”日本のトイレ文化”の歩みを世界へ発信!「トイレの文化館」 愛知・常滑にオー
やきものの街・愛知県常滑市にある「INAXライブミュージアム」は、土とやきものの魅力を伝える体験・体感型ミュージアム。「窯のある広場・資料館」「世界のタイル博物館」に7つめの展示館「トイレの文化館」が加わり、日本のトイレ文化を世界に発信中。
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目次
- 土とやきものの魅力を伝える!INAXライブミュージアム
- 7つ目の館としてオープンした「トイレの文化館」
- ”清浄性”と”清らかさ”は日本独自の精神性 日本の心と技を世界へ発信
- 日本のトイレの変遷を、時代に沿って一望できる展示空間
- 建築の見どころも満載
- 日本のトイレ文化への誘い -千羽コレクションより-
- ユニークなお土産「トイレの最中」
- 施設概要
- アクセス
土とやきものの魅力を伝える!INAXライブミュージアム
INAXライブミュージアムは、六古窯の一つに数えられるやきものの街、そしてINAXブランド発祥の地である愛知県常滑市にLIXILが開設する文化施設。「窯のある広場・資料館」「世界のタイル博物館」「トイレの文化館」「建築陶器のはじまり館」「土・どろんこ館」「陶楽工房」「やきもの工房」の7館から成り、土とやきものの歴史や文化、美しさや楽しさを伝える活動を展開しています。

7つ目の館としてオープンした「トイレの文化館」
「トイレの文化館」はI、NAXライブミュージアムの7つ目の施設として、2025年4月に開館しました。「トイレの文化館」では、”日本のトイレ文化”を世界へ発信する”を大きなテーマとして、日本独自の技術と海外の先進技術を融合させながら発展してきた日本のトイレ文化と、その背景にある「日本の心」を発信しています。

”清浄性”と”清らかさ”は日本独自の精神性 日本の心と技を世界へ発信
日本のトイレが高い評価を受けている背景には、単なる機能性や衛生性だけでなく、「清浄」を重んじる独自の精神性と「おもてなし」の心があります。この館では、約180平米の木造展示空間に5つのテーマを設け、日本のトイレ文化を軸にしたトイレの発展と進化を紹介しています。
展示は、日本のトイレ文化の根底にある清浄の精神ともてなしの心を感じていただくインスタレーションから始まります。トイレの源流から、江戸城で将軍が使用した樋箱の復元展示や排泄物を溜めて肥料として活用した糞尿と食糧の循環システム、そして水洗化を経て現代の豊かなトイレへとつながる変遷をたどります。世界に先駆けて開発を進めたイギリスの水洗トイレや、国産初の温水洗浄機能付き便器(シャワートイレ)など貴重な実機を展示し、日本のトイレがどのように発展、進化をしてきたのかをわかりやすく説明しています。
日本のトイレの変遷を、時代に沿って一望できる展示空間
清浄性、清らかさをトイレに求めた精神とおもてなし

(左) 染付花図(牡丹) 朝顔形小便器 個人蔵 (右) 染付花と蝶図(牡丹と芭蕉) 向高形小便器 千羽コレクション Photo: Toshihide Kajihara
将軍さまが使用したトイレ !?.日本の「トイレ文化」の源流

絵図面から復元した江戸城本丸の樋箱 (ひばこ)。Photo: Toshihide Kajihara

便器にも清らかな設え
水洗トイレの始まり イギリスで発明された水洗便器

イギリスで発明された水洗便器
(中央) バルブ式便器(トラップ別型)イギリス 1860年ごろ (右) ハイタンク式便器「Simplicitas」(陶器製トラップ一体型) 便器:DOULTON & Co. イギリス 1887年ごろ ハイタンク:Royal Doulton & Co. イギリス 1900~1910年ごろ Photo: Toshihide Kajihara
国産初のシャワートイレ 西洋の技術を取り入れた”和魂洋才”

国産初の温水洗浄機能付き便器「サニタリイナ61」(1967年発売) Photo: Toshihide Kajihara

カラーバリエーションの歴史をミニチュアサイズのトイレで
建築の見どころも満載
1階は鉄筋コンクリート造、2階は木の温もりを感じる木造建築。建築自体にも見どころがあふれています。
黒い壁板を鎧のように重ねる常滑の伝統的な鎧壁(よろいかべ)
2階の木造部分は、黒い壁板を鎧のように重ねる常滑の伝統的な鎧壁(よろいかべ)を外壁の意匠に取り入れています。鎧壁とは、やきものの窯場から火事が多発したことから、延焼を防ぐための知恵であり、やきものの街、常滑らしさを取り入れています。


常滑では、窯場から火事が多発したことから、鎧壁を角材と折れ釘で土壁に留め、火事の際には、角材を取り払い木製の壁を一気に取り外して延焼を防ぐ工夫がなされていました。Photo: Toshihide Kajihara
日本のトイレ文化への誘い -千羽コレクションより-
「窯のある広場・資料館」2階では、日本のトイレの歩みを紹介する「トイレの文化館」への誘(いざな)いとして、美しく染付が施された古便器の逸品をご覧いただきます。明治時代から昭和時代初めにかけて愛知・瀬戸でつくられた陶磁器製の染付便器のうち、選りすぐりの17(大便器8、小便器9)点を展示しています。



清潔さにおいても、技術においても、世界から注目を集めている日本のトイレ。その進化をご覧いただくとともに、背景にある、清浄性や清らかさをトイレに求めた日本の心と技をぜひ感じてください。
ユニークなお土産「トイレの最中」
LIXIL 榎戸工場と常滑の老舗和菓子店・大蔵餅様とのコラボレーションによる和菓子「トイレの最中」。トイレのかたちをした「もなか」菓子は、ミュージアムショップの一番人気!ご自身で、トイレ形状のもなか皮に餡子を詰めてお楽しみください。※餡子を入れるときは決してトグロを巻かないようにご注意ください。
やきものの街・常滑のユニークなお土産としてもおすすめな、おいしい逸品です。


施設概要
所在地:愛知県常滑市奥栄町1-130
TEL:0569-34-8282
休館日:水曜日(祝日の場合は開館)、年末年始
共通入館料(2025年4月17日以降):一般:1000円、学生 800円 、中高生 500円、小学生 250円
https://livingculture.lixil.com/ilm/
アクセス
◆公共交通機関
・最寄り駅:名鉄線 常滑駅(徒歩約25分)
・バス 名鉄線 常滑駅または中部国際空港より、知多バス「知多半田駅」行き
「INAXライブミュージアム前」下車徒歩 2分
◆ 車 (無料駐車場 80台)
・中部国際空港セントレアから10分
INAXライブミュージアムは、日本六古窯の街、愛知県常滑市にある、土とやきもののミュージアムです。 館名の「ライブ」という言葉が示すように、五感を使って楽しみ、学び、遊ぶ、躍動感ある活動を展開しています。 6つの館が点在する緑豊かな屋外空間は、四季折々に表情を変え、ここで過ごす時間を心地よいものにしてくれます。 展覧会やワークショップなど、訪れるたびに新しい発見と驚きが皆さまをお待ちしています。 土とやきもの、ものづくりの歴史や魅力、楽しさとの出会いをどうぞお楽しみください。