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宇都宮完全ガイド——東京・日光からのアクセス、見どころ、グルメやおみやげ紹介
北関東に位置する栃木県宇都宮市は、グルメスポットや歴史的建造物などが点在しており観光に最適です。また、東京や日光市周辺を観光する際や、乗り換えで立ち寄る方も多いかもしれません。そんな方のために、東京や日光市からのアクセスや見どスポット、グルメやおみやげを紹介します。
宇都宮市はどんなところ?
宇都宮市は栃木県の中心都市。県内には日本の有名な観光地、日光市があります。新幹線が通っており、東北地方へのアクセスも便利。都市と自然がほどよく調和していて生活しやすく、東京からも気軽に行くことができます。
宇都宮市のソウルフードとして餃子が有名で、宮っこ(宇都宮市民)は「週に数回餃子を食べる」と言われるほど。宇都宮市内に約30店の餃子専門店があり、宇都宮餃子を求めて多くの観光客が訪れます。
また、映画『ちはやふる -結び-』や『るろうに剣心』などのロケ地としても有名。聖地巡礼に足を運ぶ人もいるそうです。
アクセスが便利な宇都宮駅
宇都宮駅は栃木県でもっとも大きな駅。駅周辺には駅ビル・パセオや餃子店があり、買い物や食事が楽しめます。西口には宇都宮市のシンボル「餃子像」の石像も。
宇都宮は東京から日帰りで観光も可能。東北新幹線を使えば東京駅から約50分で到着します。在来線の場合でも新宿駅からJR線で1時間40分ほどです。
また日光市からもJR日光線で約40分なので、日光を観光してから立ち寄るのもオススメ。東北地方の玄関口・仙台駅へは約1時間20分程度で行けるので、東北旅行の前に訪れてみてもよいですね。
目次
1.必ず押さえたい観光スポット
大谷資料館
「宇都宮半日旅:使用大谷観光一日乗車券探訪神劍闖江湖拍攝地」より
「大谷(おおや)資料館」は大谷石(おおやいし)採掘の歴史に関する資料館です。大谷石とは、火山灰などでできたやわらかい岩石のこと。火に強く長持ちするので、土台石や石塀によく使われています。
見どころは地下30メートルにある採掘場跡。約70年かけて大谷石を掘り出した巨大な地下空間で、RPG(ロールプレイングゲーム)の世界に入ったような広さを感られじます。
地下神殿のような神秘的な雰囲気が漂っており、コンサートや美術展、演劇場をはじめ、2014年には映画『るろうに剣心 京都大火編』のロケ地になるなど、さまざまな写真や映画の撮影地として活用されています。館内にある教会では結婚式も挙げられます。
館内の平均気温は年間を通して8度前後。夏場の観光でも上着を持参していきましょう。
Picture courtesy of ROCKSIDE MARKET
大谷資料館の隣にはおしゃれなカフェ兼ショップ「ROCKSIDE MARKET」があり、大谷石を使ったインテリアや、栃木県産食材を使ったガレットなどを楽しめます。
トートバッグやアクセサリーなどショップのオリジナル雑貨や、栃木の伝統工芸とものづくり作家とのコラボアイテムなどの販売もあり、おみやげにぴったり。
大谷資料館
住所: 栃木県宇都宮市大谷町909 GoogleMap
公式HP:http://www.oya909.co.jp/
平和観音
「宇都宮半日旅:使用大谷観光一日乗車券探訪神劍闖江湖拍攝地」より
「平和観音」は、大谷石の採掘場跡の岩壁に彫られた大観音像です。戦没者の慰霊と世界平和を祈念し、1948年より6年の歳月をかけ、すべて手彫りで制作。高さは27メートルあり、階段で展望台まで登ると宇都宮の町並みを一望できます。
平和観音は以前、日本の特撮テレビ番組『ウルトラマン80』のワンシーンに登場しました。平和観音の後光(ごこう)で怪獣を撃退したエピソードでも知られています。
平和観音
住所:栃木県宇都宮市大谷町1174 GoogleMap
公式HP:http://www.ooyaji.jp/
大谷寺
「宇都宮半日旅:使用大谷観光一日乗車券探訪神劍闖江湖拍攝地」より
