お好み焼の専用麺!「みっちゃん総本店」で欠かせない「いその麺」とは?
広島のお好み焼に欠かせないものと言えば、やっぱり麺!「みっちゃん総本店」では、お好み焼専用の生麺「いその麺」を使っています。製造するのは、広島のお好み焼店から絶大な支持を得る「磯野製麺株式会社」。今回はいその麺の製造工程に、「二代目井畝満夫」さんが密着!そのこだわりの製造方法について教えてもらいました。
広島のお好み焼専用の生麺を製造!磯野製麺とは
※こちらの記事は、「広島お好み焼みっちゃん総本店【公式】」のYouTubeチャンネルより抜粋した内容となっています。
「磯野製麺株式会社」は、昭和37年創業で広島のお好み焼専用の麺を製造する製麺会社。もともと精米業を行っていた初代社長が、出入りしていた屋台店主たちに「お好み焼に入れる麺はできないか」と言われ、専用の生麺を作り始めたことが始まりです。工場は年中無休で、毎日1万4千食の麺が生産されています。
いその麺を作るには、「ミキシング」「複合」「圧延」「切り出し」の4つの工程があるのだそう。ここからは、どうやって麺が作られるのかを見ていきましょう。
製麺工程①ミキシング
最初の工程である「ミキシング」から見ていきましょう。
ミキシングとは、小麦粉・かん水・水を混ぜ合わせる作業のこと。この作業はかなり重要で、この工程によって味が決まるといっても過言ではないそうです。
小麦粉は、磯野製麺専用のものを使用。お好み焼専用なので、鉄板の熱にも強いオリジナル配合の小麦粉を使用しているのだとか!
かん水は、創業当時から受け継がれる秘伝のものを使用しています。
小麦粉にかん水を入れて混ぜ合わせます。熟練した職人技で、毎日の天候や湿度などによって水分量を微調整しているそう。
製麺工程②複合
続いて、製麺工程となる「複合」について見ていきましょう。
複合とは、ミキシングした生地を伸ばし、生地に圧力をかけながら鍛えていく作業のこと。この作業では、「グルテン」というたんぱく質を形成します。グルテンには、弾力を生む「グルテニン」と、麺の伸びを生む「グリアジン」という2種類のたんぱく質があり、この2つが合わさることでグルテンが形成され、麺に独特のコシが生まれます。
60年以上磯野製麺の麺づくりを担っている職人さんもいます。こういった職人さんたちの熟練技によって、長年いその麺の味が守られているのですね。
製麺工程③圧延
次は、第3の工程である「圧延」について見ていきましょう。
圧延とは、複合で出来た麺をローラーの間に通し、特定の厚みを形成する作業です。
磯野製麺では3回にわたって圧延をしています。そうすることでグルテンがさらに形成され、食感とコシのある麺になるそう。段々と麺が薄くなっていき、最終的には5mmほどになります。
「最後まで美味しくお好み焼を食べるためには麺のコシが大切」と語る井畝さん。
製麺工程④切り出し
ついに最後の工程である「切り出し」作業です。
切り出しとは、圧延した麺を切り出していく作業です。
麺には、断面が丸い麺と四角い麺がありますが、磯野製麺では断面が四角い麺を採用しています。四角い麺は断面積が多いため、お好み焼を作る時に麺がこんがりと焼けて、ソースの絡みも良くなるそう。
切り出した麺を袋詰めして完成です。
お好み焼専用麺の出来上がり・出荷
最後に、完成した麺の出荷作業を見ていきましょう。
出来上がった麺は水分が多いためすぐには出荷されず、温度管理された場所で1日寝かせてから翌日出荷されます。そうすることで麺の味がより熟成されて良くなるそう。
出来上がったばかりの麺には熱があるので、袋に穴をあけて熱を逃します。
全国に約500件出荷していて、その約半分は県外へ発送されているそう。そのなかには、「みっちゃん総本店東京ソラマチ店」へ発送されるものも!
北は北海道、南は沖縄まで、全国のお店で磯野製麺の麺が使用されています。広島のお好み焼店約400軒のうち、なんと約250軒がいその麺を使用しているのだとか!そのシェア率は約6割。広島県のお好み焼店の約半分以上がいその麺を使っていることになりますね。
そばに特化したお好み焼「まるめん」
磯野製麺の2階にあるお好み焼店「まるめん」では、そばに特化したお好み焼が食べられます。実は、店主の磯野さんは井畝さんと中学からの同級生。まるめんは、磯野製麺のそばを使い、その魅力を最大限に生かしたお好み焼が味わえるお店。店内からは、製麺工場内を見ることもできますよ!
みっちゃんのお好み焼の美味しさの決め手はいその麺!
今回は、「みっちゃん総本店」のお好み焼に欠かせない麺の秘密を紹介しました。数々の工程と、こだわりによって作られているいその麺。「みっちゃん総本店」でお好み焼を注文した際は、ぜひ麺にも注目して味わってみてくださいね。
昭和二十五年創業。元祖 広島流お好み焼には、井畝満夫のこだわりがつまっています。 “みっちゃん”こと井畝満夫がこだわるのは「毎日でも食べられる、あっさりと飽きのこないお好み焼」。 昔からのスタイルを変えずに、今も元祖 広島流のお好み焼の味を守り続けています。