今行きたい富山のおすすめ観光スポット Vol.1 宇奈月温泉・黒部峡谷
富山県は、南北にのびる日本列島の中心、本州の中央北部に位置し、北は日本海(富山湾)に面し、三方を北アルプス立山連峰などの急峻な山岳地帯が囲み、深い湾を抱くように大きく平野が広がっています。本記事では、海あり、山ありの自然豊かな富山県の絶景スポットや美味しい食べ物、情緒ある町並みや伝統文化など、富山旅行でおすすめしたい観光スポットをご紹介します!
今行きたい富山のおすすめ観光スポット
1.宇奈月温泉と「トロッコ電車」で行く秘境の旅(富山県黒部市)
2.美しい港町「内川」の散策とナイトクルーズ(富山県射水市)
「宇奈月温泉」と「トロッコ電車」で行く秘境の旅(富山県黒部市)
電源開発から誕生した「宇奈月温泉」
「宇奈月温泉」は富山県の北東部にある黒部市の内陸・山間部に位置し、黒部峡谷の玄関口で、富山県随一の規模を誇る温泉郷です。宇奈月温泉のお湯は日本一の透明度ともいわれ、源泉温度は90度、黒部川の清流を思わせる無色透明の湯は、肌にやさしい弱アルカリ性の単純温泉で「美肌の湯」といわれています。
温泉街の入口にある「宇奈月温泉駅」までは、JRの北陸新幹線「黒部宇奈月温泉駅」で下車し、富山地方鉄道「新黒部駅」で乗り換えて約30分ほどです。駅前広場には温泉街のシンボル「温泉噴水」や湯桶風の撮影スポットがあり旅の気分が盛り上がります。
現在の宇奈月温泉は、かつて「桃原」と呼ばれた桃の樹林が広がる無人の台地でしたが、大正時代に黒部川の電源開発が始まり、この地に一大温泉地を開こうという計画が進められました。幾多の苦労を重ね、1923年に黒部川の7km上流にある黒薙から温泉を引くことに成功し、現在のような温泉街が誕生しました。
富山県で随一の規模を誇る温泉街となった宇奈月温泉は、四季折々の峡谷の眺め、富山の山の幸・海の幸を楽しめる個性豊かな宿が点在し、日本全国、世界各地から訪れる多くの人を魅了しています。近くにはスキー場もあり、冬はブリやカニなどが美味しい時期で、雪景色と温泉を楽しみに訪れるファンも多くいます。
温泉宿やホテルでの宿泊・食事・温泉入浴はもちろん、町歩きをしながら足湯スポットで気軽に足湯を楽しむこともできます。また、温泉街にはこの土地ならではの食事を提供する飲食店、雰囲気のよいカフェ、お土産店などもあります。
宇奈月では生簀にウナギを1週間入れて、餌を与えずに柚子入りの温泉水に浸けて出荷する「湯遊(ゆうゆう)うなぎ」の生産・出荷が行われています。このウナギが温泉効果でやわらかく、くせのない味わいと評判です。
釜飯が看板メニューの老舗「河鹿(かじか)」では、「湯遊うなぎ」の釜めしを味わうことができます。1人前ずつ炊き上げられた釜飯は、蓋を開けるとぎっしりとウナギの蒲焼が並び、食欲をそそる芳ばしい香り漂います。ふわふわのウナギと、旨みがしみたごはん、釜の底に付いた「おこげ」も美味しい一品です。
「黒部峡谷トロッコ電車」で巡る秘境
日本情緒が漂う「宇奈月温泉」もさることながら、今回おすすめしたいのは「黒部峡谷トロッコ電車」の旅! 温泉街が誕生するきっかけになった電源開発・ダム開発の歴史を辿る「トロッコ電車」に乗って、黒部峡谷の自然美をぜひ堪能してください。
黒部峡谷は、北アルプスのほぼ中央の鷲羽岳に源を発し、長さ86km、標高差3,000mを流れ下る黒部川の上・中流域に、切り立った深いV字峡を形成する大峡谷で、1934年12月に中部山岳国立公園に指定されました。
その日本一深いV字峡谷を縫うように黒部峡谷鉄道の「トロッコ電車」が走っています。沿線には万年雪や猿飛峡(さるとびきょう)などの景勝地がたくさんあり、春の新緑、夏の清流、秋の紅葉と、季節ごとに変化する美しい景観と、息を呑む断崖や目を見張る自然美を車窓から楽しむことができます。
黒部峡谷鉄道は日本国内、海外からも多くの人が訪れる人気の観光スポットですが、元々は黒部川電源開発のための鉄道でした。1953年から一般旅客営業を開始し、宇奈月温泉街の奥にある「宇奈月駅」から「欅平(けやきだいら)駅」までの約20kmの運行を開始しましたが、今も黒部川上流の水力発電施設群の維持、土砂災害を防止する砂防事業等のための人員・資機材輸送の役割も担っています。
期間限定の「猫又駅」で特別な時間を楽しむ
「黒部峡谷鉄道」には10駅あり、観光客が利用できるのは宇奈月駅 · 黒薙駅 · 鐘釣駅 · 欅平駅の4駅。その他はダム・工事関係者のみが利用できる駅でした。しかし、2024年1月1日に発生した「令和6年能登半島地震」により鐘釣橋が損傷したことから、今シーズンは地震の影響がなかった「宇奈月駅」から「猫又駅」までの区間限定の運行になり、下車できるのは「黒薙駅」「猫又駅」の2カ所のみとなりました。
