旅の準備はじめよう
【山口県萩市】世界遺産「明治日本の産業革命遺産」萩エリア5資産をご紹介します!
世界遺産「明治日本の産業革命遺産」萩エリアの5資産について観光のポイントやアクセス情報などまとめてご紹介します。
-
目次
- 世界遺産「明治日本の産業革命遺産」とは
- 明治日本の産業革命遺産」萩エリア5資産とは
- 1.萩反射炉
- 2.恵美須ヶ鼻造船所跡(えびすがはなぞうせんじょあと)
- 3.大板山たたら製鉄遺跡
- 4.松下村塾
- 5.萩城下町
- 萩の5資産を学ぼう!世界遺産ビジターセンター
- まとめ・萩市へのアクセス方法
世界遺産「明治日本の産業革命遺産」とは
日本は、幕末から僅か半世紀の間に製鉄・鉄鋼、造船、石炭産業において急速な産業化を達成し、非西欧地域で最初の産業国家としての地位を確立しました。このことは、世界史的に極めて意義のある特筆すべき類稀な事象であり、この歴史的過程を時間軸に沿って示しているのが、「明治日本の産業革命遺産」です。
「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼・造船・石炭産業」として、2015年7月に開催されたユネスコ世界遺産委員会で、世界遺産に登録されました。この遺産群は九州・山口を中心に8県11市に23の資産があります。
明治日本の産業革命遺産」萩エリア5資産とは
萩エリアは「明治日本の産業革命遺産」の時代順で1番目のエリアです。
萩反射炉、恵美須ヶ鼻造船所跡、大板山たたら製鉄遺跡、松下村塾、萩城下町の5つの資産で構成されており、幕末期に萩藩の人々が西洋の技術を勉強し自力で産業の近代化に挑戦した歴史を物語っています。
それでは「明治日本の産業革命遺産」萩エリア5資産をご紹介します!
1.萩反射炉
西洋式の鉄製大砲鋳造を目指した萩藩が、安政3年(1856)に建設した反射炉の遺跡で、煙突にあたる部分(高さ10.5m)が残っています。萩反射炉は試験炉としての性質をもった、当時の試行錯誤による産業化を示す資産です。
反射炉の遺構が現存するのは、静岡県伊豆の国市の韮山反射炉と鹿児島市の旧集成館、萩市の3ヶ所のみです。
観光のポイント!
①手積みでレンガを載せていったので、少し前に傾いてるのが見どころ!
②時間が合えば列車が反射炉の側を通ります。
③桜の時期には反射炉と美しい桜が一緒に見れます!
基本情報
住所:山口県萩市椿東4897-7
営業時間:見学自由 休日:なし
アクセス:JR東萩駅より徒歩24分、車4分
2.恵美須ヶ鼻造船所跡(えびすがはなぞうせんじょあと)
萩藩が安政3年(1856)に設けた造船所の遺跡で、幕末に萩藩最初の洋式軍艦「丙辰丸(へいしんまる)」(全長約25m)、「庚申丸(こうしんまる)」(全長約43m)という2隻の西洋式帆船を建造しました。「丙辰丸」の建造には、大板山たたらの鉄が使用されました。幕末に建設された帆船の造船所で、唯一遺構が確認できる造船所跡です。現在も当時の規模の石造堤防が残っています。
観光のポイント!
VR(バーチャルリアリティ・仮想現実)技術を活用し、現存していない恵美須ヶ鼻造船所跡の遺構や、ここで建造された丙辰丸・庚申丸を再現できます!(スマートフォン・タブレットPC限定)
基本情報
住所:山口県萩市椿東5159-14ほか
営業時間:見学自由 休日:なし
アクセス:JR東萩駅より徒歩34分、車6分
3.大板山たたら製鉄遺跡
砂鉄を原料に、木炭を燃焼させて鉄を作っていた江戸時代のたたら製鉄の跡地です。日本の伝統的な製鉄方法で、1750年代~1860年代の間に3回操業していました。恵美須ヶ鼻造船所で建造した1隻目の西洋式帆船「丙辰丸(へいしんまる)」を建造する際に、大板山たたらで製鉄されたものが船釘などに利用されました。建物跡などの遺構が露出した形で整備されています。
観光のポイント!
①大板山たたら製鉄遺跡は萩市街地から車で40分の山中にあり、自然を堪能できます!
②資産の内容を紹介する展示休憩施設「大板山たたら館」があります。大板山たたら製鉄遺跡や明治日本の産業革命遺産をパネルや映像で紹介・解説しています。
基本情報
住所:山口県萩市大字紫福10257-11
営業時間:見学自由 休日:なし
アクセス:萩市街地より車で40分
4.松下村塾
明治維新の先覚者 吉田松陰が主宰した私塾。松陰は海防の観点から工学教育の重要性をいち早く提唱し、自力で産業近代化の実現を図ろうと説きました。黒船来航で欧米の軍事力を目の当たりにした松陰は、自分の目で海外の実情を確かめたいと考え、国禁を犯してまで黒船に乗り込んで海外密航を計画しました。松陰の教えを受け継いだ塾生らの多くが、のちの日本の近代化・工業化の過程で重要な役割を担いました。
木造瓦葺き平屋建ての建物がそのまま残っています。
観光のポイント!
