新海誠作品『秒速5センチメートル』の聖地巡礼!10月に実写版映画も公開
新海誠監督のアニメ映画『秒速5センチメートル』は、精緻な映像と繊細な感情描写で多くのファンを魅了し、2025年10月に実写映画化されます。本記事ではアニメの象徴的なシーンの舞台となった東京と鹿児島の聖地巡礼情報をご紹介。作品の世界観に浸り、映画公開を心待ちにしましょう。
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目次
- 『秒速5センチメートル』の聖地巡礼へ出かけよう!
- 「桜花抄」編 聖地巡礼(東京・栃木)
- 「コスモナウト」編 聖地巡礼(種子島)
- 「秒速5センチメートル」編 聖地巡礼(東京)
- さあ、『秒速5センチメートル』の聖地巡礼へ!
『秒速5センチメートル』の聖地巡礼へ出かけよう!

明里と貴樹が一緒に歩いた階段
『君の名は。』『天気の子』『すずめの戸締まり』といった数々の人気作を生み出してきた新海誠監督。
その初期の傑作の一つとされているのが、今作『秒速5センチメートル』です。2025年10月10日に公開される実写版では、主人公・貴樹を松村北斗さん、ヒロイン・明里を高畑充希さん、花苗役は森七菜さん、監督を奥山由之さんが務め、今年の年末に公開される映画の中でも特に注目を集めています。
アニメ『秒速5センチメートル』物語のあらすじ

©Makoto Shinkai / CoMix Wave Films
Picture courtesy of 株式会社 株式会社つみき
『秒速5センチメートル』は、遠野貴樹と篠原明里の初恋を主軸に、幼なじみだった二人が時間と距離によって次第に離れていく物語を描いています。
成長と共に変化する環境の中で、二人の想いは現実の壁に阻まれ、多くの後悔と切なさを残していきます。
「桜花抄」編 聖地巡礼(東京・栃木)
「桜花抄(おうかしょう)」は、貴樹と明里が小学生から中学生の頃が舞台。主に東京の代々木周辺、そして貴樹が明里に会うために向かう栃木県が描かれています。
貴樹と明里がよく遊んだ「代々木八幡宮」

『秒速5センチメートル』の物語から推測すると、遠野貴樹と篠原明里の学校や家は代々木エリアにあったと考えられます。
作中で二人が下校時によく走って通り過ぎる鳥居は、多くの日本のネットユーザーが代々木八幡宮ではないかと推測しています。
境内には庚申塔(こうしんとう)や、二人が一緒に歩いた頭など、数々のシーンが登場します。代々木八幡宮はまさに都市のオアシス。木々に囲まれ、静寂な雰囲気に包まれたこの場所は、東京の都心でありながら日本の伝統と自然が調和した貴重な空間です。
千代田線代々木公園駅から徒歩わずか5分とアクセスも抜群なので、ファンならずともぜひ訪れてほしいスポットです。
代々木八幡宮周辺のおすすめホテル
明里だけが渡った踏切(参宮橋1号踏切)

明里が踏切を渡りながら貴樹に「来年も桜、一緒に見れるといいね」と告げるシーンは、「参宮橋1号踏切」が舞台です。参宮橋駅から徒歩わずか3分。実写版映画でも同じ踏切で撮影される可能性が高く、公開後は多くのファンが聖地巡礼に訪れることでしょう。
Googleマップで場所を見る:東京都渋谷区代々木4丁目8−1
参宮橋公園

物語の冒頭で印象的に描かれる坂道。コンクリートの連続壁の上に数本の桜の木が並び、このシーンの美しい映像は多くの観客の心に深く刻まれています。
この場所は参宮橋公園の北西角に当たります。アニメとは異なり、実際のコンクリートの連続壁の上には桜の木はありませんが、ここに立てばあの美しいシーンが鮮やかに蘇ることでしょう。この角には桜の木はありませんが、公園入口には複数の桜の木があり、桜が舞い散る季節にはロマンチックな光景が広がるはずです。
参宮橋公園周辺のおすすめホテル
明里が泣きながら転校を告げた公衆電話

アニメで、明里が公衆電話から泣きながら貴樹に栃木への転校を告げるシーン。実写版映画でも同じ公衆電話で撮影される可能性が高い場所です。この公衆電話は、参宮橋駅東口からほど近い、首都高速道路の真下にあります。周辺に他に公衆電話がないため、見つけやすいでしょう。
Googleマップで場所を見る:東京都渋谷区代々木4丁目3
岩舟駅

Photo by PIXTA
「桜花抄」編のクライマックスは、貴樹が種子島へ転校する直前、明里に会うため栃木県へ向かう場面。途中、大雪のために何度も電車が遅延し、ようやく明里のいる岩舟駅(いわふねえき)に到着します。

