【兵庫神戸】日本酒の聖地「灘五郷」の楽しみ方を徹底解説!おすすめの日本酒バーもご紹介!
“灘の酒”として全国的にも有名な酒造りの名産地・灘五郷。ご紹介するのは、神戸市東灘区にある「灘五郷酒所」「菊正宗酒造記念館」「樽酒マイスターファクトリー」です。日本を代表する名酒・灘の酒を実際に地元酒所で味わうこと、その名酒がどのようにして造られてきたのかを徹底紹介します。
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目次
- 日本酒の聖地「灘五郷」
- 1.日本酒とお料理のペアリングを堪能!「灘五郷酒所」
- 2.老舗「菊正宗」の魅力に迫る
- 3.職人技を目の前で見学できる「樽酒マイスターファクトリー」
- 【公式】兵庫県観光サイトHYOGO!ナビ
日本酒の聖地「灘五郷」
“灘の酒”として全国的にも有名な酒造りの名産地・灘五郷(なだごごう)とは、神戸市の西郷・御影郷・魚崎郷、西宮市の西宮郷・今津郷の5つの酒造地の総称です。神戸市東灘区の魚崎郷にある老舗酒造「菊正宗酒造記念館」の貴重な資料展示や職人さんの作業見学の様子をご紹介します。また、日本酒の「古い」「堅苦しい」というイメージに革新を起こし、若者、観光客、外国人など、新しい日本酒ファンを作り続けている話題のお店、「灘五郷酒所」の人気のヒミツと楽しみ方を徹底解説します。
1.日本酒とお料理のペアリングを堪能!「灘五郷酒所」
灘五郷酒所はどんなところ
灘五郷の26蔵の日本酒と「旬」「発酵」「相性」「地元」をテーマにした食との相性が楽しめる元酒蔵の立ち呑み処です。500余年の歴史ある剣菱酒造の酒蔵を改装して2022年4月に開店。従来の居酒屋のイメージをくつがえすモダンでスタイリッシュな雰囲気の中、イベントなどを通して日本酒の新たな魅力をこの灘五郷から発信しています。
基本情報 灘五郷酒所
電話:080-7945-8291
営業時間:金・土・日曜日・祝日 12:00-20:00/ 月・ 火・水・木曜日 (貸切、イベント) のみ予約受付
※ラストオーダー: お食事 20:00, お飲み物 20:30 (日曜日、祝日:お食事19:00、飲み物19:30)
※お待ちの方がいる際は、90分制としています(18:00以降は、比較的すいています)
※ ご予約はWEB(24時間)とお電話(営業時間中のみ)受け付けています
アクセス:阪神「御影駅」より 徒歩 10 分 周辺駐車場あり ※飲酒される方の車でのご来場はご遠慮下さい
飲食は、チケット制です。チケットは15枚つづり3,000円と追加の5枚つづり1,000円の2種類があります。チケットは税込で有効期限は6ヵ月。現金で購入すれば、余ったチケットの払い戻しも可能です。
お料理は、朝の市場で仕入れた脂がのった天然ぶり、地元のパン屋さんのパン粉と神戸ビーフを使用した「杉玉コロッケ」です。日本酒は芳醇でまろやかなうまみのある「剣菱黒松」、ふくよかな味わいとキレのよさのある「白鹿特選」の相性を堪能しました。
一番人気メニューは「灘五郷酒所セット(チケット15枚)」。日替わりの肴3種類と、灘五郷(西郷、御影郷、魚崎郷、西宮郷、今津郷)それぞれのおすすめの酒5種類がセットになっています。日本酒とお料理を楽しむ順番の解説書が配られます。さらに、冷酒・常温・ぬる燗・熱燗など温度による飲み比べもおすすめです。
全国各地からの観光客はもちろん、海外からのお客さまも多く、文化や国境を越えた交流があちこちで見られるそうです。イベントも色々開催されていて、年末のカウントダウンは大盛り上がりだったそうです。
2.老舗「菊正宗」の魅力に迫る
灘の酒造りの魅力を紐解く「菊正宗酒造記念館」
1659年に創業し、以来360年以上にわたり灘の地で日本酒造りに取り組んでいる老舗酒造メーカー「菊正宗」の酒造記念館と「樽酒マイスターファクトリー」を紹介します。酒造りの老舗としての風格が漂う記念館は、御影にあった「菊正宗」当主・本嘉納家の本宅屋敷内に建てられた酒蔵を昭和35年に現在の場所へ移築しました。
阪神淡路大震災で甚大な被害を受けましたが展示物は奇跡的に現存しているものが多く、平成11年に復興オープンしました。創業以来守り続けている酒造りの様子を色濃く伝えています。
基本情報 菊正宗酒造記念館/樽酒マイスターファクトリー
TEL: 078-854-1029 FAX. 078-854-1028
開館時間:9:30~16:30 (団体のお客さまはご予約下さい)
休館日:年末年始(2023/12/30-2024/1/4)
観覧料:無料 ※唎酒は一部有料
アクセス情報 電車でお越しの場合
JRご利用の場合:
▪JR神戸線 住吉駅下車、六甲ライナーに乗換「南魚崎駅」(2駅目、約4分)で下車。エレベーター1階より北西へ徒歩2分
阪神電車ご利用の場合:
▪阪神電車 魚崎駅下車。住吉川沿いの遊歩道“清流の道”を南へ徒歩10分。
▪大阪方面より〔JR〕大阪駅~住吉駅 約30分/〔阪神〕大阪梅田駅~魚崎駅 約35分
▪神戸方面より〔JR〕三ノ宮駅~住吉駅 約8分/〔阪神〕神戸三宮駅~魚崎駅 約10分
菊正宗酒造記念館に入ってすぐのエントランスホールには、「菊正宗」をはじめ、灘五郷が日本を代表する酒どころとなった理由を知ることができる資料物件やパネルが展示されています。
