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日光完全ガイド——観光スポット、グルメ、カフェ、お得な移動手段などまとめ
栃木県にある「日光」は、東京から約2時間で行ける有名な観光地。世界遺産の日光東照宮をはじめ、歴史的建造物、四季折々の自然、温泉など見どころの多い場所。美しい秋の紅葉でも知られています。今回は日光のオススメスポットやグルメ、カフェ移動手段などをまとめました。
日光はどんなところ?
栃木県にある日光市は、東京から約2時間で行ける、日本有数の観光地のひとつです。秋には色とりどりの紅葉、冬には世界遺産の建物にも雪がかかるなど、四季折々で美しい様子を見ることができます。
歴史は古く、鎌倉時代(1185年~1333年)以降には山岳信仰の聖地として栄えました。江戸時代には将軍・徳川家康、徳川家光の霊を祀った日光東照宮が建立され、参詣者や寺社関係者の街として多くの人で賑わいました。
歴史的建造物も多く、ユネスコの世界文化遺産にも登録されています。また、高さ97メートルから一気に落下する華厳の滝や、のどかな湖畔のある中禅寺湖など豊かな自然も有名です。
温泉施設もあるため、歴史的建造物を巡り、自然の中でアクティビティを楽しんだ後に、ゆっくりお湯に浸かってリラックスすることもできます。本記事では日光の観光スポットと、食べるべきグルメやオススメのカフェ、お得な移動手段について紹介します。
目次
観光スポット15選
1.日光東照宮
日光の観光スポットでもっとも有名な場所のひとつ、「日光東照宮」。国内外を問わず多くの人々が訪れている観光地です。江戸時代の初代将軍・徳川家康を祀った神社で、ユネスコの世界文化遺産や国宝にも登録されています。
500以上の彫刻がほどこされた陽明門や、芸術的な美しさを誇る国宝8棟、重要文化財34棟を含む55棟の建造物が見どころです。
また建物以外でも、日本人に人気のある「眠り猫」や三猿「見ざる・言わざる・聞かざる」の彫刻、絵師・狩野永真安信(かのうえいしんやすのぶ)による墨絵「鳴き龍」なども見逃せません。
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2.日光二荒山神社(神橋)
日光二荒山神社は、縁結びの神様が祀られているとして人気の神社です。広大な面積をもち、参拝所は3カ所に分かれています。
photo by Pixta
日光市の二荒山神社の近くにある神橋(しんきょう)も、神社の建造物のひとつ。大谷(だいや)川に架かる朱塗りの橋で、世界遺産・日光の玄関口ともいわれています。
濁流で行く手を阻まれた勝道上人(※1)の前に、2匹の蛇が現れ橋に姿を変えたことから「山菅の蛇橋(やますげのじゃばし)」とも呼ばれる、日本三大奇橋のひとつ。
1636年から現在の朱塗りの橋に造り替えられ、神事や将軍が訪れるときなどに、特別な使者だけが使用を許されていました。現在は一般の人も神橋を渡ることができます。紅葉と朱色の橋の取り合わせはとても幻想的です。
※1:勝道上人……日光を開山した僧侶。
3.輪王寺
輪王寺(りんのうじ)は日光東照宮、二荒山神社とともに国史跡に指定され、「日光の社寺」としてユネスコ世界文化遺産に登録されています。
見どころは江戸時代の3代将軍、徳川家光の墓「家光廟大猷院(いえみつびょうたいゆういん)」や、展望見学通路の「天空回廊(てんくうかいろう)」、重要文化財となっている「三仏堂(本堂)」です。
三仏堂前には推定樹齢約500年といわれる天然記念物「金剛桜」があり、4月下旬~5月初旬に見ごろを迎えます。
4.華厳の滝
Picture courtesy of 一般社団法人日光市観光協会
滝の落差97メートル、「日光国立公園」内にある「華厳の滝(けごんのたき)」。日本三名瀑のひとつにも数えられています。中禅寺湖の湖水・平均3トンが一気に流れ落ちる様子は圧巻です。
華厳の滝には2カ所の観瀑台があります。駐車場すぐの観瀑台は、崖にせり出すように建てられており、華厳の滝を見下ろすことができます。
2つ目は滝つぼ付近。こちらは華厳の滝を見上げて楽しむことができます。滝の右側の壁、奇岩「柱状節理(ちゅうじょうせつり)」も大迫力です。
5.龍王峡
photo by Pixta
2,200万年前の海底火山の活動から生まれ、まるで龍が暴れたような景観から名付けられた「龍王峡」。岩の種類や色によって「紫竜峡」「青竜峡」「白竜峡」と呼び名が分かれていて、見どころもたくさん。
その景観は鬼怒川温泉と川治温泉の間のおよそ3キロメートルに及び、ハイキングツアーなども実施されています。
6.戦場ヶ原
photo by Pixta
「戦場ヶ原(せんじょうがはら)」は、男体山の神と赤城山の神の間で、中禅寺湖がどちらの所属かで争った「戦場」だったという神話が名前の由来です。標高約は1,390~1,400メートル。400ヘクタールの平坦な湿原は、ラムサール条約登録湿地にもなっています。
2時間ほどで歩けるハイキングコースもあり、四季折々の自然を楽しむハイカーで1年を通して賑わいます。350種類にも及ぶ植物や、数多くの種類の野鳥が生息することでも有名です。
