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世界に誇る、アニメーションの町工場「スタジオジブリ」とは
「ジブリ」という言葉を知らない人は、今日本にどれくらいいるでしょうか。海外の人々がアニメやマンガをきっかけに日本に関心を抱くようになって久しい昨今ですが、ジブリもその大役を担っていることは間違いありません。 ただ、映画は観たことあるけど、会社としての「ジブリ」はよく知らない、という人も多いのでは? 今日はそんな日本のアニメーションの代表格とも言える「スタジオジブリ」について、ご紹介します。
「スタジオジブリ」とは
画像:スタジオジブリ公式HPより
「スタジオジブリ」は、1985年に設立され、2015年には30周年を迎える長編アニメーション・スタジオです。「ジブリ」とはサハラ砂漠に吹く熱風のことで、イタリアの軍用偵察機の名前でもあります。
歴代日本映画興行成績のトップ3は全てジブリ作品が占めており、『千と千尋の神隠し』が304億円、『ハウルの動く城』が196億円、『もののけ姫』が193億円となっています。
「スタジオジブリ」の生みの親たち
画像:『夢と狂気の王国』公式HPより
ジブリを語る上で外せない人物が「宮崎駿」「鈴木敏夫」「高畑勲」です(画像向かって左から順に)。3人の出会いは、鈴木敏夫ゼネラルマネージャーが、アニメ専門誌「アニメージュ」の創刊に関わったことから始まります。
当時アニメ好きの学生から『太陽の王子ホルスの冒険』がすごいという噂を聞きつけ、鈴木が宮崎駿と高畑勲の2人に取材を申し込み、3人が初めて顔を合わせました。『ホルスの大冒険』は高畑勲の初監督作品であり、新人・宮崎駿が場面設計・美術設計をつとめた、全ての原点となる作品です。
この出会いこそが「スタジオジブリ」の出発点なのです。
ジブリ映画の歴史
スタジオジブリの代表作と言うと、みなさん何を思い浮かべますか?
ジブリ映画の冒頭に決まって登場するのがトトロであることから、ジブリといえば『となりのトトロ』を連想する方が多いかもしれません。『となりのトトロ』は『火垂るの墓』と同時上映され、興行的には成功しませんでしたが、数々の映画賞を受賞し「スタジオジブリ」の名を不動のものにするきっかけになりました。
その後上映された『もののけ姫』は、当時の日本映画の興行記録を塗り替え、続く『千と千尋の神隠し』では、ベルリン国際映画祭でアニメーションとしては史上初の最高賞である金熊賞を受賞。2013年は宮崎駿監督の『風立ちぬ』と高畑勲監督の『かぐや姫の物語』が立て続けに公開され、宮崎監督の引退も発表されました。
2014年夏には、ジブリ映画にアニメーターとして長く関わっていた米林宏昌氏が監督を務める『思い出のマーニー』が公開予定です。
ジブリの世界で迷子になろう
ジブリの世界は、スクリーンの向こう側だけではありません。
映画からにじみ出る雰囲気をまとった場所があるのを、ご存知ですか? それが、東京都三鷹市にある「三鷹の森ジブリ美術館」です。「迷子になろうよ一緒に」というコンセプトで館内に順路はなく、子どもも大人も楽しむことができます。
正式名称は「三鷹市立アニメーション美術館」といい、「動きはじめの部屋」と「映画の生まれる場所」ではアニメーションの仕組みや、アニメが完成するまでを体感することができます。「土星座」では、ここでしか観られないオリジナル短編アニメーションを月替りで観ることができます。ただし、チケットは事前に時間予約が必要なので注意してください。
新たな時代に突入するジブリ
約30年間に渡り、日本のアニメーション映画を引っ張ってきたジブリ。2014年は宮崎監督の引退や鈴木プロデューサーの勇退を迎え、新たな時代へ突入したようです。米林監督による『思い出のマーニー』の公開や、関連イベント、宮崎監督が現在取り組んでいるマンガも話題を呼んでいます。
これからもアニメーション、ひいては映画界の「熱風」であり続けるであろうジブリ。今後も目が離せません!
スタジオジブリの非公式応援サイト「ジブリまみれ」を運営しています。