【三重】伊勢・VISONとあわせて訪れたい松阪市!着物体験と松阪牛を味わう癒し旅
三重県への旅行では、定番の伊勢神宮や話題のVISONとともに、松阪市も見逃せません。伝統工芸品の松阪もめんを使った着物を着られる体験や、上質な松阪牛の味わい、温泉など、心豊かなひとときが待っています。本記事ではあまり知られていない松阪市の魅力を紹介します。
伊勢神宮やVISONとあわせて巡る、「松阪市」で癒しの旅を
三重県へ旅行するなら、日本屈指のパワースポット・伊勢神宮や大型リゾートVISON(ヴィソン)は見逃せないスポットです。
けれど、三重の魅力はそれだけではありません。そこから、もうひと足のばして訪れたいのが「松阪市」です。松阪市では、心も体も解きほぐされる癒しの時間を過ごせるでしょう。
松阪市までは、伊勢市やVISONから車でわずか約30分〜40分です。三重県中部に位置する歴史の町・松阪市は、アクセスの良さに加えて、豊かな文化と食の魅力にあふれています。
松阪市といえば誰もが思い浮かべるのが日本三大和牛の「松阪牛」でしょう。しかしほかにもたくさんの魅力にあふれています。
江戸時代から受け継がれる伝統織物「松阪もめん」や、お茶の三大産地のひとつに数えられる三重の「松阪茶」も、この地ならではの魅力です。
シンプルで上品な松阪もめんの着物に身を包み、江戸時代の風情を残す長屋造りの武家屋敷の通りを散策。老舗の名店では、とろけるような極上の松阪牛を堪能できます。
旅の締めくくりには、静かな山あいにたたずむ茶屋や温泉でひと息。五感がゆるやかに癒されていく、そんな時間が待っています。
目次:
・松阪市へのアクセス
・松阪もめん着物体験:気軽に着られる着物で街を散策
・松阪市の歴史を辿る:松坂城跡や江戸時代の名家を間近で鑑賞
・松阪市の味覚を堪能:老舗で松阪牛を味わう
・自然に囲まれた道の駅でひと息:温泉やお土産探しも満喫
・「深緑茶房」で松阪茶を:山あいの静けさにも癒される
・一泊してさらに魅力を満喫!オススメの宿泊先
松阪市へのアクセス

松阪市は、三重県の交通の要所のひとつです。周辺の観光地や主要都市からのアクセスも非常に良く、旅のプランに組み込みやすい場所です。
伊勢神宮から
「伊勢市駅」からはJR参宮線または近鉄山田線を利用すれば、「松阪駅」まで直通で15~20分ほどで到着します。
VISONから
VISONバスターミナルから三重交通バスに乗ると、乗り換えなしで約40分で「松阪駅」に到着します。
近隣の主要都市から
・大阪から:近鉄「大阪難波駅」から近鉄特急を利用し、約1時間30分で「松阪駅」に到着します。
・名古屋から:JR「名古屋駅」からJR快速みえ、または「近鉄名古屋駅」から近鉄特急を利用。所要時間は約1時間〜1時間20分で「松阪駅」に到着します。
・京都から:近鉄「京都駅」から近鉄特急(伊勢方面)を利用。所要時間は約1時間50分で「松阪駅」に到着します。直通と「大和八木駅」で乗り換えの場合があります。
中部国際空港から
名鉄特急「ミュースカイ」で「名鉄名古屋駅」まで行き、その後は2つのルートがあります。
ひとつは、徒歩で隣接するJR「名古屋駅」へ移動し、JR快速みえに乗り換えて「松阪駅」まで向かうルート。もうひとつは、「近鉄名古屋駅」から近鉄特急に乗車して「松阪駅」で下車するルートです。
※ジャパンレールパス(Japan Rail Pass)を利用する場合は注意が必要です。JR快速みえが通る「伊勢鉄道」の四日市~津区間は、Japan Rail Passの対象外となっています。
追加料金は、列車内での車掌による切符確認時にお支払いください。
松阪もめん着物体験:気軽に着られる着物で街を散策

