【栃木】雪景色の奥日光でととのう名湯の休息旅―日帰り&宿泊で巡る温泉スポット
日本で4番目に硫黄濃度が高い温泉に入浴できる「奥日光湯元温泉」。乳白色〜エメラルドグリーンのお湯は、皮膚疾患や神経痛への効能が高いことで有名です。日帰り・宿泊で楽しめる、冬の旅行に最適な国民保養温泉地のスポットを詳しくご紹介します。
奥日光湯元温泉の効能と歴史

日光駅からバスで1時間20分ほどの場所にある奥日光エリア。この地には、およそ1200年前に開湯したと伝えられる奥日光湯元温泉が、今もこんこんと湧き出ています。

日本で4番目に硫黄濃度が高い温泉は、温度や空気に触れることで、乳白色〜エメラルドグリーンの色合いへと変化します。ゆで卵の腐敗臭のような強烈な硫黄臭もあり、「温泉郷へ来た」という実感が一気に湧くことでしょう。

神経痛や筋肉痛、疲労回復のほか、切り傷などの皮膚疾患に効果があることで知られています。美肌効果にも優れ、長年通う「湯治」目的の方も多いそう。「関東の冷蔵庫」とも呼ばれる冷涼なエリアは、大自然の恵みを感じながら、ゆっくり温泉を楽しみたい方にぴったりなスポットです。

また、奥日光湯元温泉は「国民保養温泉地」の第一号として指定された3つの温泉地のうちの1つ。泉質の良さや豊富な湧出量などが評価され、今日まで多くの人々を迎え、歴史を紡いできました。
日光市街から足を伸ばせばたどり着ける、温泉好きのための国民保養温泉地。湯けむりをまとい、まったりと名湯を楽しんでみてくださいね。
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気軽に奥日光湯元温泉を楽しめる「あんよの湯」

温泉街のほぼ中心部にある「あんよの湯」。ここでは4月中旬〜12月中旬にかけて足湯が楽しめます。

細長い造りをしている「あんよの湯」は、一度に40人が座れるほど広々とした無料足湯です。座る位置によってお湯の温度や色が異なるのも、まるで運試しのようでユニークなポイントです。
お湯の深さはふくらはぎが半分浸かる程度で、子どもでも服を濡らさずに入れる造りになっています。家族やカップル、友達同士でも楽しみやすく、自然と近くにいる人との会話も弾むかもしれません。

夏は釣りやハイキング帰りに寄りやすく、冬は寒さと散策で疲れた脚をじんわり温めるのにぴったり。小休憩も兼ねて、滞在中に何度も立ち寄りたくなるスポットです。
源泉掛け流しの贅沢お風呂に入れる「日光山温泉寺」

湯ノ平湿原の奥にあり、温泉街を静かに見守っているのが「日光山温泉寺」です。ここでは、お寺で温泉に入浴するという特別な体験ができます。

「日光山温泉寺」は、境内に源泉が引かれている全国でも珍しいお寺です。毎年4月〜12月頃にかけて、大人500円、子ども300円で日帰り入浴が楽しめます。

入り口のチャイムでお寺の方を呼び、料金を支払ってから入館します。朝8時という早朝から入浴できるのも、早起きが得意な人や、旅の朝を有意義に使いたい人には嬉しいポイントです。

浴場は程よく換気されていて、半露天風呂のような開放感があります。まずは掛け湯で汗を流し、熱めのお湯に身体を馴染ませます。ゆっくり足先から浸かると、お湯が優しく染み渡り、徐々に身体が温まってくるのを感じます。

しばらくお湯に身体を委ねていると、じんわりと汗が滲み出て、ホカホカと心地よい気分に。温度が高すぎる場合は、水を入れながら調整できるのもありがたい配慮です。

コポコポと注がれる源泉は、光の加減や温度によってエメラルドグリーン〜乳白色など、色の変化が見られることも。お寺という環境のおかげか、身体の疲れだけでなく、心までほぐされていくようです。ここならではの貴重なひとときを、ぜひ体感してみてくださいね。
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創業260年の歴史と名湯に癒やされる「湯元板屋」

