日本のことば事典「そばアレルギー」

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代表的な日本料理の一つ「そば」。その美味しさが広く認知されている一方で、アレルギー症状を引き起こす可能性があることはあまり知られていません。そばアレルギーの原因や症状、安心してそばを楽しんでもらうための取り組みをご紹介します。

更新日 : 2022.03.07

代表的な日本料理のひとつ「そば」。

豊かな香りと心地よい食感で、訪日観光客にも大人気の麺料理です。海外でその美味しさが広く認知されている一方、そばがアレルギー症状を引き起こす可能性があることはあまり知られていません。

そばアレルギーの原因や症状、訪日観光客に安心してそばを楽しんでもらうための取り組みをご紹介します。

そもそも「そば」ってどんな料理？

そばは、穀物の一種であるソバの実を粉状にした「蕎麦粉（そばこ）」を使って作る麺のこと。蕎麦粉と小麦粉、水を混ぜて作った生地を薄く伸ばし何層かに折り畳んでから、幅1〜2mmに切り揃えて茹で上げます。

灰色がかった見た目につるっとした食感、ソバの実の香ばしさが特徴です。蕎麦粉と小麦粉を8対2の割合で混ぜた「二八そば」、蕎麦粉のみで作った「十割そば」などが一般的ですが、お店ごとにこだわりの配合で作られています。

また東京千代田区神田には、古くから続くそば屋さんが多いことで知られています。例えば1884年創業の「かんだまつや」は有名です。

一口にそばといっても、調理方法や具材によってメニューは様々。冷たいそばを醤油、砂糖、出汁をベースにしたつゆに浸けて食べる「もりそば」が人気メニューです。お店で食べる以外にカップ麺としても多く売られており、コンビニなどで気軽に購入し楽しむことが出来ます。

知らないと危険！「そばアレルギー」の症状

ビタミンB2や食物繊維が豊富なヘルシーフードであるそばですが、蕎麦粉に含まれるタンパク質が重篤なアレルギーを引き起こすことがあります。

日常的にそばを食べる習慣のない国では、そばアレルギーのことがあまり知られていません。そのため日本に来て初めてそばを食べ、体調不良を訴える訪日観光客も少なくないのです。

そばアレルギーは食べてから10分以内に口の中が痛い、口周りが腫れる、喉が痒いなどの症状が現れます。さらに時間が経つと、腹痛や吐き気、下痢といった症状が見られ、酷い場合はアナフィラキシーショックを起こす場合もあります。そばを食べてすぐ口回りに異常を感じたら、可能であれば全て吐き出してしまうか、大量の水を飲んで様子をみましょう。

そばだけじゃない！そばアレルギーを引き起こす食べ物

そばアレルギーを防ぐにはそばを食べないこと以外に、蕎麦粉を使っている可能性のある食品を避ける必要もあります。特に和菓子には蕎麦粉を使った物が多く、注意が必要です。軽いクッキーのような食感の「そばボーロ」や、蕎麦粉と小麦粉を使った皮に餡を包んだ「そば饅頭」など、おみやげとしてよく売られているお菓子が挙げられます。

最近では蕎麦粉を使ったパンケーキやガレットも人気があり、カフェなどで食事をする際にも注意が必要です。