【山形県】これぞ日本の温泉文化!肘折温泉に息づく湯治場の魅力
日本では昔から、温泉に入って病気や怪我の回復を早める「湯治」という考え方があります。本記事では湯治場文化が色濃く残る静かな温泉地、山形県・肘折温泉をご紹介します。
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目次
- 肘折温泉とは~1200年以上の歴史をもつ温泉地~
- 美肌の湯!肘折温泉の特徴と効能をご紹介
- 気軽に楽しめる!日帰り利用が可能な温泉地3選
- 川の音を聞きながらひとやすみ。水が豊かな源泉公園で癒されよう
- 肘折温泉をさらに楽しむなら
肘折温泉とは~1200年以上の歴史をもつ温泉地~
肘折温泉郷は温泉の効能と保養に適した環境から、国民保養温泉地にも指定されている、1200年の歴史をもつ湯治場文化が色濃く残る静かな温泉地です。肘折温泉、黄金温泉、石抱温泉の3つ温泉地から成り立っており、合計21箇所の湯を楽しむことができます。
雪深い肘折には、江戸時代から村全体で厳しいルール=『契約講』がありました。現在でもこの講のいくつかは大切に継承されております。その代表的なものが代々受け継がれてきた『三十六人衆』。
若い人ほど聞き馴染みがなくなってしまった湯治場という言葉ですが、そんな日本の温泉文化を継承して行くために、現在でもこの『三十六人衆』が温泉の維持や、自然環境、まちなみ、歴史、風土、文化を守り続けているのです。
2023年の温泉総選挙では、このような取り組みや、温泉の保護と適正利用の推進が評価され、環境大臣賞を受賞しました。
美肌の湯!肘折温泉の特徴と効能をご紹介
肘折温泉の源泉は、療養泉であり湧出量も豊富です。”2号源泉”や”5号源泉”など小さい村ながら、あらゆる源泉を楽しむことができます。それぞれお湯の色も入浴感も異なるので、各旅館や共同浴場、日帰り温泉施設で入り比べることも楽しみの1つです。
そして保温効果も高く”あたたまりの湯”や、古い角質を乳化して洗い流すことから”美肌の湯”とも呼ばれています。
気軽に楽しめる!日帰り利用が可能な温泉地3選
①黄金温泉 カルデラ温泉館
奥座敷的雰囲気の黄金温泉にあるカルデラ温泉館は、木造りであたたかい日帰りの温泉施設です。敷地内からは熱い温泉と冷たい炭酸泉の2つが湧き出しており、これは全国的にも珍しいことです。熱い温泉は入浴に!冷たい炭酸泉は飲泉に使われます。
「飲泉!!??温泉って飲めるの??」と思った方もいるでしょう!!
そうなんです。こちらの炭酸泉は飲むことができます。
注意書きには、『食前にコップ1杯程度をゆっくり時間をかけて飲みます。飲泉した直後は胃壁を痛めるのでお茶やコーヒー、紅茶は飲まないように。一般的に食前30分〜1時間前の飲泉がより効果がある。夕食後から就寝前の飲泉はなるべく避けることが望ましい』と書かれていました。
炭酸泉の効果は一般的な温泉と比べると血行促進が5倍。ヨーロッパでは”心臓の湯”と呼ばれています。内臓を活発にし利尿作用、便秘、慢性消化器病、免疫力アップの効能があるようです。大浴場にも手・足用の部分浴ができる冷たい炭酸泉があるので、温かい黄金温泉と交互に繰り返す入浴がおすすめです。
②肘折いでゆ館
ここでは今流行りの、ワーケーションをしながら温泉も楽しめます。つまり”湯治場ケーション”をすることができます。貸会議室、お食事処、お土産コーナー、肘折温泉のシンボルである肘折こけしの絵付け体験に加え、掛け湯や寝湯の温泉も完備されています。
せっかくの湯治。自分にあった正しい入浴法も知りたいですよね?ここではなんと、温泉療養専門の温泉ドクターに診療してもらうことができます。料金は無料で開催日はホームページをご確認ください。膝や腰が痛い方や、手術後の方、健康増進を図りたい方など、食事法や入浴法をアドバイスしてもらいましょう。
③上の湯
肘折発祥の湯である共同浴場の上の湯は、温泉街の中心にあります。
男女別の内湯があり、浴槽にはお地蔵様が奉られているという、なんともご利益がありそうな温泉。きり傷に効くとされており、地元の人々もよく通っているそうです。
川の音を聞きながらひとやすみ。水が豊かな源泉公園で癒されよう
肘折温泉街の川沿いを上流に上って行くと、地元の人たちの憩いの場である源泉公園にたどりつきます。ここにもちょっとしたスポットがあるのでご紹介します。
源泉公園には登録有形文化財に指定された肘折ダムがあり、そのすぐ隣に”初恋足湯”や、源泉が湧き出る様子を見ることができます。冬季は雪のため行くことができませんが、春から秋にかけて行かれる方は、是非立ち寄ってみてください!
肘折温泉郷散策の合間に、ダムを眺め川の音を聞きながらの足湯や腰湯でひと休み。温泉街で買ったほていまんじゅうを食べて癒される。こんな休日素敵ではありませんか?ぜひ肘折温泉を訪れてみてください。
肘折温泉をさらに楽しむなら
肘折温泉のアクセス・観光スポット・お土産・グルメ情報はこちらの記事をチェックしてみてください。
国民保養温泉地とは、温泉利用の効果が十分期待され健全な保養温泉地として、「温泉法」に基づき環境大臣によって指定されています。全国に79箇所の温泉地が指定されています。(2024年10月現在) 国民保養温泉地の選定は、おおむね以下の基準によって行われています。 第1 温泉の泉質及び湧出量に関する条件 (1)利用源泉が療養泉であること。 (2)利用する温泉の湧出量が豊富であること。なお、湧出量の目安は温泉利用者1人あたり0.5リットル/分以上であること。 第2 温泉地の環境等に関する条件 (1)自然環境、まちなみ、歴史、風土、文化等の観点から保養地として適していること。 (2)医学的立場から適正な温泉利用や健康管理について指導が可能な医師の配置計画又は同医師との連携のもと入浴方法等の指導ができる人材の配置計画若しくは育成方針等が確立していること。 (3)温泉資源の保護、温泉の衛生管理、温泉の公共的利用の増進並びに高齢者及び障害者等への配慮に関する取組を適切に行うこととしていること。 (4)災害防止に関する取組が充実していること。