創業260年以上の歴史を持つ「湯元板屋」。老舗旅館のこちらでは、伝統ある雰囲気の中で、大きな湯船の源泉掛け流し温泉が満喫できます。
館内には内湯と露天風呂が完備されています。内湯は広々とした洗い場と、太陽光がたっぷり差し込むガラス窓が印象的。冬の寒い時期は、内湯でじっくり身体を温めてから露天風呂に向かうと良いでしょう。

露天風呂への扉を開けると、そこには美しいエメラルドグリーンのお湯がたたえられています。L字で広々としたお風呂は、手足を広げてゆったりと過ごすのにうってつけ。お湯に身体を委ねて、自然の音に耳を傾けるのも一興です。

源泉が75.7度と高温のため、入浴前にはコップ1杯の水を飲むのがおすすめ。数回に分けて入ったり、休憩を挟んだりと工夫をすれば、湯あたりも防げますよ。
また「湯元板屋」の魅力で外せないのは、旬の食材を使った会席料理。「とちぎ霧降高原牛ヒレステーキ」や生湯葉、山椒ちりめんご飯など、奥日光の恵みがたっぷり堪能できます。

温泉と食から「自然の恵み」を五感で味わうひとときを、ぜひ「湯元板屋」で過ごしてみてくださいね。
自家源泉かけ流しの贅沢な貸切風呂が魅力の「ゆ宿 美や川」

奥日光エリアでは、一般的に1箇所の源泉から各宿にお湯を分配しているシステムが主流です。その中で「ゆ宿 美や川」では、2本の自家湧出源泉を完全貸切で堪能できる贅沢な体験が叶います。

2本の源泉は、湯船に注がれるまで一度も空気に触れさせずに汲み上げられます。そのため、誰にも触れられていない「生まれたて」の新鮮なお湯に全身を包まれる至福のひとときを味わえます。

純度100%の天然温泉ゆえ、2本の源泉は色や温度も日によって変化します。その変化さえも自然の恵みとして楽しみ、ダイレクトに体感できるのが「ゆ宿 美や川」の魅力です。

「宿泊する方に一番風呂に入ってほしい」という想いから、日帰り入浴は行っていません。その分、宿泊客は完全貸切で温泉三昧な時間が過ごせます。

入浴方法は、入り口に「使用中」の札を掛けるというシンプルなスタイル。この札を掛けている間は、脱衣所も湯船も自分だけのプライベート空間として、心ゆくまで満喫できます。

おすすめは全身の力を抜いてくつろげる「寝湯」スペース。頭と首を預けて目を閉じれば、うたた寝してしまいそうなほど開放的な気持ちになること間違いなしです。

宿泊中何度でも温泉に入り、ゆったりとプライベートな時間を過ごしたい方にうってつけの宿です。
全室露天風呂付きの贅沢なプライベート宿「奥日光ゆの森」

温泉街の中心部から数分離れた場所にある「奥日光ゆの森」。ここでは喧騒から離れた木のぬくもり溢れる宿で、プライベートな温泉時間が満喫できます。

すべての客室に露天風呂がついており、宿泊中いつでも硫黄の香りがする名湯を心ゆくまで堪能できるのです。

全10部屋の客室は、和室や洋室、特別室など、全5タイプから選べます。

中でも近年改装したばかりの特別室は「暮らすように泊まる」ことができる贅沢な間取り。和洋室の広々した空間は、自分へのご褒美や特別な記念日に過ごすのにうってつけです。