「松阪駅」に到着したら、まるでタイムスリップしたかのような気分を味わってみてはいかがでしょうか。
「きもの専門店和創館八幡屋」は、駅から徒歩約7分のところにある、創業100年以上の呉服店です。松阪ならではの「松阪もめん」の着物をレンタルするサービスを提供しています。

Picture courtesy of 松阪市
松阪もめんは、松阪が誇る伝統工芸品のひとつです。最大の特徴は、天然藍で染めた綿糸を使って織り上げる縞模様にあります。
贅沢が禁じられていた江戸時代、一見すると質素ながら、よく見ると無限に表情が変わる藍染めの縞模様は、控えめなおしゃれとして庶民の間で人気を集めました。
松阪もめんは、江戸(現在の東京日本橋周辺)の人口が100万人といわれた当時、年間50数万反出荷されるほどの人気を誇りました。この流通によって木綿の商いに関わっていた三井家は大きく発展。のちの三越創業の礎が築かれました。

「きもの専門店和創館八幡屋」では、松阪もめんの着物レンタルに加えて、上質で高級な正絹の振袖や婚礼用の着物、職人による手作りの和雑貨なども販売しています。

松阪もめんの魅力を広めるため、きもの専門店和創館八幡屋では、わずか3分ほどで着られるシンプルな着物を貸し出しています。
服を脱がずにそのまま上から着られるため、手軽で便利です。
この着物は、松阪を代表する伝統工芸として大阪万博にも出展されています。世界各国から訪れる観光客に、日本の和の魅力を伝えるきっかけとなっています。
松阪市の歴史を辿る:松坂城跡や江戸時代の名家を間近で鑑賞
松坂城跡

着物に着替えたら、松阪の歴史が息づく街並みを歩いてみましょう。
きもの専門店和創館八幡屋から徒歩約10分〜15分で「松坂城跡」に行くことができます。

ここには様々な手法で積まれた石垣などの遺構が残っており、戦国時代から江戸時代の面影を今に伝えています。
御城番屋敷

武士たちが暮らしていた「御城番屋敷(ごじょうばんやしき)」は、約90メートルに及ぶ大変長い屋根瓦と濃い緑の槇に囲まれた、趣きのある二棟の長屋です。
佐藤健主演の映画『るろうに剣心 最終章 The Beginning』の撮影地としても知られ、建物内では撮影の様子を収めた写真や小道具などを見ることができます。

青い縞模様の松阪もめんを身にまとって街を歩くと、風景にすっと溶け込むような感覚が味わえます。
その姿を写真に収めれば、どの一枚にも物語が宿るような、美しい情景が写し出されます。
※公開されていない部分は個人の生活空間となっていますので、訪れる際には公開エリア以外に立ち入らないようご注意ください。
旧長谷川治郎兵衛家

かつての風情が残る一角には、国の重要文化財に指定されている「旧長谷川治郎兵衛家(きゅうはせがわじろべえけ)」があります。
長谷川家は、江戸時代に有数の木綿商人として栄えた名家でした。邸宅の壮大さがその繁栄ぶりを今に伝えています。
一歩足を踏み入れると、重厚な造りと落ち着いた佇まいに、思わず息をのむような迫力を感じることでしょう。

屋内は当時の暮らしぶりが丁寧に再現されており、四季の移ろいを感じられる美しい中庭も設けられています。
屋内のつくりによく目を凝らすと、優れた職人たちの創意工夫が細部にまで行き届いていることが伝わってきます。

ここでは、江戸時代の豪商の暮らしにふれながら、当時の賑わいを想像することができます。
松阪の名を全国に広めた「松阪もめん」の歴史的背景にも思いを巡らせることができるでしょう。
松阪もめん手織りセンター