大谷町にある「大谷寺」(おおやじ)は、洞窟に包まれるように建てられたお寺です。
本堂内には日本最古の石窟仏(せっくつぶつ)と言われる10体の仏像、「千手観音立像(せんじゅかんのんりつぞう)」や「釈迦三尊(しゃかさんぞん)」などが配置され、そのすべてが国の特別史跡かつ重要文化財に指定されています。
貴重な仏像以外にも、大谷寺の洞窟に見られる古代遺跡には、約16,000年前ごろに人が生活していた跡が残っています。併設された宝物館には、大谷寺から発掘された推定1万年以上前の人骨も展示。大谷寺の歴史の深さがうかがえます。
大谷寺
住所:栃木県宇都宮市大谷町1198 GoogleMap
公式HP:http://www.ooyaji.jp/
宇都宮城跡公園
Picture courtesy of 宇都宮観光協会
宇都宮市本丸町に位置する「宇都宮城跡公園」は、平安時代に築かれた「宇都宮城」の本丸西半分を復元した公園です。
江戸時代には将軍が日光東照宮に参拝する際の宿泊場所だったそう。しかし1868年に起こった戊辰戦争で、建物の大半が焼失。現在は公園として地域住民に親しまれています。
敷地内は宇都宮城や宇都宮市の歴史などを紹介する「清明館歴史展示室」や、市内の観光案内や街歩き情報を得られる「宇都宮城ものしり館」などがあります。
公園は4種類の桜が植えられおり、2月下旬から4月中旬までお花見を楽しめる桜の名所としても有名です。
宇都宮城跡公園
住所:栃木県宇都宮市本丸町1-15 GoogleMap
公式HP:https://www.city.utsunomiya.tochigi.jp/citypromotion/kanko/meisho/jyiousi/1007275.html
宇都宮二荒山神社
Picture courtesy of 宇都宮観光協会
宇都宮市街地の中心に位置する宇都宮二荒山(ふたあらやま)神社は、宇都宮市を代表する神社です。
約1,600年前に建てられたと伝えられており、現在でも1月1日や子どもの成長を祝う行事「七五三」、受験祈願など、暮らしの節目ごとに多くの市民が参拝に訪れます。
珍しい鉄製の狛犬と、鉄の板を合わせて作られた「三十八間星兜」(さんじゅうはちけんほしかぶと)は、国の重要美術品です。境内の社務所に飾られているので、訪れたら立ち寄ってみて下さい。
夜間は参道と門がライトアップされ、幻想的な雰囲気を演出します。
宇都宮二荒山神社
住所:〒320-0026 栃木県宇都宮市馬場通り1-1 GoogleMap
公式HP:http://futaarayamajinja.jp/
旧篠原家住宅
Picture courtesy of 宇都宮観光協会
宇都宮駅から徒歩約5分の場所にある「旧篠原家住宅」は、江戸時代に醤油醸造業や肥料商を営んでいた豪商の住宅。第二次世界大戦により一部を残して焼失してしまいましたが、1895年に現在の形へ復旧しました。
焼失を免れた建物は明治時代の豪商の姿を伝える貴重な建造物として、国の重要文化財に指定されています。1、2F合わせて100坪(約330平方メートル)の広さがあり、その風格は堂々としています。
旧篠原家住宅
住所:栃木県宇都宮市今泉1-4-33 GoogleMap
公式HP:https://www.city.utsunomiya.tochigi.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/007/795/36gaiyo_shinohara.pdf
カトリック松が峰教会
photo by Pixta
宇都宮駅から徒歩約5分の「カトリック松が峰教会」は、大谷石造りの聖堂が美しい教会。丸いアーチや窓の上の半円アーチ、帯状の層がある特徴的な19世紀の建築様式、ロマネスク・リヴァイヴァル建築で建てられています。
Picture courtesy of 宇都宮観光協会
レトロで神秘的な雰囲気がとても魅力的。外壁・祭壇・柱など、ほとんどが大谷石で造られています。毎週日曜日には誰でも参加できるミサが捧げられたり、結婚式も行われたりしています。聖堂、敷地内の見学や散策はいつでも可能です。
