【寺社仏閣編】世界遺産の地・絹の道のパワースポットと産業遺産を巡ろう
2014年に世界遺産に登録された「富岡製糸場と絹産業遺産群」周辺の神社仏閣を紹介。あわせて訪れたい絹産業関連遺産についても触れます。首都圏からも気軽に訪れられる距離で、週末のドライブにオススメです。
絹遺産周辺の観光スポット
2014年に世界遺産に登録された「富岡製糸場と絹産業遺産群」。富岡製糸場のある富岡市をはじめとする群馬県4市町・埼玉県3市は「上武絹の道」とも呼ばれ、絹産業遺産群が多数残されています。
遺産周辺には魅力的な神社仏閣も多数。世界遺産のまちとして脚光を浴びる地を訪れて、神社仏閣や周辺の絹産業遺産をドライブで巡る旅はいかがでしょうか。
妙義神社(富岡市)
Photo by Pixta
日本三奇勝のひとつとされる妙義山(みょうぎさん)。群馬県の下仁田町、富岡市の境界に位置する山で、奇岩と怪石で知られています。
山の東麓、富岡市側に鎮座するのは「妙義神社」です。創建は537年といわれています。
Photo by Pixta
なかでも必見なのが、江戸時代中期の神社建築が用いられた本社。"上毛(※1)の日光"と言われるほど見事な彫刻が施され、国指定重要文化財に指定されています。
本社のほかにも境内には国指定や県指定の文化財が数多くあります。強力なパワースポットとされる樹齢500年の3本杉も有名です。
※1:上毛(じょうもう)……群馬の旧称。
あわせて訪れたい富岡製糸場と世界遺産センター
Picture courtesy of Tomioka city
妙義神社とともに訪れたいのが「富岡製糸場」。妙義神社からは車で30分ほどの距離にあります。
富岡製糸場から徒歩10分ほどの群馬県立世界遺産センター「世界を変える生糸(いと)の力」研究所(略称:セカイト)に訪れるのもお忘れなく。こちらは群馬の絹文化や歴史についてのわかりやすい展示が魅力です。
中之嶽神社(下仁田町)
Picture courtesy of Shimonita town
妙義山の西嶺、下仁田町側にも必訪の神社があります。運気上昇の神社として知られる「中之嶽神社(なかのたけじんじゃ)」です。妙義山の一部・轟岩が御神体のため、拝殿・幣殿のみで本殿を持たない珍しい構造をしています。
境内には中之嶽神社の以外に「中之嶽大国神社」も。両神社に祀られている神様の守護をいただける御朱印が人気となっています。
ひときわ目を引く黄金のだいこく様は、高さ20メートル、重量8.5トン。一般的な小槌を持っているだいこく様とは違い、剣を持つ珍しい姿。病や厄、悪性を祓い福を招くことから、やる気や元気のでるパワースポットとして有名です。
あわせて訪れたい荒船風穴とあじさい園
Picture courtesy of Shimonita town
中之嶽神社から車で30分ほどのところに、世界遺産の荒船風穴があります。天然の冷風を使って蚕種(蚕の卵)を冷蔵保存した施設で、いまでも当時の環境が保存されています(※12月~3月末まで冬季閉鎖)。
Picture courtesy of Shimonita town
このほか、毎年6月上旬~7月上旬には2万株のあじさいが咲き誇る「下仁田あじさい園」もオススメのスポットです。
小泉稲荷神社・伊勢崎神社(伊勢崎市)
Picture courtesy of Isesaki city
大小200基以上もの鳥居が立ち並ぶ圧巻の光景に出会えるのは「小泉稲荷神社」。群馬県伊勢崎市の神社です。群馬県内一の高さを誇る大鳥居も人気で、写真を撮りに訪れる人が絶えません。
Picture courtesy of Isesaki city
小泉稲荷神社から車で20分ほどの「伊勢崎神社」もオススメのスポット。飲食や産業を司る神様・保食神(うけもちのかみ)が祀られていることから、商売繁昌や五穀豊穣を祈る人で賑わいます。
社殿には、戦時中に作られた木製の飛行機のプロペラが奉納されており、渡航安全・航空安全のご利益もあるとされています。
伊勢崎市では「伊勢崎銘仙(いせさきめいせん)」と呼ばれる絹織物が生産されていました。このため伊勢崎神社では、伊勢崎銘仙と土佐和紙でつくった御朱印帳や、伊勢崎銘仙のお守り袋を頒布しています。
あわせて訪れたい田島弥平旧宅
Photo by Pixta
