高松はこう遊ぶ!「ことでん」で行く定番1日旅
香川県高松の定番路線とは? その答えは「琴平線」! 「1日フリーきっぷ」があれば、高松の有名観光地を自由にまわることができ、このほかにもあなただけの「高松の景色」を発見できるかもしれません!
海だけじゃない、高松の魅力
直行便の就航、瀬戸内国際芸術祭の人気拡大、香川県高松市は世界に知られる観光地となりました。高松観光と言えば、瀬戸内海を見に行く旅行者が多いことでしょう。
しかし実際のところ、高松にやってきたら定番の観光地は海に出る必要はなく、電車に乗っていれば十分に楽しめます。今回は「ことでん」に乗って旅に出ましょう!
日帰り旅行で欠かすことのできない「1日フリーきっぷ」
「ことでん」の正式名称は「高松琴平電気鉄道株式会社」。高松市内全体に広がる大切な交通手段で、旅行者が観光スポットへ向かうための重要な足となります。
「1日フリーきっぷ」は1日の内何度でも琴電を利用できる切符で、2つのデザインを展開しています。「ことちゃん版」と「電車版」などデザインを選べます。販売駅など詳しくはこちらをチェックしてください!
1日フリーきっぷ 大人1,230円、児童(6〜12歳)620円
※「ことちゃん版」の青色の方は大人用、ピンク色の方は児童用。
※「電車版」の電車は毎年変更されます。
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ことでんには、琴平線、志度(しど)線、長尾線の3路線があり、その代表は黄色い車両が目印の「琴平線」です。高松の主要な各観光スポットを巡るため、高松日帰り旅行でまず考えるべき交通手段です。では、1日乗車券を持ってさっそく乗車してみましょう!
高松築港駅:「高松城」で在りし日の高松の姿を偲ぶ
1つ目の観光スポットは、琴平線の始発駅「高松築港駅」の近くにある日本3大水城の1つ「高松城」。
天守台(※1)に上ると、城跡を一望でき、海を拠り所に生活してきた高松の在りし日の姿をうかがえます。
港は重要な地で、現在天守閣など建築物の多くはありませんが、水門跡や、かつて城と海を直接つなぐ出入り口として使われた水手御門(みずのてごもん)などが残り、この土地と海との関係性を見てとることができます。
なお、現在の水手御門は海と繋がっていません。
※1:天守……日本の城郭に建てられるもっとも高い建築物のこと。その城のシンボルとなる。
今日の高松城跡は別名「玉藻公園」とも呼ばれており、城跡のほかにも日本庭園の「披雲閣(ひうんかく)」があります。
朝、早い時間帯に「玉藻公園」へやってくると、太陽の光が木々の葉から漏れ地面を照らします。都会ではなかなか出会えない、静かな時間を過ごすことができます。このほかにも高松城を楽しむ方法として、「高松築港駅」のホームがあります。
写真提供:高松琴平電気鉄道
ことでん「高松築港駅」は玉藻公園に隣接し、園内の天守台から電車の出入りを見ることができます。
そして同様に、駅のホームから高松城跡を見ることもでき、ことでんに乗車すると、電車は公園を半周するようなルートを通るので、別の角度から高松城を眺めることが可能です。
ことでんが高松城と一緒に収まる風景は、多くの人の「撮影したい」という気持ちをかき立てることでしょう。
栗林公園駅:日本有数の名勝「栗林公園」で憩いのひとときを過ごす
高松城から3駅の距離にある、高松市のもう1つのかならず訪れたい観光スポットが「栗林公園」です。
日本の特別名勝(※2)に指定されている「栗林公園」は、高松藩主(※3)の私邸の跡地で、名前に「公園」とついているものの、実際は巨大な「日本庭園」です。面積は16.2ヘクタール、日本の特別名勝に指定されている庭園の中で最大です。
また、ミシュラン・グリーンガイド・ジャポンで3つ星に選ばれたこともあるほど見事な庭園です。
※2:特別名勝……文化財保護法により指定された名勝(優れた景観をもつ記念物)のうち、特に価値の高さが認められたもの。
