西荻窪のレトロ喫茶店「物豆奇」で過ごす、異世界のカフェタイム
東京のJR中央線沿線は、散策が好きな人々に人気のエリア。吉祥寺の隣駅にある西荻窪には、人気深夜ドラマ『西荻窪 三ツ星洋酒堂』のロケ地にもなった、レトロな喫茶店「物豆奇(ものずき)」があります。店内はアンティークな調度品で統一され、まるで異世界に迷い込んだかのよう。懐かしい昭和の雰囲気が好きな人にはたまらない、クラシックなメニューも楽しめます。
半世紀の歴史を持つアンティーク喫茶店「物豆奇」

西荻窪駅北口を出て左に曲がり5分ほど歩くと、まるで絵本に出てくるような白い建物が見えてきます。物豆奇(ものずき)は、先代から引き継いだこの場所で半世紀近く営業を続け、今では地元住民の共通の思い出の場所になっている喫茶店です。
異世界に迷い込んだような空間

物豆奇の扉を開けると、深い色合いを基調に、様々な形の電球が柔らかな光を放つ、静かで落ち着いた空間が広がります。しかし、一番印象的なのは、店内の壁一面に飾られた、ユニークなアンティークの古時計です。時間になると、まだ動いている時計たちがそれぞれ違う音色の鐘を鳴らし、店内に響き渡ります。お店に一歩足を踏み入れた瞬間から、まるで異世界にいるような気分になりました。

店内の家具や調度品は、創業当初から「アンティーク」をテーマに集められたもの。テーブルや椅子、木製の棚、窓際に置かれた古いラジオなど、どれも歴史を感じさせるものばかりです。半世紀という時を経ても古びることなく、丁寧な手入れによって、人々を魅了する優雅な雰囲気を醸し出しています。
店主が熱心に店内の品々について紹介してくれたとき、私は思わず「ここにやって来る前、一つひとつの品物に、どんな物語があったんだろう」と心を奪われました。
ドラマのロケ地としても人気に!

2021年の春に放送された深夜ドラマ『西荻窪 三ツ星洋酒堂』は、放送が開始されるやいなや多くの視聴者の注目を集めました。劇中に登場するバーの外観は、物豆奇の店舗を借りて撮影されたものです。このドラマをきっかけに、多くの若いファンがロケ地巡りで訪れるようになり、物豆奇は人気の「聖地」となりました。

『西荻窪 三ツ星洋酒堂』 Picture courtesy of PRtimes
店主は、ドラマの制作スタッフから撮影の依頼を受けたとき、戸惑ったと笑って話してくれました。ドラマに詳しくなく、若い俳優のことも全く知らなかったからです。しかし、ドラマが大ヒットしたことで、それまでは地元の常連客が中心だったお店に、若いお客さんが足を運ぶようになったといいます。
昭和レトロな喫茶店メニュー

昭和の伝統的な喫茶店の代名詞といえば、やっぱり「クリームソーダ」は外せません。どのお店にもある定番メニューですが、お店ごとに味が少しずつ異なり、見た目もそれぞれ個性的です。
物豆奇のクリームソーダは、一般的なメロンソーダではなく、鮮やかな赤いザクロソーダを使っています。甘酸っぱいソーダと、上に乗ったバニラアイスクリームの組み合わせは、一度飲むとやみつきになります。シフォンケーキと一緒に味わえば、忘れられない午後のティータイムになるでしょう。(クリームソーダ550円、シフォンケーキ350円)

また、常連客に一番人気なのは、店主が一杯ずつ丁寧にハンドドリップで淹れるコーヒーです。一杯のコーヒーに込められた店主の思いは、多くの常連客を惹きつけています。

すっきりとした口当たりで、酸味と苦味のバランスが良く、コーヒーが好きな人にも、あまり飲み慣れない人にもおすすめです。好きな本を片手に、美味しいコーヒーを飲みながら、ゆったりと流れる午後を過ごす。これこそ、常連客にとっての贅沢な日常なのです。(コーヒー450円))
最後に
静かな時間を過ごしたい人には、吉祥寺から一駅の西荻窪にある物豆奇を訪れることをおすすめします。異世界にいるような不思議な雰囲気の中で、美味しいメニューを味わいながら、心に残る午後の小旅行を楽しんでみてはいかがでしょうか?
In cooperation with 物豆奇
都民から県民に転身。足利氏の大ファン、足利氏の聖地巡礼をしています。
カフェ巡りが好き。