【栃木】奥日光湯元温泉でほどける冬の旅―日本で4番目に濃い硫黄泉と絶景&グルメ
関東屈指の豪雪地帯としても知られる「奥日光湯元温泉」。標高約1,500mの高原に広がるのは、開湯1,200年以上の歴史を誇る温泉です。本記事では、冬旅行にぴったりな観光やグルメ、絶景スポットをご紹介します。
奥日光湯元温泉で日帰り&宿泊で利用できるおすすめ温泉スポット、宿についてはこちらの記事もチェックしてください。
奥日光湯元温泉ってどんな温泉?

日本では、小中学生の修学旅行や林間学校の地域として親しまれている日光。いろは坂を境に、標高の低いエリアが日光、高いエリアが奥日光と呼ばれています。

奥日光までは、東京から公共交通機関を利用して3時間ほど。都心から手軽にアクセスできる場所ながら、「関東の冷蔵庫」と呼ばれるほど冷涼で、自然豊かなエリアです。

この奥日光にやってくる人々のお目当ては、1200年前に湧き出たと伝えられる温泉「奥日光湯元温泉」。日本で4番目に濃い硫黄温泉で、白濁〜エメラルドグリーンのにごり湯と、独特の香りが特徴です。

神経痛や筋肉痛、疲労回復のほか、切り傷などの皮膚疾患に効果が高いと言われており、美肌効果にも優れています。
奥日光湯元温泉のお湯は、シルバーアクセサリーをすぐに変色させてしまうほど強い「硫化作用」を持っており、その成分の濃さを肌で感じることができるでしょう。

また、奥日光湯元温泉は「国民保養温泉地」の指定第一号となった歴史ある特別な温泉地。泉効の良さや豊富な湧出量などが評価され、今日まで多くの人々を癒やしてきました。

日光市街からさらに奥へ。知る人ぞ知る大自然と静寂に包まれた国民保養温泉地・奥日光湯元温泉の魅力をたっぷりとご紹介します。
奥日光湯元温泉のイチオシスポットはココ!

温泉街は、宿や観光、グルメスポットが徒歩圏内に集まっています。そのため、バスなどの公共交通機関で訪れても、散策しながら気軽に大満足の観光が楽しめます。
ここからは、国民保養温泉地ならではのイチオシスポットをご紹介します。
【グルメ】旅の腹ごしらえは「食堂ふく」がぴったり

温泉街の中心にあるバス停から、歩いて5分ほどの場所にある「食堂ふく」。旅館「紫雲荘」に併設された、ランチ限定でオープンしている食堂です。

全5卓のこぢんまりとした食堂は、田舎の親戚の家にお邪魔したかのような安心感がある空間。栃木産の野菜やお米を使用し、この地ならではの贅沢ランチがいただけます。

メインはどれも日光や栃木県の名産を使ったものばかり。今回は、日光の銘柄豚を使用した「日光ひみつ豚ソテーバルサミコソース」をチョイスしました。

全てのランチメニューには小鉢、ご飯、味噌汁がついており、食卓を鮮やかに彩ります。にんじんラペやふろふき大根などの副菜は日替わりなので、何が出てくるか楽しみなのも魅力です。

分厚いソテーは、食べ応え以上にその柔らかさにびっくり!口の中でほどけるように無くなるふんわりとした口当たりで、白米を食べる手が止まりません。
バルサミコソースのおかげでさっぱり食べられ、どんどん元気が湧いてくるのが感じられました。

他にも和牛を使用した「栃木牛ビーフシチュー」や、「日光ヤシオマス燻製」など、奥日光ならではのメニューが盛り沢山。落ち着いた和空間で、ゆっくりとお昼ご飯を食べたい方におすすめです。
「湯ノ湖」で絶景と温泉が湧き出す様子を体感!

