【大阪府・東大阪市】心を整えるヒントはここに。生駒山麓でめぐる3つの神社
迷いや不安を抱えたとき、人は神様に願いを託してきました。江戸時代の商人も、生駒山に向かって商売繁盛を祈ったといいます。祈りの歴史が息づく、東大阪の三社巡りへ出かけてみませんか。
迷いや不安を抱えているとき、あなたはどうしますか?友人や家族に相談したり、専門書を読んでみたり。
それでも解決しない時、「困った時の神頼み」と神社にお参りする人もいるかもしれません。
江戸時代の大阪の商人は、朝が来ると生駒山の方角に向かって柏手を打ちました。「神様仏様、今日もどうぞよろしゅう頼んます」。そういって今日の商売繁盛を願ったのです。
混沌とした世の中で、前に進むための力が欲しいとき。人は神様に願いを託し、時には占いに背中を押してもらいながら、一歩を踏み出してきました。それは、昔の商人も、今の私たちも同じ。あなたがもし、迷いや不安を抱えているなら、東大阪の三社巡りに出かけてみましょう。
生駒山のふもとには3つの神社があります。“石切さん” “でんぼの神様”として親しまれてきた「石切劔箭神社」。1年の災難ごとを笑い飛ばし、新年の幸福を祈る神事を行う「枚岡神社」。そして、商人たちがこぞって足を運んだ「瓢簞山稲荷神社」。ここでは今なお、運の行く末を占う「辻占」が行われています。
長きにわたり大阪の商人たちを支えてきた三社をめぐりながら、“これからの自分を見つめる旅”へ出かけてみませんか。
東大阪三社めぐりをする前に
三社めぐりを始める前に、改めてお参りの作法をご紹介します。
【手水舎の作法】手水舎は、参拝前に手や口を清め、神聖な場所に入るための身支度をする場所です。
まずは右手で柄杓を持ちましょう。水を一杯すくって、左手をすすいだら、柄杓を持ち替えて、右手をすすぎます。さらに柄杓を持ち替えて、左手で水を受けて口をすすぎます。
再度、左手をすすいだら、最後に柄杓を垂直にして柄杓の柄を清めましょう。ここまでの行程は、一杯の水を使っておこなうとよいでしょう。

【参拝の作法】まず腰を90度に曲げておじぎを2回。次に、パンパンと2回拍手をして、手をあわせたままお祈りをしましょう。お祈りが終わったら、最後にもう一度深くおじぎをして、その場をあとにしましょう。

三社めぐり①百度お参りすると願いが叶う?石切劔箭神社

最初に訪れるのは、「石切劔箭神社(いしきりつるぎやじんじゃ)」(通称:石切神社)。神話の時代からこの地にあったという説もあるほど長い歴史をもち、多くの人の信仰を集めてきました。
境内に入ると、本殿前と神社の入り口に百度石があり、その間を何度も行き来してお参りしている人の姿を見かけます。これは「神様に百度お参りすると願いが叶う」といわれる「お百度参り」です。

石切神社は通称「でんぼの神さん」としても親しまれています。この「でんぼ」とは関西の言葉で「腫れ物、できもの」のこと。腫瘍を断ち切るということから、いつしか「ガン封じの神さん」としても信仰されるようになりました。
百度石の上部は、少しすり減ってしまっています。「自分の、あの人の、病気が良くなりますように」と強く願いを込めてたくさんの方がお百度参りを行ってきた、その証なんでしょうね。昔々から、多くの人の心の拠り所となってきた石切神社。
本殿と上之社を繋ぐ参道には、石切参道商店街があります。この参道の一部は「占いの聖地」といわれるほどにたくさんの占いの店があるんです。なぜ、占いの店が多いのでしょうか。

かつてこのあたりには、生駒山から流れてくる水を利用してたくさんの水車小屋が建っていました。水車小屋では山で採取した薬草を挽き、それを薬として売っていました。最初は健康相談からはじまり、いつしか占いへと変わっていった。そんな説もあるそうです。
あたるも八卦、当たらぬも八卦。ピンときたお店があれば、ふらりと入ってみるのも旅の醍醐味。思いがけず、あなたの悩みを解くヒントがもらえるかもしれませんよ。
三社めぐり②災難を笑い飛ばし、福を招く? 【枚岡神社】

