愛媛の国立公園|私達の環境保全&サンゴ保全&町 愛南町・西海観光船[3/4]
愛媛の南端に位置する愛南町の海は、国立公園に指定された海域です。サンゴ保全、ビーチクリーンなどは、愛南町役場や事業者、愛南町の外の方々も集まって行っています。
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目次
- 30年以上続く、世代を越えた活動へ|ビーチクリーン活動
- 国立公園の海中保全|サンゴ保全活動
- 漁村の有効活用と町の|保全海業「UMIGYO」
- More Articles and Outside Resources |愛媛の南端 愛南町 西海観光船
30年以上続く、世代を越えた活動へ|ビーチクリーン活動

「故郷の海に、少しだけの恩返し」をスローガンに掲げ、普段の生活から離れて、海のことを少しだけ考えながらゴミ拾いを行う。そんなビーチクリーン活動が2025年で31年目を迎えました。
愛媛の海には何十年も前から、サンゴ群生が広がっています。実は最近になって分かったことですが、300歳を超えるサンゴも沢山発見されています。300年前の江戸時代・武士が生活していた時代から、豊かな海が残り続けているのです。近年、海洋研究者達の間で有名になりつつあります。
愛南町の名前が少しずつしれてきたおかげか、町の外から活動に参加してくれる方が増えています。
元々、この活動は、40年以上前からこの海で潜っているじい様が始めた活動です。2025年の時点で74歳になりますが、まだ現役のガイドインストラクターとして海に潜り続けています。その時から協力してくれていた方々が、今でも活動を支えてくれていて、最近になって新しい人達が集まり、参加者が増えてきたのです。
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2025年の活動では、50名を超える方が参加して下さっています。この活動は毎年6月の最終週に行っていて、Cカードを取得された方なら、どなたでも参加可能です。
広域に活動が認知され始めて、2025年、愛媛銀行様から表彰を受けました。右に立っているのが74歳現役ガイドインストラクターのじい様です。左は私です。
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国立公園の海中保全|サンゴ保全活動
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2025年で74歳のガイドインストラクターのじい様が、ビーチクリーンを始めた少し後に「愛南サンゴを守る協議会」を立ち上げました。地元の有志を募って、サンゴ保全活動を行う組織を作ったのです。高水温が終わった冬から活動を始めます。
ライントランセクト法:海底に100mのラインを引いて、50cm毎に底質を調べて、サンゴの被度を確かめる方法
スポットチェック法:観察者が15分間泳いで、目視でサンゴの被度、大きさ、種類の優先などを調べる方法
これらを毎年10地点、10年以上の観測と、データを残し続けています。
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愛南町のサンゴ群集は2014年頃から微増を続けています。2018年に1度、大きな台風の影響でサンゴが壊れることもありましたが、現時点では回復が進んで、毎年、新しいサンゴの子供達を観察することが出来ます。
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愛媛の南端に位置する愛南町は、国立公園の特別保護地域の名前に恥じない、豊かな自然が残り続けていますが、他の大きな問題を抱えています。人口の減少に伴って、今まで作った技術、文化、歴史が受け継がれていくことが難しくなっているのです。私、高橋の年齢は44ですが、その上の世代がぽっかりと空いてしまっています。技術、文化、歴史の継承が途切れてしまっているのは、日本国内でも大きな問題点になっているように感じます。
これからまた、私の下の世代に受け継いでいくのも、未来の大きな目標となっています。
そこで出てくるのが、後述する海業「UMIGYO」です。
漁村の有効活用と町の|保全海業「UMIGYO」
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「UMIGYO」とは、水産庁が推進する、漁村の活性化を進める取り組みの名称です。2022年に策定され、2023年に愛南町は「UMIGYO」推進モデル地区に認定されました。
愛南町は国立公園を含めた豊かな海が残っていることや、水産業が盛んなことなども理由に、漁村の有効活用を進めるモデル地区に選ばれたのです。これは、人口減少が大きな問題となっている愛南町にとって、未来の町を作る為の大きな原動力になりました。
海業「UMIGYO」自治体の取り組み
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漁業、養殖業、観光業、飲食業、宿泊業、大学、省庁、銀行など様々な業種が集まって、愛南町はどの様に存続して行くかを、役場主導ではなく、住民が主導して考える会議が何度も行われるようになりました。「UMIGYO」の会議で様々なことが話合われました。
その中で「教育」は、異なる事業者間でも合意形成が取れる大切なテーマになりました。教育と旅行を組み合わせて、町全体で外から来た方々を迎え入れるのは、これから先の大事な目標になりそうです。
私、個人的には、国立公園の豊かな海を利用しながら「広域で連携して、外の人を迎え入れる」ことに力を入れ始めています。それが後に紹介するGreenFinsの取り組みです。
ナショナルジオグラフィック
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GreenFinsの紹介の前に前に一つ。海業「UMIGYO」取り組みの一環で、愛南町がナショナルジオグラフィックに掲載されました。
▽ナショナルジオグラフィックHP(外部リンク)
https://special.nikkeibp.co.jp/atclh/TS/25/ainan_umidas0826/
失われつつある漁村を活性化させて、町の活気を取り戻そうとする。その一連の流れを取材して頂いて、一つの物語として掲載されています。ナショナルジオグラフィックの30周年記念も重なって、愛南町は「海」を大きなテーマに、バックグラウンドで動いている人物にまで焦点を当てて紹介して頂いています。
グリーンフィンズ
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2025年、広域連携の一つとして「GreenFinsの導入」が決まりました。GreenFinsとは、ダイビングやスノーケルに焦点を当てた、環境を守りながら経済活動を行う為の模範ルールを定めた国際認証です。生き物との接触を避けたり、有害な物質をまき散らかさない等、普段行っていることは多くありますが、アンカリングをできるだけしないようにしたり等、広域でルール制定をできたら良いなと考えて、この地域へ導入をしました。これは海業「UMIGYO」の一環で、私が行っているプロジェクトの一つです。
GreenFinsの良いところは、事業者単体では取得できない仕組みになっているところです。自治体も参加しないと取得が認められません。個人的な資格や認証を取得すれば良いのではなくて、自治体も含めて、地域全体で取得を目指すところに意味があると考えています。
大切なことは海を守るだけではなく、地域の方々に、愛南町の海の凄さ、貴重さを知ってもらうことです。普段から行っていた保全活動等や、このグリーンフィンズの導入など、色々な活動を続けていく中で、愛南町の方々が、地元の海に潜る機会を作ることが出来ました。皆様、地元の方々も含めて、海の中を知っているようで意外と知らないのですよね。国立公園の特別保護地域に選ばれている愛南町の海の貴重さを知ってもらうところから、街づくりを初めています。

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▽愛媛の国立公園 西海観光船[4/4]|愛南町の海の環境
▽愛媛の国立公園 西海観光船、公式HPはこちら(日本語・外部サイト)
https://nishiumi.info/
四国愛媛県の最南端最南端に位置している愛南町は「足摺宇和海国立公園」に代表する豊かな海・山を有し自然環境に恵まれた地域です。気候は四季を通じて温暖でサンゴや熱帯魚などを見ることもできます。