※3:藩主……江戸時代(1603年 – 1868年)において、日本各地を治めていた地方領主のこと。彼らの治めた土地のことを「藩」と呼ぶ。高松藩(現在の香川県)、金沢藩(現在の石川県)など。
紫雲山(しうんざん)を借景(※4)した栗林公園の景色は非常に美しく、園内には6つの池、13の人工山があります。1400株以上の松の木、このほかにも梅や桜、楓が咲き誇り、四季折々の景色を楽しめます。
※4:借景(しゃっけい)……庭園の眺めに庭園外の景色を利用すること。
園内にはさらに抹茶や季節の和菓子をいただける「茶屋」もあります。また、茶屋の中から栗林公園を観賞すると、襖に四方を囲まれている感じがして、さらに美しい美景を楽しめます。
もっともオススメは、園内にある小山「飛来峰」から見る景色です。そこからは、紫雲山、偃月橋、南湖のハート形つつじなど、栗林公園の見所を一望できます。南湖にはときどき小船も浮かんでおり、それもまた趣を感じさせます。
栗林公園は、一歩進むごとに景色が移り変わります。そのため園内にはボランティアガイドがいて、観光客を無料で案内してくれるのです。栗林公園の木々、花々の物語にぜひ耳を傾けてください(ガイドは日本語のみ)。
琴電琴平駅:400年の歴史をもつ「虎屋」で高松名物のうどんを食す
「うどんの国」香川に来たら、もちろんうどんは欠かせません! 次の目的地「金刀比羅宮」に向かう前に、まずはうどんで腹ごしえです!
金刀比羅宮に続く階段の入り口にある「虎屋」は間も無く創業400年になる店です。最初は旅館を経営しており、今上天皇皇后両陛下も宿泊になったこともあったそうです。
うどん専門店へ姿を変えたのは1984年のこと。しかし現在も古きよき雰囲気の漂う旅館建築や細やかな彫刻は保存されています。至る所で見つけられる“虎”の彫刻にも注目してください。
虎屋のうどんの特徴はやや濃いめの汁ともちもちした麺です。一気に食べ進めてしまい、思わずもう1杯と言ってしまうほどのおいしさです。オススメは「天ぷらうどん」。
400年の歴史を誇る建物の中で、代々受け継がれてきた1杯のおいしさを味わう、これこそ「虎屋」でしかできない特別な経験です。店員さんは全員長く働いてこられたおばあちゃんたちで、動きがゆっくりのときもありますが、それはご愛嬌です。
琴電琴平駅:高松随一の名所「金刀比羅宮」で開運祈願
琴平線でもっとも代表的で重要な観光スポットが「金刀比羅宮(ことひらぐう:通称こんぴらさん)」です。「一生に一度はこんぴら参り」とも言われてきた金刀比羅宮ですが、参拝するためにはまず1368段の階段を登らなければなりません。
山の中腹にある神社ではありますが、祀られているのは、海の神様である「大物主神(おおものぬしのかみ)」、「崇徳天皇(すとくてんのう)」です。そのためかつては多くの航運関係者が船に乗り、金刀比羅宮を参拝しました。
現在琴平線「琴電琴平駅」近くに残る「高燈籠」は、彼らが船で参拝する際の目印として用いられてきたものです。
船のほかに、陸路でここに向かう信者も多くいました。しかしその道のりは遠く、気軽に行けるものではありません。
そこで、江戸時代には、飼い犬に自分の願いを預け、代わりに参拝させる「こんぴら狗」が生まれました。旅人に預けられ長い道のりを歩んだこんぴら狗の姿は、現在かわいい銅像になって残っています。
785段の階段を上ると御本宮に到着です。
御本宮の横にある展望台からは讃岐富士(「讃岐=香川県」の富士山の意味)とも呼ばれる名峰「飯野山」と讃岐平野を見渡すことができ、御祭神である大物主神と崇徳天皇がこのように香川の地を見守ってきたのだと想像することもできます。
多くの参拝客は御本宮を目標にやってきますが、さらに583段の階段を上ると奧社に到着です。ここからの眺めはまた違うので、足に自信がある人はぜひ行ってみてください!
