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愛知県の名古屋は、日本三代都市のうちのひとつ。金のシャチホコが輝く「名古屋城」や日本庭園の「徳川園」などの魅力的なスポットが市内にあるほか、世界中から注目が集まる「ジブリパーク」も近くです。オススメの観光スポットからグルメまでまとめて紹介します!
東京と大阪に次ぐ大都市で、日本のちょうど真ん中あたりに位置する名古屋。「トヨタ自動車」の本社や、人気のお城・名古屋城があることで知られる愛知県の中心都市です。2022年にオープンした「ジブリパーク」からも近い距離にあります。
交通の要所である名古屋駅周辺は、近年の再開発により高層ビルが立ち並び近代的。観光名所が比較的コンパクトにまとまっているので、1日でいろいろ巡ることができるのも魅力です。
そんな名古屋に来たら、ぜひ訪れてほしいスポットをピックアップしてみました。最後にモデルルートや交通アクセスも紹介していますので、旅の参考にしてみてください。
名古屋のシンボルとして親しまれている「名古屋城」。注目したいのは、城の守り神である「金のシャチホコ」が輝く天守閣(※1)です。
木造復元事業のため2022年まで入場することはできませんが、400年前の意匠を再現した「本丸御殿」や、名古屋グルメが楽しめる飲食店街「金シャチ横丁」が2018年に完成し、人気を集めています。
特に「本丸御殿」は、この地域を治めていた尾張(おわり)藩主(※2)の住まいであり、迎賓館だった建物が、現代に見事に再現されています。襖絵(※3)などには金箔が贅沢に施されていて、絢爛豪華。この時代に隆盛した日本画や彫刻の美を目の当たりにすることができます。
※1:天守閣……日本の城郭に建てられるもっとも高い建築物のこと。その城のシンボルとなる。
※2:藩(はん)……江戸時代に大名が支配していた領域のこと。藩主は藩の領主。
※3:襖絵(ふすまえ)……部屋と部屋を仕切る引き戸に描かれた絵画
Picture courtesy of ©Studio Ghibli
世界中で愛される数々のアニメを制作してきたスタジオジブリのテーマパーク「ジブリパーク」が、2022年11月に愛知県の長久手市にオープンしました。名古屋駅からは電車で約1時間、東京からでも新幹線を利用すれば約3時間でアクセスすることができます。
パーク内はスタジオジブリの作品世界を表現した5つのエリアで構成されており、2022年にはそのうちの3エリアがオープンしました。作中に出てくるシーンを再現したフォトスポットや建築物、グルメなどが楽しめ、まるで作品の中に入り込んだかのような体験をすることができます。
2023年以降には、映画『もののけ姫』の里山風景をイメージした「もののけの里」と、『ハウルの動く城』や『魔女の宅急便』などの舞台となった北ヨーロッパをイメージした「魔女の谷」の残り2つのエリアも順次オープン予定です。
【ジブリパーク】
・住所:〒480-1342 長久手市茨ケ廻間乙1533-1 愛・地球博記念公園内
・営業時間:平日10:00~17:00(※学校の長期休暇期間の平日は9:00~17:00)/土日祝9:00~17:00
・休館日:毎週火曜日(火曜日が祝日の場合は翌平日)
※学校の長期休暇期間は営業
※年末年始及びメンテナンスなどの指定日
※営業日、営業時間は予告なく変更になる場合があります。
・ウェブサイト:https://ghibli-park.jp/
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今から400年以上前に戦乱の世を治め、約250年もの間、日本を統治していた徳川家。その直系の大名で、現在の名古屋の礎を築いた尾張徳川家の大名庭園(※3)を整備したのが「徳川園」です。
自然と造形美が融合した庭園は、大小の岩や小川が配され、この地域の自然風景を表現しています。明治時代の建物を移築・改装したレストランやカフェもあり、庭を眺めながら食事が楽しめる席もあります。
