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ビジネスホテルから起こす熱田革命。魅力と魅力をつなぐチャリチャリの立ち位置
エリア内に複数配置された自転車の貸出・返却拠点(シェアサイクルポート)にて、自転車を自由に貸出・返却できるシェアサイクル。当社も福岡・名古屋・東京・熊本の4拠点で「Charichari(チャリチャリ、以下略)」というサービスを提供しており、いつでもパッと乗って気軽に移動できる、都市の新たな交通手段としてご利用いただいております。今回は、熱田区にてCharichariポートを設置していただいているビジネスホテル「エクセルイン名古屋熱田」を訪問し、ホテルの魅力とチャリチャリのメリット、これからの熱田について伺いました。
チャリチャリポートがあるビジネスホテル「エクセルイン名古屋熱田」
前回の「あつた宮宿会」取材に続き、今回も熱田区にあるビジネスホテル「エクセルイン名古屋熱田」様を訪ねました。
取材に応じてくださったのは、エクセルイン名古屋熱田 支配人の苅谷 治輝さん。
苅谷さんは、学生時代は航空宇宙工学を専攻し、そこから外資系コンサルティングファームに入社し、巨大な製造クライアントへのコンサルティングを経験。数年のコンサルキャリアを経た後、複数社のベンチャー企業立ち上げに携わった後、家業を継ぐ形で株式会社エクセルインの代表取締役となり、現在も支配人として活動しながら、ホテル清掃業やITベンチャー等の企業も経営するという異才を発揮されているマルチプレイヤーです。
苅谷さんが支配人となった当時、経営環境としては必ずしも順風満帆ではない厳しい状況でしたが、持ち前の経験と業務改善スキルによって現在は経営環境を改善され、熱田区周辺の魅力増強のため、現在ではホテルリニューアルを核として、様々な活動を展開されています。
そんなエクセルイン名古屋熱田様には、シェアサイクル「Charichari(チャリチャリ、以下略)」のポートが入り口横にスッキリと設置されています。
ポートがあることによって得られた効果と意外な実績
エクセルイン名古屋熱田様にチャリチャリのポートが設置されることになったのは、苅谷さんが「あつた宮宿会」のメンバーとして会合に参加した際に出会った営業担当者からの提案を受けてのこと。
ポートを設置することによって、
・歩きで東海道巡りを観光される方が自転車によってより広範囲に観光してくれること
・ポート主の収入源の1つになること
・メンテナンスは運営会社のCharichariが行うためにポート主には手間がかからないこと
・ポートと自転車のカラーリングが良く、ただの駐輪場にしておくよりも景観がきれいになりそうと感じたこと
がメリットに感じたとのことです。
実際に設置をしてみて、収入源の1つになったり、メンテナンスに手間がかからないことは期待通りに効果が得られているそうですが、いつもスッキリと自転車並ぶ景観がホテルにも与える印象が良く、気持ちよく効果を感じていらっしゃるとのこと。
また、設置してみて意外だったのは、観光の足としてのレンタサイクルポートの設置でしたが、実際の利用者にはホテルの近所にお住いの方の利用も一定数あり、近場に住む方の移動に役立っているということだそうです。
「行きたいけどちょっと遠い」が熱田区には多いと仰る苅谷さん。チャリチャリがショートモビリティとして効果が出ているようです。
清潔感と落ち着いた雰囲気のビジネスホテル
エクセルイン名古屋熱田の中は、清潔感のある明るいフロントに迎え入れられ、エレベーターで客室エリアに向かうと、温かなライトや落ち着いた色の壁、木目のインテリアによって、とても居心地の良い雰囲気となっており、客室もそのトーンのまま続いています。
快適に過ごせるベッドと、ビジネス作業もできる机も備わっており、ビジネスホテルの一室としては十分な環境になっていました。
ホテルをリニューアルし、このビジネスホテルから日本を元気にしたい
苅谷さんに熱田区観光の魅力を伺うと、こんな答えが返ってきました。