参拝後は金刀比羅宮限定の「幸福の黄色いお守り」や「笑顔元気くん守り」をお受けできます(※初穂料が必要となります)。「開運こんぴら狗みくじ」を引くこともできるので、自分の運勢を占ってみましょう!
仏生山駅:「仏生山温泉」で旅の疲れを癒やす
金刀比羅宮の長い階段を登り終わったら、温泉に向けて出発です! 汗と疲労を流しに行きましょう!
「仏生山温泉」とは、なかなか古めかしい名前ですが、実際は新しくてとてもおしゃれな浴場です。
写真提供:仏生山温泉
2005年に誕生した「仏生山温泉」は、その良質な温泉と明るさや、ゆったりとした雰囲気、圧迫感がない開放的な空間が魅力。さらに温泉だけでなく「読書の楽しみ」も味わうことができます。
ここでは自分な好きな本を持ってきて、温泉に浸かりながら読むことができます。本を忘れても大丈夫。仏生山温泉の公共スペースである「50m書店」にて、厳選された古本を買い求めることができます。
このほかにも地元の雑貨や、おみやげも販売していて、温泉以外も楽しめる場所となっています。
瓦町駅:高松の買い物は、なんでもそろう「瓦町FLAG」で
1日高松の観光スポットをめぐり、温泉で元気を回復した後は、ショッピングに出かけましょう! 「瓦町FLAG」は高松市内でもっともアクセスが便利な瓦町駅にあり、駅に直結しています。さっそく買い物のスタートです。
ここには日本のセレクトショップ「BEAMS」の西日本最大店舗があり、広々とした空間で自分の好きなものを選べます。試着も可能です。
BEAMS以外では女の子が大好きな日本ブランド、雑貨の店、そしてお母さんと赤ちゃんの店「アカチャンホンポ」もあります。
さて、女性陣がショッピングに没頭してしまっても、彼氏やお父さんは心配ありません。
ここには室内のキッズスペースがあり、お父さんは子どもとここで楽しむことができ、お母さんが戦利品を持って帰って来るのを待つこともできます。彼氏は書店で時間を潰したり、ガチャガチャで自分の好きなものを探したりすることもできます。
日本旅行で欠かすことのできない100円ショップやドラッグストア、スーパーもあり、1回で全てをそろえることができるので非常に便利です。
片原町駅:うどんに負けない高松名物、骨付鳥を「蘭丸」で食す
1日の疲れはおいしいご飯で癒しましょう!
香川の定番グルメとしてうどん以外にも「骨付鳥」があります。「骨付鳥」とは骨のついた鳥のモモ肉で、醤油に漬け込んだ鶏肉を焼き、胡椒をかけています。柔らかくてあっさりとし、うどんと共に香川では絶対に食べたい料理の1つです。
今回オススメするのは、片原町商店街にある人気居酒屋「蘭丸」。ここでは骨付鳥のほかにも、瀬戸内海の新鮮な刺身や讃岐牛などがいただけ、満足すること間違いなしです!
「骨付鳥」には「おや」と「ひな」の2種類があり、肉質が異なります。
「おや」は肉質がしっかりしていて、噛めば噛むほど香りがたちます。「ひな」は柔らかく、簡単に噛み切れます。蘭丸の骨付鳥は食べやすいようにカットされていて、どちらもキャベツと一緒に食べるのが正しい食べ方です。
「蘭丸」には中国語、英語対応の店員さんもいるので、メニューが読めないと心配することはありません。また味付けはやや濃いめなので、飲み物も一緒にいただくようにしましょう。
気ままに巡り、“あなただけの高松旅”をデザインしましょう
写真提供:高松琴平電気鉄道
定番路線の「琴平線」は1本の路線なので乗り換える必要がなく、高松城から旅行をスタートしても、もしくは金刀比羅宮での参拝からスタートしても、とても便利で、迷うことはありません。
「1日フリーきっぷ」を持って、高松で最も人気路線に乗り込み自由に探検の旅に出かけましょう。旅中にさまざまな発見があり、あなただけの高松の風景に出会えるでしょう。
高松琴平電気鉄道公式ホームページ:http://www.kotoden.co.jp/
Written by Chia
Sponsored by 高松琴平電気鉄道
※本記事は繁体字版の記事を翻訳・再編集したものです。