大地の芸術祭を知っていますか? 新潟の里山で20年以上続くアートの祭典をご紹介
「大地の芸術祭」は、新潟県の越後妻有地域(十日町市と津南町)で行われる、世界最大級の国際芸術祭です。最大の特徴は、多くの作品が美術館を飛び出して、地域の里山や空き家、廃校等を舞台に展示されること。本記事ではその魅力を紹介します。
越後妻有地域について

越後妻有地域とは、新潟県の南側、長野県との県境に位置する十日町市と津南町一帯を指す名称です。
この地域は、日本有数の豪雪地帯。雪の恵みや厳しさに晒されながら、大地と関わって生きてきた里山の暮らしが、今も人々の間に息づいています。
その歴史や文化に「アート」という新たな視点を与え、その魅力を再発見するために、地域芸術祭「大地の芸術祭」は始まりました。
地域芸術祭とは

地域芸術祭において、作品と、その作品を展示・鑑賞する地域とは、切っても切り離せない関係にあります。地域芸術祭の作品は、その地域、その場所に置かれなければ成立しません。それは、それらの作品が、アーティストとその地域との出会いによって生まれるからです。
アーティストは、様々な場所からやってきて、様々なルーツを持っており、その五感で地域の中から何かを見出します。
だからこそ、地域芸術祭は、地元の人も知らなかった地域の魅力に気付く装置となり、アートは地域を巡る道しるべになりえます。
大地の芸術祭は、そんな地域芸術祭のパイオニアです。2000年から3年に1度開催し続けて現在に至ります。
今では全国各地で行われる「アートによるまちおこし」ですが、越後妻有はその先駆けとして、試行錯誤を続けながら地域ぐるみのアートの祭典を続けてきました。
大地の芸術祭の作品たち

大地の芸術祭の作品は、毎年見られるものが約200点、3年に1度のトリエンナーレの年には新作などを含めて約300点が展示されます。
ここでは作品の代表的なジャンルをご説明します。
野外作品

大地の芸術祭作品の約半数は、野外に展示されています。
道路沿いや公園の中、川辺の丘の上や森の片隅など、越後妻有地域の至る所に作品たちは点在しています。つまり、地域全体、約760k㎡が言わば大きな美術館というわけです。
そして、この野外作品たちを取り囲む風景は、季節ごとに様々な色合いへと移ろいます。繰り返し訪れて作品を鑑賞すれば、同時に四季の景色を辿ることができるでしょう。
ただし、冬期間は多くの作品が公開休止になるため、詳細は公式HPをご確認ください。
空き家作品

越後妻有地域では過疎高齢化が進んでおり、空き家となった建物も少なくありません。
空き家作品の外見は、どれもこの地域にありふれた民家の姿をしています。しかし、一歩建物に踏み込むと、アーティストの生み出した作品の世界が一面に広がります。それらはいずれも、唯一無二、この場所、この建物にしか存在しえない作品です。
大地の芸術祭には10数点の空き家作品がありますが、トリエンナーレ以外の年では開館されない作品もあります。
今は誰もいなくなってしまった空き家を舞台にする作品たちは、建物のあちこちに、かつての住人の気配を留めて現在まで伝えてくれます。
かけがえのない作品たちを、ぜひ一度訪ねてみませんか。
廃校作品

少子化による廃校も、この地域では近年相次いでいます。
大地の芸術祭では、アーティストの手が加わり、様々な姿に生まれ変わった廃校たちを楽しむことができます。
ある学校は、アートの中で合宿もできる宿泊施設になりました。
また、ある学校は、地域の文化を見て、体感して、学べる美術館になりました。
そしてまた、ある学校は、実在する卒業生を主人公に、思い出いっぱいの空間絵本になりました。
一度は廃校となりその役目を終えた校舎たちですが、作品として生まれ変わった彼らは、今も人々の心のよりどころとして地域を見守っています。
越後妻有の巡り方

広大な地域全体に作品が点在する大地の芸術祭を存分に楽しむには、自家用車での観光がおすすめです。
でも車の運転は不慣れで、という方もご安心ください!
大地の芸術祭では、イベント期間中の土日祝日に、オフィシャルツアーを運行しています。公式ツアーの集合場所は、東京から新幹線で1時間強の越後湯沢駅ですから、都内からの日帰り旅にもぴったりです。
立ち寄って少しだけ雰囲気を味わいたい、という方は、駅から徒歩圏内の作品を見て回ることもできます。
それぞれの旅のスタイルに合わせて楽しむことができますのでご安心ください。
越後妻有へのアクセス

ここでは、越後妻有へのアクセス方法をご紹介します。
東京などから越後妻有に向かう場合は、まず十日町駅(JR・北越急行)を目指しましょう。
駅構内に十日町市総合観光案内所があり、大地の芸術祭を含む、市内の観光情報を得ることができます。
また、長距離の運転が不安な方は、越後湯沢駅や十日町駅まで公共交通機関を利用して、駅の近くでレンタカーを借りるのもおすすめです。
なお、所要時間や料金は2025年11月現在のものです。旅行前には最新情報をお確かめのうえお越しください。
東京駅から公共交通機関で
①東京駅から上越新幹線で越後湯沢駅へ(約1時間20分、6,260円)
②越後湯沢駅から北越急行ほくほく線に乗り換え、十日町駅へ(約40分、730円)
※越後湯沢駅からJR上越線で六日町駅まで行き、そこからほくほく線に乗り換えた方が早い場合もあります。
乗り換え時間も併せて、東京からは約2時間半で到着できます。
新潟駅から公共交通機関で
①新潟駅から上越新幹線で越後湯沢駅へ(約45分、4,950円)
②越後湯沢駅から北越急行ほくほく線に乗り換え、十日町駅へ(約40分、730円)
※越後湯沢駅からJR上越線で六日町駅まで行き、そこからほくほく線に乗り換えた方が早い場合もあります。
乗り換え時間も併せて、新潟駅からは約1時間半で到着できます。
新潟空港から新潟駅へは直行バスが出ていますので、飛行機をご利用の場合も安心です。
車で
東京からなら関越自動車道の六日町インターチェンジ、新潟市からなら同じく関越道の越後川口インターチェンジが最寄りのインターチェンジです。
東京からは約3時間、新潟市からは約1時間半です。
大地の芸術祭の里を訪ねてみよう

大地の芸術祭の開催地、越後妻有は、「大地の芸術祭の里」とも呼ばれます。
アートを道しるべに里山を巡る、新しい旅に出かけてみませんか。
「越後妻有大地の芸術祭」は世界最大級の国際芸術祭であり、日本中で開催されている地域芸術祭のパイオニア。アートを道しるべに里山を巡る新しい旅は、アートによる地域づくりの先進事例として、国内外から注目を集めています。