"熱田区には熱田神宮があり、あつた蓬莱軒があり、コンサートホールにも行きやすい、駅前にも観光スポットを建設中...など、様々な観光ポイントは存在するけれど、この10年間の活動の中ではあまり変化・イノベーションが起こせていない。
あつた宮宿会として魅力的なコンテンツを作ろうと進めているが、もっと自分でもできるこのホテルを使った魅力発信が利用者にできないか考えているところ。
例えば、「熱田神宮の夜参拝」というのがあるが、ホテル内でしっかりと歴史を学び、そこから夜に熱田神宮に出かけて参拝するとまた日中の参拝とは違う視点で面白さがあり、これは宿泊をするからこそ提供できるコンテンツ。
まだコンセプトは公にできないが、ホテル内部を改装して、2024年の秋にはホテル内でスッキリとリフレッシュしながら熱田の歴史や魅力も知れるようなホテルに変わろうとしています。
しかし、全く利用客層を変えるのではなく、今現在も多く利用いただいているビジネスユーザー、製造業に携わるユーザーに特に使ってほしいビジネスホテルであることは変わりません。
エクセルイン名古屋熱田があるから名古屋に行きたい、名古屋熱田に泊まりたいと思うようなホテルであることを強化して、ここで元気になってお仕事も頑張ってもらい、日本を元気にしたい。それがコンサル時代に強く関わっていた製造業の皆さんへの恩返しだと思っています。"
エクセルイン名古屋熱田のリニューアルには目が離せませんね。
革新的なコンテンツを場に増やし、それをチャリチャリでつなぐ
場所があって資金があって、というだけでは革新的なコンテンツはできないと、苅谷さんは仰ります。
"やっぱり人。思いのある人が居ないと革新は回っていかない。"
まずは自分ができる範囲でホテルを革新させる。チャリチャリはショートモビリティにはなっているが、まだまだ駅と駅、駅とホテル、ホテルと職場をつなぐような「交通と生活をつなぐ足」に留まっている。
熱田区にもっともっとコンテンツとなる場所を増やし、「このために名古屋に行きたい」と思えるようなコンテンツを揃えたい。そしてそのコンテンツ同士をつないで移動する手段としてチャリチャリには期待しているとのこと。
マルチプレーヤーで高い視座から見えている苅谷さんが目指す熱田の近い将来は、まだまだもっと光り輝くいぶし銀のコンテンツで溢れていそうです。
ポートオーナー募集!地域貢献に向けた「チャリチャリ」の課題
熱田区の観光の足としてご期待いただいているチャリチャリですが、課題もあります。1つ目は、ポート数と台数がまだまだ十分とは言えないということ。目の届く場所に自転車があるというのが理想ですし、よくご利用いただくポートこそ自転車の台数を確保して欲しいという声もあります。
2つ目は、シェアサイクルを使ったモデルコースの造成です。足として自由度はある一方で、どのような楽しみ方ができるか、発信が不足しているのも現状。こうした取り組みも、シェアサイクルを通じた地域活性化に欠かせない観点です。
いずれにしても現状のチャリチャリに満足いただいており、更なるサービスの進化を期待しての叱咤激励だと捉えています。ぜひ街づくりの観光の利便性の向上のために、「ポートを置いても良いよ!」という事業者様や街づくり団体様がいれば、ぜひお声がけいただけると嬉しいです。
取材・文章:コジロウ
「Charichari(チャリチャリ)」は、スマートフォンアプリで専用の赤い自転車の鍵をあけ、かんたんにご利用いただけるシェアサイクルサービスです。ベーシックは1分7円、電動アシスト自転車は1分17円でご利用いただけ、いつでもどこでも、乗りたいときにすぐ利用できる体験の提供を目指しています。 福岡では2018年2月にサービスを開始し、現在までに約3,000台の自転車と630ヵ所以上の駐輪ポートを展開し、累計1,600万回以上のご利用をいただくまでに成長いたしました。また、2020年からは名古屋市及び東京エリアでのサービスを展開し、2022年4月より熊本市での展開を開始しています。 1分単位の料金設定や、手軽に使えるアプリ仕様から各エリアにて「ちょっとそこまで」の日常的な移動を中心にご利用頂いております。