カトリック松が峰教会
住所:栃木県宇都宮市松が峰1-1-5 GoogleMap
公式HP:http://www2.ucatv.ne.jp/~matumine.sea/
2.昼も夜も楽しめるご当地グルメ
「来らっせ餃子館」で餃子を食べ比べ
「只吃盤餃子就打到回府太浪費!宇都宮享盡交通美食伴手禮半日遊」より
たくさんの餃子店があってどこへ行けばよいか悩んでしまう方には、「来らっせ餃子館」がオススメ。宇都宮餃子の見本市とも言われ、いろいろなお店の餃子を食べ比べたい方にもぴったりの場所です。
有名店は徒歩や電車ではアクセスが難しかったり、行列でなかなか入れなかったりしますが、ここなら1ヵ所でさまざまなお店の味を楽しめます。
「みんみん」や「めんめん」をはじめとした、5つの有名店の餃子を「常設店舗ゾーン」に用意。「日替わり店舗ゾーン」では、宇都宮餃子会に加盟している33店舗の餃子を日替わりで満喫できます。
各店舗の冷凍生餃子が扱われているおみやげコーナーや、餃子作り体験コーナー(要予約)もあり、さまざまな視点から餃子を楽しむことができます。
来らっせ餃子館
住所:栃木県宇都宮市馬場通り2-3-12 MEGAドン・キホーテ ラパーク宇都宮店地下1F GoogleMap
公式HP:http://www.gyozakai.com/society/kirasse.html
「宇都宮焼きそば」
Picture courtesy of ばそき家
「宇都宮市のグルメと言えば餃子!」というイメージが強いかもしれませんが、実は焼きそば(※1)もご当地グルメとして販売されています。
宇都宮焼きそばの最大の特徴は、一度蒸し上げた麺を鉄板で焼き、さらに二度蒸すモチモチの麺。キャベツや肉、イカ、ハムなどの具材の上に目玉焼きも乗ります。
オススメは1945年創業の老舗店「石田屋やきそば店」。宇都宮市民なら一度は食べたことがあると言われるほど有名で、素朴な大衆の味が人気の秘密です。
トッピングだけで20種類を超える豊富なメニューの「ばそき家」にも注目。たくさん用意された調味料で自分だけのブレンドを楽しみながら食べられます。
※1:焼きそば……蒸した麺を、肉や野菜などの具と一緒に炒めてウスターソースなどで味付けしてできた食べ物。
和風料理をお洒落な石蔵でいただける「Dining蔵 おしゃらく」
Picture courtesy of Dining蔵 おしゃらく
松が峰教会の斜め向かいに位置する「Dining蔵 おしゃらく」は、100年前の大谷石蔵をリノベーションした創作料理のお店です。
1Fはテーブル席(個室風空間あり)、2Fは間仕切りのあるレトロな座敷があり、おいしい料理とお酒が楽しめます。
Picture courtesy of Dining蔵 おしゃらく
食材や地酒も地元産にこだわり、契約農家直送の新鮮でヘルシーな野菜料理が食べられます。
夜はライトアップされた松が峰教会が見えるテラス席が人気です。
Dining蔵 おしゃらく
住所:栃木県宇都宮市宮園町8-9 GoogleMap
公式HP:http://www.sanyu.ac.jp/osharaku/index.html
日本らしい小さな屋台が集まる「宇都宮屋台横丁」
Picture courtesy of 宇都宮屋台横丁
宇都宮市の中心市街地オリオン通り東に位置する「宇都宮屋台横丁」には、おでん、餃子、焼き肉、寿司、お好み焼きや台湾料理など23店舗が軒を連ねています。
どの店もこじんまりとしたアットホームな雰囲気なので、何軒か訪れてみてください。本醸造「宇都宮屋台横丁限定・大那あかまる」など、ここでしか飲めない地酒や地焼酎を求めて来る人も多いと言われています。
また、日台共同制作映画『ママは日本へ嫁に行っちゃダメというけれど。』のロケ地としても知られています。
宇都宮屋台横丁
住所:栃木県宇都宮市二荒町1-6 GoogleMap
公式HP:https://www.utsunomiya-yataiyokocho.com/
夜はバーで宇都宮限定カクテルを楽しんで