松阪の伝統を肌で感じたいなら、「松阪もめん手織りセンター」を訪れてみてください。
松阪もめん手織りセンターでは、松阪もめん製品の販売だけでなく、手織り文化の継承と振興に取り組む工房も併設されています。

ショップでは、ハンカチや財布などの小物から衣料品まで、幅広い商品がそろっています。他ではなかなか見つからない個性的なお土産選びにも最適です。
松阪市の味覚を堪能:老舗で松阪牛を味わう

松阪に来たら、やっぱり松阪牛は外せません。古城を歩いて歴史の重みにふれたあとは、「松坂城跡」から徒歩約8分の場所にある、松阪牛料理の老舗「牛銀本店」へ足を運んでみましょう。

創業以来、松阪市を代表する名店として知られる牛銀本店は、歴史を感じさせる和風の木造建築が印象的です。
現在は四代目がその味と伝統を受け継いでいます。店内に足を踏み入れると、まるで別の時代に迷い込んだかのような感覚に包まれるでしょう。
壁には、松阪市の歴史を物語る貴重な写真が数多く飾られ、店内に穏やかな時間が流れています。

牛銀本店は、約1世紀にわたって最高品質の肉を提供してきました。
なかでも誇りとするのが、丹精込めて肥育された「特産松阪牛」です。美しい霜降りが入ったお肉は、まさに芸術品のような仕上がりです。
調理すると、脂が濃厚で甘みのあるジューシーなソースへと変化。ひと口でとろけるような夢の食感が味わえます。

スタッフが丹精込めて仕上げる松阪のすき焼きは、砂糖と醤油の配合に独自の工夫が施されています。柔らかな極上和牛と合わせることで、シンプルな野菜ですら驚くほど深い味わいが引き立ちます。
一口ごとに、まるで天国にいるかのような至福の時間を楽しめます。
自然に囲まれた道の駅でひと息:温泉やお土産探しも満喫

昼食を楽しみ、心も体も満たされたら、歴史情緒あふれる街並みを後にして、郊外の豊かな自然へ足をのばしてみましょう。
「松阪駅」に戻り、レンタカーやタクシーで約40分ほど走ると、山あいにある「道の駅 飯高駅(いいたかえき)」に到着します。

道の駅 飯高駅は、三重県内唯一の天然温泉が付設された道の駅です。美しい川のほとりにあり、地元農家によるその日採れたての野菜や果物、特産品なども販売されています。
併設された温泉施設「香肌峡温泉(かはだきょうおんせん)いいたかの湯」では、旅の疲れをゆっくり癒すことができるでしょう。
半日歩き、地元グルメを堪能したあとの体には、温泉に浸かるひとときが何よりのご褒美です。湯の温もりが緊張を解きほぐし、自然に包まれるような癒しの感覚をもたらしてくれます。
この旅で味わえる、もっとも贅沢な時間のひとつです。

温泉を楽しんだあとは、道の駅内にある物産コーナーをのぞいてみましょう。目移りするほど多彩なお土産が並ぶなかで、特にオススメなのが飯高の地元味噌です。
味噌に練り込まれた焼きねぎの香ばしい風味は、ご飯のお供やサラダに添えてもアクセントになります。ひと口食べれば、お土産として長年親しまれている理由がきっとわかるはずです。
また、地元産ブルーベリーを使ったデザートも豊富です。家族や友人への贈り物にもぴったりです。
「深緑茶房」で松阪茶を:山あいの静けさにも癒される

温泉に浸かって心も体もリフレッシュしたら、癒しの旅をもう少し続けてみましょう。
「道の駅 飯高駅」からほど近い、山あいに静かに佇む茶室「深緑茶房」に向かいます。

三重県は、日本で第3位の茶葉の生産量を誇ります。その中でも松阪で育まれる「松阪茶」は、地域を代表する自慢の特産品です。
山あいに静かに佇む深緑茶房では、そんな松阪茶を楽しめます。窓の外に広がる緑豊かな茶畑の風景とともに、心落ち着くひとときをお過ごしください。

