【山梨】富士山の歴史と文化を知る
2013年に世界文化遺産に登録されて以来、世界中から多くの観光客が訪れる日本屈指の観光スポットとなっています。今回はそんな日本一の山「富士山」の歴史や世界遺産に登録された背景などをご紹介致します。
富士山麓、河口湖観光の目玉と言えば、「富士山」。標高3776メートルと、日本一の高さを誇る「富士山」は、2013年に世界文化遺産に登録されて以来、世界中から多くの観光客が訪れる日本屈指の観光スポットとなっています。今回はそんな日本一の山「富士山」の歴史や世界遺産に登録された背景などをご紹介致します。
「富士山」はどうやって出来たの?
今から約500万年前まで「富士山」はまだ存在せず、海の中でした。もちろん富士五湖もありません。約20万~10万年前に、小御岳火山と愛鷹火山が活動をはじめ、それから小御岳火山の中腹で新しい火山『古富士火山』が噴煙を上げ始めました。『古富士火山』は、数百回におよぶ噴火と度重なる山体崩壊を経て、小御岳の大部分と愛鷹山の北半分を埋め尽くし、およそ1万年前から現在の富士火山(新富士火山)が成長を始めました。それからさらに数々の噴火を経て、約3000年前頃、現在の富士山の原型となる『新富士山』が出来上がったとされます。それからも幾度となく噴火を繰り返し、約1707年の「宝永の噴火」以来、その火山活動は停止され、今日に至っています。
「火山」としての「富士山の歴史」
「富士山」は現在、大きな火山活動は行われていないものの、過去には大噴火を繰り返した歴史を持つ活火山です。西暦800年以前から1707年にかけて火山活動が行われており、なかでも「富士山三大噴火」と呼ばれる「延暦大噴火(えんりゃくだいふんか)800年~802年」「貞観大噴火(じょうがんだいふんか)864年~866年」「宝永の大噴火(ほうえいだいふんか)1707年」が有名です。特に「宝永の大噴火」は大規模で、噴煙とともに大量の火山灰が東京(当時の江戸)まで降り注ぎ、房総半島まで被害が及んだという記録も残されています。そしてこの「宝永の大噴火」を最後に、富士山の火山活動は休止しています。
1960年代以前、富士山は以前「休火山」に分類されていましたが、見直しが行われ、過去に数多くの噴火の歴史をもつ火山は「活火山」に変更されました。富士山は火山活動が完全に終わっているわけではなく、この先いつでも噴火する可能性がある山だということです。
富士五湖は富士山の噴火でできた?「富士五湖誕生の歴史」
「本栖湖」「精進湖」「西湖」「河口湖」「山中湖」は、富士山の噴火によってできたせき止め湖です。かつては「宇津湖」と「せのうみ」という大きな2つの湖でしたが、度重なる富士山の噴火活動によって9世紀ごろに現在の姿に落ち着いたとされています。
富士五湖についての詳細はこちら→https://matcha-jp.com/jp/12168
霊峰富士の「富士山信仰」について
おだやかで美しい姿の「富士山」ですが、大噴火によって大きな災いをもたらすことで人々に戒めを与える山として、古来より神のように崇められてきました。富士山の麓に浅間神社が建立されたのも、神の怒り(噴火)を鎮めるためでした。平安時代後期(1068年-1192年)になると、富士山は日本古来の山岳信仰と外来の仏教が習合した修験道の道場として、多くの修験者が厳しい修行を行う山岳霊場へと変化していきました。これによって、遠くから眺め崇めてきた「遥拝(ようはい)」から、頂上まで実際に登る「登拝(とはい)」へ信仰の形が移り変わりました。
12世紀前半には、「末代上人(まつだいしょうにん)」が富士山頂に大日寺を築き、室町時代後半(1467年-1573年)になると、修験者だけでなく一般庶民も富士山に登ることで神を崇拝するようになりました。鎌倉時代には、長谷川角行が新たな富士山信仰を教義としてまとめ、その後、江戸時代中期になって「富士講」として大流行となりました。関東を中心に多くの人々が富士登山や白糸ノ滝などへの霊地巡礼に出掛けるようになりました。この頃は、富士登山は男性だけのもので、女性禁制でした。明治時代になり、女性の山頂登山も解禁となることで、富士登山も活発になりました。現在では多くの登山者が「ご来光」を拝む為、富士登山を試みています。