Photo by PIXTA
アニメでは駅員がいる駅として、また暖炉がある描写もされていますが、実際は無人駅で暖炉もなく、大雪が降ることも稀です。しかし、駅を出るとアニメに登場する古風な駅舎がそのまま残っており、駅前の景色もアニメとほとんど変わりません。東京から電車で2時間ほどかかりますが、この象徴的なシーンに惹かれ、多くのファンが聖地巡礼に訪れています。
「コスモナウト」編 聖地巡礼(種子島)
「コスモナウト」の章では、貴樹が種子島で過ごした高校時代が描かれます。遠く離れた明里を想い続ける貴樹と、彼に片思いをする澄田花苗の切ない感情が綴られています。
種子島

本章の主要な舞台となる種子島。作中には種子島の美しい景色が数多く登場し、貴樹と花苗がよく訪れたコンビニも実在します。
種子島と栃木県の距離は、貴樹と明里の心の距離が次第に離れていく様子を象徴しています。また、章のタイトル「コスモナウト」は、種子島で最も有名な「JAXA種子島宇宙センター」と見事に呼応しています。
種子島へのアクセス: 鹿児島空港から国内線飛行機、または鹿児島港から高速船やフェリーが利用できます。
中山海岸

この章のヒロイン、澄田花苗は貴樹に密かに想いを寄せていました。貴樹との距離を縮めようと、口実を見つけては一緒に帰ろうとしますが、貴樹の心が遠くを見ていることに気づきます。
そして彼女は告白しないことを選び、自分の中で区切りをつけます。中山海岸で波に向かい、未来へ向かって進んでいくのです。
Googleマップで場所を見る:鹿児島県熊毛郡中種子町野間
「秒速5センチメートル」編 聖地巡礼(東京)
『秒速5センチメートル』の最終章は、大人になった貴樹が明里への想いから抜け出せず、恋人との別れも経験し、過去の記憶に囚われて未来へ進めない姿を描いています。しかし、明里はすでに未来へ向かい、恋人との結婚を控えていました。
貴樹と明里が走った坂道

この坂道は作中で2度登場します。1度目は「桜花抄」の冒頭、そして2度目は第3章で、貴樹が一人で幼い頃の思い出の場所を歩くシーンです。この場所は参宮橋駅から参宮橋公園入口へ向かう坂道です。
Googleマップで場所を見る:東京都渋谷区代々木4丁目4-1
映画に登場する天文館「多摩六都科学館」

写真:PIXTA提供
映画『秒速5センチメートル』の重要な舞台となった天文館の撮影地は、西東京市にある「多摩六都科学館」です。この科学館は1994年に開館した体験型ミュージアムで、世界最大のプラネタリウムを所有しています。映画公開後、この科学館の知名度が急上昇しました。
アクセス方法としては、西武新宿線「田無駅」または「花小金井駅」からバスに乗り、「多摩六都科学館」バス停で下車するのがおすすめです。
二人が最後にすれ違った踏切(参宮橋3号踏切)

物語の結び。ある日、貴樹は偶然、見覚えのある鉄道の踏切を通りかかります。そこですれ違ったのは、明里によく似た女性。貴樹が振り返って確かめようとしますが、行き交う列車に遮られ、列車が通り過ぎると女性の姿は消えていました。貴樹は追いかけることなく、ただ静かに微笑みます。
それは、もしかしたら彼が過去を乗り越え、未来へと歩み始めた証だったのかもしれません。この踏切は、幼少期の踏切から徒歩5分ほどの距離にあります。ぜひ合わせて巡礼してみてください。
Googleマップで場所を見る:東京都渋谷区代々木5丁目59-1
新宿

成長した貴樹はエンジニアとして働き、恋人と別れた後、新宿や過去の場所を彷徨います。アニメには新宿の高層ビル群が頻繁に登場し、それらの描写は主に新宿西口のビル群がモデルとなっています。
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さあ、『秒速5センチメートル』の聖地巡礼へ!
『秒速5センチメートル』の最も素晴らしい点は、美しい作画や感情表現だけでなく、観客が年齢を重ねるごとに鑑賞するたびに異なる感動を味わえることだと、筆者は思います。
そしてこの作品が、いよいよスクリーンに登場します。アニメの聖地の多くが実写映画の舞台にもなっており、間違いなく多くの人が映画館へ足を運び、同時にこれらの場所も多くの巡礼者で賑わうことでしょう!
ただ、聖地巡礼に訪れる皆さんに一つだけ知っておいてほしいことがあります。多くの聖地とされる場所には、実際には桜の木がない場合もあります。それでも、この作品の持つ魅力を十分に感じられますし、これまで知らなかった東京の美しい風景を探索できるなど、一石二鳥の体験ができるはずです!
いかがでしたでしょうか?この機会に、ぜひ『秒速5センチメートル』の舞台を訪れてみませんか?
台湾台北市出身。京都府北部の舞鶴市でインバウンドに携わりながら、ブロガーとして日本の観光情報を発信してきました。MATCHAには2019年10月に参加。
趣味は旅、電車を見ること、オシャレなスイーツ・カフェ巡り、御朱印集め、ミュージカル観劇、写真撮影など。幅広過ぎて、自分でも不思議に思っています。