伊勢崎神社から車で30分ほどの国指定史跡「田島弥平旧宅」にも訪れてみてください。蚕の画期的な飼育法「清涼育」を確立した田島弥平の自宅で、近代養蚕農家の原型ともいわれています。
田島弥平旧宅から「渋沢栄一記念館」(深谷市)までは車で10分ほど。富岡製糸場の設立に尽力した渋沢栄一にまつわる品が展示されているので、こちらもあわせて訪れるとよいでしょう。
金鑚神社と本庄まつり(本庄市)
Photo by Pixta
541年の創立と伝えられる「金鑚神社(かなさなじんじゃ)」は、日本神話の3柱の神である天照大御神(あまてらすおおみかみ)、素戔嗚尊(すさのおのみこと)、日本武尊(やまとたけるのみこと)を祀るパワースポット。
本殿と拝殿とを幣殿でつないだ権現造りの社殿が見どころです。樹齢約350年以上とされるご神木の楠は、埼玉県指定の天然記念物にもなっています。
Picture courtesy of Honjo city
金鑚神社の例大祭として江戸時代から続くのが、北関東随一の豪華な山車を誇る本庄まつりです。彫刻や精巧な彫金を金箔や漆彩色で仕上げた山車が主役で、10基のうち8基が市指定文化財に指定されています。
毎年11月2日と3日に開催。まるで時代絵巻のような美しい祭り行列は必見です。
あわせて訪れたい競進社模範蚕室
Picture courtesy of Honjo city
金鑚神社から車で20分ほどの「競進社模範蚕室」も、絹産業の歴史を知るうえで欠かせない史跡です。養蚕技術の改良に一生を捧げた木村九蔵(きむら くぞう)によって建設されました。
養蚕に適した高窓のほか、日光を遮るための二重障子などの構造が残っています。
諏訪神社と血洗島獅子舞(深谷市)
Picture courtesy of Fukaya city
深谷市の血洗島(ちあらいじま)は、"近代日本経済の父"といわれる渋沢栄一の生まれ故郷として知られます。
血洗島に鎮座する「諏訪神社」は渋沢とゆかりの深い神社。諏訪神社の秋の例大祭では血洗島獅子舞が奉納されており、渋沢栄一の家系は代々この獅子舞を舞う家系でした。
Picture courtesy of Fukaya city
そのため渋沢自身も青年期に獅子舞を舞い、その後も血洗島獅子舞を楽しみに郷里へ帰り、一生涯愛し続けたといわれています。
渋沢が寄進した拝殿も必見です。
あわせて訪れたい旧渋沢邸と尾高惇忠生家
Picture courtesy of Fukaya city
諏訪神社から徒歩7分ほどのところには、渋沢栄一の生家跡に建てられた旧渋沢邸「中の家(なかんち)」があります。旧渋沢邸から車で5分ほどの「尾高惇忠(おだか じゅんちゅう)生家」は、渋沢の従兄であり師でもあった尾高惇忠の生家です。こちらもあわせて訪れるとよいでしょう。
妻沼聖天山(熊谷市)
Picture courtesy of Kumagaya city
埼玉県熊谷市の「妻沼聖天山(めぬましょうでんざん)」は、日本三大聖天のひとつとして、とくに縁結びの霊験あらたかな寺院として親しまれています。
現在の本殿は1779年に再建されました。日光東照宮を彷彿とさせる本格的装飾建築で、国宝に指定されています。
あわせて訪れたい片倉シルク記念館
Picture courtesy of Katakura Industries Co., Ltd.
妻沼聖天山から車で20分ほどのところには「片倉シルク記念館」があります。富岡製糸場を操業していた片倉工業株式会社の施設です。
記念館には片倉工業最後の製糸工場となった熊谷工場で実際に使われていた製糸機械や生糸の製造過程のパネルや写真など、貴重な絹の歴史が展示されています。
見どころ豊富な絹の道へ
「富岡製糸場と絹産業遺産群」をはじめとした絹の道には、絹産業遺産のほかにも歴史ある神社仏閣といった見どころが豊富です。
すべてを巡ることは難しくても、興味がある場所を組み合わせて訪れるのもオススメですよ。季節の風景も一緒に楽しみながら、絹の道をたどるルートのドライブはいかがでしょうか。
絹の道周辺の遺跡やミュージアム、そして絹産業関連遺産について詳しくは以下の記事をご覧ください。
Written by すがたもえ子
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Main image by Pixta