黒部峡谷鉄道の出発池となる「宇奈月駅」は宇奈月温泉街の奥にあり、富山地方鉄道「宇奈月温泉駅」から徒歩で約5分、大型駐車場もあり車でアクセスもできます。
猫又駅の手前で下車できる「黒薙駅」は、山道を歩いて宇奈月温泉へお湯を引いている源泉「黒薙温泉」へ行くことができる。
2024年10月5日から下車できるようになった「猫又駅」は「宇奈月温泉駅」から片道約50分、全線のほぼ中間地点にあります。欅平・鐘釣・黒薙とは違い、工事用の駅のため、温泉宿や観光スポットがあるわけでもありません。駅のホームも車輌が長く連結された旅客列車に対応していなかったので、新たに有効長100mのホームが設置されました。
ホームの他にも「猫」にちなんだフォトスポットと展望台が新設され、臨時の観光案内所も設けられました。「猫又駅」からの折り返しの列車が出るまでの約20分の停車時間、トロッコ電車を降りて記念撮影やトイレ休憩などができるようになっています。
終点の「欅平駅」まで行けないのは残念ですが、通常なら降り立つことができない「猫又駅」と黒部峡谷の電源開発の一端を見て体験できる期間限定の貴重な機会と思うとワクワクします。
駅名に「猫」がつくのは珍しく、全国でもここ「猫又駅(ねこまたえき)」だけなのだそう。「猫又」という地名の由来は諸説ありますが、その昔、猫に追われてきたネズミが「猫又駅」のそばにある「ねずみ返しの岩壁」に阻まれて登れずに引き返し、それを追いかけてきた「猫もまた」引き返したことから、この地名がついたといわれています。
フォトスポットでは、手前のスタンドにスマートフォンをのせて撮影すると、猫に追われているネズミと一緒に写真を撮ることができます。自分もネズミになって猫から逃げるか、はたまた別のポーズで撮影するか、楽しい旅の思い出写真を撮ってみてください。
ほかにも、尾が二股に裂けた猫の妖怪「猫又」が、黒部峡谷に住んでいたという説もあり、「宇奈月駅」の改札を入った所に駅員さん手作りの可愛い猫の像もあるので、尻尾が二股に分かれているかぜひチェックしてみて!?
「猫又駅」から「宇奈月駅」への帰路は、座席へ逆向きに座り、来たルートを戻ります。
「黒部宇奈月キャニオンルート」2025年以降のオープンに期待!
「黒部峡谷鉄道」の「欅平駅」から、上流の「黒部ダム」までの約18kmにわたる新ルート「黒部宇奈月キャニオンルート」の一般開放・旅行商品化が、2024年6月スタート予定で進められてきましたが、「黒部峡谷鉄道」の全線開通ができなかったため2025年以降に延期されることになりました。
人跡未踏の黒部峡谷の奥地で美しく雄大な大自然を守るため、地底につくられた多様な電源施設や設備や、当時の人類の英知を結集した電源開発の軌跡を辿る「黒部宇奈月キャニオンルート」の旅は2025年以降のオープンを予定。乞うご期待!
黒部峡谷鉄道
富山県黒部市黒部峡谷口11
TEL 0765-62-1011
運行期間:4月下旬〜11月30日(12月〜4月中旬までは冬季間運休)
運行時刻:宇奈月8:17発から17:16着までの11便
※季節・時期により運行時間、便数は変動します
※2024年1月1日の能登半島地震の影響で一部区間のみ運行中
黒部宇奈月キャニオンルート
富山観光ナビ(宇奈月温泉・黒部峡谷鉄道の周辺観光)
ttps://www.info-toyama.com/stories/kurobe-kyokoku
富山県・宇奈月温泉へのアクセス
富山県には「富山駅」「新高岡駅」「黒部宇奈月温泉駅」の3つの新幹線駅があり、「黒部宇奈月温泉駅」が最寄りになります。「黒部宇奈月温泉駅」から徒歩7分の富山地方鉄道「新黒部駅」で乗り換えて約30分です。車の場合は北陸自動車道「黒部IC」から約20分です。
<新幹線・電車>
東京駅から 黒部宇奈月温泉駅:約2時間20分(北陸新幹線 はくたか)
大阪駅から 黒部宇奈月温泉駅:約3時間30分(特急サンダーバード/北陸新幹線 はくたか)
名古屋駅から 黒部宇奈月温泉駅:約3時間20分(東海道新幹線/特急しらさぎ/北陸新幹線 はくたか)
黒部宇奈月温泉駅からは、富山地方鉄道 新黒部駅で乗り換えて宇奈月温泉駅まで約30分
※富山駅から宇奈月温泉駅まで富山地方鉄道で約1時間50分
※東京駅から富山駅(北陸新幹線 かがやきで約2時間10分)を経由してアクセスも可
※名古屋駅から富山駅までは、高山本線で岐阜、中央本線で長野を経由してアクセスも可
<飛行機>
東京(羽田空港)-富山(富山きときと空港):約1時間
※富山空港から富山駅へは飛行機発着に合わせて連絡バスが運行
<自動車>
東京から 練馬IC-黒部IC:約4時間20分(関越・上信越・北陸自動車道)
大阪から 吹田IC-黒部IC:約4時間40分(中国・名神・北陸自動車道)
名古屋から 一宮IC-黒部IC:約3時間40分(名神・東海北陸・北陸自動車道)
北陸エリア全体を盛り上げる取り組みを行なっています