①松下村塾の中には吉田松陰や弟子たちの絵や写真が飾ってあります。
②境内には、吉田松陰の生涯を等身大のろう人形で再現した「吉田松陰歴史館」や、吉田松陰の遺墨・遺品類などの貴重な宝物がわかりやすく展示されている「松陰神社宝物殿 至誠館」があります。
③松陰神社には「傘みくじ」という傘の形の可愛らしいおみくじがあります!
基本情報
住所:山口県萩市椿東1537(松陰神社敷地内)
営業時間:外観のみ見学自由 休日:なし
アクセス:JR東萩駅から徒歩18分、車で4分
5.萩城下町
産業技術導入の初期の段階は、当時の日本社会を地方ごとに統治していた藩という地域社会を単位として産業技術の導入が進められたという大きな特徴があります。萩城下町は、当時の地域社会における政治・行政・経済の姿をあらわしています。
資産の範囲は、①城跡、②旧上級武家地、③旧町人地 の3地区です。
①城跡(萩城跡指月公園)
城跡は、萩藩の政治・行政の中心であり、産業化や西洋技術の導入についての政策形成の場でした。萩藩13代藩主・毛利敬親が萩反射炉や恵美須ヶ鼻造船所の建設を決定するなど、近代産業化のきっかけを作りました。萩城は萩藩を治めた毛利氏の居城であり、現在は石垣と堀の一部が昔の姿をとどめています。
観光のポイント!
①萩城跡指月公園は桜の名所スポットとしても有名です。桜の季節には600本ものソメイヨシノが咲き誇ります!また、園内にはミドリヨシノが1本あり、日本では萩でしか見ることのできない貴重な桜です。
②VR(バーチャルリアリティ・仮想現実)技術を活用し、現存していない萩城天守を再現できます!(スマートフォン・タブレットPC限定)
基本情報
住所:山口県萩市堀内1-1
営業時間:【4~10月】8:00a.m.~6:30p.m.【11~2月】8:30a.m.~4:30p.m.【3月】8:30a.m.~6:00p.m.
休日:無休
アクセス:JR玉江駅より徒歩26分、車で5分
②旧上級武家地
旧上級武家地は、萩城と外堀の間で藩の重臣達の屋敷が建ち並んでいたエリアで、「城跡」とともに萩藩の政治・行政の中心地で産業化についての政策形成の場でした。武士と町民の暮らす区域は厳格に区別され、当時の身分制、社会経済構造などをよくあらわしています。
観光のポイント!
①堀内鍵曲は左右を高い土塀で囲み、道を直角に曲げた、見通しのきかない独特な道筋です。土塀から夏みかんの黄色い実がのぞく萩らしい風景を見ることができる人気のスポットです!
②口羽家住宅は萩城下に残る上級武士の屋敷としては古く、萩に現存するものとしては最も雄大な規模の長屋門があります。住宅は文化財となっており、見学することができます。
基本情報
住所:山口県萩市堀内146-1(口羽家住宅)
営業時間:町並みは見学自由(口羽家住宅は9:00a.m.~5:00p.m.)
休日:なし(口羽家住宅は水曜日、8月13日~15日、12月30日~1月3日休館)
アクセス:JR玉江駅から21分、車で4分
③旧町人地
「旧町人地」は、中・下級の武家屋敷や町屋が軒を連ねていたエリア。職人や商人などが住み、城下町やその周辺で営まれていた商業活動や小規模工業を基盤とした当時の伝統的経済の姿を示しています。
観光のポイント!
萩市を代表する風景として親しまれている「菊屋横町」は旧町人地にあります。白壁となまこ壁の美しい通りで“日本の道100選”に選ばれています!
基本情報
住所:山口県萩市呉服町1丁目
営業時間:町並みは見学自由 休日:なし
アクセス:JR東萩駅より徒歩30分、車で7分
萩の5資産を学ぼう!世界遺産ビジターセンター
萩・明倫学舎2号館にある「世界遺産ビジターセンター」では、「明治日本の産業革命遺産」について紹介しています。
8県11市にわたる23の資産の中で近代化の原点といわれる萩の5資産について、映像やパネル、レプリカの展示などで楽しく学ぶことができます! 世界遺産巡りの事前学習にぜひどうぞ!
基本情報
住所:山口県萩市江向602 萩・明倫学舎2号館
営業時間:9:00a.m.~5:00p.m.
休日:2月第1火曜日・水曜日
まとめ・萩市へのアクセス方法
以上、世界遺産「明治日本の産業革命遺産」の萩エリア5資産をご紹介しました。気になる資産はありましたか?
萩市への皆様のお越しをぜひお待ちしております!
萩市へのアクセス方法
山口県萩市へのアクセス方法についてはこちらをご確認ください。
萩城跡や武家屋敷、町家、維新の志士の旧宅、寺社など、萩は城下町のたたずまいが都市遺産となって今日まで継承されています。町のあちらこちらに史跡が残り、萩はまるで「まちじゅうが屋根のない博物館」です。