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食べられるキノコの種類10選!簡単に作れるスープレシピもご紹介
日本の食文化に関心がある方や簡単な日本食のレシピを探している方に向けて、シイタケやマイタケ、マツタケなど、日本で親しまれている10種類のキノコをわかりやすく解説します。また、簡単に作れるキノコスープのレシピも紹介します。
日本のキノコにはいろいろな種類がある!
日本の食文化に深く根付いているのが、キノコです。古くからシイタケやマイタケなどのキノコが食べられてきましたが、近年ではエリンギなども盛んに料理に取り入れられるようになりました。
ここでは、日本料理でよく使われるキノコの種類と、簡単なキノコ料理のレシピを紹介します。
目次
日本で食べられるキノコの種類10選
日本では、日常的にいろいろな種類のキノコが食べられています。その中でも代表的な10種類を紹介します。
シイタケ
シイタケ(しいたけ、椎茸)は、日本で古くから親しまれているキノコです。春と秋が旬で、シイやクヌギなど、広葉樹の枯れ木や切り株に野生します。春のシイタケは旨味が強く、秋のシイタケは芳醇な香りも楽しめるのが特徴です。
人工栽培の歴史も古く、すでに江戸時代の初期には始まっていたと考えられています。現在でも人工栽培が盛んに行われているので、1年を通して安定的に食べられます。主な産地は、大分県や徳島県です。
生のシイタケは、炒め物、焼き物、揚げ物にして食べるのが定番です。干しシイタケは出汁としても優秀です。
なお、カサが7分ほど開いた干ししいたけは「どんこ」、7~8分程度まで開いたものを「こうしん」と区別しています。どんこは形が良いため、贈り物としても選ばれます。こうしんは見た目がやや劣りますが、比較的安く、出汁が出やすいのが特徴です。
エノキタケ
エノキタケ(えのきたけ、榎茸)は、細長い見た目をしています。秋から早春に、エノキなどの広葉樹の枯れ木や切り株に群生します。
雪の下で成長するので、「ユキノシタ」とも呼ばれます。野生のものはカサが大きく、黄色っぽい茶色をしています。
一方、人工栽培されるエノキタケは、太陽の光があたらない暗所で育つため、白いのが特徴です。ただし近年は、野外で栽培される茶色のエノキタケもよく見かけるようになりました。生産量が多いのは、長野県や新潟県です。
シャキシャキとした食感で、汁物、煮物、炒め物、鍋物などでよく使われます。
ぶなしめじ
ぶなしめじ(ブナシメジ)は、ブナの枯れ木などに密集して発生するキノコです。同じシメジ科の本しめじよりも、カサが小さく、軸が少し長めなのが特徴です。
近年では、品種改良によってカサが白く、甘みが強いブナシメジも登場しました。野生のものは秋が旬ですが、1年を通して簡単に手に入ります。主な産地は、長野県や新潟県です。
クセの少ない味わいで、炒め物、焼き物、蒸し物、煮物、揚げ物など、さまざまな料理に使われています。調理方法によって食感の違いも楽しめます。
加熱し過ぎると歯ごたえが損なわれるので気をつけましょう。
なめこ
なめこ(ナメコ)は、ツルッとしたぬめりのある食感が特徴です。ぬめりにはタンパク質や食物繊維が豊富に含まれており、高い栄養価があります。
天然ものの旬は9月~11月頃で、生産量が多いのは新潟県や山形県です。小粒のなめこの流通量が多いですが、大きなサイズのなめこもあります。大きなサイズは、食べ応えがある一方で、ぬめりが少ないのが特徴です。
スーパーではパックに入って売られているのが一般的ですが、加熱済みではありません。そのため調理する場合は、他のキノコと同じように必ず加熱してください。生で食べると、下痢・腹痛などの原因になることがあります。
茹でてから汁物や和え物などにすると、ぬめりも含めて楽しめます。
まいたけ
まいたけ(マイタケ、舞茸)は、扇のような大きいカサがいくつも折り重なり合っているキノコです。日本では東北地方の深い山を中心に、クリなどの広葉樹の枯れ木や根元に発生します。旬は秋です。
天然ものは希少で、昔は「幻のきのこ」と呼ばれるほどでした。現在は人工栽培ができるため、1年を通して安定的に供給されています。主な産地は新潟県や静岡県です。
まいたけの特徴は、シコシコ・シャキシャキとした歯ごたえと、風味の良さです。そのため、煮物、揚げ物、炒め物、汁物、炊き込みご飯など、幅広い種類の料理で使えます。煮汁が黒っぽくなるのが気になる場合は、先に軽く湯通しするのがおすすめです。
エリンギ
南ヨーロッパが原産とされるエリンギは、日本では1990年代に愛知県で人工栽培されて以来、急速に広まったとされています。
