冬の雪国を彩る「かまくら」祭りの旅：横手・小野川・湯西川・飯山・中尾

なぜかまくらが生まれたのか？

日本の北国、特に東北や北関東の冬は、深い雪に覆われます。その雪を利用して生まれた伝統的な小屋が「雪屋（かまくら）」です。元々は農閑期に子どもたちが雪遊びとして作ったものや、地域の安全祈願や豊作祈願のために作られたものといわれています。雪で作られた小さな家は、中にろうそくや食べ物を置いて温かい空間を作り、冬の厳しい寒さの中で地域住民や訪れる人々を迎えてきました。雪国の知恵と遊び心が融合した文化、それがかまくらの始まりです。

かまくらの魅力・特徴

かまくらの最大の魅力は、雪と光が生み出す幻想的な空間です。中に入ると、外の寒さから守られ、柔らかいろうそくの光に包まれます。雪の白さと灯りの温かさの対比は、言葉にできない美しさです。また、かまくらの中では甘酒やお餅が振る舞われ、地域住民との触れ合いも楽しめます。雪国の風物詩として、家族連れやカップル、写真愛好家まで、多くの人々を惹きつける冬ならではの体験と言えるでしょう。

地域別かまくら祭りガイド：幻想の雪屋を巡る冬旅

秋田・横手の雪まつり かまくら ― 日本屈指の雪国フェスティバル

開催地・期間：秋田県横手市、毎年2月中旬

2026年（令和8年）より、かまくら祭りの開催日が第2金曜日・土曜日に変更されます。

➡ 2026年は2月13日（金）、2月14日（土）に開催予定です。

※この変更は2029年2月までの4年間、試験的に実施されます。

横手かまくらby横手市サイト

祭りの規模と特徴：全国的に知られる横手の雪まつりでは、大小さまざまなかまくらが市内各所に並びます。直径2メートルほどの小型から子どもが入れる大型まで多彩で、夜になると内部に灯されたろうそくが雪に反射し、幻想的な光景を作り出します。地元住民による手作りの工夫も見どころです。

体験可能なアクティビティ：かまくら内部の見学、甘酒や焼き餅の振る舞い、雪上での自由遊び体験

見どころ・写真スポット：雪に浮かぶかまくら群、川沿いのかまくら列、雪道に並ぶ小道、夜のライトアップされた幻想的な光景

山形・小野川温泉 かまくら村 ― 温泉街と雪灯籠の温かい融合

開催地・期間：山形県小野川温泉、毎年2月初旬～中旬

小野川かまくらby PRTIMES

祭りの規模と特徴：温泉街の中心に点在する小さなかまくらは、ランタンやろうそくでやわらかく照らされます。雪に覆われた温泉街とのコントラストが美しく、雪景色と温かい湯の両方を楽しめる点が魅力です。観光客も比較的少なめで、静かに冬の風情を味わえます。

驚くべきことに、かまくら内には近隣の飲食店のメニュー表があり、米沢ラーメンやそばなどを出前で楽しむことができます。利用方法としては、かまくら内での出前はメニュー表に記載された飲食店に電話で注文し、出前一回につき中学生以上500円の利用料がかかります。熱々のラーメンを味わえば、冷えた体も心まで温まるでしょう。

見どころ・写真スポット：ライトアップされたかまくらと雪景色、温泉街沿いの雪灯籠、夜空に浮かぶ温泉街の光

栃木・湯西川温泉 かまくら祭り ― 幻想的な雪灯籠と里山の冬景色

開催地・期間：栃木県湯西川温泉、毎年2月上旬～中旬

祭りの規模と特徴：関東圏からもアクセスしやすく、多くの観光客が訪れる冬祭りです。雪で作られたかまくらと雪灯籠が里山の景色に溶け込み、昼夜で異なる表情を見せます。手作り感あふれるかまくらが温かい雰囲気を演出しています。

体験可能なアクティビティ：かまくら内部の見学、餅つき体験、雪上でのイベント参加、温かい飲み物や郷土料理の試食

見どころ・写真スポット：川沿いに並ぶかまくらと雪灯籠、夜のライトアップ、雪の中で行われる餅つき体験の様子

長野・飯山 かまくらの里 ― 雪原に広がる体験型雪祭り

開催地・期間：長野県飯山市、毎年2月中旬

祭りの規模と特徴：里山の広大な雪原に大小のかまくらが点在する、体験型の雪祭りです。子どもも大人も楽しめるアクティビティが豊富で、夜のライトアップは幻想的。雪に囲まれたかまくら群は、まるで別世界に迷い込んだかのような光景を楽しめます。

体験可能なアクティビティ：かまくら内部の見学、雪遊び、記念撮影、雪灯籠作り体験

見どころ・写真スポット：ライトアップされたかまくら、雪原に浮かぶ小屋の列、里山と雪のコントラスト

新潟・中尾かまくらまつり ― 手作り温もりあふれる雪の里

開催地・期間：新潟県中尾地区、毎年2月上旬～下旬

中尾かまくらby奥飛騨温泉郷観光協会

祭りの規模と特徴：地域住民手作りのかまくらが軒を連ね、地元ならではの温かいおもてなしが特徴。小規模ながらも、雪国の生活文化や人情が感じられる祭りです。地元の郷土食や温かい飲み物がふるまわれ、ゆったりと雪景色を楽しめます。

体験可能なアクティビティ：かまくら入場、雪遊び、地元食材を使った温かい飲み物、手作りの雪灯籠作り

見どころ・写真スポット：雪に包まれた里山、手作りかまくらの並ぶ風景、地域住民との交流風景

雪屋祭典を楽しむポイント

雪屋祭典を楽しむ際は、防寒対策が欠かせません。

冬の雪祭りは極寒の屋外で行われるため、重ね着のインナー、手袋、帽子、防水靴などでしっかりと防寒し、快適に過ごせる服装を整えましょう。写真撮影では、ろうそくやライトアップされたかまくらが映える被写体となります。三脚や手ぶれ防止機能を活用し、夜景モードで幻想的な光景を切り取るとより美しい写真が撮れます。また、かまくら内で甘酒やお餅を味わったり、雪遊びや雪灯籠の散策を楽しむことも冬ならではの体験です。家族やカップル向けには、かまくら作りや餅つき、雪灯籠の制作など、みんなで参加できるアクティビティが充実しており、雪の中での共同作業は思い出に残る特別な時間となるでしょう。

冬の雪国でほっこり体験♪かわいいかまくら祭りの旅

冬の雪国を彩るかまくら祭りは、雪に包まれた小さな家の中で過ごす時間が、日常を忘れさせてくれます。ふんわりとした雪の壁に囲まれ、ちょこんと座る小さなかまくらや、ろうそくのやさしい光にほっこり。幻想的な雪景色、温かい甘酒やお餅、そして地元の人々の笑顔──冬の日本ならではの可愛らしい体験があなたを待っています！

東北・北関東の雪文化を肌で感じ、冬ならではの特別な旅を楽しむために、今年の冬はぜひかまくら祭りを巡る旅に出かけてみませんか。雪に包まれた街並みと心温まるおもてなしが、忘れられないキュートな思い出を作ってくれることでしょう。