富士山に由来する神様
日本には、神代における天地の始まりから天皇の時代に至るまでの出来事を記載した「古事記」「日本書紀」といった歴史書があり、この中に誕生する女神が「このはなさくやびめ」。
火中で出産するという強さを持った女神であることから安産や火の神として祀られています。幾度となく噴火を繰り返す富士山を鎮める為に祀られたそうです。
富士山が「芸術」に与えた影響
富士山の美しさは多くの芸術家にも影響を与え、その姿は芸術作品の中にもしばしば登場します。文学作品では、日本最古の歌集「万葉集」の中にも富士山を読む句が存在し、「竹取物語」や「伊勢物語」などの物語の中にも、物語の重要な要素として登場しています。
また、絵画の中にも富士山を描いた作品が存在しています。有名なのは江戸時代、葛飾北斎によって描かれた「富嶽三十六景」でしょう。これ以外にも富士山を描いた作品は多く、歌川広重の「東海道五拾三次」などこれらの浮世絵は、海外にも輸出されモネやゴッホなど多くの西洋画家に影響をあたえました。昔から今日に至るまで日本を代表する美しさ・魅力を持った山だと認識されていることが分かります。
富士山が世界遺産に登録されるまでの道のり
当初、富士山は「世界自然遺産」として世界遺産登録を目指していましたが、登山者や観光客が多い山であり、様々な問題が解決しないことから世界自然遺産への登録を断念しました。その後注目されたのが、先に紹介した「富士山信仰」や「芸術作品」だったのです。信仰の対象であり、多くの芸術作品に影響を与えた富士山に文化的価値を見出し、ついに2013年6月「世界文化遺産」として登録を果たしました。世界遺産に登録されたのは富士山だけではありません。富士山が世界文化遺産に登録された正式名称は「富士山-信仰の対象と芸術の源泉」です。富士山と、文化的価値を有する多くの「構成資産」が世界遺産として登録されました。富士山の構成資産は、富士山の山体はもちろん、頂上までの登山道や富士五湖、富士山周辺の神社や巡礼地など全部で25か所あります。富士山の構成資産巡りをするのも面白いかもしれませんね。
富士山の構成資産についての詳細はこちら→富士山の構成資産と合わせて巡るおすすめ観光スポット
富士山の歴史や文化が学べるおすすめスポット
ふじさんミュージアム
富士信仰を中心とした富士山の歴史について、様々な書籍や資料がそろっています。展示解説の音声ガイド(日本語・英語・中国語・タイ語)をご利用いただけるほか、ガイドによる展示案内(要予約)を行っています。また、360°+床面に映し出される迫力ある高精細な映像で富士登山と美しい富士山の絶景を体感できる「ふじさんVRシアター」もおすすめです。
富士山レーダードーム館
道の駅富士吉田向いにある「富士山レーダードーム館」は、富士山レーダーの歴史や気象観測について学べる施設です。1964年に富士山頂へと設置され、1999年まで日本中の気象を観測してきた富士山レーダードームの実物を展示しています。
風×映像×音による臨場感溢れる演出が人気の「富士山頂寒さ体験」は是非ご体験ください!また、ふじさんミュージアムが徒歩1分の場所にあるので合わせて巡るのがおすすめです。
URL:https://fujiyoshida.net/spot/13
河口湖美術館
河口湖の北岸にある「河口湖美術館」は、富士山に関連した絵画を中心に多くの作品を展示している美術館で常設展以外にも富士山写真大賞やワークショップなど、時期ごとに様々なイベントを開催しています。2023年9月10日までは、葛飾北斎の「富岳三十六景 相州七里浜」、歌川広重の「東海道五十三次之内由比」など、富士とともに描かれた浮世絵約40点を中心とした「河口湖美術館 夏のコレクション展2023 ~浮世絵を中心に~ 河口湖町制20周年/富士山世界文化遺産10周年」を実施しています。