客室の露天風呂からは、季節によって装いを変える木々が望め、眺望も抜群。自分のペースで入浴できるため、家族連れや友人同士の旅行にもおすすめです。

「奥日光ゆの森」で堪能できるのは客室露天風呂だけではありません。なんと1階の大浴場も、「使用中」の札をかければ貸切利用ができるのです。

家族3〜4人で一緒にお風呂に入るも良し。1人で大浴場を貸切にするのも良し。透明度の高いエメラルドグリーンのお湯が、温かく出迎えてくれますよ。

夕食・朝食には、栃木や日光の地元の食材を贅沢に使用。夕食は季節ものをふんだんに使った会席料理をいただき、朝食は旅立ちの朝にぴったりな優しい和食が提供されます。

プライベート感と、満足度の高い温泉滞在がしたい方にぴったりの宿です。
奥日光最大級の広々とした湯船に浸かれる「休暇村 日光湯元」

奥日光のシンボルである湯ノ湖。その湖畔で私たちを出迎えてくれるのが「休暇村 日光湯元」です。

湖畔に寄り添うように宿が建てられており、国民保養温泉地である奥日光湯元温泉の中でも屈指の湯ノ湖に近い宿。客室の大きな窓からは、春から秋にかけては新緑や紅葉が、冬には葉を落とした木々の隙間から湯ノ湖が一望できます。

もちろん、自慢の大浴場でも同じように、大自然を体感できます。

中でもおすすめは、心地よい風や木々のざわめきが感じられる露天風呂。毎分約330Lと豊富な湧出量の源泉が、手足をゆっくり伸ばせる湯船にこんこんと注がれます。

男湯・女湯にそれぞれ2つずつある「壺湯」も、自分だけの空間を楽しめる温泉として大人気です。内湯と露天風呂でじっくり温まってから、仕上げに贅沢に浸かってみてくださいね。

入浴の後に待っているのは、日光の旬が詰まった食事の時間。会席料理には湯葉やたまり漬け、地元のブランド豚「ひみつ豚」、霧降高原牛などが登場し、お腹も心も満たしてくれます。

「休暇村」での滞在は、一度体験すれば季節ごとに何度でも訪れたくなってしまうこと間違いなしです。
心と身体をリセットする、安らぎの宿「紫雲荘」

「紫雲荘」は、旬や地元の食材をやさしい味付けで堪能できる温泉宿。自宅のようにくつろげる部屋と、完全貸切で利用できる3つの温泉も、宿泊者には大人気です。

チェックインすると、最初にお風呂の説明があります。

館内には2つの内湯と露天風呂があり、すべて貸切で利用可能。それぞれ45分制となっており、お風呂の前に「貸切中」の札がかかっていなければ、自由に入れる仕組みです。

この仕組みは日帰り入浴も同様で、50分ごとに貸切で利用可能。日帰り入浴の場合は、予約をしておくとスムーズです。

今回宿泊したのは、リニューアルされたばかりの洋室タイプ。1人には贅沢すぎるほど大きなソファとテーブルがあり、ゆったりと利用できます。

部屋でくつろいでいると、早くも夕食の時間に。テーブルの上を豪勢な小鉢が所狭しと埋め尽くし、華やかに彩ってくれました。

天ぷらや煮物、ビーフシチューなど、品々は日替わりですが、通年出ているのは「湯葉のお刺身」と「豆乳鍋」なのだとか。

湯葉のお刺身は、口の中でとろりと溶け出すまろやかな味わい。柚子胡椒とお醤油を絡めると、湯葉の甘みまでとろけるように感じられます。

豆乳鍋は控えめの味付けとなっており、素材そのままの風味が活かされています。

何もつけずに素材の甘みとうま味を楽しんだら、ポン酢を少々プラス。するとまろやかな風味が引き締まり、白米と一緒に食べるのにぴったりな味わいに変身してくれました。

食後のデザートは、酒粕のムースと、黒ゴマのプリンから選べます。
ムースの酒粕は、奥日光で限定販売されている日本酒「貴婦人」の酒造「井上清吉商店」から、直接仕入れているのだとか。

上品で奥行きのある甘さが口の中で広がり、食後のデザートにぴったりです。
旅の夜を彩るのは、お待ちかねの温泉タイム。最初は内湯で身体の芯まで温まっていきます。

手足を伸ばして湯船に身を委ねれば、旅の疲れや日頃の小さな悩みが湯けむりとともに消えていくような晴れやかな気分になります。体温とともにじわじわと幸福度が高まり、旅に来た醍醐味が感じられました。

