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モノではなく”物語”を届けるお店?絶景・父母ヶ浜近くの「百歳書店」とは
「日本のウユニ塩湖」と呼ばれる香川県の絶景スポット、父母ヶ浜。そのすぐ近くにある「百歳書店」は、ユニークなコンセプトの下、おみやげにぴったりの地域の良品を販売しています。
絶景・父母ヶ浜にある「百歳書店」とは?
香川県三豊(みとよ)市にある父母ヶ浜(ちちぶがはま)は、日本の中でも特に美しい夕日が楽しめるスポットのひとつとして、近年、人気のスポットです。
Picture coutesy of 三豊市 「【香川】日本最高の夕日スポット!瀬戸内海・父母ヶ浜の5つの楽しみ方」より
父母ヶ浜では、干潮時に砂浜に大きな潮だまりができます。風が弱い日は、この潮だまりの水が鏡のようになり、空を美しく映し出します。それゆえ、「日本のウユニ塩湖」「瀬戸内の天空の鏡」などとも呼ばれることも。
父母ヶ浜の周りにはオシャレなお店が多くあります。そのひとつが、本記事で紹介する「百歳書店」。
書店といっても、本を販売しているわけではありません。「百歳書店」は、一般的なお店の区分でいうと「おみやげ屋」になります。しかし、あえて「書店」を名乗っているのには理由があるのです。
地域の想いを伝える「百歳書店」
満潮時の父母ヶ浜。はだしで歩けるほど、砂が柔らかい
「百歳書店」の紹介をする前に、まずは父母ヶ浜がどんな場所か説明しましょう。
父母ヶ浜は、もともと1990年代後半に埋め立てて工場にする計画がありました。そこを、地元有志たちが「自分たちが子どものころからなじんできた浜を守りたい」と定期的なボランティア清掃を行い、美しい浜を残してきました。
地元出身者が運営する「百歳書店」には、こうした経緯を踏まえ「地域の想い、物語を伝えていきたい」という熱い気持ちがあります。そして、そんな想いが、店内の各所に現れています。
「書店」という店名の由来になったのが、店内の商品と一緒に置かれている本。ここには、「百歳書店」に出品している商品の生産者たちが、どんな想いで商品を作っているかがつづられています。
お客さんは本を自由に読めるほか、生産者へメッセージを書くことも可能。地域でがんばっている生産者に、応援の気持ちを届けることができるのです。
生産者へのメッセージを贈りたい人は、店内に置かれている紙に書いたうえで、壁に設置された投函箱に入れてくださいね。
なお、投函箱には、すてきな笑顔の生産者たちの写真が貼られています。こんなところからも、「生産者とお客さんの、顔の見える関係を創りたい」という想いが伝わってきますね。
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どんなものを売っているの?
こんな「百歳書店」では、どんなものを販売しているのでしょうか?
「百歳書店」のコンセプトは、「百年続いてきたもの、これから百年続けたいもの」を集めたお店。高級感ある商品から、手ごろな価格のスナックまで、地域の魅力を伝えるさまざまな商品がそろっています。
ここでは、特に地域性が感じられる商品を紹介します。
食品
香川県はオリーブの名産地として知られており、三豊市でも各所でオリーブが栽培されています。中でも、三豊オリーブ株式会社が製造する「あかつき」は、2021年度「国際オリーブオイルコンテスト」で「Best of Japan」に輝いた逸品です(税込1,200円~)。
「仁尾酢(におす)」(税込400円~)は、1741年創業の「中橋造酢」が作る伝統的な産品。芳醇な香りが特徴で、これを料理に使うと一気に「香川の料理」感が出ます。
「100%SOY生キャラメル」(税込510円~)は、ヴィーガン対応をしたスイーツ。乳製品アレルギーの子どもを持つ地域の若手農家が、「アレルギーのある子どもも安心してお菓子を楽しんでほしい」という想いで作りました。
原材料に地域の農産品を使っており、おみやげにぴったりです。
「三豊コーラ」(税込2,950円)は、クラフトコーラのシロップ。三豊市で取れる曽保(そお)みかんをベースに、父母ヶ浜で取れる塩や、在来品種の唐辛子・香川本鷹(かがわほんたか)などを味のアクセントに使っています。
炭酸水で割るだけでなく、牛乳で割ってもおいしく飲めます。
伝統工芸品
「讃岐かがり手まり」(税込1,760円~)は、三豊市でつくられている香川県の伝統工芸品。草木染により手染めした木綿糸を使って作られており、置物やスマートフォンのストラップなどにも使えます。
「張子虎」(税込6,000円)も、香川県の伝統工芸品。子どもの健やかな成長を祈る縁起物として飾られてきたものです。「讃岐かがり手まり」と同様、三豊市内に住む伝統工芸士の職人が制作しています。
アイデアグッズ
このほか、父母ヶ浜の砂を使った砂時計(税込2,500円)といった、旅の思い出になるグッズも。
地域の印刷会社が制作しているメモ帳やアイデアグッズも販売しています。こちらは、手軽に持ち帰れるおみやげとしても最適です。
特別な思い出をつくろう
父母ヶ浜のポストカードやクリアファイルも販売
温かいストーリー性に満ちた地域ならではの、ユニークな仕掛けがある「百歳書店」。父母ヶ浜の絶景を楽しむとともに、このお店で地域の想いに触れ、特別な思い出を作ってはいかがでしょうか?
父母ヶ浜の歴史や清掃ボランティア活動に関しては、三豊市観光交流局の公式HPに詳細が紹介されています。こちらもぜひチェックを。
In cooperation with 百歳書店
企業のIR/CSR分野のPR、国際協力分野の情報誌編集を経て、2017年10月にMATCHAに参加しました。2019年4月から香川県三豊市に移住。訪日観光客向けの記事を書くほか、地域おこしにも携わっています。
インターネットサービスやレンタカー、ホテルなどのほか、また西日本の観光スポットの記事を主に担当しています。