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「日光金谷ホテル」——著名人も感動した、歴史と文化を感じる宿
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栃木県の日光にある「日光金谷ホテル」は、訪日観光客を140年にわたっておもてなししてきました。時代を超えて受け継がれる老舗ホテルの魅力は何なのか？ ヘレン・ケラー、アルベルト・アインシュタインも宿泊した日光金谷ホテルを紹介します！
ライター
台湾嘉義市出身、歴史学科卒業。東京の下町に住んでいる歴女でオタクです。台湾の経済雑誌記者、台湾モスバーガー広報担当、アメリカスキンケアのマーケティングとして勤務。現在はライター、翻訳者として活動しています。休日は日本百城巡りします。
ストーリーテラーとして、自らの目で見て、聴いて、調べたことを書いていきます。1文字1文字に、心を込めています。お時間のある方は、ぜひこちらのストーリーをご覧ください。
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日本初！訪日観光客のためのホテル
Picture courtesy of 日光金谷ホテル
ヘレン・ケラー、アルベルト・アインシュタイン、アメリカの元大統領ドワイト・アイゼンハワー。この歴史上の人物には、ある共通点があります。それは、来日時の宿泊先に「日光金谷ホテル」を選んだことです。
日光金谷ホテルは、日本で初めて訪日観光客のために造られたホテル。日光の有名な観光スポット「神橋」や、世界遺産「日光東照宮」の近くにあります。
日光金谷ホテルの物語は、明治3(1870)年にアメリカ宣教師兼医者、そして日本のヘボン式ローマ字綴りを考案した「J.C.ヘップベーン」(ヘボン博士)が来日したことから始まります。
当時日光には訪日客が泊まれる宿泊施設が無く、ヘボン博士は東照宮で楽師をしていた「金谷善一郎」の自宅に滞在。善一郎氏に訪日客向けの宿泊施設開業を勧めました。
Picture courtesy of 日光金谷ホテル
明治6(1873)年、ヘボン博士の助言のもと、善一郎氏は自宅の武家屋敷を改装し、訪日客専用の民宿「金谷カテッジイン」を開業。これが現在の、日光金谷ホテルの前身です。
明治26(1893)年に、日光金谷ホテルを開業。以降140年以上にわたり、日光に来た旅行客をもてなしてきました。今では訪日客だけでなく、日本人も憧れる老舗ホテルです。
当初「金谷カテッジイン」として使われていた武家屋敷は今、日光金谷ホテル歴史館になっており、当時の宿泊施設の様子が見学できます。
今回は日光金谷ホテルの魅力を体験してみましょう！
精緻な彫刻はまるで、小さな"日光東照宮"
外観を初めて見た方は、伝統的な洋風のホテルといった印象かもしれません。しかし一歩足を踏み入れると、驚きの彫刻を目にすることができます。
善一郎氏は、日光東照宮を修築したことのある宮大工(※1)でもありました。そのためホテル内にも、日光東照宮を真似た装飾が多くあります。たとえば、象や柱の花の彫刻、そして「眠り猫」などです。
※1：宮大工……寺社仏閣の建築を専門に行う大工。
日光東照宮にある陽明門の12本の柱には、1本だけ模様が逆さになっている「魔除けの逆柱」があります。当時「建物は完成した瞬間から崩壊が始まる」と言われていました。そこで逆柱を作り、まだ建物が未完成であることを示し、長持ちするよう願いを込めたそうです。
これと同様に、ホテル2Fのレストランの天井には未完成の絵があります。興味のある方はぜひ探してみてください！
ホテルの内部には、まるで近代日本の美しさを濃縮したような魅力があります。その魅力から「国指定登録有形文化財」にも指定されています。
古くから使われてきたインテリアなど、歴史を感じる特徴が残っています。たとえば、2Fレストラン入り口にあるデスクライトは、明治40(1907)年から使用されています。
フロントの呼び鈴も明治40(1907)年から。現在も変わらず使用されています。
ホテルのいたるところに歴史が刻まれているため、宿泊客を対象に館内ツアーも行なっています。宿泊の際は参加して、タイムスリップの旅に出かけましょう。
ツアーは日本語で行われます。人数により開催可否が決まるので、当日訪れたら確認してみてください。参加費は無料です。
細かい心配りが感じられる部屋
すべての部屋に管状のスチーム暖房機が設置されており、冬は部屋を暖かく保ってくれます。
可愛らしい、足のついたバスタブが用意されている部屋もあります。アメリカ映画などでよくみられる、女優さんが泡のお風呂に浸かるシーンを思い出しました。
ボディソープなどのアメニティは、ホテルのオリジナル商品。洗顔フォームが特に使いやすく、ホテルに頼んで販売してもらいたいほどです。
伝承される100年の味
食事の合図に鳴らす音楽は、スタッフがひとつひとつ鉄琴を叩いて奏でるそう。スタッフの皆さんはとても親切で、これまで経験した中でもっとも温かみのある対応をしてくれました。
そんなスタッフが選んだ料理は絶品。豪華なディナー料理でも、モーニングの手作りパンでも素晴らしい味わいです。
Picture courtesy of 日光金谷ホテル
日光金谷ホテルを代表するメニューはカレーライスとパン。初代料理長のレシピを再現した「百年ライスカレー」と、日光金谷ホテルで「パンの神様」とも呼ばれる、川津勝利(かわづ かつとし)が開発した「ロイヤルブレッド」がオススメです。
この2つは1Fのおみやげ店でも販売しています。
おみやげ店では、日光金谷ホテルオリジナルのグッズも多く販売。ここでしか買えないおみやげに出会えますよ。
四季折々の姿
Picture courtesy of 日光金谷ホテル
紅葉が綺麗な日光東照宮の隣にあるため、ホテル自体も紅葉がとても綺麗。ほか、四季の折には美しい姿を見せてくれます。
Picture courtesy of 日光金谷ホテル
ホテルの庭園では、夏は緑が生い茂り、秋は紅葉、冬は銀世界へとその表情を変えます。1年を通して綺麗な景色が見られる点も、多くの観光客を魅了するポイントです。
まとめ
Picture courtesy of 日光金谷ホテル
長い歴史をもち、スタッフのおもてなしも一流の日光金谷ホテル。伝統的な内装に、美しい風景、温かいスタッフがいるホテルに、ぜひ訪れてみてください。
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台湾嘉義市出身、歴史学科卒業。東京の下町に住んでいる歴女でオタクです。台湾の経済雑誌記者、台湾モスバーガー広報担当、アメリカスキンケアのマーケティングとして勤務。現在はライター、翻訳者として活動しています。休日は日本百城巡りします。
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