次に訪れるのは、日本最古の歴史を誇る神社のひとつ、枚岡神社。枚岡神社の主祭神は「アメノコヤネノミコト」と言い、日本で初めて神事を行ったとされる「神事を司る」神様です。そして、神社でよく見かける「注連縄」を初めて用いたのも、このアメノコヤネノミコト。
本殿へ続く階段の前には「あげまき結び」という特殊な形のしめ縄が結ばれています。このしめ縄、毎年 12月に「しめかけ神事」というお祭りで架け替えられるんです。別名を「お笑い神事」といい、とっても面白いお祭りなんですよ。はじめに宮司が「アッハッハ」と大声で笑い、参拝者も一緒に笑う。その後、およそ20分間も笑い続けるんです!これは「1年の災難ごとを笑い飛ばし、福を招く」ための儀式。一度参加するとその魅力に惹かれて、全国から多くの人が参加するそうです。

また、この枚岡神社は「占い」ととても密接な場所でもあります。毎年1月に行われる「かゆうら神事」は、粥を炊いて今年の農作物の豊凶と天候を占う、室町時代頃から始まったとされる伝統的な儀式です。
大釜で小豆粥を煮る際にかまどの中に12本の木を入れ、その焼け具合で各月の晴雨を占う。粥の中には53本の竹を束にして吊るし、炊きあがった際に竹筒に入った粥の量によって作物の豊凶を占う。このように、はるか昔から占いが行われてきました。

天候が生活に大きな影響を及ぼしていた時代、こうした神事がどれほど人々の頼りにされていたのか。その影響の大きさは、計り知れません。
三社めぐり③行き交う人次第で運勢がわかる?瓢簞山稲荷神社

最後に訪れるのは「瓢簞山稲荷神社」。京都から高野山へ向かう東高野街道に接しており、巡礼が盛んだった江戸時代は多くの旅人が行き交っていました。この辺りで吉凶判断をする老女が現れ、その占いはやがて「辻占」と呼ばれるようになりました。
「次に角から曲がってくる人が女性なら、恋は叶うだろう」「お茶屋に座っている2人が儲け話をしていれば、商売はうまくいくはず」といった道行く人の身なりや会話の内容を見聞きして、運の行く末を占うのです。
中でも宮司が行う辻占は大変評判が高く、その噂を一気に世に知らしめたこんな話があります。
幕末のある日、能登から来た浪人が「武士をやめて、店を開こうと思うが占ってほしい」と瓢簞山稲荷神社にやってきました。宮司は「西の賑やかなる所で店を構えよ」と言い、浪人は大阪で魚すきの店を開きました。その店は大いに繁盛し、浪人は感謝を込めて、稲荷の社に鳥居や玉垣を奉納しました。占場の鳥居や境内の玉垣には、今もその店の紋が残っています。

こうした話がどんどん広がり、大阪の商人はこぞって瓢簞山へ足を運んだそうです。さらに「恋の辻占」という今でいうおみくじのようなものをつくったところ、大人気に。なんと日本だけでなく、台湾から買いに来る客もいたんだとか!
予約は必要ですが、現在も「辻占判断」を受けることができます。社務所では「辻占おみくじ」をはじめ、線香の火をあてると運勢を書いた部分が焼き抜かれる「やきぬき」、火で文字が浮かび上がる「あぶりだし」、フォーチュンクッキーの原型であるともいわれる「辻占ひょうたん笹」など珍しいおみくじも授与されています。

旅の締めくくりに、占いと縁のあるこの場所で運勢を占ってみてはいかがでしょうか。
音のお札を音土産に(枚岡神社、瓢簞山稲荷神社での体験)