7.中禅寺湖
photo by Pixta
約2万年前に男体山の噴火によって流れ出した溶岩で、渓谷がせき止められてできた「中禅寺湖」。かつては神仏信仰の修行の場としても有名でした。
穏やかな気候から、明治時代から昭和初期にかけては外国人の避暑地として賑わいました。
日本百景にも選定されており、四季折々の表情を楽しむことができます。遊覧船に乗って水上からの景色も楽しみましょう。オススメは初夏のツツジや秋の紅葉の季節です。
8.中禅寺
「中禅寺(ちゅうぜんじ)」は、輪王寺の別院で、中禅寺湖を見下ろす高台にあります。創建は784年。
鐘楼は、願いが成就する「諸願成就の梵鐘(しょがんじょうじゅのぼんしょう)」といわれており、鐘を鳴らす数によってご利益があります。1回はすべての方の供養のため、2回は幸福に長生きするため、3回以上は願いごとの数を表すといわれています。
また境内には「身代わりの瘤(こぶ)」といわれる大きな瘤ができた木があり、人々の体の悪いところや痛いところの代わりになってくれるといわれています。
9.男体山
標高2,486メートルの「男体山(なんたいさん)」は、山そのものが信仰の対象になっています。毎年7月31日には登拝祭が行われ、8月1日の深夜0:00になると、山頂を目指して人々が登頂を開始します。
山頂までの山道は約6キロメートル、3~4時間で登頂できるルートです。日本百名山にも選ばれていて、運がよければ山頂から雲海を見渡すことができるかもしれません。
10.奥日光湯元温泉
photo by Pixta
「日光湯元温泉(にっこうゆもとおんせん)」は、白濁の硫黄泉が湧く名湯です。泉質はナトリウム硫酸塩・炭酸水素塩・塩化物温泉(中性低張性高温泉)と硫黄泉で、神経痛やリウマチによいといわれています。
788年発見されたのが始まりと伝えられる歴史ある温泉地。温泉街には温泉の硫黄臭が漂い、温泉街の中央には無料で利用できる足湯「あんよの湯」もあります。
日光湯元温泉の源泉地の隣には日光山輪王寺別院の温泉寺があり、参拝客は男女別の共同浴場として利用することができます。
11.EDO WONDERLAND 日光江戸村
Picture courtesy of 一般社団法人日光市観光協会
「EDO WONDERLAND 日光江戸村」は、江戸時代をリアルに体験できるテーマパークです。ちょんまげ姿の侍に扮した人がパーク内を歩いており、タイムスリップしたかのよう。自分自身も江戸時代に人々が着ていた服装に着替えることができます。
ほか、忍者体験や侍修行体験など、本格的な江戸時代体験プログラムも用意。忍者アトラクションや伝統芸、ここでしか見られない芝居も上演されており、1年を通してさまざまなイベントが開催されています。
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12.日光金谷ホテル
「日光金谷(にっこうかなや)ホテル」は、1873年に開業した老舗のホテルです。1922年にはアインシュタイン博士が、1937年にはヘレン・ケラーも滞在したことがある、由緒あるホテルです。リゾートクラシックホテルでは現存する日本最古のホテルでもあります。
外観は西洋風ですが、館内には日本風の調度品や建築様式が取り込まれており、とても印象的。100年以上受け継がれてきた伝統の味や、湯元温泉から引き湯した天然温泉も楽しむことができます。
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13.日光田母沢御用邸記念公園
当時皇太子だった大正天皇の夏の静養所として造営された、「日光田母沢御用邸(にっこうたもざわごようてい)記念公園」。建造物群は国の重要文化財に指定されており、歴史的な木造建築を見学することができます。国の重要文化財で、「日本の歴史公園100選」にも選定されています。
四季折々の顔を見せる庭園も美しく、100年に及ぶ日光田母沢御用邸の趣きとともに楽しむことができます。
14.日光白根山
photo by Pixta
「日光白根山」は、栃木県日光市と群馬県利根郡片品村(とねぐんかたしなむら)の境界にある日光火山群の主峰です。
日光白根山登山のモデルコースは3つ。白根山ルート山頂往復(約5時間)、白根山ルート〜座禅山ルート(約5.5時間)、白根山ルート〜五色沼〜弥陀ヶ池ルート(約6.5時間)です。ロープウェイを使って、標高2,578メートルの名山を楽しんでみてください。
15.竜頭ノ滝
Picture courtesy of 日光市観光協会
「竜頭ノ滝(りゅうずのたき)」では、男体山の噴火による溶岩が造りだした岩肌を、約210メートルにわたって水が流れ落ちています。日光三名瀑のひとつとされ、日光地域を代表する滝です。
標高は1,350メートル。滝全長は210メートル。竜頭ノ滝を見るなら下流側正面の観瀑台から眺めるのがオススメです。
新緑やツツジの咲く季節と紅葉の季節が特に美しく、多くの観光客で賑わいます。竜頭ノ滝の周辺は奥日光一帯でもっとも早く紅葉が訪れる場所だといわれています。
