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飛行機のチケットより高額でも乗りたくなる、日本の新幹線の魅力を探る
日本の新幹線は9種類、それぞれに特徴があります。 今回、MATCHAではそんな日本の新幹線の魅力をお伝えします。
日本全国の新幹線鉄道について
日本には2021年現在、9種類の新幹線があります。そのうち7台がフル規格、2台がミニ新幹線で、それぞれ特徴的な車両です。
今回、MATCHAでは、路線を紹介するのではなく、「車両」そのものを紹介し、日本の新幹線の魅力にせまります。
東北・北海道新幹線
東京駅から新青森駅までを結ぶ東北新幹線は2010年に全線開通し、山形新幹線、秋田新幹線と直通運転を行っています。
2016年3月26日に、新青森駅から新函館北斗駅間が開業。現在、新函館北斗駅から札幌間は建設中で、開業予定は2030年度末となっています。
E5・H5系
H5系 Picture courtesy of Pixta
東北新幹線、北海道新幹線に使用されている車両は、E5系とH5系で、ハイテクな流線形車両である。
カラーも、上半分が「常盤グリーン」、下半分が「飛雲ホワイト」、サイドが「はやてピンク」「彩香パープル」と、それぞれのカラーにちなんだものです。
E5系とH5系を見分ける方法はいくつかありますが、もっとも簡単なのは車体の帯の色と、「はやぶさ」のロゴマークの違いです。 最高速度は盛岡以南で時速320キロと決して速くはないですが、乗り心地は非常によく、東京と東北地方を結ぶ新幹線です。
E6系
Picture courtesy of Pixta
E6系は、E3系の後継として秋田新幹線用に設計され、東北新幹線ではE5系の時速320キロに合わせたため、流線形の外観はE5系に似ていますが、車体はやや小さめです。
車体の外装は鮮やかな赤で、E5系と連結したとき、さらにハンサムな表情をみせてくれます。
E3系
Picture courtesy of Pixta
E3系は、もともと東北新幹線から秋田新幹線に直通する列車「こまち」用として開発された車両でしたが、後に山形新幹線に転用され、最高速度時速275キロを達成しました。
近年では、写真家の蜷川実花さんとコラボした現美新幹線や足湯新幹線の「とれいゆつばさ」なども誕生しています。
JR東日本は、2024年から新型のE8系を順次導入することを発表し、今後E3系が田園地帯を走る風景は少なくなっていくでしょう。
E2系
Picture courtesy of Pixta
E2系は、もともと東北新幹線と北陸新幹線(当時は長野新幹線)の200系に代わるものとして作られた車両で、現在も東北新幹線で活躍しています。
現在も東北新幹線で見ることができるメルセデス・ベンツですが、近い将来、老朽化によりE5系に置き換わる可能性が高いです。
2024年デビュー予定! 山形新幹線新型車両E8系
Picture courtesy of JR東日本
2024年に山形新幹線導入される予定の新型E8系は、奧山清行氏の監修です。
配色はE3系を継承していますが、外観がより合理化され、東北新幹線の最高速度も時速300キロに引き上げられました。
上越新幹線
上越新幹線は東京と新潟を結ぶ路線で、太平洋側と日本海側を結ぶ最初の路線です。
E4系(引退)
Picture courtesy of Pixta
上越新幹線はE4系と呼ばれる2階建て新幹線で、最高速度は時速240キロとフル規格の新幹線としては最も遅い新幹線です。 そして、E4系は2021年10月1日で歴史に幕を閉じました。
北陸新幹線
北陸新幹線は、東京から北陸地方を経由して大阪まで走る計画で、東海道新幹線が利用できなくなった場合に備えて、東京から大阪へのバックアップ新幹線として機能するように配置されています。
北陸新幹線は現在、金沢駅までしか開通しておらず、2023年末には福井県敦賀市まで開通する予定です。
E7系・W7系
Picture courtesy of Pixta
E7系・W7系は、JR東日本とJR西日本の共同開発により、2015年3月14日の金沢延伸開業でデビューした列車です。
基本的な性能はまったく同じで、E6系に続いて工業デザイナーの奥山清行氏が監修しました。
「和の未来」をテーマに、外観も内装もすっきりしていて、私の好きな新幹線車両の一つです。最高速度は時速260キロで、上越新幹線だけでなく、北陸新幹線でも見ることができます。
東海道新幹線・山陽新幹線
新幹線といえば、東海道・山陽新幹線が有名です。
東京と福岡を結ぶ日本の経済の大動脈であると同時に、横浜、名古屋、京都、大阪、広島と日本の主要都市に停車するため、主要路線となっています。
N700系
N700A Picture courtesy of Pixta
現在、東海道・山陽新幹線でもっとも一般的な車両はN700AとN700系の新型N700Sです。
どちらも一見代り映えしないよう見えますが、よく見ると先頭車の形状が異なっています。
N700系7000番台 Picture courtesy of Pixta
山陽・九州新幹線には同じN700系がありますが、白と青の淡い色合いで、車両数も通常のN700系の半分の8両です。
東海道新幹線の最高速度は時速285キロ、山陽新幹線はほぼ直線であるため時速300キロまで、九州新幹線は時速260キロまで走行することが可能です。
500系
500 TYPE EVA Picture courtesy of Pixta
新幹線500系は「高度すぎて罪深い」悲劇的な新幹線と言えます。
JR西日本が独自に開発した新幹線の一形態で1990年代、国内路線に対抗するため、現在のN700系の時速300キロを上回る時速320キロの速度に対応できる車体、性能で開発されました。
外装からもわかるように、ほかの新幹線とは一線を画していましたが、製造コストの高さと乗り心地の悪さから、やがて700系に置き換えられました。
過去には『エヴァンゲリオン』や『キティちゃん』など人気キャラクターの外装で注目を集め、希少な存在価値を見出した新幹線です。
九州新幹線
博多駅から鹿児島中央駅までを結ぶ九州新幹線は、九州の交通・観光の利便性を高めるだけでなく、2022年秋の西九州新幹線(武雄温泉~長崎)の開通を視野に入れています。
800系
Picture courtesy of Pixta
800系は、JR九州がJR東海とJR西日本の技術協力を得て設計・開発した新幹線で、基本的には700系と同じですが、車体、内装、性能が大きく異なります。
800系の内装は、木製のテーブルや肘掛け、さらには西陣織の座席シートなど、観光列車のデザインを踏襲したJR九州でもっとも人気のある新幹線です。
800系は九州新幹線にしか走っておらず、車両数も少ないので、乗るには運が必要です。
2022年秋開業!西九州新幹線 N700S
Picture courtesy of JR九州
2022年秋に開業する西九州新幹線(旧長崎新幹線)には新型のN700Sが導入されますが、内装や外装もJR九州のスタイルを踏襲しています。
ほかの車両とは異なった新しい新幹線の誕生に、今からワクワクします。
終わりに
数ある新幹線のうち、いくつに乗られましたか? 古い新幹線は徐々に陳腐化していきますが、新しい車両もどんどん導入されていく、これが日本の鉄道の真髄(しんずい)です。
台湾台北市出身。京都府北部の舞鶴市でインバウンドに携わりながら、ブロガーとして日本の観光情報を発信してきました。MATCHAには2019年10月に参加。
趣味は旅、電車を見ること、オシャレなスイーツ・カフェ巡り、御朱印集め、ミュージカル観劇、写真撮影など。幅広過ぎて、自分でも不思議に思っています。