「徳川園」と同じ敷地内には、尾張徳川家が収蔵していた品々を展示する「徳川美術館」もあります。甲冑(武士がつける武具)や刀などのほか、国宝に指定されている「源氏物語絵巻」(※4)など、貴重な資料に出会えますよ。
※3:大名庭園……大名が自身の邸宅などに作った豪華な庭。大きな岩や池、橋などを配し、その周りを回遊することができる。
※4:源氏物語絵巻……平安時代に書かれた長編小説「源氏物語」を題材として、作品に登場するシーンの画を巻物に描いた絵巻物。
Picture courtesy of トヨタ産業技術記念館
「トヨタグループ」発祥の地ならではの施設として、ぜひ訪れたいのが「トヨタ産業技術記念館」です。
1918年に作られた赤煉瓦工場が記念館の建物として生かされ、トヨタグループの創始者・豊田佐吉が発明した自動織機などが展示されています。現在のトヨタ自動車は佐吉のモノづくりの精神を受け継いだ長男・喜一郎が創業した会社。トヨタのルーツは実は機織り機にあったのです。
その後、高性能な国産車を生み出すことに成功し、世界中で販売されるまでになったトヨタ自動車。同じ建物内にある「自動車館」では歴代のトヨタ車も展示され、自動車が出来上がるまでの過程を詳しく知ることができます。
2020年9月に改装工事を終えてリニューアルオープンした「名古屋テレビ塔」は、ショッピングスポットが集まる名古屋の中心街、栄(さかえ)エリアにそびえたつタワーです。
街の中心を南北に伸びる「久屋大通(ひさやおおどおり)公園」の一角にあります。日本で最初に建てられた集約電波塔として知られていて、地上100メートルの高さにある展望フロアからは名古屋全域を見渡せます。
毎週土日と祝日には、この展望フロアまで階段で登るイベントも開催しています。柵はありますがオープンエアーなので、高いところが苦手な人でなければ、楽しく運動不足が解消できますよ。タワーの足元にはカフェやおみやげを販売するショップもあり、公園を散策しながらのんびり過ごせる場所です。
楕円形の巨大な建造物が印象的な「オアシス21」。「名古屋テレビ塔」のすぐ東側にあります。地下にショップフロアやバスターミナル、地上には芝生広場があり、まさに都会のオアシス的存在。旅行者向けの観光案内所もこの中にあります。
特徴的な楕円型の部分は「水の宇宙船」と呼ばれ、水が流れる透明なガラスでできており、上に登って歩くこともできます。特に夜はLEDで光り輝き、街の夜景と共に幻想的な景色を楽しめるフォトジェニックなスポットです。
初代徳川将軍・徳川家康によりこの地に移設されたと伝わる寺院「大須観音」。その門前町として発展した「大須商店街」は、ショッピングやグルメ、エンターテインメントなど、なんでもありの商店街。セレクトショップや古着店などが多く、個性的なファッションを探すにはぴったりの場所です。
またブラジル、トルコ、台湾など世界各国の料理や、昔ながらの和菓子、インスタ映えしそうなスイーツなどが売られていて、食べ歩きには困りません。名古屋名物「ういろう」(※5)を販売する「大須ういろ」や、天津甘栗の「今井総本家」は必ず訪れたいお店です。
また東京の秋葉原、大阪の日本橋に次ぐ電気街があり、名古屋のサブカルタウンとしても知られています。名古屋でメイド喫茶やアニメ・フィギュアを探すなら大須に行きましょう。
※5:ういろう……米粉と砂糖を原料とした和菓子。弾力のある独特の食感が特徴。
Picture courtesy of 熱田神宮
地元の人々に「あつたさん」と呼ばれ親しまれている「熱田神宮」(あつたじんぐう)。1900年もの歴史があり、三種の神器(※6)の1つである「草薙神剣(くさなぎのみつるぎ)」を祀る、由緒ある神宮です。
とても広いので、入口などで地図をもらうのがオススメ。敷地内には小さな神社がいくつも点在し、宝物館や名古屋名物「きしめん」(後述)を食べられるお店もあります。樹齢1000年を超える木々が並ぶ参道を歩くと、ここだけ空気が異なることを感じるはずです。