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日光グルメならゆば料理
ヘルシーで栄養価が高いゆばは、日光の名産品です。ゆばとは、大豆の加工食品のひとつ。豆乳を加熱すると表面にできる薄い膜のことを指します。醤油をつけてそのまま食べたり、煮たり揚げたりとさまざまな調理法でいただけます。
ゆば料理が食べたい方は、「かまや ~カフェ・デュ・レヴァベール」の看板メニュー「NIKKO丼」はいかがでしょうか。表面を焼き真空低温調理で仕上げた前日光和牛の自家製ローストビーフと、ふっくらと炊かれた揚げ巻きゆばの煮付けの組み合わせが絶妙です。
「魚要」は日光の老舗「ふじや」のゆばを使用し、3種類のゆばを味付けして手打ちそばにのせた「ゆばそば」が名物。
「さかえや」の「揚げゆばまんじゅう」は、皮に栃木県産豆乳とゆばをふんだんに使用し、厳選小豆から作ったまろやかな餡を包みこんでいます。店頭には「揚げゆばまんじゅう」を目当ての行列が。並んでも食べたい味です。
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地域のカフェでほっと一息
日光珈琲 御用邸通
Picture courtesy of 日光珈琲 御用邸通
田母沢御用邸正門前通りにたたずむ古民家カフェ「日光珈琲 御用邸通」。香り高い自家焙煎の珈琲と手作りのスイーツが評判です。お店があるのは観光客で賑わう日光の喧騒から離れた、静かな場所です。
Picture courtesy of 日光珈琲 御用邸通
大正時代の古い商家を改装した店内で、珈琲の香りに包まれて、ゆったりとくつろいだ時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。
自然茶寮 廻
Picture courtesy of 自然茶寮 廻
Picture courtesy of 自然茶寮 廻
「自然茶寮 廻(しぜんさりょう めぐり)」は有機栽培や自家菜園などで収穫された野菜を使い、体が喜ぶベジ&ビーガン料理を提供しています。昔は骨董品屋だったという店内はモダンで落ち着いた雰囲気。
卵や牛乳など動物性のものをは使わず、100%植物性の材料を使った料理やスイーツは日光を訪れるベジタリアンの人にも喜ばれています。コーヒーや紅茶ももちろんオーガニック。
人混みに疲れたら、古民家のようなカフェで穏やかな時間を過ごすのも素敵ですね。
オススメの時期と旅程
季節を問わず楽しめる日光観光ですが、特にオススメのシーズンは山々が赤や黄色に色づく紅葉の時期。燃えるような鮮やかな色彩に圧倒されることでしょう。ただし多くの人が訪れるため、時間には十分余裕をもって訪れてくださいね。
東京から日光へは日帰りも可能ですが、せっかくなら1泊して、温泉を堪能するのもオススメ。
日光エリアには日本有数の温泉地「鬼怒川温泉」があります。鬼怒川の上流にあり、川の流れと渓谷の眺めの両方を楽しめます。鬼怒川温泉の泉質は、弱アルカリ性の単純泉。色は無色透明で、肌にやさしいお湯です。露天風呂や足湯も複数あるので、いろいろ巡ってみてください。
オススメの移動手段
東京から日光へ行くには、浅草駅からが便利
浅草から日光までは、特急を利用すると便利です。乗り換えなしで浅草駅から東武日光駅まで行ける「東武日光線 特急けごん号」と、下今市駅で乗り換える「東武日光線 特急きぬ号」があります。
所要時間はともに約1時間50分程度。運賃1,390円、特急料金が平日1,360円、休日1,470円、午後割・夜割1,050円です。
特急を使用しない場合は乗車時間は2時間10分ほどで、運賃は1,390円です。
日光内の交通情報
日光市内の移動はバスが便利です。市内は公共交通機関が充実しているので、観光スポットめぐりはバスを利用しましょう。
訪日客向け!お得なパス情報
訪日客の方向けに、乗車券がお得になるパスも販売されています。また、浅草エリア・日光・鬼怒川温泉エリアではパスを提示すると割引きを受けれる施設もあるのでさらにお得。有効期間と乗車エリアが違うので、自分のスケジュールに合ったパスを購入しましょう。
有効期間:4日
金額:
4月20日から11月27日:4,600円
11月28日から4月19日:4,230円
エリアの詳細はこちらをご覧ください。
「NIKKO PASS world heritage area」
有効期間:2日
金額:2,040円
エリアの詳細はこちらをご覧ください。
まとめ
日光は豊かな自然や歴史的建造物など、有数の観光地に恵まれた場所です。アクティビティや温泉も楽しむことができ、ゆばやお洒落なカフェなどグルメも充実しています。東京から約2時間で日帰りも可能なので、気軽に足を運んでみてはいかがでしょうか。
元記事執筆:Sawada Tomomi
※本記事は2016年11月2日に公開した記事を2019年版にリライトしたものです。
福島県出身、都内在住。フリーライター。神社仏閣や不思議な伝承が残っている土地を歩くのが好き。