なお、日本ではエリンギが生える木が自生していないため、野生のエリンギもありません。秋が旬で、長野県や新潟県で多く生産されています。
エリンギの特徴は、軸が白くて太く、弾力のあるコリコリとした歯ごたえです。縦切りや輪切りなど、切り方によって食感が変わるのも魅力です。
味わいにクセがないので、煮物、炒め物、焼き物をはじめ、パスタなどにもよく使われます。
ひらたけ
ひらたけ(ヒラタケ、平茸)は、カサが平たい、広葉樹の枯木に群生するキノコです。古くから食用とされていて、12世紀の初めの説話集(※)「今昔物語」の中にも登場します。
ぶなしめじが広まる以前は、「しめじ」の愛称は、このひらたけのものだったと言われています。
天然ものは秋から春が旬ですが、ほとんど出回りません。人工栽培されたものが大半で、主な産地は新潟県や福岡県などです。
揚げ物、炒め物、煮物、鍋など、さまざまな料理で楽しめます。肉厚でクセのない味なので、お肉の代わりとしても使えます。
※説話集(せつわしゅう)……平安時代から鎌倉時代に口伝えで広がった噂話や昔話などを、記録・編集した作品
きくらげ
きくらげ(キクラゲ、木耳)は、耳のような形をしたキノコです。旬は春から秋です。
ラーメンの具材でよく使われますが、実は日本で売られているきくらげの大半は、「あらげきくらげ」という種類です。きくらげよりも肉厚で、うぶ毛が生えているのが特徴です。カサの色は、黒褐色です。
白いカサのあらげきくらげもありますが、これも高級食材の白きくらげとは別物です。ただし、日本でも生のきくらげ(あらげきくらげ)の生産量は増えてきています。主な産地は、宮城県や岐阜県です。
使われる料理は、ラーメンをはじめ、炒め物、汁物、和え物などです。生はぷりぷり、乾燥させたものはコリコリとした食感です。
まつたけ
まつたけ(マツタケ、松茸)は、秋の高級食材とされるキノコです。枯れ木や腐葉土を栄養源にするキノコとは違って、まつたけは生きたアカマツの木と共生しているのが特徴です。
この共生関係はまだ解明されておらず、人工的に栽培する方法も、現在研究が進められている段階です。そのことから希少価値が高く、高価です。
日本で流通しているものの大半は外国産ですが、国内の生産地として有名なのは、長野県、山形県、岩手県、京都府などです。
「香り松茸 味しめじ」という言葉があるほど、香りの良さが特徴として挙げられます。焼き物、蒸し物、まつたけご飯、お吸い物などが定番です。
マッシュルーム
英語ではキノコ全般をマッシュルームと呼びますが、日本ではツクリタケのことをマッシュルームと呼んでいます。
特徴は、丸みがあって可愛らしいカサです。まろやかな風味のホワイト種と、香りと味が濃厚なブラウン種がありますが、ホワイト種の方が収穫量が安定しています。
日本では明治時代から人工栽培が始まり、それから少しずつ普及してきました。主に千葉県などで生産されています。日本での旬は、10~12月です。
炒め物、スープ、煮物など、さまざまな料理に使われます。新鮮なものであれば、生のまま薄くスライスしてサラダとしても食べられます。
日本のキノコを使った簡単スープレシピ
キノコをスープに入れれば、おいしくてボリューム満点の一品になります。例えば次のレシピは、とても簡単です。気軽に作れるので、ぜひ試してみてください。
シイタケ入りのミネストローネ
(3~4人分)
材料:
・シイタケ…4~5個
・水…3カップ
・トマト…1個
・スライスベーコン:数枚
・お好みの野菜(たまねぎ、にんじん、セロリなど):適量
・コンソメスープの素
(「コンソメスープの素」には、豚肉、鶏肉、牛肉などのエキスが含まれていることがあります。ベジタリアンやヴィーガンの方は、精進だし・野菜だしで代用するのがおすすめです。)
作り方:
1)オリーブオイルと刻んだにんにくを入れ、弱火で炒める
2)ベーコンを入れて中火で炒め、火が通ったら野菜とシイタケも炒める
3)トマトと水を加えて煮る
4)野菜がやわらかくなったら完成
お好みで塩・コショウ、しょうゆなどで味を調整してください。
エノキタケとわかめのスープ
(1~2人分)
材料:
・エノキタケ…1袋
・乾燥わかめ…3g
・水…2カップ
・鶏ガラスープの素(精進だし、野菜だしでも代用可)…小さじ1
・ごま油…小さじ1
・薬味(ねぎ・ごまなど)
1)エノキタケを食べやすい大きさに切る
2)鍋に、水、鶏ガラスープの素、ごま油を入れ、沸騰させる
3)3分ほど煮たら、火を止めて乾燥わかめを入れる
4)薬味を入れて完成
お好みで塩・コショウ、しょうゆなどで味を調整してください。
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