猫ちゃんが駅長?和歌山電鐵で猫のようにのんびりとした旅を
和歌山電鐵貴志川線は和歌山駅から貴志駅までを結ぶ鉄道です。三毛猫の駅長「たま」がモチーフの人気電車「たま電車」をはじめ、全部で6つのユニークな列車が走ります。本記事ではたま電車とたま電車ミュージアム号を紹介します。
たま名誉永久駅長
和歌山電鐵貴志川線は和歌山市の和歌山駅から紀の川市の貴志駅までを結ぶ鉄道です。
赤字続きで廃線の危機にありましたが、地域住民らの熱心な存続活動により、行政が後継事業者を公募し、運行を継続しようということになりました。しかしながら、赤字の路線を引き継ぐ鉄道会社がなかったため、地域住民から頼まれボランティアで引き受けた路面電車会社が和歌山電鐵を設立。
三毛猫の「たま」たちは、貴志駅の隣にあった商店で飼われていましたが、引継ぎの日までに公有地にあった猫小屋の撤去を命じられていた飼い主は、和歌山電鐵運行開始の日、セレモニーに出席していた社長に駆け寄り『「たま」たち猫を駅に置いてほしい』とお願いしました。
大変困った様子の飼い主を見て、何とか助けてあげたいと考えた社長は、「たま」と会ってみることに。「私、駅長やります」と訴えかけるようなたまを見た社長は、駅にこれからも留まれるよう、正式な駅長を任命することにしました。
そして、2007年1月、貴志駅に民間鉄道で初の「ねこの駅長」が誕生し、日本国内に留まらず海外でも大きな話題となりました。著名な大学教授の試算では、この年、「たま駅長」が和歌山県にもたらした経済効果がなんと11億円と言われています。
このように、たま駅長は和歌山電鐵貴志川線と地方公共交通再生のシンボルとして知られる存在になりました。愛らしい姿と人懐っこい性格で、多くのファンを魅了し、和歌山電鐵の知名度を大いに高めました。
2015年6月、貴志川線の存続と再生に多大な貢献をした「たま駅長」は天寿を全うし、永眠しました。その後、「名誉永久駅長」となって、貴志駅の構内にある「たま神社」に神様として祀られ、今も貴志川線を見守り、お客さまを招いています。
さらに、「たま駅長」の後任として、貴志駅にウルトラ駅長の「ニタマ」、 伊太祈曽駅にマネージャー駅長「よんたま」が着任し、たま駅長の意志を継いで、今日も愛くるしい姿で乗客たちを見守っています。
和歌山に訪ねる際、駅長たちが頑張っている姿をご覧になってはいかがですか。
たま電車&たま電車ミュージアム号
和歌山電鐵では、個性的なデザインにされた電車が6つもあります。本記事ではたま名誉永久駅長に関わる2つの電車を紹介します。
たま電車
2009年、たま駅長にちなんだデザインでリニューアルされた「たま電車」は運行を開始しました。
白地に黒と茶色の「たま」の顔が描かれたデザインがたま電車の外観の特徴です。車両の窓やドアには、たまの足跡やイラストが散りばめられ、まるで「たま」が電車全体を走り回っているかのような楽しい雰囲気が演出されています。もちろん、車両の頭に付けている猫耳も見逃せない魅力点です。
車内に入ると、猫のテーマに沿ったデザインが目を引きます。車内にはたま駅長の写真やイラストが飾られていて、猫のモチーフが描かれた天井や、猫の足跡を模した床デザインなど、車内全体が猫の世界に包まれたような空間となっています。
車内外に施された猫をテーマにしたデザインは、乗るだけで楽しさを感じることができ、猫好きやファミリー層には特に人気があります。たま電車に乗ることで、和歌山電鐵の歴史や地域の温かさ、たま駅長の物語に触れることができます。
たま電車ミュージアム号
2021年、たま達の博物館をテーマにした列車「たま電車ミュージアム号」が導入されました。
従来の「たま電車」の白を基調にした明るくて遊び心あふれるデザインとは対照的に、「たま電車ミュージアム号」は黒を基調とした落ち着いた雰囲気を持つデザインを採用しています。シックで落ち着いた配色により、博物館のような空間を演出すると同時に、赤字経営を黒字に転換したいという強い願いも込められています。
車内には和歌山電鐵で働くねこの駅長に関連する写真やイラスト、記念品が数多く展示されています。車両はまるで小さな博物館のようで、乗客は列車に乗るだけで、駅長たちの魅力を感じられます。
和歌山電鐵のユニークな歩みとねこの駅長たちとの深い絆を旅客に伝え、さらに多くの人々にこの路線の魅力を体験してもらえたらいいですね。
駅長と挨拶
現在、和歌山電鐵では「ニタマ」と「よんたま」が駅長を務めています。
この中、「ニタマ」が週5日貴志駅に出勤しているところに対して、「よんたま」は基本的に週3日伊太祈曽駅、週2日貴志駅で勤務します。
貴志川線に乗車して、大人しく愛くるしい駅長さんに挨拶しに行きましょう!もちろん、フラッシュ禁止ですよ。
路線の終着駅である貴志駅の駅舎内にはカフェとショップがあり、かわいいグッズをいっぱい購入できます。駅舎も猫をモチーフとし、猫耳が付けられているようなデザインです。観光客がよく立ち寄るおすすめの人気スポットです。
交通アクセス
和歌山電鐵の始発駅である「和歌山駅」へのアクセス方法として、南海本線の難波駅から和歌山市駅を経由し、JR和歌山駅に向かうか、JR天王寺駅から阪和線で和歌山駅へ行くか、便利な方法が多くあります。
また、様々な観光列車を一気に楽しめるように、一日乗車券のご購入がおすすめです。一日乗車券を使えば、貴志川線のすべての駅で自由に乗り降りできるため、和歌山電鐵沿線の魅力を存分に楽しむことができます。
それ以外、重ね捺しスタンプラリーも配布しているので、ぜひ窓口に聞いてください。スタンプは運行する4つの電車内(どちらも同じスタンプ)&貴志川線の駅3か所に設置しています。4個のスタンプをし、乗車記念ポスターカードを作りましょう。
※1日乗車券や周遊券をお持ちの方が対象です
猫のようにのんびり、和歌山電鐵の旅を楽しましょう!
本記事では和歌山電鐵のたま電車、たま電車ミュージアム号と一日乗車券を紹介しました。始発駅と終着駅との間はわずか30分間ですが、一日乗車券を使いながら、たま電車だけではなく、いちごやうめ星電車などユニークなテーマ電車を一日中楽しむこともできます。アクセスも良好で、日帰り観光にも最適です。
ぜひ和歌山電鐵に乗って、縁側で丸く寝てる猫のように、のんびりとした特別な旅を体験してみてください!
*本記事のすべて使用写真クレジット
→デザイン:水戸岡 鋭治
【伝統と現代が出会う場所】 私たちは、和歌山と大阪の魅力を世界へ発信します。 HP:https://www.japanrootsguide.com/jp 一緒に日本を旅し、心に響く物語と忘れられない体験を作りましょう。 和歌山の静寂な寺社仏閣や心を癒す緑豊かな山々、大阪の活気あふれる都市や美食まで、 その魅力を余すところなくお届けします。 ぜひご一緒に、日本の美しさを満喫しましょう。 『本アカウントは南海電気鉄道株式会社によって運営されています。』 【写真説明】 1.関西国際空港と難波を直結する特急Rapi:t 2.古座川 一枚岩(写真提供:(公社)和歌山県観光連盟)