東京の離島・神津島は住みたくなるほど魅力的!その理由とは?
大阪と名古屋出身で東京で暮らしていた私たちは、2017年に東京の島・神津島へ移住。 B&Bスタイルの宿「みんなの別荘ファミリア」をオープンしました。 都会で暮らしていた私たちがなぜ神津島に?どうして宿を?? 旅行で訪れるあなたも、島でゆっくり過ごせばわかるはず。そんな魅力に迫ります。
きっかけは「海の家」プロジェクト
私たちがファミリアをオープンしたのは2017年の夏のこと。
大阪出身の健太郎と名古屋出身のあやのは、その前まで東京に住んでいました。
2015年のある日、神津島に住む方が偶然健太郎の友人が働くバーに立ち寄ったことをきっかけに、その友人に誘われ健太郎は初めて神津島を訪れます。
島の方の「若い人の力でもっと神津島を盛り上げたい!」という熱い思いに感化され、あっという間に翌年から前浜ビーチで海の家を開くことが決まりました。
一方その頃あやのは、外資系航空会社に勤めていて、ヨーロッパと日本を往復する生活を送っていました。乗務の合間は比較的お休みが長かったため、「神津島で海の家を作る?面白そう!」とお手伝いすることを即決。
島を訪れるうちに、島の宿が高齢化でどんどん減ってしまっていること、スタッフ寮として借りた物件が昔民宿だったことを知りました。そしてなんといっても、神津島の海と空の美しさと、お水がとってもおいしいことに感動し、昔からの夢だった「いつか宿をやりたい」を叶えるなら、神津島がいい!と思うようになりました。
2016年なんとかひとシーズンを乗り越えたあと、海の家を率いてきた仲間たちと話し合いの結果、健太郎とあやのでスタッフ寮にしていた建物を再び宿としてリニューアルすることが決まりました。
しかし、10年以上も空き家だった物件を、限られた資金の中で改装するのは簡単ではありませんでした。
島の人、友人、ボランティアで駆けつけてくれた方などたくさんの協力のおかげで2017年の夏、なんとかオープンを迎えることができました。
準備を重ねて移住を決意した、というよりは、ものすごい勢いに身を任せた結果、神津島に住むことになったと言った方が正しいかも知れません。特にあやのにとって、流れの早い出来事だったので、宿をオープンした後から2020年までの3年間は、神津島から成田空港へ通いながら暮らしていたほどです。
よくイメージされるような、のんびりした島暮らしとは程遠い忙しい毎日でしたが、ご近所さんから「隣にまた灯りがつくようになって嬉しい」とか、「よく神津島へ来てくれたね、暮らしてくれてありがとう」と声をかけてもらった時は涙が出るほど嬉しかったことを今でもはっきりと覚えています。
「おかえり」のある場所
都会で一人暮らしが長いと、「ただいま」とか「おかえり」と口に出す機会がないことに気が付きます。
それどころか、隣に住んでいる人の名前すら知らない。ご近所付き合いなんてない。ということも当たり前。
東京に住んでいるころは、それを寂しいと思ったり、不便に感じることはなかったけれど、島に返ってくるたびに、「あら、おかえり」とスーパーで声をかけてくれたり、お祭りごとのしきたりを教えてもらったり、困ったときはすぐ助けてくれます。隣の漁師さんから、大きなお魚をいただいたり。お向かいさんに干物をもらったり。お隣のおばちゃんには、お野菜だけじゃなくて、おかずをお裾分けしてもらったり。
気づくと、たくさんの「お母さん」ができました。
この写真に写っている両端の女性。どちらも私たちの母親ではありません。
でも、島に来た時から本当に可愛がってもらっていたので、入籍したことを娘・息子のことのように心から喜んでくれました。
こうして島で過ごすうちに、言葉で表すのはとても難しいけれど、自然と共にありのまま生きていくという、何か大切なことがわかってきたような気がします。
縁もゆかりもない、私たちを受け入れてくれて、応援してくれる。
近くにいる島の人へ、なかなか直接お返しができないけど、私たちの成すことが巡り巡って恩返しができるように、私たちにできることを頑張ろう。
二人の間で、自然とそんな決意が生まれました。
ファミリアのコンセプト「宿のフリした仲間づくりやさん」とは
みんなの別荘ファミリアのコンセプトは「宿のフリした仲間づくりやさん」です。
星空や夕陽、海の美しさといった感動を共有することで生まれる一体感をきっかけに、旅先で偶然であった人や、いつもと違う土地で暮らす人々と「おしゃべり」することで、何か気づくことがあったり、いつの間にか友達になって、新しい何かを生み出すことができたら素敵だなという思いから、掲げられました。
そんなリゾートホテルや旅館にはない居心地の良い空間をとても大切にしています。
B&Bスタイルにした理由
みんなの別荘ファミリアはB&B (Bed &Breackfast)スタイルの宿、朝食が料金に含まれていて、昼食・夕食は自由なスタイルです。
例えば、夕日が海に沈むのを見届けてから夕食にしたい。夜は居酒屋さんをハシゴしたい!