国民保養温泉地である湯元温泉を楽しむ上で、切っても切り離せないのが「湯ノ湖」の存在。湯ノ湖は、三岳の噴火で湯川がせき止められて形成されました。

湖畔には1周3kmほどの散策路もあり、1時間ほどでぐるりと周れます。5〜9月はマス釣りの名所として賑わい、秋には紅葉が色づく自然豊かなスポットとして知られています。

湯ノ湖の散策路の中でも、湖と空、そして向こう岸に見える山々までが一望できるのが「湯ノ湖展望デッキ」です。湯ノ湖にせり出すように造られたデッキからは、左手に湯ノ湖を形づくった三岳、遠くには男体山が見えます。

湖面に映る山並みを眺め、写真を撮ったりスケッチしたりと、目の前の絶景を心ゆくまで堪能してみてはいかがでしょうか。
また、冬季は湖面が凍りますが、凍った湖面には乗ったりせず、安全に大自然を堪能してくださいね。

湖畔を歩いて行くと、湖の色が一部変色している部分が見えてきます。ここは近くの湧出地から引かれた温泉が流れ込んでいるスポットなんです。

近寄るとより強い硫黄臭も香ってくるため、五感で温泉が感じられるでしょう。

この部分だけ温度が高いため、冬の早朝に散策すると、湖面を覆うほどの「川霧」※にも出会えます。川霧を通して見る湯元温泉街は、まるで別世界に迷い込んだかのように幻想的です。
※川霧…川の水面付近に発生する霧で、水温が気温より高い場合に生じる。

早起きした者にしか見られない特別な景色も、ぜひチェックしてみてくださいね。
ほっと一息…足先からじんわり温めてくれる「あんよの湯」

「あんよの湯」は、温泉街のほぼ中心部にある足湯スポット。国民保養温泉地である湯元温泉の源泉を利用しており、誰でも無料で入れるのが嬉しいポイントです。

一度に40人が入れるほど広い足湯は、座る場所によって温度が違うのもお楽しみポイント。空いている時は、自分に合う温度を探して足湯を満喫してみてくださいね。

水深は、ふくらはぎが半分ほど浸かる程度。浅めに設定されているため、子どもでも服を濡らさずに足湯が楽しめるはず。
ただし、営業しているのは4月中旬〜12月中旬まで。雪が積もる時期は閉鎖されているため、訪れる際は注意してくださいね。

湯ノ湖の散策やハイキングの後、出発のバスを待つまでの間など、滞在中に何度も立ち寄り、足湯を堪能してみてはいかがでしょうか。
特等席で絶品ラーメンがいただける「レストハウス」

湯ノ湖の湖畔沿いに建てられた「レストハウス」。絶好のロケーションの中でいただきたいおすすめメニューが、こだわりが詰まったラーメンとコーヒーです。

「鶏煮干しラーメン」は、厳選した煮干しと鶏がらから丁寧に仕込んだスープと、特注太麺が絡む贅沢な逸品。湖畔を眺めながら料理の到着を待つ時間も、ラーメンへの期待感を高めるスパイスになります。

ほのかに煮干しの香りを漂わせ、お待ちかねのラーメンが登場。煮卵、自家製チャーシュー、玉ねぎなどが並ぶ具だくさんな一杯に、思わず胸が高鳴ります。

まずスープを一口いただくと、濃厚でとろみのある味わい。麺との絡みが良く、出汁の香りが鼻から抜けるスープは、身体の中にゆっくりじんわりと染み渡ります。

ちぢれ太麺は小麦の味がしっかり感じられ、啜るごとにやみつきに。シャキシャキの玉ねぎや、ほろりと崩れるチャーシューなど、どの具材と食べても太麺の個性が感じられました。

食後にいただいたコーヒーは、観光客だけでなく地元の人々にも愛されている人気メニュー。店主の福田さん自らブレンドし、1杯ずつ目の前で豆を挽き、淹れてくれます。

口に含むと、マイルドで優しい口当たりに思わず笑みが溢れます。食後の口をさっぱり整え、気持ちをシャキッとさせてくれる味わいは、コーヒー好きをも唸らせるはずです。

日差しをたっぷり浴びながら、のんびり湖面を眺め、絶品グルメをいただく贅沢な時間をぜひ「レストハウス」で叶えてみてくださいね。
温泉に入ることのできるお寺「温泉寺」