例えば、酒米には酒造好適米の代表「山田錦」を使用。六甲山の北側の美嚢郡や加東郡が主な産地で、昼夜の温度差が大きく、粘土質な土壌に恵まれた風土の利や、高度な栽培技術を有する農家の協力のもと、良質な酒が生み出されています。
西宮市の沿岸部から湧き出る硬水は、「宮水」と呼ばれ灘の酒造りに欠かせません。この水は酵母菌のはたらきを活発にしてくれるリンやカリウムを多く含んでいます。
酒蔵は、六甲山から吹く寒冷な風“六甲おろし”を受けやすく、南の日差しを遮るような構造に工夫されるなど、酒造りに最適化された環境が整えられていました。
「酒造展示室」には、昭和初期まで実際に使用されていたという「国指定重要有形民俗文化財」灘の酒造用具が多数展示され、酒造りの工程が8つのエリアにわたって紹介されています。室内は酒造りが行われる冬の夜中3時を演出した暗めの照明で、臨場感がいっぱいです。
「洗い場」で精米した白米を踏み洗い。真冬の仕込み時期に1日約2トンもの米を素足で踏む作業を想像しただけで凍えそうです。
「釜場」で米を蒸し、「麹室(こうじむろ)」で麹菌の胞子をふりかけて繁殖させます。この工程で米のデンプンがブドウ糖に変化します。
「酛場(もとば)」では米麹(こめこうじ)と蒸した米、水を桶に入れてすり潰し、日本酒の酛(もと)となる酒母(しゅぼ)を作ります。「菊正宗」では自然の力を活用した「生酛造り」にこだわっていて、その技術が代々受け継がれることで、上質な酒造りが行われているそうです。
「造蔵」で酒母に米麹や蒸米、水を3回に分けて加え発酵させる「三段仕込」を行い、熟成させて出来上がった醪(もろみ)を「槽場(ふなば)」でしぼります。完成した酒を「囲桶(かこいおけ)」と呼ばれる大きな桶で半年から1年かけて熟成させて、秋口に清酒として販売されます。
見学を堪能した後は、物販コーナーへ。「菊正宗」で作られた記念館限定の日本酒やオリジナルグッズなどが多数販売されています。また、お酒とセットで楽しめるおつまみも充実しています。
「菊正宗」で作られたお酒が無料で試飲ができる「唎酒(ききざけ)コーナー」も要チェックです。また、備付けのお酒の中から好きなものを選び、有料で試飲することもできます。
3.職人技を目の前で見学できる「樽酒マイスターファクトリー」
江戸時代から伝わる「樽酒(たるざけ)」とは
菊正宗酒造記念館を満喫した後は、道を挟んで隣接する「樽酒マイスターファクトリー」へ移動します。樽作りの様子が見学できる、全国的に珍しい施設です。
樽酒とは、原酒を木製の樽に入れることによって木香で風味付けをした清酒のこと。江戸時代に酒を運ぶ際、当時は今のように瓶が無かったため、木製の酒樽に酒を詰めたことから樽酒ができました。
樽に使うのは、奈良県吉野地方で採れる厳選された吉野杉です。樹齢100年以上で、直径1m以上の杉だけを厳選して使用しています。レクチャーコーナーで10分ほどの動画を観て準備万端、職人の待つ樽造りの工房へ移動します。
実際に職人さんが樽を作っている様子を見学することができます。まずは、樽を締めるために使用する竹、箍(たが)を作る「箍巻き」をつくります。全長10m近い竹をまっすぐに割ったものを、全身を使って輪の形に編み上げていきます。
材料の吉野杉は1つとして同じサイズのものがなく、切り出された後も形がそれぞれ微妙に異なります。
木の湿度や質感を確かめながら少しずつ微調整を繰り返すため、ほぼ全ての工程を職人さんが素手で作業しています。
組み立てに使用する道具は、自分の手になじむよう職人さんが手作りで用意するそうです。
寸分の狂いも出ないように、丁寧に作業を進めつつも、大胆に杉樽を組み立てていく様子を目の前で見られるのは、まさに神業のようでこの工房でしか体験できません。
完成した樽は一時保存され、発注に合わせて原酒が詰められます。何日間か寝かせて、一番おいしく飲むことができるタイミングに瓶詰されます。出来上がった樽酒は、生酛造りで造られた原酒に吉野杉の爽やかな香りがほんのり加わり、まったりと濃厚さを味わいながらもスッキリとした爽快感を楽しむことができます。
【公式】兵庫県観光サイトHYOGO!ナビ
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ようこそ兵庫へ 兵庫は日本海から中国山地をまたぎ瀬戸内海をつなぐ恵まれた大地、そして恵まれた風土を育む関西の窓口です。 「さくら名所100選」に選ばれた世界遺産の姫路城、六甲山から見る大パノラマの夜景など、目を奪われる絶景が数多くあります。 世界的に名高い神戸ブランド、日本を代表する牛肉で但馬牛の代名詞「KOBE BEEF」、酒米「兵庫山田錦」は舌が驚く逸品です。 名湯、有馬温泉や多くの文学作品にも登場する城崎温泉。大自然に包まれ心も体もリラックスできます。 淡路島・鳴門のうずしおの雷鳴のように響く音、夏に各地で開催される花火大会でのダイナミックな音など、心に残る音に出会えます。 県内のハーブ園や植物園では四季を通じて、ハーブや花々の優しく心地良い香りに癒されます。 さあ、「視覚・味覚・触覚・聴覚・嗅覚」の五感を刺激する新しい旅を、兵庫県でご堪能ください。