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【東京】歴史は90年以上!水天宮の「サンドウィッチパーラー まつむら」
東京・人形町の水天宮近くにある「サンドウィッチパーラー まつむら」は、1921年開業の人気老舗パン屋。昔からある焼きそばロールや、オーナー自慢のクリームパンのほか、さまざまな種類のパンが楽しめます。レトロな雰囲気を漂わせる店内も必見です!
人形町・水天宮近くの人気パン屋「まつむら」
東京メトロ・水天宮駅のA2出口を出て角を曲がると、古めかしい黄色い看板が見えます。ここは人形町で人気のパン屋「サンドウィッチパーラー まつむら」。
1921年開業の老舗で、レトロな雰囲気と約100種類ものおいしいパンが魅力です。
インターネットで「人形町 パン」と検索すると必ず出てくるほど、「まつむら」は有名店。すでに、多くの日本のメディアにも取り上げられています。
店の隅には、おばあちゃん、そして双子のおじいちゃんのイラストが掲げられています。彼らは先代で、すでにお亡くなりになっているそう。
しかし、現在の4代目店主は、妻と手を携え、毎朝早くから生地をこね、パンを焼き、90年以上続く伝統を守っています。
「まつむら」は今流行りのおしゃれなパン屋と比べると、一見地味に見えるかもしれません。
しかし、手描きのポップやパンを照らす古い照明、自家製ピーナッツクリームなど、素朴な様子が、地元住民やオフィスワーカー、観光客を魅了しています。
店内には、すでに使われなくなった骨董品のレジが置かれており、多くのお客さんの目を引きつけています。
レジの引き出し部分には「National」という文字が刻まれています。これは、家電メーカー・パナソニックがかつて使っていたブランド名。時代を感じさせます。
取材当日、筆者が店内でパンを食べていると、店員とお客さんが楽しそうに話すのが聞こえてきました。地元で愛されているお店なんですね。
店内には、イートインのコーナーがあります。多くのお客さんが「これぞ懐かしの味」と言いたげな、満足した顔をしていました。
観光客も大好きな「焼きそばロール」
「まつむら」では、昔からパンに焼きそばを挟んだ「焼きそばロール」が作られていました。4代目店主の松村さんは、「最初に誰が作ったかは定かではありませんが、焼きそばロールは昔からの商品で、味も昔から変わりません」と笑います。
このほか、ナポリタン、コロッケ、エビフライ、アップルサラダなど、さまざまな総菜パンがあります。ちくわパンもおいしいそうですよ。
午後のおやつにぴったりの「胚芽クロワッサンケーキ」
筆者が特に気に入ったのは、「胚芽クロワッサンケーキ」です。皮はパリパリで、中には柔らかな長崎カステラが挟まれています。さらに、カステラの間には自家製のあんこジャムも挟まれています
幾重にも連なる豊かな食感は、贈り物を開けるようなサプライズがあります。甘さはあっさりめで、食べ飽きません。チョコ味もあります。
4代目の自信作「クリームパン」
「たくさんの種類のパンの中で、一番好きなパンはどれですか?」4代目店主に尋ねてみました。すると彼は、しばらく考えてから「クリームパンかな」と笑って答えました。
牛乳と卵、砂糖、小麦粉と、素材は単純。しかし、そこから生み出されるのは、クセになる、どこか懐かしい味。常連さんにも人気です。
既存の商品以外にも、夏には「塩あんパン」や「エンドウ豆パン」が出るなど、期間限定のパンもあります。
「新商品の開発予定はありますか?」と聴いてみたところ、「今は人手不足で新商品を構想する時間が持てませんが、既存の材料を使って、何かを試してみたい」とのことでした。
戦争の時代も経験してきたパン屋
第二次世界大戦の時代も生き抜いてきた「まつむら」。砂糖などの物資が自由に入手できなかった時代から、多くのお客さんと苦楽を共にしてきました。
「パンって、こんなにおいしいものだったのか!」。「まつむら」で初めてクリームパンやサンドイッチを食べ、感動したお客さんも多かったとのことです。
次に東京の下町・人形町に来る時は、ぜひ、日本のおばあちゃん、おじいちゃんの思い出の味を楽しんでみてくださいね。
※本記事は2018年9月14日に公開した繁体字記事を翻訳したものです。
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In cooperation with サンドウィッチパーラー まつむら
台湾台中出身で、食べ物の話題になると目が輝く女性です。日本で信じられないような経験をした後、現在は南半球に定住し、写真と文章を通じて旅の貴重な思い出や発見を記録し続けています。著書には「日本、ゆっくり旅:山城、花の季節、島々、海の幸、街の風景と日常、2190X四季の風物詩」があります。