「ザ・フレアバー」(Picture courtesy of 宇都宮コンベンション協会)
宇都宮市は日本のバーテンダーの大会で数多くの優勝者を輩出しており、「カクテルの街」としても有名です。
「ザ・フレアバー」では古典的なカクテルを現代的な技術で創る「ネオ・クラシック」といわれる技術や、店名でもある「フレア・バーテンディング」というショーが見どころです。
数あるバーの中でも「バンビーナ」は女性バーテンダーが営業するバー。毎週火曜日にはピアノの生演奏を聴くことができ、ジャズライブも月に2回程度行われています。
写真左:かまがわプロムナード、写真右:ビックツリー(Picture courtesy of 宇都宮コンベンション協会)
両店舗では宇都宮限定のカクテル「かまがわプロムナード」、「マロニエリーフ」、「ビッグツリー」も提供しています。ほかでは味わえないカクテルを楽しんでください。
3.宇都宮の味をおみやげにしよう
お餅がはいった高林堂の「和マカロン」
宇都宮の老舗和菓子店「高林堂」の「和マカロン」は、フランスの伝統菓子・マカロンの中に和菓子の餅を挟んだ新感覚スイーツ。構想に5年の歳月を費やしたと言われています。
さくっとした生地にお餅の食感がアクセントとなった、和菓子屋ならではのマカロンをぜひ体感してみてください。
高林堂ではほかにも栃木銘菓として知られる看板商品「宮のかりまん」もあります。店舗はJR宇都宮店(宇都宮駅ビルパセオ2F)をはじめ、県内に5店舗展開しています。
「宮カフェ」
Picture courtesy of 宮カフェ
宇都宮の魅力を発信するアンテナショップ「宮カフェ」。宇都宮市の中心市街地にあります。
Picture courtesy of 宮カフェ
1Fでは地元の特産品やおみやげを販売する「@miya(あっとみや)まちなかこだわりマルシェ」が入っており、農産物を扱う「マルシェ&デリカ」、ご当地ドリンクのレモン牛乳や名産、工芸品を扱う「ブランドマルシェ」、「スローフードカフェ」などが常設されています。
2Fの創作イタリアンレストラン「Hills Cafe」はおいしい料理とともに、音楽やカクテルを楽しめます。
宮カフェ
住所:栃木県宇都宮市江野町2-11 GoogleMap
公式HP:http://utsunomiya-miyacafe.com/
4.宇都宮へのアクセス
東京からは新幹線と在来線が選べる
photo by Pixta
東京駅か上野駅からJR東北新幹線を使うと約50分(片道4,410円)で到着。東北新幹線は「やまびこ」「なすの」「つばさ」が停車します。
在来線の場合は上野駅からJR宇都宮線の利用が便利。快速列車で約1時間30分、片道1,940円)です。
日光からは在来線で約40分
日光からはJR日光駅からJR日光線宇都宮行きを利用して、乗り換えなしでアクセスできます。所要時間は約40分、片道760円です。
5.市内の移動は1日乗車券がお得
1日観光したい場合は、「大谷観光一日乗車券」の利用がオススメ。
宇都宮駅から大谷地区までの路線バスを自由に乗り降りできるほか、大谷資料館入場券と大谷寺の拝観券がセットになっていてお得。さらに、当乗車券を提示すると特典を受けられる施設もあります。
関東自動車宇都宮駅前定期券センター、宇都宮市観光案内所、宇都宮東武ホテルグランデの3ヵ所で販売。価格は大人1,750円、中学生1,200円、小学生600円です。
終わりに
宇都宮市は餃子や焼きそばなどのグルメはもちろん、写真映えする観光スポット、お洒落なカフェなどがあり観光にも楽しい場所。
東京からもアクセスしやすいので、「日帰りでどこか観光したい」と思った時に足を運んでみてください。宇都宮へ行く際はぜひこの記事を参考に楽しんでくださいね。
Main image by Pixta
湘南生まれのフリーライター・編集者。海外の音楽フェスに行くことがライフワークです。 freelance writer and editor from Shonan.i love world music festival.