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【多可町】タカタータンで多可町の魅力を発信 起業する若者を応援して町を活性化
兵庫県の北播磨地域、多可郡多可町のイメージを、緑を基調の6色で表現したオリジナルのチェック柄「タカタータン」。タカタータン委員会委員長と多可町観光交流協会副会長を兼務する小谷直美さんは、タカタータンの商品を通して町内外に多可町の魅力を発信したいと話します。デザイナーである小谷さんの事務所兼タカタータンの商品をそろえる『雑貨屋サン 3ix(ミックス)』を訪れました。
どんなデザインでもお手のもの
小谷直美さんは、西脇市出身、多可町在住のグラフィックデザイナーです。高校卒業後、加西市に本社がある広告デザイン会社の東京支社で修業を積み、23歳で独立。来年にはデザイナー歴30周年を迎えます。
小谷さんは、北播磨地域を中心に兵庫県全域で、ロゴマークや名刺、ショップカード、DM、封筒、パッケージ類など、さまざまなデザインを手がけてきました。デザイナーとして経験も実績も豊富な小谷さんが、「タカタータン」の商品の企画・開発に携わるのは自然の流れだったのかもしれません。
「タカタータン」って?
「タカタータン」は、播州織の産地、多可郡多可町で誕生したオリジナルのタータンチェック柄です。
タータン柄を織りなす色は全6色。山田錦の稲穂の「黄色」、酒米、雪、杉原紙の「白色」、多可町の自然の「緑色」など、多可町のイメージをその風土に根ざした意味のある6色で表現しています。伝統的な技術を駆使し、播州織の職人が手がけた生地というのも大きな特徴です。
タカタータンの開発が始まったのは2018年のこと。「播州織シャツプロジェクト」(地場産業の播州織を活用したPR企画)を役所から引き継ぎ、多可町オリジナル「タータン」のデザインを考え始めました。
2018年には小谷さんらを中心とする企画部会で視察研修や検討を重ね、6色のイメージカラーを決定し、2019年7月、スコットランドのタータン登記所に登録、9月に播州織タカタータンの生地が完成しデビューとなりました。
「スコットランドの登記所に登録して、初めてタータンチェックと名乗れるんですよ。登録がなければただのチェックなんです」。
こうして生まれた「タカタータン」を使い小谷さんが中心となって開発した商品は、マスキングテープ、クリアファイルなどのステーショナリー、ハンカチ、手ぬぐい、バッグ、日傘といった服飾雑貨、水筒など実用品、コサージュやイヤリングをはじめとするアクセサリー…とどんどんアイテムが増えています。
「基本はこれを見たら多可町とわかるくらい広告塔になるような商品で、いろいろな人に手に取っていただけるデザイン性の高いものと思っています」と小谷さん。「タカタータン」の商品は、「道の駅山田錦発祥のまち多可・まちの駅たか」や「カフェチャッタナ」(「chattanaの森」内)にも一部置いています。
また商品開発だけでなく、交流イベントも主催し、2022年、2023年には「タータンサミットin多可~つながる・ひろがる・タータンの輪」として、トークライブや展示などを行いました。
小谷さんは「2023年のサミットの抽選会の景品はすべてタカタータンのものだったんです。会場中に、タカタータンがあふれて本当にうれしかった」と話します。
『雑貨屋サン3ix』をオープン
2021年7月に、小谷さんは自らのデザイン事務所「ランドグラフィックス」兼『雑貨屋サン 3ix』をオープンしました。古民家をリノベーションしたステキなスペースです。
「多可町のいいものをミックス、企業やお店、人たちと私が手がけるデザインをミックス…店名はいろいろな意味を含んでいます」と小谷さん。
この店では、小谷さんが開発したタカタータンの商品はもちろん、小谷さんセレクトのイイものが並んでいます。環境に配慮したグッズもあって、見ているだけで楽しい~。地元密着の商品もありますよ。
1300年以上の歴史を持つ「杉原紙」と 200年以上の歴史を持つ「播州織」を使用した 多可町発、和紙製品ブランド「HALOP(ハロップ)」の商品です。「the多可町」って感じですよね。
小谷さんは、無店舗で活動している作家さんや、いつか起業することを夢見て頑張っている人を応援したいと、店で作品や商品を委託販売するだけでなく、その人らしいロゴマークや名刺などをデザインしています。
多可町や起業したい人の応援を今後ももっと
「今後の展望は?」とお聞きすると、「タカタータンの知名度をもっと上げるために、さらに商品開発したい」と。小谷さんにとっては、商品開発は地域貢献のひとつ。タカタータンが町内の中学校図書室のテーブルクロスに採用されたそうで、町内の方にも少しでもPRできるとニコニコ。
お店では新しいサービスをスタートしました。その名も「mixBENTO」。「プレゼントを贈りたいけど何を選んでいいのかわからない」という人のためのサービスで、店舗やインターネット上で、相談を受けながら一緒に選ぶプレゼントです。
「お弁当の蓋を開けたら大好きなおかずが入っていた」という思い出のお弁当のようなギフトを届けたいとか。相談を受けながら、多可町の商品や頑張っている人の商品も一緒に選ぶことができたらと思っているそうです。
「町の応援団」でもあり「起業する若者の応援団」の小谷さん。自分の能力を惜しみなく発揮して、多可町の活性化に一役も二役も買っています。
(ライター 歌見)
※本記事は2023年6月時点の情報です。価格は税込み表示です。商品内容や価格が変更となる場合があります。
基本情報
Rand graphics[ランドグラフィックス]/雑貨屋サン 3ix
住所:兵庫県多可郡多可町中区安坂108-4
電話番号:0795-20-1689、090-3486-3026
営業時間:【雑貨屋サン 3ix】金・土曜13:00~18:00
※7月21日~29日は休みなく営業13:00~18:00
定休日:日~木曜
アクセス:中国自動車道滝野社ICより車で26分、播但連絡道路神崎南IC車で28分、JR西脇市駅・本黒田駅より神姫グリーンバス「安坂」バス停下車すぐ
駐車場:4台
いいもの、いい体験とはどんなものでしょうか。 伝えたいストーリーがあったり、作り手の想いが溢れていたり歴史があるものであったり、地元の方に愛されていたりとたくさん特徴は挙げられます。 とっておきのものや体験に出会ったとき嬉しくて誰かに伝えたくなったことはありませんか。 そして、伝えた結果、新たに誰かが何かにつながる。 それこそが「いいもの」なのではないかと思います。 私たちはそのような出会いをお客様にお届けできるように「かたる、つたえる、つながる」をコンセプトに兵庫のいいものを発掘し、お客様と兵庫県内地域とのこころの距離が キュッと縮まるような情報を発信していきます。