【世界のHONDA】HONDA創業者「本田宗一郎」ゆかりの地をめぐる
東京と名古屋に挟まれた静岡県。名古屋から1時間30分の天竜川沿いの町、浜松市はHONDA創業者の本田宗一郎氏が生まれ育った土地です。郷土の偉人として語り継がれている氏のゆかりの地など、関連スポットを巡ってみましょう。
本田宗一郎氏の少年時代と父・儀平氏の成功体験
1906年、本田宗一郎氏は静岡県浜松市天竜区に生まれました。父・儀平氏は腕の良い鍛冶職人として知られていましたが、かなり貧しかったようです。それは生家跡の立地や痕跡からも伝わってきます。その後、村の中心部に転居した儀平氏は鍛冶屋のかたわら自転車修理販売店を開業し、成功を収めました。当時、自転車はまだ普及し始めた頃で、自動車は稀な存在でした。中古の自転車を修理して安く販売する手法で、地域で評判の店になったそうです。国内における大衆向けパーソナルモビリティの普及期に需要を捉えたビジネスが成功したわけで、この体験は本田宗一郎氏にも大きな影響を与えたのではないでしょうか。そうした本田家の息吹を感じられる土地を訪れることは、このモビリティ革命期において特別な意味を持つかもしれません。そんなことを考えながらゆかりの地を巡りました。
本田宗一郎氏 生誕の地
本田宗一郎氏は1906年に現在の浜松市天竜区で生まれました。生誕地は、光明山への入口となっている交差点の近くだと伝えられています。かつては交差点に記念碑が建てられていましたが、数年前に撤去されてしまったそうです。
本田宗一郎氏 生家跡
氏の父親で鍛冶屋を営んでいた本田儀平氏の仕事場があった場所です。宗一郎氏が幼いころに引っ越したため、その後は親戚が住んでいましたが、火事で消失し、現在は杉林となっています。杉林の手前を右に進んだ場所が該当地ですが、案内板などは設置されていません。
旧山東尋常小学校跡
本田宗一郎氏の出身小学校です。現在は幼稚園になっており、一般の人は入ることができませんが、1925年に建てられたという背の高い門柱が当時のまま残されています。左の門柱には「世界のホンダ 本田宗一郎出身校跡」の木札が掛けられています。
本田宗一郎氏 ゆかりの鐘
二俣尋常高等小学校時代の逸話として、正午を知らせる鐘を30分早くついて弁当を早く食べたという話があります。その鐘がいまも清龍寺に残っています。
本田宗一郎ものづくり伝承館
郷土の偉人である本田宗一郎氏の生き方や考え方、ものづくりの歴史がわかる年譜や写真のほか、懐かしいバイクが多数展示されている小さな博物館です。展示車両はホンダコレクションホール(ホンダ公式博物館)の車両で、不定期に入れ替わります。2階には常設展示や関連書籍があり、見どころが多いです。
住所: 静岡県浜松市天竜区二俣町二俣1112
☎ 053-477-4664
開館時間: 10:00 ~ 16:30
休館日: 月・火曜休
入館料: 無料
マスダヤ菓子店
本田家のすぐ近くにあったお菓子屋さんで、曾祖父は本田氏と同じ小学校に通っていたそうです。店内にはカーチス号や本田氏の資料が所狭しと展示されています。
住所: 静岡県浜松市天竜区山東4295-3
☎ 053-925-2917
営業時間: 9:00 ~ 18:00
定休日: 火曜
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