※6:三種の神器……天皇の祖・天照大神(あまてらすおおみかみ)から贈られたと日本神話で伝えられる、3つ(剣・鏡・玉)の宝物。皇位継承の証として代々天皇に受け継がれてきた。現在、剣は熱田神宮、鏡は伊勢神宮、玉は皇居にあるとされる。
世界最大のプラネタリウムがあることで知られる「名古屋市科学館」は、地球や科学の不思議を楽しく学べる学習施設です。ギネスブックにも認定されたという内径35メートルのプラネタリウムは実際の星空を忠実に再現し、さまざまなテーマで宇宙の魅力を紹介しています。
ほかにも、人工の竜巻や放電の実験を目の前で見ることができるラボや、極地の疑似体験ができるマイナス30度の空間「極寒ラボ」などがあり、大人から子どもまで楽しく科学と触れ合えます。
Picture courtesy of リニア・鉄道館
子ども連れの旅行でぜひ訪れたい施設もご紹介します。名古屋駅から「あおなみ線」に乗って約30分(360円)、終点「金城ふ頭(きんじょうふとう)駅」へ行きましょう。ここには日本初のレゴランド「LEGOLAND JAPAN」や日本の高速鉄道を紹介する「リニア・鉄道館」など大型施設が集結しています。
「レゴランド」には名古屋の街並みを再現したレゴタウンや、レゴブロックをかたどったグルメもあって、レゴの世界を満喫するにはぴったり。レゴランドのオフィシャルホテル「レゴランド ジャパン ホテル」や体験型水族館「SEA LIFE Nagoya」も併設しています。
一方、「リニア・鉄道館」は日本の鉄道会社「JR東海」が運営する博物館。本物の新幹線や電車が並んでいて迫力満点です。運転操作の体験や、時速500キロメートルで走るリニアの模擬体験などもできるので、子どもたちが大興奮すること間違いなしです。
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円頓寺商店街
四間道の街並み
高層ビルが立ち並ぶ、名古屋駅エリアから徒歩10~15分という場所に、昔ながらの商店街や古い町並みが広がるエリア「円頓寺(えんどうじ)商店街」「四間道(しけみち)」があります。
「円頓寺商店街」は数多くの映画のロケ地にもなっている商店街。アーケード街には、地元の人々から親しまれている老舗店が並びます。最近は劇場やボルダリング施設など個性的なお店も登場し、注目を集めています。
「四間道」は、戦災を免れた黒壁の伝統的な家屋や蔵が残るエリア。近年はそんな建物を改装し、カフェやレストランなどもオープンしています。住宅街でもあるので、マナーを守って散策を楽しんでください。
味噌カツ
日本の中でも、名古屋エリアは独自の食文化が発展していることで知られています。その代表格が「味噌カツ」「味噌煮込みうどん」といった、赤味噌を使った料理。
「赤味噌」とは、大豆が主成分の長期熟成をした味噌。色は濃いですが、見た目と違ってまろやかな味わい。加熱しても風味が飛びにくいので、煮込み料理や味噌汁など、さまざまな料理に使われています。
そんな赤味噌のソースを揚げたての豚カツにたっぷりかけた「味噌カツ」は、名古屋の喫茶店や食堂で必ず見かけるメニュー。専門店もあり、特に「矢場とん」は、名古屋駅や中部国際空港など便利な場所にお店を展開していて人気です。
麺や野菜、鶏肉などを赤味噌入りのスープで煮込み、あつあつを提供する「味噌煮込みうどん」は、麺が固めなのが特徴。もっちり歯ごたえのある麺に、しっかりした赤味噌の味がよく合います。市内に数店舗展開する「山本屋総本家」が老舗として知られています。
和食の1つとして人気の鰻料理も、名古屋独特の食べ方があります。たれを漬けて焼いた鰻を刻み、ご飯の上にのせた料理「ひつまぶし」です。
ご飯の上に鰻を乗せるまでは通常の鰻丼、鰻重と同じですが、ひつまぶしではネギやわさびなどの薬味や、出汁が一緒に出されます。薬味を使って味に変化をつけたり、出汁をかけてお茶漬け風にして食べたりと、さまざまな食べ方ができ、飽きません。