使用している茶葉は、すべて三重県内の有名な産地で育てられたもの。どれも、お茶農家が心を込めて手がけた上質な茶葉です。


店内に一歩足を踏み入れると、上品なお茶の香りがふわりと漂います。
床から天井まで続く大きな窓の向こうには、丁寧に手入れされた日本庭園が広がります。静かで落ち着いた隠れ家のような空間です。

メニューには、濃厚な「お茶摘みソフト」や、お茶との相性が良い「チーズケーキ」など、多彩なメニューがそろっています。
中でも人気なのが、急須や湯冷まし等を用いて、昔ながらの日本茶スタイルで愉しむことができるお店自慢の煎茶です。スタッフが淹れ方や飲み方を丁寧に説明してくれるため、より深く味わうことができます。
温かいお茶を一口すすると、ほろ苦さからまろやかさへと変化する風味がゆるやかに広がります。窓の外に広がる緑と相まって、まるで時間が止まったかのような安らぎと静けさに包まれます。

深緑茶房のお土産コーナーも必見です。
日本航空(JAL)とコラボレーションした「伊勢茶いちご羊羹」や牛銀と共同開発された肉料理に合うお茶など、いずれも地元ならではの魅力が詰まった商品が並びます。
一泊してさらに魅力を満喫!オススメの宿泊先
日帰りでは少し慌ただしいと感じる人は、松阪の静けさや美しさをより深く味わうために、一泊してゆっくりと過ごす旅も検討してみてください。
ここではオススメの宿泊施設を紹介します。
Stay奥松阪

「Stay奥松阪」は、地元の古民家を改装したデザイナーズゲストハウスです。
温かみのある木造建築の趣を残しながら、モダンな山小屋スタイルを取り入れたデザインが特徴です。周囲の自然に溶け込む心地よい空間が広がっています。
室内には4つのベッドが備えられているので、家族や友人グループでの滞在にも最適です。

食器類が備えられているのも、うれしいポイントのひとつです。購入した料理を盛り付けてゆったり味わうこともできます。

ゲストハウスに隣接するハイキングコースは、松阪のもうひとつの名所である「珍布峠(めずらしとうげ)」へと続いています。
伝説によれば、天照大御神(あまてらすおおみかみ)(※)がこの地の風景に感銘を受け、「珍しい布のように美しい」と称えてこの名を付けたそうです。
ここは天照大御神が国を二分したとされる神話ゆかりの地でもあり、神秘的な雰囲気が漂っています。
※天照大御神……日本神話に登場する太陽の女神で、最も重要な神のひとり。日本の皇室の祖先とされ、伊勢神宮内宮に祀られています。
飯高駅コテージ

自然に囲まれた環境を満喫したいなら、「道の駅 飯高駅」に隣接する「飯高駅コテージ」での滞在がオススメです。

各コテージは和室と洋室に分かれており、室内には木の温もりとやさしい香りが漂っています。
バルコニーからは、山々と川が織りなす自然の風景をゆったりと眺めることができます。

コテージには最大4名まで宿泊でき、家族や友人との滞在にもぴったりです。
隣接する温泉でゆっくりくつろいだり、道の駅のレストランで地元食材を使った夕食を味わったり、新鮮な農産物や特産品を購入したりと、便利で快適な田舎暮らしを満喫できます。
松阪市で心ほぐれる旅を
三重旅行といえば、荘厳な伊勢神宮をはじめとする名所や、近年注目を集めているVISONが人気です。
ですが、少し足を伸ばして松阪市にも訪れてみてください。また違った三重の魅力に出会うことができます。
松阪市では、定番の観光地を駆け足で巡る旅とは違い、心も体もゆったりとほどけていくような、贅沢な時間が過ごせるでしょう。
Written by 大久保太太
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