剛史氏が手掛けるメニューは、地元の旬の素材を活かした御膳や定食から、ユニークなクラゲ料理まで様々。クラゲラーメンやクラゲアイスなど、ここでしか味わえない特別なメニューもありますよ!窓から見える日本海の景色も絶景です。
青森屋
庄内エリアの交通拠点であり、観光の起点となる「鶴岡駅」周辺のグルメと言えば、「フルーツショップ青森屋」。初代が青森県からりんごを鶴岡の地に持ち込んで創業した歴史を持ちます。現在は3代目の社長が自ら産地を訪れて厳選したフルーツを提供。
お店の1階と2階には、旬のフルーツをふんだんに使ったタルトやフルーツサラダを楽しめるこだわりのカフェがあり、ゆったりとしたひとときをお過ごしいただけます。特に季節のフルーツを贅沢に使ったタルトは、果物の持ち味を最大限に引き出した一品。白を基調としたアンティーク調の内装が、観光で訪れる方々に癒しの空間を提供してくれますよ。
4. まとめ:庄内の温泉地の魅力
山形県庄内地方の由良温泉、湯野浜温泉、湯田川温泉、あつみ温泉は、それぞれに異なる個性があり、季節や目的に応じた温泉巡りが楽しめます。例えば、夏は由良温泉や湯野浜温泉で海水浴を満喫し、春や秋には湯田川温泉やあつみ温泉で静かな温泉街の風情を味わうのはいかがでしょうか。もちろん季節が違っていても、地元の豊かな食文化も体験でき、四季折々の美しい自然とともに訪れるたびに新しい発見が待っています。
庄内地方の温泉巡りは、心を癒し、自然と食の恵みを楽しむ特別な旅になることでしょう。
5. アクセス
1. 東京からハブとなる「鶴岡」へのアクセス
新幹線とローカル列車を利用する場合
東京駅から「上越新幹線・とき号」で JR新潟駅まで行き、「特急いなほ号」乗り換えて鶴岡駅へ向かいます。
鶴岡駅からは、タクシーで約20分ほどです。(各宿泊施設から迎えに来てもらえることもあるので要相談)
最寄り駅は、JR羽越本線 三瀬駅です。
飛行機を利用する場合
羽田空港から庄内空港へのフライトを利用します。
庄内空港から「鶴岡駅行き」のバスが出ています。
2. 大阪からのアクセス
新大阪駅から東海道新幹線で「東京駅」へ、そこから「上越新幹線・とき号」で新潟駅へ向かい、「特急いなほ号」に乗り換えて鶴岡駅で下車するルートも可能です。
3. 仙台からのアクセス
高速バスを利用する場合
仙台駅前から「山形市」や「鶴岡駅行き」のバスが出ています。(乗車時間約2時間30分)
※仙台線は、仙台空港が始発の便もあります。(1日1便)
鶴岡駅からはJR羽越本線 に乗り 三瀬駅 で下車。
車を利用する場合
「宮城仙台IC」から東北自動車道で「村田JCT」へ
山形自動車道で「鶴岡」へ 全体で約2時間30分ほど
4. 新潟からのアクセス
ローカル列車を利用する場合
新潟駅から「羽越本線」に乗り、「鶴岡駅」まで特急で約2時間。
鶴岡駅からは、タクシーで約20分ほどです。
車を利用する場合
新潟中央JCTから日本海東北自動車道で「朝日まほろばIC」へ
国道7号線で「あつみ温泉IC」へ
日本海東北自動車道で「鶴岡西IC」へ 全体で約2時間15分ほど.
国民保養温泉地とは、温泉利用の効果が十分期待され健全な保養温泉地として、「温泉法」に基づき環境大臣によって指定されています。全国に79箇所の温泉地が指定されています。(2024年10月現在) 国民保養温泉地の選定は、おおむね以下の基準によって行われています。 第1 温泉の泉質及び湧出量に関する条件 (1)利用源泉が療養泉であること。 (2)利用する温泉の湧出量が豊富であること。なお、湧出量の目安は温泉利用者1人あたり0.5リットル/分以上であること。 第2 温泉地の環境等に関する条件 (1)自然環境、まちなみ、歴史、風土、文化等の観点から保養地として適していること。 (2)医学的立場から適正な温泉利用や健康管理について指導が可能な医師の配置計画又は同医師との連携のもと入浴方法等の指導ができる人材の配置計画若しくは育成方針等が確立していること。 (3)温泉資源の保護、温泉の衛生管理、温泉の公共的利用の増進並びに高齢者及び障害者等への配慮に関する取組を適切に行うこととしていること。 (4)災害防止に関する取組が充実していること。