札幌から日帰り可能!2026年夏は三笠の「北海盆おどり」へ出かけよう
北海道の中央部に位置する三笠市。ここは、全国で親しまれている北海盆唄・北海盆おどりのルーツとして知られるまちです。生唄・生演奏で奏でられる音楽と櫓や屋台、提灯が織りなす光景は、まさに「日本の夏」を実感させてくれます。本記事では、三笠北海盆おどりの魅力や歴史、周辺のおすすめスポットをご紹介します。
生唄と生演奏で楽しむ「三笠北海盆おどり」に出かけよう!

札幌から車で約1時間、新千歳空港からは約90分。北海道の中央部にある三笠市は、道央観光の拠点としてアクセスしやすく、日帰り旅にもぴったりのまちです。ここでは、生唄・生演奏で踊る盆おどりが今も大切に受け継がれています。

もともと日本の盆おどりは祖先の霊を送る仏教行事に由来しますが、現代では夏の風物詩であると同時に地域交流の場にもなっています。三笠北海盆おどりは、炭鉱で働いた人々の暮らしのなかから生まれた民俗文化を背景に、独自の発展を遂げてきました。
舞台となるのは、市の中心部にある三笠中央公園。生唄や生演奏に合わせて踊る伝統的な踊りの輪には、毎年市内外から多くの人が集まります。
本記事では「三笠北海盆おどり」の楽しみ方と、三笠市の魅力をたっぷりとご紹介していきます。
三笠北海盆おどりの歴史、みどころ、開催時期

三笠市は「北海盆唄」発祥の地として知られています。その背景には、炭鉱のまちとして栄えた歴史があります。
三笠市は1879年から1989年までの110年間にわたって、炭鉱のまちとして栄えました。全国から多くの人が集まり、過酷な労働に従事する中、その人々の心の支えになっていたのが、お盆に歌い踊られた「べっちょ節」です。
この唄を基に、戦後「北海民謡の父」と呼ばれる今井篁山が歌詞と曲調を整え、「北海炭坑節」として発表。のちに「北海盆唄」としてレコード化され全国に広まったことで、三笠は「北海盆唄発祥の地」として広く知られるようになりました。

現在の「三笠北海盆おどり」は、毎年8月13日〜15日の3日間にわたって開催。伝統の盆おどりに加えて、迫力満点の「石炭カツギレース」や夜空を彩る「納涼花火大会」、ロマンチックな「提灯行列」など、多様なイベントが盛り込まれています。

会場に組まれる三層構造の櫓は約8メートルもあり、櫓の上から唄い手と奏者の生演奏が場を盛り上げます。さらに会場横の三笠市民会館内では、浴衣もレンタル可能(有料:1500円※2025年8月取材時)。手ぶらでふらりと訪れても、日本の夏の風物詩を思う存分満喫できるでしょう。

地元民の輪に交じって一緒に盆おどりを楽しもう!
三笠北海盆おどりは、昼間は石炭カツギレースやモノマネショー、アイドルステージといったユニークな催しで盛り上がり、17時を過ぎると櫓から盆おどりの音色が響き始めます。

高さ8mにもなる三層構造の櫓には、無数の提灯が飾られ、夕暮れの公園を幻想的に彩ります。北海盆唄の歌い手、笛や太鼓で音色を奏でる奏者が陣取り、力強い唄とリズムが途切れることなく広がります。

最初はその迫力と熱気に圧倒されるかもしれません。しかし、楽しそうに踊る地元の人々の笑顔に誘われ、思い切って輪に参加してみれば不思議と身体が動き出すはずです。
中心の櫓から響く力強い唄に、アクセントとなる太鼓の音。何より地元の人々の温かく、楽しげな雰囲気に、自然と心がほぐされる素敵な体験ができました。

盆おどりは複数のプログラムに分かれており、可愛らしい「子ども盆おどり」や、仮装で賑わう大人気の「子ども仮装盆おどり」、世代を超えて参加できる「三笠北海盆おどり」など、バリエーションも豊富。途中で休憩を挟んだり、好きなプログラムだけ参加したりと、自分のペースでゆったりと楽しめるのも嬉しいポイントです。
三笠北海盆おどりと一緒に楽しみたい屋台グルメ

会場の三笠中央公園は、櫓のある西側のエリアと、屋台が立ち並ぶ東側のエリアに分かれます。約50店の屋台がずらりと軒を連ね、香ばしい香りや色鮮やかなメニューが夏祭りの夜を彩ります。

三笠市の人気店も出店しており、お祭り定番の焼きそばや綿菓子、チュロスなどのほか、大人の観光客に嬉しい三笠ワインも嗜めます。
ワインは普段、「道の駅 三笠」や市内酒店で購入できますが、この日だけは出張販売される特別仕様。三笠市の丘陵地で作られたブドウは、炭鉱の歴史ややアンモナイトが眠る数千万年の地層の恵みを受けて育っています。
当日は試飲も可能で、お気に入りが見つかったらボトルで購入もできます。

ここからは、屋台に出店している三笠の人気店をご紹介。実店舗もあるため、イベント後の再訪や、旅の立ち寄りスポットとしてもおすすめです。
移動式コーヒースタンド「2 Beans Coffee」