ホカホカの身体で露天風呂へ向かえば、そこは更なる極楽。岩の間から注がれる源泉と夜空を交互に眺めて、ぼーっとする至福の時間が流れます。

中性に近い肌あたりが優しい源泉なので、何度も入りやすいのも温泉好きには嬉しいポイント。硫黄の香りに包まれて、身体の芯までほっこりと温まりました。

温泉の余韻でぐっすり眠れた朝。美味しい朝食を最後に「紫雲荘」とお別れです。

朝食は和食と洋食の2コースから選択可能。和食は副菜がたっぷり付いており、洋食はサンドウィッチとヨーグルト、スープで手軽にいただけます。

今回いただいたのは、人気の和食コース。朝日がたっぷり差し込む和室でいただけるのも嬉しいポイントです。

どのおかずも起き抜けのお腹にちょうど良い分量。丁寧な仕込みと、雑味のない味わいで、優しく出発の朝を後押ししてくれました。

旅人に寄り添ったおもてなしが感じられる「紫雲荘」。こぢんまりとしたアットホームな空間で、人の温かさに触れながら滞在したい方に、ぜひおすすめしたい一軒です。
アクセス情報
奥日光湯元温泉へのアクセスには、公共交通機関を利用する方法と、車での移動があります。
観光の目的や季節によって最適なアクセス方法が異なるため、詳しい経路をご紹介します。
東北新幹線+東武バス

まず、東北新幹線を利用して宇都宮駅まで移動します。東京からは50分ほどで到着です。
宇都宮駅からはJR日光線に乗り換え、終点の日光駅まで40分ほど乗車。

日光駅の前のバス停から「湯元温泉行き」の東武バスに乗車し、1時間20分ほどで奥日光湯元温泉に到着です。

東武バスは交通系ICカードでも乗車できますが、旅行中の利用には「湯元温泉フリーパス」もおすすめ。東武日光駅ツーリストセンターで購入でき、JR日光駅〜湯元温泉までのバス区間が何度でも乗り降り自由になります。
大人3,500円、子ども1,750円で購入できるため、交通系ICカードで乗車するよりもお得に利用できますよ。
車でのアクセス方法
車でアクセスする場合、最寄りI.Cは日光宇都宮道路「清滝I.C」です。東京方面や東北方面(宮城仙台I.Cなど)いずれの場合も、ここから国道120号(いろは坂)を経由して約28kmほどで到着します。
なお、群馬方面の関越自動車道「沼田I.C」からのルート(金精道路)は、例年12月25日頃から4月下旬まで冬期通行止めとなり、冬の旅行では利用できませんのでご注意ください。
「清滝I.C」を利用する場合も、冬季はスタッドレスタイヤの装着やチェーンの携行が必須です。雪道の運転には十分注意して、安全運転でお越しくださいね。
国民保養温泉地とは、温泉利用の効果が十分期待され健全な保養温泉地として、「温泉法」に基づき環境大臣によって指定されています。全国に79箇所の温泉地が指定されています。(2024年10月現在) 国民保養温泉地の選定は、おおむね以下の基準によって行われています。 第1 温泉の泉質及び湧出量に関する条件 (1)利用源泉が療養泉であること。 (2)利用する温泉の湧出量が豊富であること。なお、湧出量の目安は温泉利用者1人あたり0.5リットル/分以上であること。 第2 温泉地の環境等に関する条件 (1)自然環境、まちなみ、歴史、風土、文化等の観点から保養地として適していること。 (2)医学的立場から適正な温泉利用や健康管理について指導が可能な医師の配置計画又は同医師との連携のもと入浴方法等の指導ができる人材の配置計画若しくは育成方針等が確立していること。 (3)温泉資源の保護、温泉の衛生管理、温泉の公共的利用の増進並びに高齢者及び障害者等への配慮に関する取組を適切に行うこととしていること。 (4)災害防止に関する取組が充実していること。