URL:http://www.fkchannel.jp/kgmuse/
山梨県立富士山世界遺産センター
富士山の歴史や文化、自然などが学べる施設で、館内ガイドアプリ「ふじめぐり」をスマートフォンにインストールすれば、英語、繁体語、簡体語、韓国語、インドネシア語、タイ語で案内してくれます。また、一日の時間の流れや季節の移り変わりによってさまざまな表情を見せる富士山の姿を照明演出で表す和紙で作られた富士山「冨嶽三六〇」は圧巻です。
URL: https://www.fujisan-whc.jp/index.html
なるさわ富士山博物館
道の駅なるさわ内にある博物館。入館するとすぐに巨大恐竜がお出迎えしてくれます。館内は5つのAREAに分かれており、それぞれ映像や模型などを通して、富士山内部の地下水やマグマ、富士山の雲や天候についてなども学ぶことができます。また徒歩1分の場所には、日帰りで温泉が楽しめる「富士眺望の湯ゆらり」がありますので、是非合わせて訪問してみてください。
URL:https://www.narusawa-fuji.com/
URL:https://www.ja-narusawamura.or.jp/michinoeki/ (道の駅なるさわ)
URL:https://www.fuji-yurari.jp/ (富士眺望の湯ゆらり)
博物館・美術館巡りには、富士観光トラベルの「観光タクシープラン」、「レンタサイクル」をご利用ください。
観光タクシープラン 詳細はこちら➡https://matcha-jp.com/jp/11931
※お客様だけの特別周遊プランを作ることも可能です。
レンタサイクル 詳細はこちら➡https://matcha-jp.com/jp/12246
富士山は火山としてだけではなく日本の文化や芸術としても非常に歴史ある山です。富士山の周辺に観光に行く際は、富士山の雄大で美しい姿を目に焼き付けるだけでなく、今回紹介した施設で富士山の歴史や文化について学んでみるのもおすすめです。
世界に誇る日本のシンボル「富士山」や富士山構成資産など山梨県富士山北麓地域の魅力的な情報を発信します。 山梨県富士山麓に位置する富士五湖地方は、富士山の北側に位置し、「本栖湖」「精進湖」「西湖」「河口湖」「山中湖」などを有する自然豊かな地域です。 世界文化遺産「富士山」の構成資産には、「北口本宮冨士浅間神社」や「河口浅間神社」「冨士御室浅間神社」などの歴史ある神社、天然記念物「忍野八海」など静岡側の構成資産と合わせて合計25件登録されています。 多くの観光客が訪れる富士山麓には、春は富士山と桜と五重塔「忠霊塔」の共演を楽しむことができる「新倉山浅間公園」、夏は河口湖ハーブフェスティバルのメイン会場となる「大石公園」、秋は富士山と紅葉を眺める「河口湖もみじ回廊」、冬は大迫力の富士山を真正面にスキーやスノーボードが楽しめる「ふじてんスノーリゾート」などの多くの観光スポットがあります。 また近年は、富士山の大自然の中でトレッキングやサイクリングなどのアクティビティやキャンプなどを楽しむ方も増えています。 当社はこの富士北麓地域河口湖を拠点に、富士山の自然を活かして作られたテーマパーク「富士すばるランド」、富士山の天然水「ふじざくら命水」を使用してつくられた世界一のクラフトビール「富士桜高原麦酒」、富士山麓地下1000mから汲み上げる天然温泉「富士眺望の湯ゆらり」、ダイナミックな富士山を目の前にスキー・スノーボードなどの雪遊びが楽しめる「ふじてんスノーリゾート」などを運営しております。 四季折々変わる富士山の魅力をここ富士山麓河口湖よりわかりやすく発信していきます。