200キロ先へエールを送ろう!福島の新鮮な海産物に出会える場所
2011年3月11日の東日本大震災から時を経て、福島の魚の販売が東京でスタートしています。MATCHA編集部は「イオン東雲店」の福島鮮魚便コーナーを取材。取り組みの経緯や店に並ぶ鮮魚、購入した魚をBBQで味わえる場所などを紹介します。
イオン東雲店の「福島鮮魚便」
東京の湾岸エリア、豊洲の「イオン東雲(しののめ)店」。ゆりかもめ・有楽町線の豊洲駅から徒歩10分ほどの位置にあり、魚卸売市場「豊洲市場」にもほど近いことから、店では魚介類を豊富に取り揃えています。
海鮮コーナーには「福島鮮魚便」と書かれたパネルが。これは2018年、福島県と福島県漁業協同組合連合会(JF福島漁連)、イオンを運営するイオンリテール株式会社の3者が協力して立ち上げたブランド。福島県産の海産物のPRが目的です。
現在、関東地方の東京、埼玉、群馬および、東北地方の宮城のイオンの一部の店舗で、福島県産の魚を扱っています。福島鮮魚便には、より多くの消費者に「新鮮でおいしく、安心安全な福島の海の幸を見てほしい」という思いが込められています。
福島から200キロメートル以上も離れている東京。新鮮な魚が豊富にあるのに、なぜ福島の魚を扱うのでしょうか。鮮魚コーナーのスタッフ・大沼さんに、福島鮮魚便のスタッフとなったきっかけを伺いました。
「同じ海域の魚なのに、千葉県で水揚げされるか、いわき小名浜港で水揚げされるかで、消費者の反応は異なります。商品に"福島"と印字されているだけで、不安を感じる人も。しかし、それではもったいない。
お客様の疑問に答え、ゆっくりと福島の海産物の評価を取り戻していきたい。そんな思いから福島鮮魚便の販売員をはじめました」。
販売をはじめた頃、売り場で立ち止まってくれる人は少なかったといいます。しかし、イベントやポイントキャンペーンなどを実施し、徐々に購入者が増えてきたそうです。
ひと目で新鮮さがわかる福島の魚。色艶のよさについ見入ってしまうかもしれません。
福島・海産物の代表選手とオススメ商品
マトウダイ
福島鮮魚便の一番の特徴は、丸ごと一尾を陳列していること。お客さんはさまざまな魚から好きなものを選べます。日によって入荷する魚は異なるため、「福島鮮魚便」のTwitterで入荷情報を確認しましょう。
取材に訪れた日、台湾出身の筆者は巨大なマトウダイに目を奪われました。台湾の高級料理店でマトウダイを使った料理を見かけるものの、丸々一尾を見た人はほとんどいないのではないでしょうか。
楕円形で体側に黒い斑点があり、非常に見分けやすい魚です。店では魚をスタッフに捌いてもらえるから、家に帰って楽に料理できるのが嬉しいですね。
メリカリ
福島の魚といえばメヒカリです。大きな目をしているので、すぐに見分けることができます。身はやわらかくジューシー。揚げる、炒める、焼く。どの調理法でもおいしくいただけます。
ホッキ貝
ホッキ貝は福島県相馬市を代表する貝。寿司店などでピンク色の身だけの姿をよく見かけます。福島鮮魚便コーナーでは、新鮮な殻つきのホッキ貝に出会えます。
鯛
この日、店に並んでいたのはイタリアの魚料理「アクアパッツァ」のセットです。調味料やトマトなど、必要なものすべてここで揃えられます。
レシピは売り場横の液晶画面で紹介しているほか、スタッフに教えてもらうこともできます。
穴子
関東のスーパーで見かける穴子は蒸し煮がほとんど。新鮮な穴子はめったに見かけませんが、ここでは特大の穴子が並んでいました。冬は脂肪分が多く、肉質もふっくらとしています。
福島の海産物を豊洲のバーベキューで
Picture courtesy of THE BBQ BEACH in TOYOSU
イオン東雲店から車で10分ほど。「THE BBQ BEACH in TOYOSU」は都内では数少ない、持ち込み可能なバーベキュー場です。
ベイリゾートのような照明、ソファで雰囲気満点。レインボーブリッジを眺めながらBBQができます。福島の海の幸を堪能するのにうってつけの場所ですね!
福島鮮魚便コーナーで揃えた食材で、さっそくアクアパッツァを作りました。鯛の身の厚いところに、包丁で切れ込みを入れるのがポイント。中までしっかり火が通ります。
魚やトマトをアルミホイルに乗せ、専用のタレや香辛料をかけて15分ほど焼きます。湯気が出てきたら食べ頃です。
火を通したトマトは酸味が減ってまろやか。貝の出汁と鯛がベストマッチでした。簡単なのにおいしい!
次は穴子の塩焼きです。まずアルミホイルに薄く油を塗っておきます。穴子に塩をふり、身が縮んでくるまで焼いたら裏返します。両面合わせて20分ほど焼きましょう。最後にタレをかけて5分ほど焼いたら完成です。
塩水で軽く洗ったホッキ貝は、バターをのせて焼きます。お好みで醤油をかけてお召し上がりください。
マトウダイの身に包丁を入れ、魚全体に薄く油を塗ります。塩を振って、アルミホイルで包んで30分ほど焼きます。
アルミホイルを開けるときは、魚の旨味の汁が流れないように気をつけましょう。淡白かつ上品な味わいです。
メヒカリは全体に油を塗って、塩を振ってから焼きます。ヒレの部分には多めに油と塩をかけましょう。内臓が苦手な人は、エラに包丁を入れ、頭ごと内臓を取り除いてください。
強火で焼いたメヒカリはジューシーでやわらか。小さな一尾なのに大満足です!
福島の海産物を応援
”福島産”に戸惑う人もいますが、応援する人も増えています。福島のおいしい海産物は地元の人々の誇り。福島鮮魚便のような、地域と企業が連携した取り組みも始まりました。福島の魚のおいしさを理解し、応援する消費者 の輪が さらに広がっていくことでしょう。
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Written by Lin
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