共に歩み、思い出を刻む手作りレザーバッグ「土屋鞄製造所」
ひとつの革製バッグをどれくらい長く使えるでしょうか?めまぐるしく変化する時代の中で、創業50年を超える土屋鞄製造所は、「丈夫で使いやすく、心地よいもの」という信念を貫いてきました。 日本の小学生の6年間を支えるランドセルから、大人向けのレザーバッグまで、職人たちの絶え間ない工夫によって、老若男女問わず多くの人々に愛されています。今回は、MATCHAの編集者が東京にある土屋鞄製造所の本店兼工房を訪れ、その魅力をレポートします。
土屋鞄製造所とロゴの由来

Picture courtesy of 土屋鞄製造所
1965年、東京でランドセルづくりから始まった土屋鞄製造所。その後、大人向けの製品も手掛けるようになりました。
2004年から使われているロゴは、革を裁断する専用の刃をモチーフにしており、職人にとって欠かせない道具を象徴しています。広報担当の前田さんによると、「誰でも、そして長く愛用できること」が土屋鞄の最大の誇りだそうです。機能性を重視したミニマルなデザインも特徴です。何よりも大切にしているのは、一つひとつの製品に魂を込める職人たちの存在。手仕事を愛する職人たちが集い、技術を継承しながら、未来の職人を育てています。
土屋鞄製造所の原点:小学生のランドセル

日本の小学生は、入学時に新しいランドセルを手にします。それは、6年間の学生生活で唯一変わらない相棒です。子どもたちの成長に寄り添い、丈夫で快適なランドセルをつくることが、土屋鞄の原点です。

手作りのランドセルは天然皮革を使用。背あての部分には通気性の良い柔らかな牛革が使われ、背負ったときに心地よい弾力性を保ちます。昔ながらの温かみがありながらも、洗練された色使いも魅力です。(※小学生向けランドセルは予約制のため、店頭での購入はできません。配送は日本国内に限られます。)
話題を呼んだ「大人向けランドセル」

Picture courtesy of 土屋鞄製造所
ランドセルは小学生が使うものという常識を覆し、創業50周年を記念して発売されたのが「OTONA RANDSEL(大人ランドセル)」です。創業以来培ってきた技術と、新たな挑戦から生まれたこの商品は、発売されるたびに瞬く間に完売するほどの人気を博しています。

Picture courtesy of 土屋鞄製造所
長年使っても形が崩れにくく、知的で洗練された印象を与えます。両サイドには小物を入れられるファスナーポケットが付いており、通勤時にバッグを持つ手がふさがることがありません。(※大人向けランドセルは店頭での購入はできません。予約制で、配送は日本国内に限られます。)
本店でしか見られない、職人の手仕事

Picture courtesy of 土屋鞄製造所
土屋鞄製造所の本店には、ランドセル工房が併設されており、職人の作業風景を見学できます。シンプルに見える作業も、ひとつひとつの工程に手間と時間がかけられています。ランドセルが完成し、子どもたちの元に届くまでには、1ヶ月以上かかります。

ご両親や祖父母の方がお子さんを連れて工房を訪れ、職人たちの丁寧な手仕事や、ランドセルがたくさんの汗と努力によって作られていることを伝える姿も見られます。
土屋鞄製造所の人気商品
載せ替えに便利なバックパックとショルダーバッグ

10年以上愛され続けているのが、「トーンオイルヌメ ソフトバックパック」と「トーンオイルヌメ ショルダー」です。
オイルヌメ革は、天然の柔らかさと心地よい革の香りが特徴。長く使うほどに手に馴染み、独自の風合いが増していきます。バックパックの開口部は、上部だけでなく側面にもファスナーが付いているので、荷物の出し入れがスムーズです。背中部分には、ランドセルにも使われている柔らかな素材を使用しており、肩への負担を軽減します。
一方、ショルダーバッグは、外側には弾力性のある革、内側にはスエードを使い、柔らかな手触りと上品な印象を両立させています。
トーンオイルヌメ ミニがま口

見た目が愛らしく、実用的ながま口のミニ財布です。丸いフォルムは十分な収納力があり、手に馴染みやすく、使いやすいデザインです。
ウルバーノ アーバンブリーフ

イタリアの伝統的な製法と日本の特殊な技術を融合させて作られた、丈夫で重厚感のあるブリーフケースです。内側には複数のポケットがあり、A4サイズの書類も楽に入ります。持ち手の厚みと幅も程よく、背面には雑誌や新聞を入れられるポケットも付いています。
LEATHER CRAFT KIT (レザークラフトキット)


職人の手仕事を体験してもらいたいという思いから生まれた、DIYキットです。箱の中には、説明書、革、糸、ゴム板、金具など必要なものが全て入っています。ハンマー、テープ、定規などを用意するだけで、手作りの楽しさを満喫できます。
最後に

Picture courtesy of 土屋鞄製造所
土屋鞄製造所は、日本の伝統的な丁寧なものづくりを大切にしながら、製品ひとつひとつの工程にこだわり、使う人にとっての価値を追求しています。
愛用者の中には、大人のランドセルを背負ったお父さんが、お子さんのランドセルを買いに来る姿も見られます。土屋鞄の製品は、家族の大切な思い出を、一年、また一年と刻み続けているのです。
(※丸の内、自由が丘、横浜、京都などにも店舗があります。詳細は公式HPをご確認ください。台湾と香港にはショールームがあり、一部商品を購入できます。その他の商品は公式サイトから購入可能です。)
In cooperation with 土屋鞄製造所