三社めぐりを終えたあと、心が整ったような、肩の荷がすっとおりたような、そんな感覚を受ける人もいるかもしれません。それぞれの神社で感じた空気や、願い事をしながら胸に浮かんだこと。しかし日常に戻るとそれは少しずつ輪郭を失っていきます。
参道を歩く足音、木々の間から差す木漏れ日、荘厳な空気をまとう神社の鳥居。そんな情景を思い出させてくれるのが、枚岡神社と瓢簞山稲荷神社で授与されている音のお札「音札(おふだ)」です。

「音札」は、お守りのように持ち歩けるカード型のアイテムで、 1セット800円。神社ごとに制作されており、二次元コードを読み取ると、境内で実際に収録された“音”が流れます。参拝したときの想いや祈りの記憶を、音とともにいつでも思い出せる、新しいかたちのお守りとなっています。
枚岡神社では、境内の自然と「お笑い神事」の笑い声を合わせた縁起の良い音を、瓢簞山稲荷神社では、瓢簞山で採取した縁起の良い音を収録しています。

※石切劔箭神社ではこの企画は実施しておりません。 授与が可能な時間等は、各神社までお問い合わせください。
さらに、この三社めぐりの体験を深めてくれるのが音声ガイド「ON THE TRIP」です。三社それぞれに残る物語を音声で聴きながらめぐることで、参拝の時間が、より意味のあるひとときになるはずです。

オーディオガイド「ON THE TRIP」
「あらゆる旅先を博物館化する」をテーマに、神社やお寺などの文化財、絶景や温泉地、芸術祭、さらには禅や寿司などのカルチャーまで、様々な旅先で気になったことをその場で深めるトラベルガイドアプリです。
オーディオガイドの使い方は簡単。ダウンロードしたON THE TRIPアプリを立ち上げて、スポットガイドを選択します。その場で自分が気になったスポットを選んで再生すると、音声とテキスト、写真付きで目の前の景色についての歴史や背景などを教えてくれます。
※ガイドの再生は、GPS対応の自動再生タイプと手動再生する2つのタイプがあります。
アプリを立ち上げたら、「東大阪三社めぐり」を検索。ダウンロード後、すぐにガイドを楽しむことができますが、旅のプランを練るためにも事前のダウンロードがおすすめです。イヤフォンも忘れずに準備しましょう。順番にスポットを訪れながら東大阪市の物語をお楽しみください。
大阪府内では池田市の「池田まち歩き」や堺市の「堺まち歩き」も展開中です。ぜひご利用ください。
池田まちあるき:https://matcha-jp.com/jp/26777
堺まち歩き:https://matcha-jp.com/jp/26778

動乱が多く、世の中が不安定な時代。人は神様に願いを託し、時には占いに背中を押してもらいながら、「前に進むための力」を求めてきました。物資が豊かになり、平和といわれる現代でも、悩みや迷いを抱える場面は、誰にでも訪れます。
三社は長い間、人々の信仰を集めてきた場所です。昔の人たちにならって、神聖な気持ちで神様に手を合わせる。そのひとときが、心を整え、次の一歩へと気持ちを向けてくれることもあるかもしれません。この旅が、あなたの“次の一歩”につながりますように。

【生駒山西麓・東大阪三社めぐりー生駒山のふもとは、なぜ「信仰のまち、占いのまち」になったのか?】
https://on-the-trip.net/spots/724/purchase
【音声ガイドと紐解く、東大阪―生駒山のふもとは、なぜ「信仰のまち・占いのまち」と呼ばれるようになったのか?】
https://osaka-info.jp/special/audio-guide/higashiosakashi-history/
ON THE TRIPは、お寺や神社、美術館などの文化財や街に息づく物語を、地図上にマッピングされたスポットを巡りながら楽しむオーディオガイドアプリです。 一つ一つのガイドはまるで映画や小説のような心動かす作品となり、ガイドを聴くことで旅先への理解が深まり、旅の体験がふくらむ。 オーディオガイドアプリを活用することで見えてくる、ガイドブックには載っていない日本の魅力と、オーディオガイドだからこそ味わえる新しい旅の仕方をご紹介していきます。