奥日光湯元温泉の「日光山温泉寺」は、温泉に入ることのできるお寺で、全国でも珍しいスポット。大人500円、子ども300円で日帰り入浴が体験できます。

石灯籠が並ぶ砂利道の参道を歩くこと1分。右手の湯ノ平湿原を眺めながら進むと、正面に「薬師湯」が見えてきます。

チャイムを鳴らして入浴料を支払ったら、いざ入浴へ。浴場の扉を開けると、温かい湯気とともに硫黄の香りがふわりと漂ってきます。

程よく換気されているため、内風呂ながらのぼせる心配もなさそうです。

かけ湯で身体を流し、ゆっくりお湯に浸かると、優しくお湯に包まれて心地よい気分に…。ほぼ中性の源泉は肌馴染みも良く、何度も自分の肌に触れたくなってしまいます。

源泉が71.4度と高温なため、気持ちよく入浴できる温度まで加水して調整をしているそう。加水をするとエメラルドグリーンの源泉が乳白色に変わるのも、温泉ならではの楽しみですよ。

入浴は8〜16時半まで受け付けていますが、冬季は営業していないのでご注意を。温泉寺のサイトから営業状況を確認して、訪れてみてくださいね。
奥日光の冬の定番!極上の雪質を楽しむ「日光湯元温泉スキー場」

奥日光の冬の観光スポットと言えば、日光湯元温泉スキー場も外せません。
関東では珍しいパウダースノーが楽しめるスキー場で、例年12月下旬にオープンし、ファミリーや初心者にもおすすめ。地元の人だけでなく、外国人観光客でもにぎわう人気スポットです。
アクセス情報

奥日光湯元温泉へのアクセスには、公共交通機関を利用する方法と、車での移動があります。
観光の目的や季節によって最適なアクセス方法が異なるため、詳しい経路をご紹介します。
東北新幹線+東武バス

まず、東北新幹線を利用して宇都宮駅まで移動します。東京からは50分ほどで到着です。
宇都宮駅からはJR日光線に乗り換え、終点の日光駅まで40分ほど乗車。

日光駅の前のバス停から「湯元温泉行き」の東武バスに乗車し、1時間20分ほどで奥日光湯元温泉に到着です。
東武バスは交通系ICカードでも乗車できますが、旅行中の利用には「湯元温泉フリーパス」もおすすめ。東武日光駅ツーリストセンターで購入でき、JR日光駅〜湯元温泉までのバス区間が何度でも乗り降り自由になります。
大人3,500円、子ども1,750円で購入できるため、交通系ICカードで乗車するよりもお得に利用できますよ。
車でのアクセス方法
車でアクセスする場合、最寄りI.Cは日光宇都宮道路「清滝I.C」です。東京方面や東北方面(宮城仙台I.Cなど)いずれの場合も、ここから国道120号(いろは坂)を経由して約28kmほどで到着します。
なお、群馬方面の関越自動車道「沼田I.C」からのルート(金精道路)は、例年12月25日頃から4月下旬まで冬期通行止めとなり、冬の旅行では利用できませんのでご注意ください。
「清滝I.C」を利用する場合も、冬季はスタッドレスタイヤの装着やチェーンの携行が必須です。雪道の運転には十分注意して、安全運転でお越しくださいね。
国民保養温泉地とは、温泉利用の効果が十分期待され健全な保養温泉地として、「温泉法」に基づき環境大臣によって指定されています。全国に79箇所の温泉地が指定されています。(2024年10月現在) 国民保養温泉地の選定は、おおむね以下の基準によって行われています。 第1 温泉の泉質及び湧出量に関する条件 (1)利用源泉が療養泉であること。 (2)利用する温泉の湧出量が豊富であること。なお、湧出量の目安は温泉利用者1人あたり0.5リットル/分以上であること。 第2 温泉地の環境等に関する条件 (1)自然環境、まちなみ、歴史、風土、文化等の観点から保養地として適していること。 (2)医学的立場から適正な温泉利用や健康管理について指導が可能な医師の配置計画又は同医師との連携のもと入浴方法等の指導ができる人材の配置計画若しくは育成方針等が確立していること。 (3)温泉資源の保護、温泉の衛生管理、温泉の公共的利用の増進並びに高齢者及び障害者等への配慮に関する取組を適切に行うこととしていること。 (4)災害防止に関する取組が充実していること。