私たちが旅行するときも、その時期や場所の魅力を満喫したいからこそ、自由度が高い滞在を好みます。宿側で決められた時間や制限によって、楽しみ方にも制限がかかってしまうことはできるだけ避けたい。でも宿でのおしゃべりも楽しんでほしいという気持ちから、朝は大きなテーブルをみんなで囲んで朝食を提供するスタイルに決めました。
「昨日どこ行ったんですか?」「どこからいらしたんですか?」
ついつい朝から盛り上がってしまって、出発が遅くなることもありますが、ゲストの皆さんはみんな連泊なので、ゆったり過ごしても平気です。
それに、神津島には地ビールのお店、お寿司、居酒屋、フレンチなどたくさんのグルメスポットがあることも魅力の1つ。
さまざまな形で島の名物の味わい方が楽しめるだけでなく、居酒屋さんで島の常連さんと飲み交わしたり、お店のオーナーさんとお話しすれば、さらに深い旅の思い出になるはずです。
チェックインの際詳しく島内飲食店のご案内も差し上げていますので安心してくださいね。
みんなの別荘ファミリアの宿泊は2泊以上から。グループでの利用は4名様まで。
神津島の豊かな自然を存分に味わい、心も体もリフレッシュするには、1泊では絶対に足りないと思うのです。
せっかく船で12時間もかけて来たのに、せわしなく観光スポットを巡って疲れてしまって欲しくない。
大自然の営みに合わせて、登山や星空観測などベストなタイミングで楽しんで欲しい。
ファミリアに泊まる時間含めて、神津島にいる時間を丸ごと楽しんで欲しい。
そして、何より、私たちもゲストの皆様ゆっくりお話したい…!
そんな強い想いから時間をかけて考え抜いた、宿としては異例のルールですが、これまでお泊まりのお客様からは、
「他のゲストやオーナーさん(私たち)とおしゃべりできて楽しかった!」
「テラスから見た星空が最高!天の川も流れ星も人生で初めて見ました!」
国籍、年齢問わず、このような嬉しいコメントもたくさんいただいています。
もちろん、英語でのサポートもできますので、日本が初めてでも、一人旅でも安心してください。
ご家族を除くグループでの利用を4名様までに制限しているのも、そこに集まるみんなでお話しがしやすい環境を作るためです。また、島の飲食店にお出かけする時も、少人数の方が予約も取りやすく、島の人との交流も生まれやすいという利点もあります。
日本は世界一祝日が多い国と言われているのに、1週間以上の長い休暇を取るのが難しいのが現状です。
会社や学校の休みの在り方にさえ疑問を投げかけるような宿のあり方をしていますが、コロナ禍で進んだリモートワークや週休3日制が広がったりすることで、海外の方が日本でバケーションを過ごすように、日本の休暇もゆっくりと訪れた土地の文化も体験するような本来の旅になってくれるといいなと願っています。
みんなの別荘ファミリアについてはこちらの記事もご覧ください。
世界中の「秘境好き」に届け!ファミリアの挑戦
都会と比べたら、24時間営業のお店もないし、不便かもしれない、大型船にのって12時間の旅は時間にも心にも余裕がないとできないかも知れません。
だけど、到着すればどこまでも広く青い海と空。虹色に輝く夕陽と降り注ぐような星空やおいしい湧水。
昨日までいた大都会東京都と全く違う景色を独り占めできる贅沢がこの島にはあります。
決して派手ではないけれど受け継がれてきた暮らしや文化が色濃く残り、豊かな自然と共に生きる島。
ゆっくりと長く滞在したり、何度も訪れることで、都会での生活では気づかなかった大切な何かを見出すことができるかもしれません。
空を見上げたり、風の温度を感じながらいつもより長く歩いてみる。
食べたことないものにチャレンジしたり、ちょっと勇気を出して島の人に話しかけてみる。
そんな気持ちもきっと旅の途中だからこそ湧いてくるのではないでしょうか?
小さな挑戦の先にある本来の姿を取り戻すような、そんな旅がしたい人は日本人だけではないはず。
むしろ、海外からのお客さまの方が、地域の人と触れ合いたい、日本の文化を体験したいと思ってくれているのでは?
そこで、私たちファミリアは海外の方にも文化や歴史が伝わるように、日英対応の音声ガイドを搭載した観光アプリを開発しました。
アプリの改良を始め、神津島・ファミリアを知ってもらい、神津島を大切に想ってくれる人が世界中に増えるように、挑戦を続けていきます。
まだ誰も行ったことない日本へ、まだ誰も知らない東京へ行きたい。
好奇心旺盛な「秘境好き」のあなた!神津島でお待ちしています!!
神津島までの行き方はこちらの記事を参考にしてください。
合同会社FamiliAは、神津島で「みんなの別荘ファミリア」を営みながら、地域の魅力を伝え、文化を残すため、宿の領域を超えた活動をしています。 2024年1月には、神津島の観光アプリ【まるっと!神津島】をリリース! 旅マエから島のことがよくわかる<神津島すごろく>と現地を訪れた人だけが体験できる<ドラマチック音声ガイド>2つの機能を持つ全く新しい観光体験をアプリで提供します。もちろん、このアプリは英語対応。日本だけでなく、海外のお客様にも神津島の本当の良さを知ってもらい、島の人と仲良くなるきっかけづくりを目指しています。