熱田神宮前に本店がある「あつた蓬莱軒」が名店として有名です。
さらに、イタリア料理であるスパゲティにも独自のアレンジが加わり、「あんかけスパゲティ」という名古屋名物になっています。
茹でた麺をさらに油で炒め、そこにとろみのあるトマトベースのソースを掛けます。量も味もインパクト大! ソーセージや野菜、魚フライなどさまざまな具材をトッピングとして選べるのも特徴です。
甘いもので人気なのは、甘く炊いた小豆をのせた「小倉トースト」。名古屋の多くの喫茶店では、ドリンクを注文しただけでトーストや玉子などが付いてくる「モーニングサービス」があります。「小倉トースト」はその定番メニュー。
ほかにも鶏手羽を揚げて、甘辛いたれとスパイシーな調味料で味付けした「手羽先」や、鰹(かつお)の出汁が効いた醬油スープで幅広の麺を楽しむ「きしめん」、にんにくや唐辛子で炒めた挽き肉をラーメンの上にかけた「台湾ラーメン」など、名古屋グルメは個性豊かなものばかりが揃っています。
メーグル Picture courtesy of 名古屋観光コンベンションビューロー
名古屋市内の観光名所を周回するバス「メーグル」の1日乗車券(500円)を使えば、いろいろな場所を観光できて便利。
今回紹介した「トヨタ産業技術記念館」「四間道」「名古屋城」「德川園」「名古屋テレビ塔」「オアシス21」なども経由地となっています。1日乗車券は「メーグル」車内で購入できます。
名古屋駅から乗る場合は、名古屋駅バスターミナル11番乗り場から出ています。
朝食
「名古屋駅」の地下街にある喫茶店でモーニングセットを食べる
午前
「トヨタ産業技術記念館」でトヨタの技術に触れる
ランチ
「四間道」を散策して、古民家レストランでランチ
午後
「名古屋城」「徳川園」で名城、名園を見学
夜
「オアシス21」と街の夜景をバックに記念撮影
ディナー
「栄駅」から夜の繁華街へ。「味噌煮込みうどん」など、名古屋グルメを堪能!
このように、名古屋は1日でも本記事で紹介したような主要スポットをじゅうぶん網羅できます。もし2〜3日余裕があればスポットをゆっくり回れますし、名古屋グルメもたくさん味わえますよ。
名古屋観光ルートバス「メーグル」 https://www.nagoya-info.jp/routebus/
東京などから名古屋へは、飛行機やレンタカーで行くこともできますが、新幹線で行くのが便利です。詳細は、MATCHA記事をご覧ください。
東京〜名古屋の航空券を今すぐチェック:skyticket>
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また、中部国際空港や名古屋駅を出発点として、名古屋城やジブリパークなどさまざまな場所を周遊してみたい場合は、レンタカーを利用するのも便利です。
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名古屋旅行のスケジュールを立てて、新幹線や飛行機のチケットも押さえたら、次は宿の準備ですよね。
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このほか、日本ではフリーWifiを提供している場所が限られます。訪日観光客の方は、旅行時にポケットWi-fiをレンタルすると便利です。MATCHAでは、20%オフでお得に使えるNinja-Wifiのクーポン(英語)を発行しているので、ぜひ活用してくださいね。
400年以上前に名古屋城を中心に街が形成され、近代になるとものづくりの街として日本の発展を支えてきた名古屋。
今回はそんな名古屋の歴史と文化を感じることができる場所から、最新の注目施設まで「名古屋で行くべきスポット」を紹介しました。ぜひ本記事を参考にして、名古屋での素敵な思い出を作ってくださいね。
※本記事は2018年9月18日に公開した記事を2023年版にリライトしました。