2019年にスタートした「2 Beans Coffee」は、三笠市を拠点としたキッチンカーカフェ。いつでも淹れたてのコーヒーを提供しています。
お祭りでの1番人気は、石炭をイメージした「三笠ラテ」。白と黒の二色の層でできた三笠ラテは、写真映えもバッチリです。オシャレで、美味しい思い出を作りたい人にぴったりのドリンクです。
また、系列の「フィナンシェ専門店Rire-Sourire」は市内に店を構え、北海道産の素材にこだわったフィナンシェは三笠観光のお土産にもうってつけです。
子どもにも大人気の「名前がないパン屋」

「子どもたちがお小遣いでパンを購入できるように」という思いから誕生した「名前がないパン屋」。食パン以外のパンは、全て200円以下で販売されています。
揚げパンやクイニーアマンをはじめ、北海道産のずんだやカボチャのあんこが入った季節の野菜パンも大人気。大人も子どもも楽しめるラインナップがそろいます。
北海道産小麦で作る三笠ならではの出来立てパン。ぜひ、おやつやお土産としてチェックしてみてくださいね。
三笠米のおにぎり専門店「おむすびころりん」

2025年にオープンした「おむすびころりん」は、三笠産のお米を使ったおにぎり専門店。
「秋鮭とバターのおむすび」や「わかめごはんの塩鯖むすび」など、旬に合わせた具材のおむすびが並び、季節のお味噌汁もセットで購入可能です。
軽食や朝ごはん、三笠のご当地グルメとして楽しむことができますよ。キッチンカーで営業しており、販売場所や営業時間はInstagramアカウントで発信しています。
作りたての手作りおやつがゲットできる「アマイモノクラブ」

2021年オープンの「アマイモノクラブ」は、パティシエの田中颯太氏が手がけるスイーツ店。お祭りではカラフルで可愛らしいメレンゲクッキーが人気で、ふわりと溶ける食感が楽しめました。
実店舗では、北海道の食材を使った「窯焼きプリン」や、お土産にもぴったりなフィナンシェなども販売。昼はおやつとコーヒーや紅茶、夜はお酒と軽食を楽しめる空間として営業しています。
三笠北海盆おどりの前は、市来知神社で参拝をしよう

三笠中央公園から徒歩15分の距離にある「市来知神社」。三笠の昔の地名である「市来知(いちきしり)」が由来しています。
開拓期の明治時代に小さな祠(ほこら)から始まり、地域の守り神として発展してきました。境内には多くの樹木や花々が茂り、社殿や鳥居を引き立てます。
さらに神社の裏には、神様を迎える森として守られてきた「鎮守の森」が広がります。フクロウがヒナを育てる森としても有名で、時期が合えばバードウォッチングも楽しめるかもしれません。

参拝の前には「手水」で身を清めましょう。
- 1 右手で柄杓を持ち、左手を清める
2 柄杓を左手に持ち替えて、右手を清める
3 再び右手に持ち替えて、左手に水を溜め、口をすすぐ
4 もう一度左手を清め、最後に柄杓の持ち手を洗い流す
季節によっては、色鮮やかな花が水面に浮かぶ「花手水」が見られることもあり、目にも心にも嬉しいひとときになります。
参拝の際は「二礼二拍手一礼」を覚えておくと便利。これは2回の深いお辞儀、胸の前での大きな拍手を2回、目を瞑ってのお祈り、最後の深いお辞儀のこと。

訪れれば神聖な気持ちになり、心が整うこと間違いなし。ぜひ盆おどりに参加する前に立ち寄って、リフレッシュしてみてくださいね。
「三笠市立博物館」も必訪スポット!1億年前の世界を体験しよう

三笠市を1日観光するなら外せないのが、国内最大級のアンモナイト展示を誇る「三笠市立博物館」。ここには三笠の歴史とともに、約600点のアンモナイト化石や、国の天然記念物に指定されている「エゾミカサリュウ」の化石など、合わせて3,000点以上の資料が展示されています。
三笠市は日本ジオパークに認定されており、アンモナイトが生きていた白亜紀(約1億年前)の地層から、炭鉱のまちとして栄えた近代まで、「地層の1億年旅行」を体感できるスポットとして知られています。

三笠市を語る上で欠かせないのが、この「地層」の存在。1億年前の太古の地層からは海を泳いでいたアンモナイトの歴史が、5000万年前の地層からは石炭が産出、三笠の歴史が伺えます。

博物館から一歩外に出れば、地層を観察したり、かつての炭鉱「旧奔別炭鉱立坑櫓」を見学したりと、生きた体験ができる「1億年時間旅行コース」の観光もできますよ(※一部立ち入り禁止エリアあり)。
炭鉱の労働者たちが、貴重なお盆休暇を楽しむために受け継いできた盆おどり。博物館で地層と歴史の物語を学んでから踊りの輪に加われば、より一層三笠の文化が体験できる1日になりそうです。
三笠北海盆おどりで日本の夏を感じよう!
三笠の旅では、110年にわたる炭鉱産業の歴史や、1億年前に遡るアンモナイトの化石が語る大地の記憶を学びながら、地元ならではのグルメを堪能できます。そして旅の締めくくりには、三笠北海盆おどりの輪に加わり、まちと人々の温かい雰囲気の中で、思わず笑顔になるひとときを体験してください。
札幌から車でわずか1時間とアクセスも良好な三笠。今年の夏休みは、ここでしか味わえないグルメと、生唄・生演奏に彩られた盆おどりで、心も体も弾む夏の一日を楽しんでみませんか。
Sponsored by 三笠市教育委員会